どうもキラちゃんのペットです   作:九曜の翁

2 / 3
 なんか文が浮かんだのでついでもう1話。


糖蜜はお好きですか?

 どうも、キラちゃんのペットです。

 

 わたくしが蜘蛛の巣に来てから少し経ちましたが、相変わらず親方様方はわたくしに対して当たりが強いです。

 

 そんなにもわたくしが気に入らないのでありましょうか?折角人からの印象が良くなるようにこのようなぬいぐるみの姿へ己を押し込んだと云うのになんなのだ貴様らは...

 

 おっと!いけませんねネガティブな思考は、思考を暗い方に潜らせるといつだって荒っぽいわたくしが出てしまいますからね。

 

 ふぅむ、しかしあまりにも理不尽が過ぎますとわたくしも抑えが効かなくなるやも、そうなるとキラちゃんとペットとして不適合とされ捨てられてしまうかもしれませんし。

 

 やはりなにかしろの対策は必須でしょうねぇ。

 

 あっそうだ!定期的に蜘蛛の巣の外に出て悪い人たちを食べちゃえば良いんです!

 

 そうすればきっと我慢出来ます!!!善は急げと言いますし早速キラちゃんに相談しましょう!

 

 ※この後色々オブラートに包んでお出かけして来ますって言ったら許して貰えた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 親指は規律と規則に厳しい組織である。

 

 彼らは己の中の規則を絶対と信じて疑わない、総じて扱い易いカモである。

 

 わたくしにとっては非常に御し易くそして食べ易くて美味しい極上のドルチェでございますよ。

 

『こんにちわ、こんにちわ糖蜜パイは如何ですか?』

 

「なんだこの変なきぐるみは?うちのしまで勝手な商売をされちゃ困るなぁ、ちゃんと場所代は払って貰わないとな。

 そら、さっさと出すもん出して失せな」

 

『出すもん?あっそれじゃそうさせて頂きますね!』

 

「なんだ素直じゃねぇか、特別に下顎と腕1本で勘弁してやるよ」

 

『えぇ?下顎が無くなるのは困るなぁ、それじゃ頂きます!』

 

「はっ?てめぇなに言って...」

 

 男の言葉はそれ以上続かない、だって首から上が無かったから。

 

「おいおいなんだこいつは!?至急応援を呼べ!!!」

 

「はい!」

 

 男たちの声が鳴り響き喧騒が生まれる、その中で1匹の獣が舌なめずりをしていた。

 

『ん〜ドルチェ!ドルチェ!やっぱりこういう人たちはわかりやすくて助かりますね!

 ちょっと適当にからかってあげるだけであっちからお皿の上に乗ってくれるんですもん、本当に極上のカモでドルチェですねぇ?』

 

「こいつが報告にあった化物か、おい貴様!最早下顎と腕1本では済まされんぞ!!!」

 

『おぉ丁度良い!ヴォレイ・ファーレ・イル・ビス!ベストタイミングでしたね』

 

 刹那に男たちの悲鳴が路地裏に響く、男たちは銃を撃って目の前の化物に応戦したがまったくといって効いている様子が無い。

 

 どの弾も当たってはいるのだが、尽く有効打にはなり得ないのだ。

 

 それもそうだろう、この化物は食った得物から情報を得て常に自分をアップデートしていく進化型の化物なのだから。

 

 既にひとしきり色々と食い終わったこいつにたかが銃弾如き効くわけがなかろう?

 

『ん〜銃弾は美味しくないから嫌いですねぇ、人間の血に含まれる多少の鉄っぽさはちょっとしたスパイス代わりになって美味しくのに銃弾はもろに金属だからか美味しくないデース!!!』

 

「なんなんだよこいつ!」

 

「いや待てよ?少し姿が変わっているがあいつもしかして?

 あぁ...あぁぁぁ、間違いないなんてことだ!あれはこの前散々俺たちの仲間を食いまくった化物だ!カポクァルト様を食って俺たちの中に潜り込み、そしてその身分を利用して下部組織や果ては保護下に置いてる一般人までもを尽く食い尽くした化物だ!!!」

 

『おやおや〜わたくしもしかして結構有名になってます?』

 

 確かに外郭の辺境でうろうろしていた親指構成員とその親玉のカポクァルト?とか云うのはちょっと色々あって食べちゃいましたが、まぁその後も食べちゃったカポクァルトさんの身分をパクってそのままひとしきりバイキングを楽しんだので親玉を去ったんですよねぇ。

 

 嗚呼、考えたらまたお腹が減って来ちゃいました。

 

 やっぱりこの人たちもわたくしのお腹の中に収めてしまいましょうか。

 

『嗚呼、本当に喜ばしい日ですね!こんなにもご馳走が向こうから来てくれるなんて最高の1日です!』

 

 こうして、都市の裏路地ではまた一つ不吉な噂が生まれた。

 

『奇妙なぬいぐるみの声に答えるな、それに答えれば帰れなくなるぞ』と。

 

※この後血塗れで帰ってキラちゃんに怒られました。

 

「あんた何やってきたの!」

 

『ご飯食べて来ました』

 

「食いすぎっしょ!そんなに血塗れになったら部屋が汚れるじゃん!!!」

 

※食べる量を抑えるようにキツくお叱りを受けちゃったみたいです。




【人物紹介】

『ジャバちゃん』
・初めてのお散歩(ビュッフェ形式バイキング)にいってルンルン気分、主人公がそんな事してええんか?と聞かれそうだが、此処は都市なので全く問題ない!

『親指の皆々様』
・主人公によってビュッフェ扱いされ美味しいドルチェとして胃の中に収まってしまった可哀想な方々、外郭でうろうろしてたのは新しい種類の弾丸を作る為に素材を探していたらしい。
 なおこの時の主人公はぬいぐるみのファスナーが引っ張られた状態(つまり中身)である。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。