ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜 作:クズ吉
2014年10月 新潟県
今日は日本代表VSアルゼンチン代表の試合だ。
試合会場は新潟県にあるスワンキングスタジアム。
4万人収容できるこの会場、今日はチケットが完売だ。
それもそのはず。
メッティ! メッティー! メッティ!メッティ!
現在試合開始前ウォーミングアップの時間だが、多くのお客さんがアルゼンチン代表リコエス・メッティを見ようと早めに会場入りしている。
今日は金曜日のはずなんだけどな。
皆試合のために仕事等を早めに上がったり、休んだりしてくれたのだろう。
タイガクーン! タイガクーン! コッチミテ〜
俺の人気もメッティに負けてないようだ。
ただ人気の種類が違うような気もするが。
メッティは日本ではサッカーに興味がある人しか知らない。
しかし俺はサッカーに興味のない大衆にも幅広く認知されている。
Nリーグは週末の夕方や夜に少し特集される程度というのが2013年までのメディアの扱いだっただろう。
しかし俺が2014年N1デビューしてからは話が違う。
「今日のにゃんこ」「今日の赤ちゃん」みたいに「今週のクラウチ大雅」といった風に各局放送時間がある程度設けられているのだ。
前世では二刀流でお馴染みの野球選手が毎日のようにニュースの一部時間をジャックしていた。
それと似たようなものだ。
ただし俺はサッカー選手、週に1、2回しか試合がないので、彼より放送時間は短めだろう。
ところが俺は16歳でW杯得点王になったイケメンサッカー選手でもある。
放送時間の量は少なくとも、視聴者に与えるインパクト、質はMr.二刀流にも負けない。
もちろん俺を取り上げてくれるのはテレビだけじゃない。
新聞、ラジオといったマスメディア、ネット掲示板、ブログ、ネットニュース、SNSと、様々な媒体で俺が活躍する度に勝手に俺の存在は広まる。
そう、俺はいわゆる有名人になってしまったのだ。
タイガクーン!
メッティ!
2つの名前を呼ぶ声が飛び交うスワンキングスタジアム。
俺はウォーミングアップの合間、どうしてもメッティの方に視線が行く。
今日俺はメッティと試合をするのだ。
そう思うと胸が高鳴る。
メッティと!メッティとだぜ!?
俺は世界一のサッカー選手になる男だ。
しかし現在世界一のサッカー選手は目の前にいる。
俺は彼を越えなければならない。
今日の試合はその試金石となる。
超えてみせるさリコエス・メッティ!
・・・・・・・
作戦会議を終え、スタメンの俺はロッカールームを出て選手入場のために通路で整列する。
アルゼンチン代表は既に待機していた。
すぅ~は〜
はぁ…緊張する。
メッティ…メッティがすぐそこにいる。メッティもスタメンだ。
!?メッティがこっちを見る。
そして俺のそばに寄って握手を求めてきた。
ガシッ!
俺はメッティと握手をする。
メッティと!握手!!
な、何か言わないと。
「や、やあ!」
「やあ!スペイン語喋れるの?」
「はい!あなたとお話するために勉強してきました!」
「ははっ、本当かい?」
コクッ!コクッ!
笑顔で話すメッティに俺はブンブンと頭を縦に振る。100%本当ではないが、70%くらいは本当だ。
「嬉しいよ。君はW杯得点王だから握手くらいはしとこうと思ったんだけど、話もできるとはね」
「ずっとあなたのことを見てました。今日こうしてあなたと試合が出来ることを嬉しく思います」
「僕も君の事はニュースで知ってるよ。今から君達日本代表と試合できる事が楽しみだ。いい試合にしよう」
「はい!」
これが俺とメッティの初めての会話だった。
その後俺達の会話を聞いていたアルゼンチンの面々に囲まれて挨拶合戦になったのは良い思い出だ。
・・・・・・・
選手入場、国歌斉唱、握手、スタメン写真撮影、その他諸々を済ませ、キックオフの時間が迫っていた。
今日の日本代表のスタメンはこんな感じ。フォーメーションは4-3-3だ。
GK背番号12
右SB背番号3
右CB背番号6
左CB背番号22
左SB背番号5
DMF背番号17
右IH背番号7
左IH背番号10
右WG背番号4
左WG背番号9
CF背番号19クラウチ
注目選手は浦和の守護神新島選手だろうか。
一枠しかない日本代表スタメンGKの座、アビーネ監督はアルゼンチン戦でそれを新島選手に託した。
俺はGKの実力を正確に測れる能力なんて持ち合わせていないが、彼が優れたGKであることくらいは分かる。
安心してゴールマウスを任せられる選手だ。
次はアルゼンチン代表の注目選手、予想フォーメーションは4-2-3-1だ。
右SB背番号4パドゥノ・ サダネラ
マンチェスターの青い方、マンGことマンチェスターギャラクシー所属の運動量豊富な選手だ。
左SB背番号16マヌホム・ロコ
マンチェスターの赤い方、マンVことマンチェスターヴォルケーノ所属の激しい守備とスピードが特徴の選手だ。
DMF背番号14ハギレウ・マルテカート
SCバルセロナ所属のボール奪取能力に優れた選手だ。
右SH背番号7アヌフェス・ディアニナ
今年マンチェスターヴォルケーノに移籍した変態(褒め言葉)ドリブラーだ。
CF背番号11セムフィノ・アブウェモ
マンチェスターギャラクシー所属の小柄な点取り屋だ。
そして最後に…
トップ下背番号10リコエス・メッティ
SCバルセロナ所属のバロンドーラー、神の子だ。
この錚々たる面子が日本代表と戦ってくれる。
ちなみに今世の2014W杯のアルゼンチン代表は準決勝でオランダに負けて、3位決定戦でブラジルに勝ったことで3位だった。
2014年9月時点の世界フットボールランキングも3位だ。
世界3位のチーム。彼らと同じピッチに立っているだけで震えが止まらない。
だがそんなんじゃだめだ!
パチン!
俺は両手で頬をたたく!
俺はW杯得点王、日本代表のエースストライカー。そして…
世界一のサッカー選手になる男だ!
気合は十分。アルゼンチン代表にだって負けない!
行くぞ日本代表!