ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜   作:クズ吉

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第13話 巡り合い彼女

 2011年7月

 

 夏休みが始まって一週間ほど経った。

 

 今日は平日で紗那の陸上部の練習が休みの日で俺も休み。

 

 なので望結ちゃんと約束した、紗那に望結ちゃんと会わせる日にはもってこいなのだ。

 

 早速紗那の家を訪ねる。

 

 ピンポーン

 

 「はい」

 

 「紗那、俺」

 

 「ん、ちょっと待って」

 

 ガチャッ

 

 出てきた紗那はTシャツに短パン、サンダルというラフな格好だった。

 

 「どうぞー」

 

 「あー紗那、今日は紗那の家で遊ぶんじゃなくて、一緒に行ってほしい場所があるんだ。会わせたい人がいて…だから30分くらい歩く格好に着替えてきてほしいな」

 

 「…会わせたい人って望結ちゃんじゃないよね」

 

 「…望結ちゃんです」

 

 紗那は大きくため息をつくと無言で扉を閉めた。

 

 ・・・来てくれるよね?

 

 

 待つこと10分紗那の家の玄関の扉が開き、可愛らしい青色のワンピースに着替えた彼女が出てきた。

 

 「服かわいいね紗那」

 

 「…ありがと」

 

 「じゃあ行こうか」

 

 「うん」

 

 望結ちゃんの家に向かう間に望結ちゃんと付き合うこととなった経緯を紗那に説明する。

 

 「よく大雅が二股するって分かってるのに告白を受けたね、望結ちゃん」

 

 「うん、俺もびっくりした」

 

 紗那は怒るでもなく淡々と俺の説明を聞いていた。

 

 「ねぇ、今度は怒らないの?」

 

 「ん?怒ってほしいの?」

 

 「いや、ほしくないけど…」

 

 「うーん。今の心境はね、呆れて物が言えないってやつ?大雅が本当に望結ちゃんに告白したんだーってのと、望結ちゃんは彼女いることが分かっててその告白受けるんだーっていう…」

 

 どうやら紗那は俺と望結ちゃん、どちらの言動にも呆れているようだ。

 

 「でも望結ちゃんは最初乗り気じゃなかったんだ」 

 

 「大雅の泣き落としが効いたんじゃない?」

 

 「泣くつもりなんてなかったんだけどなー」

 

 「女の子が自分の彼女になってくれないかもしれないからって泣くのは、駄々こねる幼児みたいだからやめたほうがいいよ」

 

 グサッと紗那の言葉が胸に刺さる。

 

 また紗那に精神年齢が低いことを指摘された。

 

 どうしてだ。

 

 俺は実年齢前世分を合わせて60歳だぞ。

 

 と思ったが前世でもサッカー小僧を何十年も続けただけで、結婚とか子供が生まれるとかそういった経験はしてないから精神年齢が上がることはなかっただけなのかもな。

 

 そんな悲しい自己分析をしていると、俺達は望結ちゃんの家に着いた。

 

 「じゃあインターホン鳴らすね?」

 

 「うん…」

 

 ピンポーン…

 

 「はい」

 

 「クラウチ大雅です。望結ちゃんいらっしゃいますか」

 

 平日なので望結ちゃんの両親はいないはずだが、念のため応対してるのが母親だったときのために備える。

 

 「ふふっ私ですけど…今開けるね」

 

 ・・・ガチャッ

 

 現れたのは私服姿の望結ちゃんだ。今日も可愛い。

 

 「いらっしゃい大雅君、そちらは彼女さん?」

 

 「うん、そうだよ」

 

 「…どうも」

 

 「どうも。とりあえず家に上がって。暑かったでしょ」

 

 

 俺達は望結ちゃんの案内に従って、お家に上がらせてもらう。

 

 

 ・・・・・

 

 

 リビングに通された俺と紗那はテレビ正面に置かれた大きなソファに座り、冷たいお茶を飲んでいる。

 

 望結ちゃんはダイニングチェアを一つ持ってきて俺の右斜め前に座った。

 

 位置はこんな感じ。

 

   テレビ

 

   テーブル 望結ちゃん

 

   紗那 俺

 

 「おいしょっと。まずは自己紹介からかな。五十嵐望結です。一週間前から大雅君の彼女になりました。よろしくお願いしまーす」

 

 「神田紗那。3ヶ月前から大雅の彼女」

 

 「クラウチ大雅です。二人の彼氏です。よろしくお願いします」

 

 「「・・・・・」」

 

 俺が自己紹介をするとリビングは静寂に包まれた。

 

 あれ?「大雅のことは二人共知ってるよ!」とかツッコミ待ちだったんだけど。

 

 そんなことを思ってると望結ちゃんが口火を切った。

 

 「うーんと、紗那ちゃんって呼んでいいかな」

 

 「いいよ、私も望結ちゃんって呼ぶ」

 

 「単刀直入に言うけど、紗那ちゃんは私が大雅君の彼女になること許してくれる?」

 

