ピリピリした雰囲気が周囲を漂っていた、何か一つでもきっかけがあればすぐさまここは戦地になるだろう
その中心にボクことリエル通称笑い猫は死んだ目で前を眺めていた、目の前にはボクが所属しているギルドお茶会メンバーがこちらを見ている⋯⋯何故か敵意を籠めて、そして僕の周囲には元の世界に戻ろうとしている帰還組と呼ばれる人達にこの世界の冒険者や騎士、更にはこの世界の勇者とそれに寄り添う竜人の少女が僕を守るように立っている⋯⋯どうしてこうなったのだろうか
「いや~まさか笑い猫殿が本当に裏切るなど思ってなかったのでござるよwクソ雑魚体力に紙の耐久力ですしwそれに眠りネズミ殿がどうなってしまったのかもう忘れてしまったのですかなw」
ウサギのお面にウサ耳をはやした青年がニヤニヤ笑いながらそう言った、ただ僕は裏切った訳ではないと声を大にして言いたい、ただ3月ウサギのやり口が気持ち悪かったから少し邪魔しただけだしあの程度で失敗するような作戦を立てたお前が悪いと否定しようとした所で隣りにいた青年に肩を掴まれた
「それは違う、リエルさんは貴様らを裏切ったのではない貴様らの様な輩であってもリエルさんにとっては元は友だった、だから優しいリエルさんは心を痛めながら優しく止めようとしていたのだ、そのリエルさんの思いを否定し最初に裏切ったのは貴様らの方だ」
何を言ってるのだろうこいつは元も何もまだ彼等とは友達だが?心を痛めて止めるとか何の話だ?そもそも誰だこいつはボクはこんな奴知らないぞ
「ナル程、ナラば笑い猫はワガハイ達の方針に最初カラ反対ダッタと?初めカラ止めるタメ動いてイタト?」
顔が3つの時計で出来ている機人の時計屋が声を上げただが違うボクもお茶会の皆と一緒で元の世界に帰りたいなんて思ってないし止めるつもりも無いのだ、まあ少しやりすぎじゃと思って何度か邪魔した事もあるがまあ仕方ないよねお茶目だよね⋯一歩踏み出そうとした所で別の人が僕の目の前に立った
「当たり前です、同じ世界から来たプレイヤー達を奴隷として売り払ったり、罪の無い人達を薬で心を壊し自分達の手下にしよう何てリエルさんがする筈ありません!」
始めて聞いた時確かにドン引きはしたし、ついうっかりで僕も奴隷になりかけた事もあり思う事もあるけどまあもうやってしまった事だしいいかの精神でいて止めるつもりは僕には無かったのだ⋯まあやっぱり気に食わなかったので最終的に奴隷商を牢獄にぶち込む手伝いはしたが
それとこの人達の中で僕は一体何なんだ?他人に心を砕く成人か何かか?僕の方針は基本的に楽しければいいやと目の前で理不尽な目にあっている人に手助けするだけだ、理不尽や不条理な世界は嫌いなんだよね⋯⋯その結果まあどっちつかずに動いてしまっているだけで別にお前等の仲間な訳ではないぞ
「だとしても私達と歩みを共にしていた事実は消えません、彼女もまた私達と同じ罪を背負っている事は確かですよ
なのに何故そこまで彼女を信用できるのですか?」
シルクハットを被っているスーツ姿の青年の言葉に頷く、歩みを共にしていた事実とか過去形になっているのは向こうからして完全に裏切り者になっていないかな?もしかして眠り鼠みたいに処分される?どうにかして誤解を解きたい
何度か結果的に邪魔をした事は謝るから許して欲しい
「ちょっ「彼女を信用する理由何て簡単です、彼女のお陰で私は助かりました。あのままなら私は3月ウサギの手により心が壊れていたでしょう廃人となり貴方がたの人形に成り果てていたでしょう、ですがリエルさんのお陰で私はまた前を向けるようになりました
それと気づいていますか?貴方がたは全員あの物語の登場人物に関する名前を今だに名乗っていますがリエルさんは笑い猫の名では無くリエルと名乗ってますそれが何よりも貴方がたと決別すると言う強い決意の証でしょう」と?」
話そうしとしたら言葉が潰された
さて彼女の言葉はある意味否定できない、実際は助けるためではなく単に煽っていただけなのだが何故か精神的に強くなり拠点の1つを潰されてしまったのだ
だけどリエルと名乗ったのは現地民から名前を聞かれた時に笑い猫と名乗ってもまともに取り合われない可能性が高いからでこの世界に来て何回か名乗った事はあるがそれ以降は周りが勝手に呼んでいるだけだお茶会から抜けるために名乗ったわけでは断じてないのだ
「笑い猫さん本当に私達を裏切るつもりなのですね⋯⋯今までは見逃していましたが、それでしたら仕方ありません次に合った時は敵同士ですリエルさん さようなら2度と会わないことを祈ってます」
「確かにここで戦うわけにはいかないですしね、次合ったときこそ貴方がたの最後です」
トランプ柄の青色のドレスの少女が寂しそうに僕に向け別れを告げ去っていった
その後に僕の周囲の人達も張り詰めていた気を緩め息を吐いていた
僕からしたら完全に終わったとしか思えない、この流れでお茶会メンバーに会いに行けば殺されるだろう確かに面白半分でお茶会に不利になりそうな情報を流した事もあるし帰還組に結果的に有利になるような事もした覚えがあるがこんな事になるとは思っていなかった⋯⋯よく考えれば自業自得だな
勇者とプレイヤー達を引き合わせたのも結果的には僕だし⋯もしかして僕は本当に裏切り者だったのか?元の世界には戻りたくないと思いつつ帰還組に寄り添い過ぎたよね⋯⋯思い返せばこの世界でお茶会の皆と一緒にいた時間ほとんどないし彷徨ってた期間の方がはるかに長い
そもそも一体何故こうなったのか思い出す一番最初はやはりこの世界に来たところからだろう