ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜 作:クズ吉
2014年9月 北海道
今日のウルグアイ戦の試合会場は北海道札幌市にある「北海ドーム」である。
このドームは4万人以上収容出来るが、今日のチケットは完売だそうだ。
それだけサッカー日本代表の新体制の始まりに期待がかかっている。
ワアアアア!
パチパチパチパチ!
音楽と共にピッチに入場するとドーム満員の大観衆が俺達に歓声と拍手を送る。
これから多くの観客の前でプレーできることに俺は胸が高鳴る。
国歌斉唱、両国選手同士の握手、スターティングイレブンの写真撮影+その他諸々を済ませ、試合の始まりの合図を待つ。
ここで改めて日本代表のスタメン、フォーメーション、システムの確認と、ウルグアイのスタメンの注目選手をピックアップしよう。
まず日本代表のフォーメーションは4-3-3だ。
攻撃時はDMF、アンカーポジションの選手がCBの間に入り、SBが上がる3-4-3の形。
守備時は両WGが下がり4-1-4-1となる。
今日のCFは長身の俺なので高いクロスを攻撃の主軸に、後ろからのロングボールも積極的に使っていく。
特に相手からプレッシャーをかけられた時は無理につなぐのではなく、セーフティにロングボールを使う事を意識しろと後ろの選手達は言われていた。
スターティングイレブンは以下の通り。
GK背番号1
右SB背番号21
右CB背番号6
左CB背番号22
左SB背番号5
DMF背番号13
右IH背番号15
左IH背番号8
右WG背番号4
左WG背番号9
CF背番号19クラウチ
スタメンで気になるのは2014W杯で代表選手に選出されていなかった中盤の3選手だろうか。
特にDMF、アンカーポジションの宝坂選手は4-3-3における要となる。主にはボール奪取と良質なパスの配球を期待したい。
一方でウルグアイの注目選手。
今日のスタメンで言うと、
背番号2CBホヘ・ヒレセル
背番号3CBディレゾ・ゴヴィヌ
背番号21CFエヴィホム・ カダーリ
この3選手だろうか。
ヒレセルは19歳の若手。
ゴヴィヌは28歳だが、たしかまだまだこれから何年もウルグアイの守備を支えるレジェンド選手。
2人はスペインリーグの同じクラブに所属しており、その守備は鉄壁だ。
特にゴヴィヌは空中戦にめっぽう強い。空中戦で対決するのが今から楽しみだ。
カダーリは強靭なフィジカルが持ち味でイタリアリーグ、フランスリーグで得点王を取った事のある点取り屋だ。
ちなみにウルグアイの点取屋といえばルリク・ スマネスもいるが、彼は2014W杯で相手選手に噛みつき行為を行ったことで代表試合出場停止の処分を受けている。
よって今回はスマネスは来日していない。
勿論スマネスがいなくてもウルグアイ代表は強いチームだ。
ウルグアイ代表は2010W杯でベスト4に入り、南米王者を決めるコパアメリカ2011では優勝した強豪中の強豪である。
ザッパジャパンが初陣でアルゼンチン代表を倒したように、アビーネジャパンも初陣でウルグアイ代表という強敵を倒せば勢いに乗ることが出来るはずだ。
絶対に勝ってやるぞ!
ピーッ!
親善試合
日本代表VSウルグアイ代表
KICK OFF!
さぁ主審が笛を吹き、ウルグアイボールで始まった。ウルグアイがGKまでボールを下げたのでCFである俺はプレッシャーをかけにいく。
ボンッ!
相手GKがボールを右サイド奥に大きく蹴る。左SB中園と右サイドに張った相手選手がボールを競った!
相手選手が競り勝ちボールを前線の中央へ送る。
CFカダーリがパスを受けポストプレー。
カダーリは自分より低い位置にいるMFにパス。
相手MFは大きくボールを蹴って左にサイドチェンジ!
左サイドでは相手FWと右SB澤田の攻防が生まれる!
相手FWが深く抉るドリブルからクロスを上げる!
ボンッ!