 「許すも何も…さっきの自己紹介で望結ちゃん自分の事大雅の彼女って言ったよね。私の許しがなくても彼女だって思ってるなら、私の許しなんて必要ないんじゃない?」

 

 紗那は腕を組みながら淡々と言葉を返す。

 

 まるで「あなたと仲良くなるつもりはありませんよ」と主張しているようだ。

 

 「うん、そーだね。じゃあ私は大雅君の彼女ってことで。よしっ、次はルール決めでもしよっか」

 

 「ルール決め?」

 

 「3人が円滑に学校生活を送ったり、カップルとして愛しあうためには必要でしょ?実は私もう考えてあるんだ」

 

 「おお!すごい!」

 

 俺は全然そんなこと考えてなかった。話がトントンと進んでいく。

  

 望結ちゃんは「ちょっと待ってて」と言ってリビングから出ていった。

 

 「・・・・・・」

 

 紗那と二人残されたリビングは再び静寂に包まれる。

 

 「紗那、やっぱり怒ってる?」

 

 「怒ってないってば」

 

 明らかに怒っていそうな仏頂面で紗那は答える。

 

 そんな顔も可愛いとは紗那は天使だと思う。

 

 「おまたせ〜はい、これ」

 

 「ありがとう」

 

 望結ちゃんが何やら手書きの文字が書かれたA4紙を持ってきて俺達に配る。

 

 そこに書かれていたのは…

 

 

      三人の生活のルール

 

 1.クラウチ大雅は二人の彼女を平等に扱う事

 

 2.クラウチ大雅と彼女二人は付き合っていることを誰にも知られないように最大限の努力をする事

 

 3.不仲になったとしても、自分以外の二人の悪口を言ったり、自分以外の二人に関係する噂を流したり、三人の関係を公表したりしない事

 

 4.三人はそれぞれの幸せを尊重し、協力し合う事

 

 

 「どうかな?なんか追加したいルールとか変えたいルールがあったら聞くけど」

 

 「…別に」

 

 「うん、いいんじゃないかな」

 

 「そう?それじゃあこの4つのルールは絶対に守ること!それとこの紙はシュレッダーにかけちゃうからルールは今から暗記してね」

 

 俺と紗那は一分程かけて4つのルールを覚えた。

 

 俺が「もういいよ」と言うと、望結ちゃんは紙を回収してシュレッダーをかけに行って戻ってきた。

 

 「それじゃあ大雅君に質問、ルール1はなーんだ?」

 

 「俺は彼女二人を平等に扱う、だよね」

 

 「正解。次は紗那ちゃんに質問、私達は今平等な状態かな?」

 

 「…何が言いたいの?」

 

 俺にもさっぱりだ。

 

 「うーんと私と紗那ちゃんは大雅君の彼女でいる期間が3か月違うよね。二人はもうキスとかしたのかなって。どこまで進んでる?手をつなぐくらい?」

 

 「セッ…」

 

 「大雅!!」

 

 望結ちゃんの質問に正直に答えようとしたら今度こそ紗那は完全に怒っていた。なんで?

 

 「え〜?もうそんなところまで?というか私どんなことするか分かんないからさ、大雅君私に教えてよ」

 

 「え〜っとそれはつまり…」

 

 「しよ?今日まだ一杯時間あるからさ」

 

 おいおい飛び切り可愛い笑顔でなんか誘われてしまったぞ。

 

 確かに現在の時間は朝の10時、十分時間はある。

 

 でも紗那がいる前で…

 

 「あっそうそう。ルール4、それぞれの幸せを尊重し、協力する事。私キスとか初めてで大雅君と二人きりがいいからさ、紗那ちゃん協力してくれないかな?」

 

 「…はぁ帰ればいいんでしょ。別にそんなルール振りかざさなくたって帰ろうと思ってたところ」

 

 「えー?私はただ二人がルールを覚えてるか確認したかっただけなんだけどなー。2番と3番も忘れないでね」

 

 「はいはい。3人の関係を誰にもバラさないし、悪口言わず、どんな噂も流しません」

 

 紗那はそう言いながら立ち上がって玄関に向かう。俺も立ち上がりその後を追う。

 

 「紗那ごめん。帰り道分かる?」

 

 「何がごめんなの?ふっ、ヤる気満々じゃん!道くらい殆ど大通り通って来たからわかるよ。じゃあお二人で楽しんでね!!」

 

 ガチャッ…

 

 紗那はそう言ってブチ切れながら帰っていった。

 

 結局紗那を怒らせてしまった。俺はなんて言えば良かったんだ…

 

 「たーいーがー君♡二人っきりだね♡」

 

 呆然としていると後ろから望結ちゃんが抱きついてきた。

 

 「俺、なんか間違ってるかな」

 

 「あっははっ、何もかも間違ってるよ♡」 

 

 その言葉を聞いて腑に落ちる俺だった。

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