ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜 作:クズ吉
2013年8月
「ねぇなんで茉那も連れて行くの?」
今日は望結の家で俺達の将来について話し合う日だ。
紗那を迎えに来たら茉那も家にいて今日は部活が休みだという。
俺は茉那も俺の彼女なのだから、話し合いに参加させてやらないと可哀想だと思い彼女を連れて行く事にした。
問題があるとすれば、先ほどのように紗那に疑問を持たれることだ。
それは紗那からすれば当然の疑問で、すぐに俺が茉那に手を出したという答えにたどり着くことだろう。
「ねぇ大雅!?」
「とりあえず望結の家に行こう。そこで話すから」
どうせ怒られるなら望結と紗那同時がいい。
せめてもの俺の抵抗だ。
・・・・・
「それで?つまりは私達とのルールを破って茉那ちゃんが小学5年生の時から付き合ってたと…そういうことでいい?」
「はい…そのとおりです」
「この…ド変態!!」
俺は現在望結の家のリビングで望結からお叱りを受けているところだ。
「うっ…うぅ…ぐすっ…」
紗那はといえば怒るどころか泣いてしまっている。
茉那は泣く姉を見ておろおろしていた。
「はぁ…ルール作って一ヶ月で破ってたなんて…なんのために私が一生懸命考えたんだか…」
「ごめんなさい」
「大雅君全然反省なんかしてないでしょ。今も早くこの時間が過ぎればいいと思ってるだけ」
「そんなことない…」
望結がふんっと鼻を鳴らすとリビングには紗那の泣き声ばかりが響き渡る。
「…紗那ちゃんにも言う事あるんじゃないの?」
望結にせっつかれる。
「分かってる…本当にごめん紗那…」
「ぐすっ…それは…何に対して言ってるの…?」
紗那が泣きながら声を絞り出し俺に質問する。
「それは…ルールを破ったことと茉那と付き合ってることを秘密にしたこと…かな」
「ルールなんてどうでもいい…ぐすっ…私は…私は大雅の彼女なんだよ?どうして望結ちゃんだけじゃなくて茉那にも手を出したの?」
「紗那の事大切に思ってないわけじゃないんだ。もちろん紗那の事は大事だし大好きだ、だけど…」
「私の事大切に思ってたら浮気なんてしないんだよっ!?普通!!」
突如普段クールな紗那からは想像もつかない大声で紗那は俺に叫んだ。
「望結ちゃんが好きって大雅から聞かされた時どんだけ私が辛かったか分かる?大雅と望結ちゃんが付き合った時も!!今も!!」
「紗那本当にごめん…」
「謝ったって私の心は辛いまんまなんだよっ!ねぇ!分かる?大雅!心がっ!私の心が痛いってずっと叫んでるの!私はあと何回っ!何回この痛みを感じなきゃなんないの!?」
それからまたしばらく紗那の泣き声がリビングを支配する。
「今日は…一旦お開きにしよっか。将来の事とか考えられる状態じゃないしね」
誰も口を開かない中、望結がそう言い出してくれた。
しかし…
「将来…ね…大雅、もう私達別れようか」
紗那がそう告げた。
「紗那ちゃん…一旦落ち着こう?日を改めてからそういうのは考えればいいから」
「うるさい!あんたは最初からこうなる事狙ってたんでしょ?じゃあそれでいいじゃん!!茉那も大雅とこれ以上付き合わせるつもりないから!良かったね二人になれて!!」
望結が紗那に落ち着くよう言うが、紗那は逆にヒートアップしていく。そして…
「お、お姉ちゃん!私大雅お兄ちゃんと別れるつもりなんかないよ!」
「茉那!大雅と一緒にいたって結婚もできるか分かんないんだよっ!」
「えっ…そうなの?」
茉那が姉に反抗するが思わぬ反論で驚いている。
「えーとそれをどうするか今日話す予定だったから…」
「じゃあ大雅はどうするつもりだったの?言ってよ!」
紗那に鬼の形相で問われる。
これは言うしかない流れか…
でもこれを言ってしまったら何か…
「早く!!」
「分かった…うーんまず俺は将来海外…ヨーロッパにサッカー選手として住むところを移そうと思ってる。それで…」
「それで?」
「もし移住した場合には俺と結婚できるのは一人に限られるからヨーロッパに一緒に住めるのは一人だけ。だから…」
俺は話の続きを言い淀む。
しかし紗那は引き続き早くしろとこちらを睨んでいる。
「だから俺は誰とも結婚せずに、もし子供がほしいって言われたらヨーロッパに来てもらうか、俺が1年に一回日本に帰ってそのタイミングで出来ればと…もちろん子供の養育費は沢山出すつもりで…だから…その…」
「はぁ…だから落ち着いた時に話そうって言ったのに…」
望結が諦めムードでそう言った。それはどういう…
「お姉ちゃん、大雅お兄ちゃんが言ってたのは結局どういうこと?」
「結婚は誰ともしないけど、お金はあげるから俺の子供が欲しいなら年に一回会えるのを待つか、ヨーロッパまで私達が来いってさ」
「そ、それって…」
「もうわかったでしょ。行くよ」
紗那は茉那の手を掴み玄関まで連れて行く。
「ま、待って紗那!」
「ついてこないで!もう学校とか近所で会っても話しかけてこないで!茉那と会うのも禁止!!じゃあねバイバイ!!」
ガチャッ!…
紗那と茉那は目に涙を浮かべながら早々と玄関から出ていく。
余りにも速い展開に俺は呆然としてそれを見ることしかできなかった。
ぎゅっ…
俺の腰に後ろから腕が回される。
「二人っきりだね…大雅君」
「ねぇ俺って…」
「うん…間違ってるよ何もかも…」
その後望結からルールを破った罰として、中学校を卒業するまで家には来ないでほしいと言われた。
望結はそろそろ受験勉強にもっと時間を費やしたいそうだ。
それを察してあげられなかった事にさらに落ち込んだ俺は、トボトボと1人で帰った。