魔法少女だけが戦う世界で、男が生き残る術とは? A.映画ボスを集めます 作:異星人アリエン
『お願いします! あたしたちを鍛えてください!』
『自分の不甲斐なさを乗り越えるために、強くなりたいのです。お願いします……!』
『お〜ほっほぉ〜! わたくしたちに頼むだなんて、見る目がありますわねぇ〜!』
『んー……、めんどくさいけどぉ。後輩からの頼みだし、ひと肌脱いであげる〜』
『二人の技量はすでに並の魔法少女を凌駕しております。ですが、お二人が欲しいのはそんな言葉ではないのでしょうね。わかりました、私たちも先輩魔法少女として、貴方たち二人をビシバシ指導して参ります』
そんなやり取りが《オーレオール》と《ビックスリー》の間で交わされたのが、前日のこと。いわゆる修行だ。今頃、焔ちゃんと澪は凪沙たちに鍛えられているだろう。『魔法少女マギアイリス』にあった流れだ。
ちなみにこの後、新たな必殺技の習得に焔ちゃんと澪は苦戦する。しかし、そこに再び現れた《セブンスター》……というより、メスレスが邪魔しにきたおかげで、必殺技の習得ができた。ちなみに、《双星の魔女》編での《セブンスター》の出番はこれのみである。
そんな最中で、俺はというと。
「いっくよぉ〜! せなぱ〜んちっ!」
「ぐわぁ〜、やられた〜!」
情報収集も兼ねて、大金持のもとを訪れ、そこで幼稚園児くらいの小さな女の子と遊んでいた。
「勝った〜! わはは〜、まほーしょうじょせなは、悪を見逃さないのだ!」
俺を倒したことに喜ぶ幼女。
大金持の娘、
当然、原作の『魔法少女マギアイリス』に存在する人物ではない。俺が魔法少女だった大金持の奥さんを助け、大金持が結婚したことで生まれた子だ。
本来の物語なら、この世に生まれることすらなかった。
これまで原作を変えるために色々と動いてきたが、星奈ちゃんはその成果を象徴する存在の一人でもある。
「はっはっは。随分と楽しそうですな」
「大金持」
「パパ!」
「パパでちゅよぉ〜♡ 星奈ちゅあん、遊んでもらえてよかったでちゅね〜!」
「うん! いっしょに遊ぶとたのしいの!」
ふっ、光莉とのごっこ遊びで、何度悪役をやったと思っている。
子どもを喜ばせるためなら、本気で取り組むに決まっているだろう。おかげで、星奈ちゃんも随分と嬉しそうだ。
「あのねあのね、やくもくんと遊ぶと楽しいの! だからせなは、やくもくんとけっこんするー!」
その言葉はまずい!
古今東西、父親というものは、娘が『この人と結婚する!』などと言おうものなら、その相手を血涙を流しながら般若のような顔で睨み、『殺す……』と呟くものだ!
俺は父親という存在は縁遠かったから、よくわからないが漫画とかで読む限り、そういう存在だったはずだ。
恐る恐る大金持の顔を見るが、いつも通り星奈ちゃんにデレデレした顔のままだ。
「はっはっは。それはそれは。星奈ちゅあんは、慧眼でちゅね〜。彼を選ぶなんて。……ご安心ください、八雲殿」
「大金持?」
「子どもの言うことですから、嫉妬に駆られるなどと、醜い姿を見せることはございませんよ」
「大金持……」
「ただ、星奈ちゅあん。本気ならばパパに言いなさい。全力でバックアップした上で、必ず結婚させてみせるからねぇ〜」
「大金持!!?」
「わぁ〜い! パパ大好き〜!」
なんてことを娘に話すんだ。
冗談……じゃない、あの目は本気だ。子どもの言葉を、大人の方が誰よりも本気にしている。
「さしあたって問題はやはりムラサメ殿と歌音殿ですかね。とはいえ、実体が妖刀ゆえに成長しないムラサメ殿ならば、星奈が将来美人に育つのが確定的に明らかである以上、勝ちの目は十分にある。そうなればやはりネックなのは、歌音殿ですか。あの人は、自他ともに認めるこの国屈指の
「本気過ぎないか……!?」
こ、これが権力。これが財力か!?
