ふぅ、無事終わったな。なんとか怪しまれない事が出来た。まあ、カヤと協力するつもりは無いがな。カヤにはやらなければならない事が多くあるからと伝えた。しかし原作大好きな私がカヤに協力する訳もない。これから幾ら待ってもカヤに連絡げ行くことは無いだろう。それはそれとして早いとこアリスと合流してラビット小隊を迎えに行かないとな。
そう思いアリスを探す。おっ、いたいた。アリスは入り口付近のベンチに微動だにせず座っている。その表情は真顔だった……待たせちゃったかな。
スタスタ
「待たせてごめんな、アリス」
アリスへと近づき声をかける。するとアリスは先程までの真顔を崩し僅かに微笑み答えた。
「いえ、問題ありません。それよりアドラはカヤさんと何を話していたのですか?」
「えっと、SRT復活の為に協力しませんか?って提案されたな。でもまあ、今の所協力するつもりは無いかな」
「なるほど、理解しました。それで次は何をするのですか?」
「次はな、ヴァルキューレ警察学校に向かう」
アリスは不思議そうに首を傾げて問いかけてくる。
「……何故ですか?アドラにはヴァルキューレには用事が無かったはずですが」
まあ、そう思うのも当然か。私は今までアリスにゴツメと依頼を受けに行く所とホテルでの生活しか見せてなかったし。
「SRTのラビット小隊、それを引き取りに行くんだ。ラビット小隊の処遇は私に一任されているからな」
「……?、何故そんな事をするのですか?」
アリスは未だに不思議そうにしながらまあ問いかけてきた。あれっ、そう言えば私今回アリスに行動目標言ったっけ?……
言ってなかった気がする。でもなんで言うかな?ラビット小隊には別の言い訳、カヤに言ったSRT復活のためって伝えるつもりでいたけど。アリスにこれ言った所で違和感しかないよな、今までそんな素振り見せてなかったし。ここはあれを使うか……
「私の夢の為に必要だからだよ」
「アドラの夢……キヴォトスにハッピーエンドをもたらす為に必要と言う事ですか。ですが具体的にハッピーエンドとはどう言う状態を指すのですか?」
………なんて答えれば良いんだこれ?本当なら原作の終わりを無事通過する事なんだが、いきなり私は転生してブルアカの世界に来てって言っても混乱させるだけだよな。…もっと分かりやすく、原作どうのこうの言わないで伝える。そうだな、もっと根本的な所だ。言うとすれば
「キヴォトスの生徒全員が夢を目指せる状態にする事だ」
こうだな、原作のルートを守ると言う事は先生の代わりをすると言う事、その先生が目指す先と言えばこれのはずだ。
「理解しました。これで私もアドラの夢を手伝えそうです」
「それは頼もしいな、それじゃあ行くか」
そう言うと、二人でヴァルキューレに向けて歩き出した。
ヴァルキューレロビー
「それで一体何が目的ですか?」
今現在、私はミヤコに……いやラビット小隊全員に質問攻めを喰らっていた。内容は当然、なぜラビット小隊の処遇を私に任せたのかである。さて、はったりが通じると良いが
「それは、私がSRT復活を願う者の一人だからです」
「貴方が、ですか?」
「はい、SRTの活躍は前から聞いていましたから。なので貴方達にはSRT復活の為に行動し続けて欲しいのです」
そう答えるとサキが反論をしてきた。
「なら、なんで私達をヴァルキューレに突き出したんだ?矛盾してるじゃないか!」
「それに関しては、あのままデモを続けていては、いつかは捕まって矯正局に連れていかれそうなのでしました」
「そんな事は無い、実際お前が来るまではヴァルキューレの生徒に優勢を保ち続けていた」
「本当にそうでしょうか?貴方達には物質補給の余裕が無かったはずです。いつかは銃弾すらまともに用意出来なくなっていたでしょう」
「それは……」
私の言葉にサキが言い淀む。すると今度はモエが尋ねて来た。
「それはまあそうだとしても、結局あんたはSRTのなんなの?」
