ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜 作:クズ吉
2014年7月 千葉県
ざわざわ…
ざわざわ…
キャー!キャー!
タイガクーン!! ナカゾノー!! タイガクーン!! カナダー!! タイガクーン!! ウエノー!! ザッパリーノカントク!! アリガトー!! カミヤマー!! タイガクーン!! タイガクーン!!
パシャ!パシャ!パシャ!
俺を呼ぶ声に手を振って応える。ここは格好つけずにスマイル付きだ。
俺達日本代表はブラジルからのクソ長いフライトを終えて今日本の地に降り立った。
空港では平日にも関わらず日本代表のファンが沢山待っていた。
それにしても自分で言うのも何だが、俺の人気がすごいな。
まぁW杯でそれだけの事をした自覚はある。
日本代表のみんなからも「日本に帰ったら絶対に大変だぞ」と沢山忠告を貰った。
特に諸事情で日本に一緒に帰ってこなかった星野選手と羽賀田キャプテンからはすごく心配された。
突然知名度が爆上がりした俺が調子に乗って破滅しないか2人とも気になるらしい。
確かに俺を見てキャーキャー言ってる女の子たちを見ると、俺がまるでアイドルになったみたいだ。
これは俺の心が増長しそうで危ういが、俺が興味あるのは有象無象の女の子ではない。
美女だ。美女が欲しい!
俺は愛知に帰って1日経ったら、すぐ東京にテレビ出演をしに戻る。
名古屋アハトの宣伝のために、愛知のローカルテレビへの出演もしておきたいので、これから1週間くらいは忙しい日々だろう。
テレビ出演の時に可愛い芸能人やアナウンサーとかいたら連絡先を交換しようと計画中だ。
テレビ出演なんて本当は面倒くさいが、美女のためなら何だってやってやる。
・・・・・
2014年7月 愛知
「大雅ー!降りてきてー!」
テレビ出演が明日に迫った今日は休養日。
夜8時くらいにピンポーンとチャイムが鳴って、下の階から母さんが俺を呼ぶ。
なんだろう。
俺は階段を降りて一階へ行く。
「大雅お兄ちゃんおかえりー!」
「あぁ!大雅君おかえりー!W杯凄かったね!」
「茉那ちゃん!茉那ちゃんのお母さん!」
玄関には茉那と茉那のお母さんの2人と俺の両親がいた。
一瞬茉那と呼び捨てにしそうで危なかった。
「どうしたんです?」
「大雅ほら言ったじゃんブラジルでさ。紗那ちゃんに大雅の出る番組を録画しておいてほしいってお願いしたって。それでもうDVD持ってきてくれたんだよ」
母さんが説明してくれる。
「あぁそうだったんですね。すみませんわざわざ録画して頂いて。俺も自分のプレーを見返したいのでとても助かります」
「全然いいのよ。W杯は家族皆で楽しませてもらってついでに録画しただけだから」
茉那のお母さんはなんでもなさげにそう言う。でもDVD代とかもあるしな…
「お礼と言ったらなんですけど、もしよければまた名古屋アハトの試合に招待しますよ、いいよね父さん?」
「イイヨ。それだけじゃ申し訳ナイので、ケーキでも今度買ってきマス」
「えー?そんないいですよ!ホントに茉那がちゃちゃっと録画して、DVDにダビングしただけですから!」
録画したのは紗那ではなく茉那だったか。
それにしてもここからは話が少し長くなりそうだな。
「すみません。ちょっと茉那ちゃんとそこの公園行ってきてもいいですか?久しぶりに話がしたいので」
「え?ええいいけど。茉那も大雅君と話したかったのよね?」
「うん!」
ちょっと急だったかな。まあいいや。
俺は茉那を家の外に連れ出すことに成功する。
俺達はすぐ近くの公園に向かって歩きながら話す。
「茉那久しぶりだね。元気だった?」
「久しぶりお兄ちゃん!元気だったよ!お兄ちゃんはW杯ベスト8おめでとう!」
「ありがとう。茉那からお祝いしてもらえるとは思ってなかった。ねぇ茉那と会えて話ができて嬉しいけど、紗那怒らない?」
「怒るだろうけどいいの!私もうお姉ちゃんの言う事聞かないことに決めたから」
茉那は何でもない様に言うが…
「喧嘩でもした?」
「喧嘩ってほどでもないけど…お兄ちゃんのことで…」
「うん?俺のこと?」
「私、お兄ちゃんの事がまだ好きなの。もう1回お兄ちゃんと付き合いたいと思ってる」
嬉しい…嬉しいが…
「それは…紗那が怒るね」
「もう1回付き合いたいってのはお姉ちゃんには伝えてないけどね。でも今日も無理やりお母さんと来たから察してると思う」
「俺は…俺も茉那のこと好きだよ。でも紗那から茉那には会っちゃだめって言われてるんだ」
「今会っちゃったしもうよくない?今度はお姉ちゃんなしでもう1回付き合おうよ、ね?」
茉那は期待に満ちた目で俺に訴えかける。
「うーんいいのかなぁ」
「私、W杯見てて思ったんだ。お兄ちゃん以上にカッコいい人は世界中探してもいないって。お姉ちゃんとかもう気にしてられないくらいに私お兄ちゃんが好き!」
「…でも俺自分で言うのもなんだけど注目度上がっちゃったから、前以上に普通のデートとかは出来ないよ?」
「うん。分かってる。それでもいいから!お願いお兄ちゃん、もう一度私を彼女にしてください!」
今度は真剣な顔をして俺にお願いする茉那。
「…分かった。そんなに必死に茉那から頼まれたら断れないよ」
「ほんと?やったぁ!」
「ただし俺達の関係を誰にも言わないこと。誰かに言ったら茉那のお家に週刊誌の記者とかが一杯来るかもしれないからね」
「それもわかってるよ。誰にも言わない。というか私ずっと黙ってたのに前にお姉ちゃん達に秘密を明かしたのお兄ちゃんの方だよね?」
ぎくっ!そこを突かれるとは…
「うっ、あの時はごめん。あんなことになるとは思わなかったんだ」
「いいよ、こうしてまた付き合えるようになったんだから♡」
「そうだね。ところで茉那はスマホ持ってる?」
「持ってないよ。中学卒業するくらいには買ってもらえると思うけど」
茉那の家もスマホを持たせる時期はそれくらいか。
「そっか。じゃあ連絡、どう取ろうか」
「私、毎週月曜日が部活のお休みだから16時半にこの公園に集合っていうのはどう?いなかったらいなかったでその週は会えないってことで」
「オッケー。夏休みに入る前にはまたスケジュール教えて?」
「うん♡それじゃあそろそろ戻ろっか」
こうして茉那が再び俺の彼女になった。