あらがえない、圧倒的なまでの金の力。一般庶民の俺は、このまま大金持の筋書き通りになるしかないのか……!?
「こら、あなた。八雲くんが、困っているでしょう?」
「ママ!」
「いたっ、ひどいではないか」
そこに、髪を結った一人の女性が現れた。
大金持の奥さんだった。彼女は、真面目な顔で思案していた大金持の頭にチョップを入れる。
割といい音が鳴った。
「ごめんね、八雲くん。この人、星奈と私のことになると、デレデレのダメ親父になるから。もっと、ビシッと言っても良いわ。親バカ野郎って」
「い、いえ。彼にもいつもお世話になっているので」
すげぇな、仮にも大金持グループの総帥をボロクソに言ってやがる。
『黄金の摩天楼/エル・ドラード』じゃ、大金持の恋人という設定しかなく、性格まではわからなかったが、かなり女傑みたいな性格の女性だった。
まぁ、当時御曹司であった大金持に尻込みしなかった時点で、その片鱗はあったのだろう。俺が視聴した当時はそうとは思わなかっただけで。
「ふわぁ……」
「あら、星奈眠い? ならちょっとお昼寝しましょうか」
「やぁだ、まだあそびたい〜……」
「わがまま言わないの。それじゃあ、あなたと八雲くん。またね」
そのまま星奈ちゃんを連れて去っていく。
俺は手を振り、大金持はデレデレした様子で二人を見送った。
「さて、八雲殿。セフィリアとクリフィアのことですが」
「緩急の差がすごいな」
真面目な顔に、スッとなる大金持。
「今のところ、あの二人の足取りを追えてはいません。神出鬼没に現れては、
「やはりそうなるか。だけど、まずいな……」
「えぇ。世間の不安もかなり高まっています。早急な対応が必要なのですが、わからない以上どうすることもできません」
なんとかしたいが、俺の近くに現れるのを待つしかないのが歯痒いな。
セフィリアとクリフィアが神出鬼没に現れるのは、原作だと黒井が残した《魔法執行機関》の秘密の通路を使用していたからだ。じゃあ、なんで《魔法執行機関》が把握してないんだよって話になる。だが、非公式組織ゆえの杜撰さというべきか、秘密通路の中には監視カメラすら設置されていない場所が多いのだ。
通路そのものは把握していても、監視設備がないため、誰がどこを使ったのかまでは追えない。
おかげで随分と利用されたようである。
アニメ特有の、組織ガバガバ理論である。いや、真面目に動かれたらすぐに話が終わるのはわかるけど、無能すぎたらそれはそれで困る。被害受けるの、魔法少女だし。
悩む俺に、大金持は話を持ちかけてくる。
「それと別件なのですが、実は折り入って頼みがございまして」
「頼み?」
「えぇ、私の私兵である《セキュリティ・キーパー》と模擬戦をしてもらいたいのです。一緒に来てもらい、早々に別室でお酒を飲んでいるムラサメ殿と一緒に」
悪い大人の顔で、大金持はそう告げた。
◇
映画ボス。
それはその映画を象徴する存在。言い換えれば、倒すべきラスボス。
さて、そんな彼らに付き物ともいえる存在がある。
それは
これまでの映画ボスは、よくも悪くも一個人に過ぎなかった。
『
どちらも敵としては映画に相応しい力を持っていたが、言い換えれば、その映画でボス役を担ったに過ぎない。
何せ寧々子は見方を変えれば悪に落ちた魔法少女に過ぎないし、アルヴィオス伯爵も《ディスナンド》の一幹部でしかなかった。
《セキュリティ・キーパー》。
