キングダム:穿紅の閃光 〜神速の槍と無敵の拳で中華を穿つ〜   作:キング・クリムゾン!!

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続きです。ゆっくりしていってね。


第24話:神弓の急襲、血路を拓く赤き光

第24話:神弓の急襲、血路を拓く赤き光

地平線を埋め尽くした趙軍の真の主力――李牧(りぼく)の本隊数万が、完璧な戦闘陣形を維持したまま、網を絞るように秦軍への包囲を開始した。

背後を完全に断たれた秦の兵士たちの間に、言葉にならない絶望が伝染していく。しかし、その中央に君臨する総大将・王騎(おうき)の放つ圧倒的な覇気だけが、軍の崩壊を辛うじて踏みとどまらせていた。

 

「ココココ、全軍うろたえる必要はありません。我が矛の届く場所が、常に我らの戦場です!」

 

王騎の大矛が再び荒れ狂い、武神・龐煖(ほうけん)を圧倒していく。天下の大将軍が背負う「重量」の前に、天の理を騙る求道者は、確実に追い詰められつつあった。

 

だが、勝利の女神が王騎に微笑もうとしたその刹那、戦場の喧騒から完全に隔離された物陰で、歴史の針を狂わせる「一矢」が放たれようとしていた。

 

中華十弓の一人に数えられる趙の将・魏加(ぎか)。

彼は一騎打ちの不可侵領域から遥か離れた岩陰から、満月に絞った大弓を王騎の背中へと正確に狙い定めていた。その矢には、王騎の強靭な甲冑すら容易く貫通するドス黒い殺気と、寸分の狂いもない必殺の軌道が込められている。

 

ヒュン――ッ!!

 

大気を切り裂く無音の凶弾。戦場の誰もが王騎と龐煖の激突に目を奪 wilderness(奪われ)、その背後から迫る「死の風」に気づく者は誰もいなかった。

 

「しまっ……! 王騎将軍の後ろだァァァッ!!」

最も近くにいた飛信隊の信が、本能的な野生の勘で異変を察知し、大剣を構えて叫ぶが、彼の距離からではどうあがいても間に合わない。矢の速度は、人間の反応速度を遥かに凌駕していた。

 

しかし、その絶望の軌道を、完全に『気の流れ』として捉えていた男がもう一人いた。

穿紅軍を率いる百人将、貫(かん)である。

 

(流水岩砕拳――極限集中・気流感知)

 

貫の視界の中で、魏加の放った矢の軌跡が、一本の不吉な黒い線となって浮かび上がっていた。王騎の背中へ突き刺さるまで、残りわずか数瞬。考えるよりも早く、貫の左腕の『新生・鋼鉄の管』がカチャリと冷たい音を立てた。

 

「我が穿光の前に、卑劣なる影の矢など通さぬ!!」

 

(尾張貫流槍術――管槍・神速穿光「極」)

 

貫は一歩を踏み出し、右手で握った『鉄芯複合鉄刀木槍』を、摩擦ゼロの管から文字通り「光の速度」で突き出した。

拓が仕込んだ超硬鉄の芯が槍のしなりを極限まで抑え込み、貫の流水の腕力が、一本の槍を大砲の弾丸へと変える。

 

シュバアァァァッ!!!!

 

真空の爆音が平原に轟く。

放たれた槍の穂先は、王騎の背中を肉薄していた魏加の矢の「鉄鏃(てっずく)」へと、寸分の狂いもなく正面から激突した。

 

ガキィィィィィン!!!!

 

火花が炸裂し、魏加が放った必殺の矢は、貫の重量級の一突きによってその回転運動を完全に粉砕され、真横の地面へと激しく弾き飛ばされた。矢は地面の岩盤に深く突き刺さり、へし折れた。

 

「な……何だと……!? 我が乾坤一擲の神弓が、ただの百人将の槍に撃ち落とされただと……!?」

岩陰で弓を構えていた魏加が、驚愕のあまり目を見開いた。

 

幕を引こうとする魏加に対し、貫の流水の歩法は、すでに彼の驚愕すらも置き去りにしていた。矢を弾いた勢いのまま、貫は『流水岩砕拳・瞬歩』を以て、一瞬にして魏加の潜む岩陰の前へと肉薄していたのだ。