このボールは澤田がブロックしてコーナーキックへと変わる。
・・・・・・・・・
前半10分頃
ここまで何とか失点せずウルグアイの攻撃を防いでいる。
相手の陣形も段々と分かってきた。おそらくウルグアイも日本と同じく4-3-3もしくは4-1-4-1フォーメーションだろう。
日本ボールのゴールキック。GK神山が大きくボールを蹴る!
ボンッ!
ターゲットは勿論このピッチ内で最も背の高い俺!
ボンッ!
空中戦に勝利した俺は左IH高間にヘディングパスを送る。
ボールを受けた高間は左WG大杉にシンプルにパス!
大杉は左サイドを縦に突破しようとする!
だが相手右SBはそれを許さない。
ここは俺が左サイドに寄っていてポストプレーをする。
大杉は俺にパス、俺は少し溜めてから中央に向かう大杉にボールを返す!
大杉は俺からのパスを受け少しドリブルした後にミドルシュートを放つ!
ボンッ!
パシッ!
大杉のシュートは枠内右隅に飛んだが、相手GKが手で弾き出してセーブ!
コーナーキックとなる。
「ナイスシュートです!大杉さん!」
俺は大杉に声を掛ける。大杉はぐっと親指を立ててリアクションを返した。
さぁコーナーキック、今日のキッカーは右IH立木と右WG星野。右足と左足で使い分ける。
今回は星野がキックを蹴る。
日本の両CB米谷、望岡と右SB澤田は身長が高いのでペナルティエリア内に入ってくる。
ボンッ!
星野が左足でカーブのかかったクロスを上げる!
ボールが向かうのはゴール前の俺!シンプルに高いクロスを上げてきた!
ボンッ!
しかし俺がボールに触る前にクリアするウルグアイの選手!
ゴヴィヌだ!
セカンドボールを拾うのは…
右IH立木!
すぐさまミドルシュートを放つ!
ボンッ!
しかしこれはゴールの枠から大きく外れていった。
パチパチ!
「オーケー!オーケー!立木さん続けましょう!」
俺は手を叩いて立木を鼓舞する。
立木は俺に向かって片手を上げて反応した。
俺はいつものようにアビーネジャパンでも掛け声はなるべく出すように意識している。
ミスした後に何でもないように無視されたり、キレて睨まれたりするよりは、掛け声を貰ったほうがミスした選手も安心すると思うからだ。
チームメイトが自分の事を信頼してないと感じると、プレーに悪影響が出て負のスパイラルに陥りやすくなる。
掛け声一つでそれを防げるのであればやった方がチームのためになるはずだ。
・・・・・・・・・
前半25分頃
ウルグアイボールのスローイン。右サイドのハーフウェーライン付近から相手右SBが自陣にいる右CBヒレセルに向かってボールを投げる!
ヒレセルから左CBゴヴィヌへ、ゴヴィヌから左SBへとボールを繋いでいく。
日本は自陣にブロックを敷いてウルグアイの攻撃に備える。
出しどころのない相手左SBはゴヴィヌにボールを戻す。
ゴヴィヌはCF寄りの内側にポジションをとった左WGに楔のパスを入れる!
相手左WGは左IHにボールをはたき、左IHは右IHへ、右IHは右WGへとボールを回す!
相手右WGと左SB中園の勝負!相手右WGは縦に突破し、中央へ高いクロスを上げる!
ボンッ!
バシッ!
中園がクロスに足を当ててコーナーキックにした。
ぞろぞろとペナルティエリア内に選手が入ってくる。
その中にはカダーリ、ヒレセル、ゴヴィヌがいる。俺もアビーネジャパンではコーナーキックの守備に参加する。
さてウルグアイはクロスを誰に合わせてくるか…
ボンッ!
コーナーエリアからクロスが中央に上がる!
ボンッ!
それに合わせたのは…
ゴヴィヌだ!ゴヴィヌのヘディングシュート!
パシッ!
