アウトロー・ア・ライブ! 作:便利屋箱推し先生
ありがとうございます!
日用品を買い終え、最後に立ち寄ったモールの大型武器店。
キヴォトスにおいて、武器を持たないのは舐められる原因にもなり、非常に危険だ。
常に守ってあげられるとも限らない以上、アイちゃん用の武器は必要になる。
「最後にアイちゃんの為の武器を買いましょう!」
「んぅ~、いろいろある~!」
アイは初めて見る光景に目を輝かせ、好奇心のまま店内を見て回る。
そんな中、店の隅にある『在庫処分・大特価セール』の棚で、アイがある奇妙な武器を見つけて指を差した。
「ママ、あれ……おもちゃみたいで、かわいい……!」
それは、カンプピストルをひと回り小さくして、ポリマー製のポップなプラスチックでコーティングしたような、少し玩具めいたデザインのショートバレル・グレネードランチャーだった。
店のポップには『アイディア商品! これ一丁で信号弾・煙幕・催涙ガスまで対応! 防犯やアウトドアに最適!』と書かれている。
「あはは! 何これ、おもしろーい! 色々飛ばせるみたいだけど、これを使うよりほかの武器を使った方が早そうかも? 誰も買わなくてずっと売れ残ってたやつだ~」
「ふーん・・・戦闘には向かないけど、これ、信号弾が撃てるんだ。アイが迷子になったり、ピンチになった時にこれを使えば、私たちがすぐに駆けつけられる」
「そ、それなら……! アイちゃんの為に、私、直ぐに駆けつけます……っ!」
「よくわかんないけど、これでみんなをよべるの~?」
「ええ、アイちゃんがこれを撃ったら、ママたちが直ぐに駆けつけるわ」
「・・・!アイ、これがいい!」
アルは値札を見て、カヨコ・ムツキとアイコンタクトを取るとカッコつけて言い放った。
「……フッ、いいわ、その武器がアイちゃんの相棒ね! 店員さん、これとこれ用の弾をちょうだい!」
そうして買い物を終えて事務所に戻り、買ってきたばかりの可愛いパジャマに着替えたアイは、ベッドの上で新しい相棒を嬉しそうに抱きしめて、すやすやと眠りについていた。
その天使のような寝顔を横目に、事務所のデスクでは、重苦しいお通夜のような空気が流れていた。
「……で、これが今日の最終的な収支報告」
カヨコが叩いた電卓の液晶には、綺麗にマイナスのついた数字が表示されている。
「う、嘘でしょ……!? 確かに少し奮発したけれど、このままだと来月の家賃が・・・!?」
「だから言ったでしょ、社長の悪い癖だって。アイの服も日用品も、高い物を考え無しに買っちゃうから。……明日からの食費、どうするの?」
「う、うぅ……! 私のせいです……! こないだの依頼で、私がミスしなければ・・・! すみませんすみません、死んで詫びます!」
「あはは、ハルカちゃん落ち着いて~。でもこれ、本当に次の依頼が成功しないと、アイちゃんのごはん代どころか、事務所の家賃も払えないね~」
アルは頭を抱えて机に突っ伏した。
「困ったわ・・・依頼を受けなきゃだけど、あまり危険な依頼にアイちゃんをつれて行きたくは無いわね」
「でも、アイちゃんの為にも今まで以上に稼がないとだよ~?」
「誰か1人がアイちゃんのお世話に残る・・・のも少し難しいかな」
その後も皆で話し合ったが結論は出ず、一先ず明日からの依頼を頑張ろう、と言う事になった。
次回からはとうとうアビドス編突入・・・の予定。
本作はかなりライブ感で書いているので、次回予告は余り当てにならないかもしれません。