それは『黄金の摩天楼/エル・ドラード』における大金持財参の私兵。全員が、金に物を言わせた軍人顔負けの装備に身を包み、大金持に逆らう者を実力でもって排除する。
その数、実に100人以上。とんでもない数である。
とはいえ、だ。
ここは魔法少女だけが戦う『魔法少女マギアイリス』の世界。当然主役は魔法少女たちであり、それ以外の存在は無力に等しい。
映画ボスである大金持を倒さねばならぬ以上、《セキュリティ・キーパー》に割いている尺などない。映画は一時間半しかないのだ。
なので彼らの役割は、魔法少女たちの見せ場を作ること。
いわゆる咬ませ犬である。
魔法少女たちが鮮烈なアクションで彼らをバッタバタ倒していく様子は、無双ゲーを彷彿とさせた。実際、見応え十分で男の俺でも興奮するくらいには特撮みたいなアクションだった。
さて、大金持の前座で悲しい存在である《セキュリティ・キーパー》であるが、別に戦うだけが仕事ではない。
索敵、裏工作、監視など俺が一人ではできないことを彼らはやってくれる。いわば〝モノクローム〟にとっての目や耳に等しい存在だ。
だが、《セキュリティ・キーパー》の本業は戦うことであるのも事実。
俺は大金持に頼まれて、彼らと戦うことになった。
「〝鬼祓門〟」
「ぐあぁぁぁッッッ!!?」
《ふははははぁッ! 手ぬるい、手ぬるいぞぉ!》
大金持グループの所有するビル。その地下室にて。
紫の炎が迸ると同時に、銃を持った兵士が複数吹き飛ばされた。もっとも、ムラサメの炎は人間に対して熱を持たない。
それでも攻撃そのものに衝撃はあるため、当然威力は抑えてある。
《ワガハイと主様をこの程度で倒そうなどと、四百年早いわ!》
「うん、わかったからもうちょっと炎抑えようか」
かちゃかちゃと鯉口を鳴らしながら、時折炎が噴き出るムラサメ。普通に危ないから、もう少しテンションおさえてほしい。
「ぐっ、余裕ぶりやがって。目にもの見せてやる!」
「押せ押せ押せッ!」
「怯むなぁ! 相手を《ヤミノマ》だと思って全力でかかれッ!」
「お前なんか怖くねぇ、怖くねぇぜッ! うおぉぉぉ! 野郎、ぶっ殺してやあぁぁるぁぁッ!!!」
猛り、雄叫びをあげる《セキュリティ・キーパー》。
あのね、殺意がすっごいの。
『魔法少女マギアイリス』の世界にいちゃいけないほどに、口汚い言葉を使いながら血走った目で、《セキュリティ・キーパー》が俺に向けて銃を撃ってくる。
もちろん、銃弾は本物ではない。
《ヤミノマ》用に開発された特殊弾頭、人に当たっても、人体を撃ち抜くことはない。まぁ、結構痛くはあるらしいが。
その性能も、兵の動きも、かつてミスティリアと一緒に博物館に
ダダダッて銃声は鳴るし、たまに掠りそうになってヒュンッ、と甲高い音が耳元で聞こえる。こっわ。
「これは、俺も気を抜くと何発か喰らいそうだ」
《むっ、それはいかんぞ主様! ワガハイを使っておりながら、人に負けるなんぞ言語道断! 負けたらお仕置きじゃぞ!》
「それは困るな。なら、それなりに本気で行こうか」
当然、そんな情けない姿を見せるわけにはいかない。改めて気を引き締めて、ムラサメを強く握りしめ、模擬戦に挑む。
そして暫し時間が過ぎ──
「──そこまでです。制限時間を迎える前に全員が戦闘不能となったため、終了とします」
機械音と大金持の宣言で模擬戦が終わる。
辺りは死屍累々。いや、死んではないけどさ。《セキュリティ・キーパー》の面々が倒れ伏している。
結論、勝ちました。
まぁ、当然である。俺自身は