 

逃げようとする魏加に対し、貫は己の存在と穿紅軍の鉄槌を完全に刻み込むべく、冷徹で、淀みのない声を響かせた。

 

「初めてお目にかかる。秦国軍総司令直轄、特殊遊撃百人隊『穿紅軍』を率いる百人将、貫(かん)だ。我が家に伝わる古流武術『流水岩砕拳』の呼吸法と、相棒の拓が命を賭して鍛え上げし左腕の『新生・鋼鉄の管』、それと『鉄芯複合鉄刀木槍』を以て、戦場の誇りを汚す貴様のような卑劣なる狙撃手を、ここで根底から穿ち滅ぼす」

 

「ひ、開け! 防衛隊、このガキを殺せぇぇ!」

魏加の悲鳴とともに数十人の親衛隊が群がるが、貫の『鉄芯複合鉄刀木槍』が放つ重爆の一突きは、彼らを甲冑ごと一瞬で肉片へと変えて吹き飛ばした。

 

「終わりだ、魏加」

 

シュバッ!!!

 

貫の容赦のない管槍の突きが、魏加の胸を正確に貫通した。趙の誇る神弓の一人は、自らの卑劣な策が引き寄せた穿光の前に、絶叫を上げる暇すらなくその命を散らせた。

 

「見事だ、貫ーーーっ!!!」

信の歓喜の咆哮が響く。貫の決死の介入により、王騎将軍への不意打ちという最悪の歴史は回避された。王騎は背後の脅威が消え去ったことを一瞬で察知し、目の前の龐煖へとさらに深い一撃を叩き込んでいた。

 

しかし、魏加の矢を防いだものの、戦場全体の絶望的な状況が変わったわけではなかった。

 

「百人将! 李牧軍の重装騎兵部隊が、我が軍の右翼を完全に包囲、殲滅しつつあります! このままでは数分で本陣まで押し潰されます!」

軍師の梁が、喉が千切れんばかりの声で口笛を吹き鳴らす。

 

「雷! 突撃隊を率いて、李牧軍の先鋒の右角を叩け! 鉄さんは盾部隊で、飛信隊と合同の円陣を組んで持ちこたえるんだ!」

貫は魏加の死体から槍を引き抜き、即座に激戦の渦中へと舞い戻った。

 

押し寄せる李牧の軍勢は、これまでの趙兵とは一線を画していた。一糸乱れぬ鉄の規律、秦軍の動きを完全に見切った組織的な包囲戦術。

「くそっ、こいつら、押しても引いてもびくともしねえぞ!」

雷の超高速の槍ですら、李牧軍の強固な集団盾陣の前に阻まれ、徐々に穿紅軍の兵たちも傷つき、押し込まれていく。

 

「ここから先は一歩も通さねえって言っただろ!!」

副将の鉄が、拓の補強した大盾を地面に叩きつけ、押し寄せる重装騎兵の突撃を肉体で受け止める。盾の表面から凄まじい金属音が響き、鉄の口から血が漏れる。

 

「鉄さん!!」

工匠の拓が、傷ついた盾の修復や応急処置のために戦場を必死に駆け回るが、敵の圧倒的な「数の暴力」と「戦術の質」は、穿紅軍の散兵戦術をもじわじわとすり潰しつつあった。

 

包囲網の最奥で、白馬に跨った李牧が、冷徹な瞳で戦況を見つめていた。

「魏加の矢を破る百人隊がいたとは計算外ですが……大勢に影響はありません。王騎、あなたの時代はここで終わりです」

 

絶望の包囲網の中で、傷つきながらも互いの背中を守り合う穿紅軍と飛信隊。王騎と龐煖の死闘が最終盤を迎える中、若き穿光・貫と仲間たちは、この中華最大の罠から生き延びるため、未だかつてない血路を拓くための死闘へと身を投じていく。




次回:第25話 受け継がれる矛、不屈の脱出戦

次に書く二次創作小説の原作

  • ONEPEACE
  • 呪術廻戦
  • 鬼滅の刃
  • ワンパンマン
  • 僕のヒーローアカデミア
  • キングダム
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