あれから十数分、私達は無事に子うさぎ公園に辿り着く事が出来た。
スタスタ
ラビット小隊のテントへと歩いていく。そうして私の足がテントまで後100メートルの地面を踏んだ、その瞬間
ドカン
足元が爆発した。……地雷か、そう言えば原作でもそうだったな。って事は周りにも後何個か埋まってる筈だ。そう思い改めて辺りを見てみる。すると地面が少し盛り上がっている所が何箇所も見えた。……ついでに警戒心マシマシのアリスも、警戒解いてくれるかなこれ
「……アリス、私は大丈夫だから銃を下ろしてくれ」
「否定、周囲への警戒を続けます」
「本当に大丈夫だアリス、この地雷を埋めたのは私達の敵じゃない」
「それでは一体誰がこの地雷を仕掛けたのですか?」
「それはすぐに分かる」
だって自分達の設置した地雷が爆発したんだからな、必ず確認にくる筈だ。
ザッザッザッ
「これを仕掛けたのはラビット小隊、そうですよね。ミヤコさん」
物音がした茂みに向けて話しかける
「はい、その通りですアドラさん。そして私達に貴方と敵対する意思はありません」
「ほら、大丈夫だアリス」
「……分りました。ですが敵対してくる様ならば容赦なく撃ちます」
そう言うとアリスはしぶしぶ銃を下ろした……ひとまずはラビット小隊と戦う事はなさそうだな。
「それで、アドラさんはどうしてここに来たのですか?」
「えっと、その話をするならラビット小隊を全員いる状態の方が良いですね。ですから取り敢えずテントに行きましょう」
「……分りました」
「それで改めて訊きますが一体何の様ですか?」
テントの近く、ラビット小隊全員の前でミヤコに尋ねられる
「私が来た理由は貴方達に朝ごはんをあげる為です。SRTを抜けたという事はまとな食事もないのではないかと思いまして」
そう答えながらレジ袋からおにぎりを取り出す。すると四人の視線が少しの間おにぎりの方へと向いた。やっぱりお腹が空いているようだ。
「……何が目的ですか?」
「ただの哀れみなら私は受けとらないぞ」
「そんなまさか、言ったはずです。私はSRTを復活させたいと、その為には貴方達が餓死したら困るんです。これは哀れみではありません、しっかりと私に得があっての行動です」
「さあ、是非食べてください」
「まあ、そういう事なら……」
モエがおにぎりへ向けて手を伸ばしてくる。よしこれで……
「待ってくださいモエ」
その時ミヤコがモエの体を引き戻した。……チッもう少しでいけそうだったのに、ミヤコはガードが硬いな。
「こんな怪しい人が持って来た物、きっと何か仕込まれている筈です」
「まあそうかもだけどさ、お腹空いてるし…」
「それでもです、それにSRTでも空腹に耐える訓練はしたはずです」
「ミヤコの言う通りだ。こいつの持って来た物を食べるくらいなら何も食べない方がマシだ」
……まずいな、このまま食べない方向に話が進むととラビット小隊がご飯に辿り着く方法が無くなる。いや、案外どうにかなったりするのか?なんて言ったって超がつくほどのエリート学校の生徒だ。原作ではああだっただけで本来なら自分達だけでどうにかなったのかもしれない。となると放置しておくべきか。でもなあ、これで如何にもならなかったらラビット小隊は餓死するんだよな。自分の好きなキャラクターが死ぬ所は見たくないし、う〜ん。あっ、良い事思いついた。
「そう言う訳ですから、私達は食べませんので」
「はい分りました、それではまた」
「いえ、もう来ないでください」
そんな言葉を尻目にアリスを連れて子うさぎ公園を離れる。それじゃあ早速向かうとしよう、先生のいる病院へ
さて、先生は一階の一番奥の部屋だったな。
ガチャ
扉を開けて部屋に入る。するとベットに横になった先生が笑顔で出迎えてくれた。
"久しぶりだねアドラ、アリス"
「ああ、久しぶり先生。お見舞いにりんご買って来たんだけど食べるか?」
そう言いながらりんごを取り出す。このりんごは流石に手ぶらじゃ悪いと思って途中で買って来た物だ。食べてくれると良いが
"う〜ん"
あれっ、食べないのか?でも前来た時には食べてたよな。……もしかして、体の調子が良くないのか。そうじゃなきゃ食べる筈だし、しょうがない。これはまた家で食べるとしよう。
「いや先生食べられないなら良いんだ。それで本題なんだが」
りんごをレジ袋に戻しながら話しかける。すると先生は勢いよく言った
"待って、食べられるから"
「…?じゃあ何で唸ってたんだ?」
食べられるのに食べようとしない。まさか……りんごが苦手!
もしや私は先生に無理してりんごを食べさせていたのか?いや先生に限ってそんな事あるはず、……じゃあ本当に何で?
「いやその、出来れば一緒に食べたいなって」
なるほど、流石先生。生徒に対するコミュニケーションに抜かりがない。でも謎だな、ヒナに対してデートとか浮ついた事も言ってたのに、私とりんごを一緒に食べるくらいで悩むか?
「なんだ、そんな事か。そのくらいなら言ってくれれば普通にするぞ、しかし意外だな先生は生徒と何かを一緒に食べるくらい普通にすると思ってた」
"たしかに仲の良い生徒相手ならそうなんだけどね、アドラとはまだ三回しか会ってないからもしかしたら嫌かなと思って…"
「なるほど、でもさっきも言った通りそのくらいなら大丈夫だ。それに私は先生と仲が良いつもりでいるしな。是非一緒に食べよう。あっ、アリスも一緒に食べても良いか?」
"勿論だよ"
先生が笑顔で答える。それなら遠慮なく、りんごを二切れ爪楊枝で刺して片方をアリスに差し出す。
「ほらっ、どうぞアリス」
「ありがとうございます」
そしてもう片方を一口齧った。甘い、美味しい、もう一口もう一口とどんどん食べ進める。するとあっという間にりんごが一切れ無くなってしまった。……もう一切れ食べるか。
シャクシャク
りんごを一切れ突き刺してまた食べ始める。今度はゆっくりと味合わないとな。
「そういえばさっき本題って言ってたよね、何かあったの?」
「ああ、実は知り合いにご飯に困っている子達がいてな、先生に力を貸して欲しいんだ」
そう言った瞬間先生の雰囲気が変わった。先程までとは違い真剣な表情でこちらを見ている。
「分かった、力を貸すよ何をすれば良い?」
……即答か、実際見ると心配になってくるな。でも、今回は存分に頼らせてもらうとしよう。
「ありがとう先生、それじゃあ先生にはエンジェル24に廃棄弁当を渡す様に連絡して欲しい。そしたらあの子達に受け取りに行ってもらうから」
「任せて、それと他にも手伝える事はない?」
「あるにはあると思うが、今先生は入院中なんだから大丈夫だ。それだけしてくれれば十二分、むしろ入院中なのにここまでしてくれてすごくありがたいよ」
「それでも私は先生だからね、生徒の為に出来る限りの事はしてあげたいんだ」
大丈夫だ先生、エデン条約が終わったらこれでもかってくらい頑張ってもらうから
「だったら早く体を治してくれ、そしたら全力で頼らせてもらうから」
「……うん、頑張るね。今日はお見舞いありがとう」
「ああ、またな先生」
ガチャ