「うそだろ、息ひとつ乱していないぞ」
「不意を突いて放った砲弾が真っ二つに斬られた。動体視力どうなってるんだ」
「ばけものよ……」
《セキュリティ・キーパー》たちが、怪物を見るような目で俺を見ている。
そんなに怖がらなくても良いじゃないか……。大金持は《セキュリティ・キーパー》に休憩するように指示を出した。
「いやはや、やはり精鋭とはいえ、八雲殿には敵いませんでしたか」
「そんなことないさ。数の有利を活かした連携は見事だったよ。いや、ほんとうに」
特に常に回り込もうとしてくるのが厄介だった。
常に全周囲に気を配らなければいけないのは、なかなかに骨が折れた。
「ムラサメ殿、どうでしたかな? 《ヤミノマ》用の特殊弾の威力は?」
「ふむぅ、ワガハイの炎を突破することはできなんだが、それでも悪くなかったぞ。まぁ、《ディスナンド》の幹部もおらぬ、放置された《ヤミノマ》じゃったら良い勝負をするのではないか?」
「それはそれは。技術者たちも喜ぶでしょう」
「よく開発できたな。効果は薄くても、《ヤミノマ》相手に通じる弾ができたのは、普通に技術革新じゃないか?」
原作でも、結局人が携帯できる程度の銃火器じゃ太刀打ちできなかったし。
いったい何が起きたら、《ヤミノマ》に一般人が対抗できる技術を手に入れられるんだ?
「えぇ。《トライデント》のアクラーツでしたか。八雲殿が回収したワープする黒いモヤを発生させる杖。あれを解析したところ、ほんのわずかにですが、奴らの技術を再現することができたのですよ。おかげで、技術革新が起きたのです」
俺のせいだったわ!
そういえば、アクラーツはまず腕を斬ってから逃げられなくして仕留めたから、無事な杖を大金持に渡したんだった!
ま、まぁ、これで《セキュリティ・キーパー》が強くなれば、将来的に魔法少女が戦わなくても済む世界も近づくというわけだし問題ないか。
少なくとも、彼らは自分の意思で戦いを選んでいる。突然、魔法少女になってなし崩しに戦う羽目になったわけではない。
無理やり納得する俺。
その時、大金持がわずかに弾んだ声色で会話を切り出す。
「そうそう、技術革新といえば実はですね。あの機体……〝
「! ついにかッ!」
その言葉に俺は思わず目を輝かせた。
大金持 財参。
『魔法少女マギアイリス』において、人間でありながら映画ボスを張った異色の存在。
当然人間である彼は、《ディスナンド》のように負のエネルギーを利用したり、魔法少女のようにミラクルパワーを使うことはできない。
そんな彼を、映画ボスたらしめたのはズバリ、金に物を言わせた圧倒的なまでの軍事力と科学力。
かつて俺が秘密基地を大金持に作ってもらったときのような『かがくの ちからって すげー!』どころの騒ぎではない、まさにこの惑星の技術を結集させた最先端の技術を用いて作られた兵器。
そんな彼の代名詞ともいえる金にまつわる言葉を冠するこの機体。その力たるや、ビルを粉砕し、地表を更地にする。
もちろん、人型兵器に欠かせない巨大銃器やレーザー兵器も完備。
逆関節という、ロマン溢れる形態に相応しい運動性能を誇り、背部に配置された
更には劇中で披露されることはなかったが、変形機能も兼ね備えており、ジェット機みたいな形態で高速飛行も可能だという。
ロマンが過ぎる。てか、その様子を映画で見せてくれよ!
そんな超兵器こそが、大金持を映画ボスたらしめた存在なのだ。
率直に言おう。
世界観間違えてないか???
