キングダム:穿紅の閃光 〜神速の槍と無敵の拳で中華を穿つ〜 作:キング・クリムゾン!!
ガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!
貫の『積層流星槍』から放たれる超螺旋の穿光と、大将軍・廉頗の巨大な大刀が、火花を激しく散らしながら正面から拮抗していた。限界まで引き上げられた『超螺旋・流星管』がキィィィンと天を劈く高周波音を響かせ、周囲の砂塵を巨大な竜巻へと変えていく。
「ぬぅ……、この独特の気の巡り……そして大気の流れを我が身に同調させるような、淀みのない呼吸法……。貴様、その技はどこで手に入れたッ!!」
至近距離で激しく刃を交えながら、廉頗の瞳に驚愕、そして一筋の戦慄が走った。
貫の身のこなし、そして大刀の剛力を滑らかに受け流しながらも、芯を正確に撃ち抜いてくる『流水岩砕拳』の体術。それは、かつて全盛期の趙国において、三大天としての廉頗が若き日に一度だけ刃を交え、その底知れぬ「柔と剛の極み」に冷や汗を流したという、中原の歴史に埋もれた「ある伝説の武術家」の面影そのものだった。
「我が家に伝わる古流武術……。貴様がかつて出会った者が誰であれ、私は穿紅軍の将として、目の前の巨大な壁を穿つのみだ!」
貫の肉体から立ち上る静水のごとき覇気が、さらにその密度を増していく。この若さにして、かつての怪物の領域に足を踏み入れつつあるその血筋と才能。廉頗の胸中に、これまでに感じたことのない、新たなる時代への「真の恐怖」が湧き上がった。
「そうか……! 貴様は奴の、あの男の系譜かッ! ならばここで、我が全霊を以てその芽を完全に摘み取らねば、我が廉頗の神話がここで終わるわァァァッ!!」
ゴオォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!
廉頗の絶叫とともに、戦場全体の空気が一瞬にして凍りついた。
伝説の老将が、これまでの戦いでは決して見せることのなかった、さらに一段上の「本気の武」を完全解放したのだ。彼の巨躯から立ち上る将気は、もはや漆黒の嵐となり、周囲にいた魏兵や秦兵をその圧力だけで数十メートルも吹き飛ばしていく。
「雛鳥などと思うて刃を交えた我が間違いであった! 貫とやら、貴様は我が全盛期の宿敵の一人として、この廉頗自らが最大級の敬意を以て圧殺してくれよう!!」
廉頗の大刀が、先ほどとは比較にならない速度と質量を伴って、上段から猛然と振り下ろされた。
「――貫、下がれェェェッ!!」
後方から信が叫び、王賁も「あの領域は不味い!」と馬を走らせるが、廉頗の本気の突撃は、すでに避けることの許されぬ絶対の鉄槌となって貫の頭上へ迫っていた。
だが、かつての伝説の因縁を呼び覚まし、本気となった中華の巨頭を真っ正面に見据え、新たなる時代の真の勝者として立ち向かう穿紅軍の将として、貫は马上、一寸の揺らぎもない声を平原へと響かせた。
「初めてお目にかかる。秦国軍総司令直轄、特殊遊撃千人隊『穿紅軍』を率いる千人将、貫だ。我が家に伝わる古流武術『流水岩砕拳』の呼吸法と、相棒の拓が命を賭して鍛え上げし左腕の『超螺旋・流星管』、あるいは貴様が畏怖せし我が一族の武の真髄を以て、本気を解放せし大将軍・廉頗、貴様の誇る伝説の重撃ごと、その正面から跡形もなく穿ち砕く。王賁、信、蒙恬、我らの絆は伝説の恐怖にすら決して屈しない。我が流水の極み、怪物の本気を以てしても、断じて突破できぬと知れ!」
貫の傲る高ぶることのない、しかし世界の理を統べる絶対的な自己紹介の激。
その瞬間、貫の右腕が限界を超えた速度で繰り出され、積層流星槍が完全に紅く熱を帯びた流星管へと叩き込まれた。
(流水岩砕拳・剛柔一体奥義――超螺旋・流水砕星穿)
ズドォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!
放たれた一撃は、廉頗の放つ黒き嵐を真っ正面から切り裂く、白銀の巨大な穿光の渦となった。本気を解放した廉頗の大刀と、宿縁の力を宿した貫の超螺旋が、山陽の平原の中心で、天地を揺るがす最大級の激突を引き起こすのだった。
次回:第53話 新星の共鳴、神話の終焉