ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜 作:クズ吉
時間がしばらく経ちもう一度22人がピッチに立った。
ピーッ!
ピエルナ大阪VS名古屋アハト
後半
KICK OFF!
ピエルナ大阪ボールから始まる。
・・・・・
後半10分頃
名古屋の攻撃。右CB陸奥から俺へ浮き球のロングパスが送られる。
ボンッ
俺はヘディングで左SH成田へとパスする。
左SH成田は中央へ切り込むドリブルから再び俺にパス。
俺はオーバーラップした左SB堀井にスルーパスを送る。
堀井は敵陣左サイド深くまで侵入するとクロス!は上げずにペナルティエリア外の彼より低い位置にいた俺にボールを戻す。
俺はそのボールを受け取ると中央へカットイン、ミドルシュートを放った!
ボンッ!
カーブがかかった勢いのあるボールはゴール右隅に向かっている!
バシッ!
ピエルナ大阪GK平林の横っ跳びセーブ!
俺のシュートは阻まれコーナーキックとなった。
DF陣も含め名古屋の高身長組がペナルティエリアに入ってくる。
(これでいいはずだ。名古屋のセットプレーは火力抜群だからな)
ボンッ!
コーナーキック、蹴ったのはCH立木だ。
ニアサイドに走った俺に合わせたボールを俺は後ろにそらす!
これでボールの軌道が変わったはずだ。
ボールの行く先には…
CB陸奥がヘディングで合わせようとしている!
陸奥のヘディングシュート!
ボンッ!
バシッ!
このボールもピエルナ大阪GK平林によってクロスバーの上に掻き出された。
もう一度コーナーキックだ。
CH立木がボールをコーナーエリアにセットしキックを放つ!
ボンッ!
このボールはGK平林が直接キャッチした。
俺は急いでGK平林の前に向かって彼がボールを放つのを妨害する。
…とりあえずカウンターを防ぐことができた。
4バックの4分の3が参加する名古屋アハトのセットプレーは、カウンターを受けるとひとたまりもないのだ。
・・・・・
後半25分頃
ピエルナ大阪の攻撃。
ボランチ榎本は前線から下りてきたFW卯尾田へパス。卯尾田はボランチ小森にダイレクトパス。
小森は左SH草野へパスし、草野は中央に切り込むドリブルから右サイドを抜け出したFWパロミップへパスを送る!
ボンッ!
パロミップはそのボールにヘディングで合わせる!
ガシッ!
このシュートは名古屋GK長嶋の正面だ。長嶋は勢いそのままに左SB堀井にオーバースローでパスする。
堀井はドリブルで前線に向かって駆け上がると、センターサークル辺りにいた俺にパス!
俺は相手DFのプレッシャーを受けながら、右サイドを駆け上がる右SHにスルーパスすると自身も前線に向かう!
右SHは敵陣深くまでドリブルで持ち込むと、山なりのクロスをあげた!
ボンッ!
それに合わせたのは…
俺だぁぁ!
しかしヘディングシュートはジャストミートせず…
GK平林に簡単にキャッチされた。
・・・・・
後半43分頃
名古屋の攻撃。
GK長嶋のゴールキック。
ボンッ!
FWケリーが競り合って…
ボンッ
俺にボールが渡る!
俺は中央をドリブル突破!細かいタッチで相手DFを抜きさ…
ズザァ!
イテッ!
俺は突如横から相手のスライディングタックルを食らう!
ボールを奪われた!すぐさま立ち上がり相手の方を見ると…ピエルナ大阪ボランチの小森だった。
小森は左SH草野にボールを展開。草野は卯尾田とワン・ツーパスで中央のバイタルエリアに侵入し、もう一度卯尾田にパスを送る!
卯尾田は細かいタッチのドリブルで名古屋DFをスルスルッと抜いて最後にゴール右隅を狙いすまし…
ボンッ!
シュートを放った!
パサッ!
ボールは名古屋ゴールに吸い込まれていった。
GOAL!
大阪1-0名古屋
ウオオオオオオ! ワアアアアア! ウキャアアアア!
ついに生まれたこの試合最初の得点に会場の歓声は爆発した。
そしてピエルナ大阪のメンバーも歓喜に沸く!
「よっしゃあああ!」
「このまま6連勝いくぞぉ!」
「もう1点いこうぜ!」
そうだ。ピエルナ大阪はここまで5連勝だった。勢いに乗らせたらまずい。
「まだ時間あります!取り返しましょう!」
ボールを奪われた俺が言うのもなんだかなと思うが、そういう時にこそ言うべきだとも思う。
皆に嫌われたっていい。ゴールさえ出来ればそれで…
・・・・・
ピッ、ピッ、ピー!
試合終了の笛が鳴る。
ワアアアアア!
会場に響く歓声。
試合結果は…
ピエルナ大阪1-0名古屋
負けてしまった。これで名古屋アハトは3戦勝ちなし。
ピエルナ大阪は一番勢いに乗らせてはいけない相手だと分かっていたのに…
今回は守備陣は悪くない。寧ろよく耐えていた。
後半最後らへんで俺が致命的なボール奪取を受けなければ…
いや違うな。それでも勝利出来ていたかは怪しい。
もっとシュートを打たなければならかったし、シュートを決めなければいけなかった。
俺がゴールもアシストも出来なかったのはいつぶりだろうか。
雨水を含んだ悪いピッチコンディションのせいにすることも出来るが、それは相手も同じ条件だ。
一人で黙々と反省会をしてると…
小森選手が近づいてきた。
「大雅、大丈夫だった?」
「え?」
「俺のスライディング受けたろ?」
「あぁはい。怪我はなさそうです」
どうやら俺のことを心配してくれたようだ。
「ならよかった。ボールにはちゃんといってたからな。恨みっこなしだぞ」
「ええ、完全にやられました。個人としても、チームとしても」
「いやいや一応勝ったけど、こっちは大雅のドリブル怖すぎた。ガンガンくるもんだから」
「んーそれでも勝てなくて本当に悔しいです」
小森選手と話していると…
「いやー大雅はやっぱり敵になると怖い怖い」
榎本選手が会話に混ざってきた。
「榎本さんのセットプレーも毎回ヒヤッとしますよ」
俺、小森選手、榎本選手の3人は2014W杯を一緒に戦った仲だ。
「まぁまたお互い代表に選ばれたらいいね」
俺達は少し話し合ったあとそんな事を言って別れた。
しまった。
敗戦したのに相手チームの選手と談笑してしまった。
「大雅、サポーターに挨拶しにいくぞ!」
「はい!」
高尾キャプテンに呼ばれ返事をする。彼はまだ厳しい表情を崩していなかった。
気まずい雰囲気の中わざわざ大阪の会場に駆けつけてくれたサポーターに挨拶をする。
「クラウチ〜!失敗気にせず次ももっとドリブルしていけよ〜!」
そんな声がサポーターの中から聞こえた。
今日の敗戦の要因の一つは間違いなく俺のドリブルミスにある。
自分が応援してるチームが勝てなくて残念だろうに。
それにも関わらず励ましてくれるサポーターがいることに俺は感謝の念を抱いた。
そうだ。俺には応援してくれる人達がいる。その人達をがっかりさせていい試合なんて一つもないのだ。
次は…次こそは必ず勝つ!