これってどちらかと言うと、人型兵器同士が争う世界に出るべき存在だろ。
《ヤミノマ》っていう人間以上の脅威がいるけどさ。
一応、設定によれば〝ゴールドラッシュ〟は《ヤミノマ》を倒せるくらいには力があるらしい。魔法少女だけが扱えるミラクルパワーがないのにだ。人の技術とは末恐ろしい。
でも、実際にその力を向けられたのは魔法少女なんだよな。
しかも、結構追い詰めていた。勝てたのだって、映画限定の必殺技によってだし。
そう考えると、『魔法少女マギアイリス』世界の技術力も侮れないんだよな。費用対効果を考えたら、魔法少女の方が安上がりだけど。
《セキュリティ・キーパー》の銃火器もだけど、《ヤミノマ》一体倒すのにいくらかかるんだよ。一日に数体は必ず現れるぞ。
魔法少女なら、素手でサクッと倒すことの方が多い。しかも、金もかけずに。
そんな俺の思考を他所に大金持は、感慨深げに語る。
「計画が建てられてから苦節五年。色々とありましたが、ここまで来れたのは八雲殿のおかげです。あなたを慕う寧々子殿や怪盗殿、歌音殿たち魔法少女たちの力添えもあってこそ。おかげで、どのようにすれば兵器として熟せるのか、良いデータが取れましたから」
「あぁ、正直ここまで早くできるとは思わなかったよ」
〝ゴールドラッシュ〟が建造されたこと自体に驚きはない。
だが、それは本来
『黄金の摩天楼/エル・ドラード』の映画ボス、《CEO》の大金持財参。
『
この二人だけは、焔ちゃんと澪が主役であった《二人のオーレオール》と《スタートゥインクル》の映画ボスではない。
『魔法少女マギアイリス』、《カルテットハーモニー》というシリーズに登場する映画ボスなのだ。
そう、長期シリーズではありがちな
とはいえタイトルだけ引き継いで全く別の世界観、なんてことはなく単に主人公を別とした同一世界の出来事。
ただし、公式から《スタートゥインクル》におけるダークネスとの決着から一年後の話と、正式に名言されている。
だからこそ、《ディスナンド》の存在は普通に語られているし、なんならそのライバル組織であった《バグノイズ》が現れたりと、日々どこかで魔法少女と異星人たちの戦いは繰り広げられていた。
なので《カルテットハーモニー》の敵は《バグノイズ》である。
……いや、本当にこの惑星狙われすぎでは?
あまりに一般市民にとって生き辛すぎる。ミラクルパワーで、酷い目にあった後に中和してくれなきゃ、おそらく荒んだ精神の人々が多発して、ディストピアな世界になっていただろう。
さて、色々と語ったが言いたいことは一つだけだ。
〝ゴールドラッシュ〟、めっちゃカッコいいんだよな。
予約限定でプラモデルだって発売されたし。
更に金持ちの道楽で、純金で作られた100分の一スケールのフィギュアまであった。目ん玉飛び出るくらい高かったけど。いや、本当に。購入者はいたらしいけど、誰が買ったんだ、あれ。
でも、それだけ男心をくすぐる存在であるのは間違いなかった。
「いやぁ、良いよなぁ。巨大ロボット。心が躍るよ」
「ぬぅ、あんなの単なる鉄の塊ではないか!」
「わかってないなぁ、ムラサメ。男の子は、皆その鉄の塊が大好きなんだよ」
「いーや! 男の子ならば、刀の方が好きじゃろう!? ほれ、主様よ! 男の子の浪漫であるワガハイをきちんと見るのじゃ!」
「いたたたっ!? 背中に乗りながら耳引っ張るのやめてくれないか!?」
普段はここまでしないのに、どうやらムラサメはよっぽどご立腹らしい。
俺の背中に引っ付きながら、あっちへこっちへと耳を引っ張る。いいじゃないか、ロボットに浪漫を抱いたって!
刀も十分良いけども、それとこれは別なんだって!
「大金持様。全員の治療が終了致しました」
「あぁ、ご苦労。では、先ほどの戦闘レポートを作成するように。それと……」
そんな俺たちを放って、大金持は《セキュリティ・キーパー》と話していた。
大人って、冷たい……。
「大金持様! ご報告がございます!」
するとそこに、別の大金持の部下が現れる。
彼が大金持に耳打ちすると同時に表情が変わった。
「その表情、どうやらよくないことが起きたらしいな」
「えぇ、その通りでございます。報告です。天照焔と月詠澪が、再びセフィリアとクリフィアと接触致しました」