このボールはGK神山の正面上。神山はボールをクロスバーの上に弾く。もう一度コーナーキックだ。
コーナーキックの仕切り直し。もう一度ペナルティエリア内で選手同士の駆け引きが激しく行われる。
ボンッ!
コーナーエリアから素早いクロス!
今度はニアにいるカダーリの方に向かっている!
スッ!
カダーリの後ろにボールを逸らすヘディングパス!
ボールが向かうのは大外のウルグアイの選手!
ボンッ!
左足で放たれたそのシュートは…
パサッ!
サイドネットを外側から揺らした。
ふぅ…危なかった。
・・・・・・・・・・・
前半40分頃
ウルグアイの攻撃。日本の守備はウルグアイの中央攻撃に対応できている為、今の時間帯はサイドから崩そうとしてくる。
相手右WGと左SB中園の1対1。相手右WGは強引に縦への突破を図る!
しかし中園もしっかりついていく。
相手右WGは切り返し、右IHにボールを戻す。
相手右IHは日本が上げたオフサイドラインに戻ろうとする右WGと入れ替わるように右サイドを駆け上がる右SBにスルーパス!
大杉が相手右SBについているが追いつけない!
相手右SBはゴールラインギリギリでボールに追いつくとそのままクロスを上げた!
ボンッ!
ボンッ!
このボールは左CB米谷がヘディングでクリア!
さらに左IH高間がそのクリアボールを自陣に向いてトラップ。すぐさま左SB中園にパスした。
そして中園はハーフウェーライン付近中央にいる俺に素早くロングボールを入れる!
俺は相手DFを背負いながらそのボールを受けると、タメを作って右IH立木が上がってくるのを待ってパスした。
立木はダイレクトで右サイドを駆け上がる右WG星野にスルーパスを送る!
星野はドリブルで縦に突破するタイプじゃない。
だったら俺がすべきは…右サイドへのダイアゴナルラン!
俺は走りながら叫ぶ。
「星野!」
斜めに走る俺の先に注文通りのスルーパスが星野から送られてくる。
相手左CBゴヴィヌがついて来ているだろうがそんなのは関係ない。
俺はスルーパスされたボールにさらに勢いをつけて右サイドを駆け上がる!
そしてペナルティエリアの右角あたりに差し掛かったあたりで俺はピタッと止まる。
「大雅!」
星野がインナーラップで中央のスペースに走ってこようとする。
俺はそれを囮にするつもりだ。
俺がなにをやりたいかゴヴィヌはきっと分かっている。
だが俺のドリブルは分かっていても止められない!
縦!
と見せかけてカットイン!
星野が中央を駆け抜けていったスペースを使う!
素早いドリブルでゴヴィヌを剥がしたら…
狙うはゴール左上隅、シュートを放つ!
ボンッ!
パサッ!
GOAL!
日本1-0ウルグアイ
ワアアアア!ウオオオオ!キャアアアア!
いくつもの歓声とどよめきが重なって北海ドームにこだまする。
俺はコーナーエリアに向かってスライディングタイガーポーズ!
アビーネジャパンの初ゴールは…
この俺がもらった!
「「大雅ー!」」
星野選手、立木選手の順に俺に駆け寄ってくる!
パンッ!
そしてハイタッチ!
「お前あの形左右どっちでも出来るんか!」
星野選手が興奮した様子で聞いてくる。たしかW杯の時は左サイドからカットインシュートを打ったっけ。
「はい!どっちもめっちゃ練習しました!」
「ナイスシュート大雅!すげえわやっぱ!」
立木選手は同じクラブで練習も試合も一緒なので驚いた様子はない。
他にも沢山の仲間の祝福を受けた後、俺は試合再開に向けて自陣へ戻った。
「そういえば大雅、カウンターの時俺のこと呼び捨てにした?」
「・・・すんませんでした!」
星野選手にチクリと刺されながら。
・・・・・・・・・
ピッピーッ!
前半は1-0のまま日本がリードして終了。
ウルグアイ相手に先制点を奪い失点をしてないのは上出来だ。
後半に向けしっかり準備しよう。