「先程言った通り、私はSRTが復活した方が都合がいいだけです。特にSRTとは関係がありません」
そこからも何度も同じような質問が繰り返された。しかし私の意見が変わる事は無かった。そりゃそうだ。私にはこれ以外に答えようが無いからな。するともう何度聞いても変わらないと思ったのかミヤコは別の質問をした。
「はぁ、これ以上尋ねても答えは変わらなそうですね。それで、貴方は私達の処遇をどうするつもりですか?」
「私はずっと言っていた通り貴方達にSRT復活の為に活動を続けて欲しいです。ですがこのままデモを続けていると貴方達は今度こそ矯正局に向かってしまう。ですから、貴方達の処遇はデモをやめることです」
「そ、それだけですか?命令に従わせたりは?」
「しません、貴方達ならこれでもSRT復活を待ち続けるでしょう。他の学園に入らずとも」
「ですから、これからは何処で何をしようと貴方達の自由です。何処にいきますか?それだけ教えて下さい」
「それでは私達は子うさぎ公園に行こうと思います」
「まあそれしかないだろうな、後勘違いするなミヤコ。今のお前は小隊長じゃない。勝手に決めるな」
うわー、分かってたけどギスギスしてるな。これをどうにかするの?私が?思わずため息が出そうだ。ま、まあとりあえず子うさぎ公園に向かうのでいいのかな、そう思い尋ねるとラビット小隊はうなずきヴァルキューレを去って行った。それを見届けた後アリスに話しかける。
「帰るか、アリス」
「はい、帰りましょうアドラ」
おはよう世界、今日はあれからホテルに帰ってごゆっくりと寝た翌日だ。さて早速朝ごはんを用意しよう。……いやそうじゃない。そう言えばラビット小隊の居場所がわかったからご飯を持っていくつもりだったんだ。コンビニおにぎりとかで良いかな?良いよな。それじゃあエンジェル24に……とその前にアリスに伝えてから行かないとな
ユサユサ
アリスを揺すり、起こす。するとアリスは目をぱっちりと開け、こちらを見た。
「おはようございます、アドラ」
「おはようアリス、それで起きてすぐで悪いんだが私は今から子うさぎ公園に行ってくる。朝ごはんなら冷蔵庫の中にあるからそれを食べて、その後は適当に過ごしておいてくれ。遅くてもお昼までには帰ってくると思うから」
「いえ、それなら私もアドラと一緒に子うさぎ公園に行きます」
……アリスはいつも私に着いてくるな。やっぱりあの時の大怪我で心配させてしまっているのだろうか。それとも今までずっと私に着いて来させていた名残りだろうか?
「アリス、私は無事に帰ってくるから心配しなくても大丈夫だ」
「アドラ、私は貴方を心配しているのも事実ですが単純に一緒に居たいと言う理由もあります。それでも、ダメでしょうか?」
「……アドラ?」
「……いや、それなら大丈夫だ。準備するからちょっと待っていてくれ」
そう伝えると、アリスはベットに座り込む。
………危なかった。余りの可愛さに意識が飛ぶ所だった。大袈裟だって?そう思うなら自分の好きな原作キャラに貴方と一緒に居たいと言われてみろ。飛ぶぞ。
それから三分後
ふぅ、だいぶ落ち着いて来た。改めて子うさぎ公園に向かうとしよう。
「アリス、準備が終わった。行くぞ」
「はい、いきましょう」
ホテルを出てエンジェル24向かいおにぎり八つとお茶を四本買う。これはラビット小隊用だ。後は……私とアリスのか?
「アリス、ここで朝ごはんを買うんだが何を食べたい?」
そう尋ねると、アリスは辺りを見渡す。そして
「あれが食べたいです」
卵サンドイッチを指差した。
「分かった、あのサンドイッチだな」
ガサツ
カゴにサンドイッチを二つ入れる。後は私の分だか……あんぱんでいいか。美味しそうだしな。そう思い追加であんぱんをカゴに入れレジへと持っていく。
「すいません、お会計お願いします」
「はい合計二千九百円です」
「これでお願いします」
「はい、丁度ですね。お買い上げありがとうございます」
レジ袋に入った商品を受け取り、外に出る。さあ次は子うさぎ公園だ。