ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜 作:クズ吉
ハーフタイム
俺が星野選手を呼び捨てにした件。
とりあえず星野選手は「別に呼び捨てでもいいぞ」と言って許してくれた。
結果的に俺は星野選手をプレー中だけ呼び捨てにすることに決めた。
許してくれるならそれに従った方がなんだかお得な気がするからだ。
ただし今後気難しい選手が代表に来た時のために、年上の選手をさん付けで呼ぶことは変わりない。
こういうのは1人がいいよと許したからといって、他の選手も許してくれるとは限らないのだ。
さてハーフタイムではアビーネ監督による前半の総括と後半に向けて方針の発表があった。
・守備は粘り強く集中して出来ている。強豪ウルグアイ相手に無失点はすごいことだ。ただ後半ウルグアイは必ず猛攻を仕掛けてくるので一つ一つのプレーを慌てず丁寧に。
・先制ゴールは俺のスピードを活かした良いカウンターゴールだった。俺と星野選手の所でボールが収まるので後半は縦パスを積極的に入れよう。
・ロングボールを多用すると相手に読まれやすいのでボール保持できる時は保持する。でも無理して繋がないでね。バランスとリスクマネジメントが大事。
他にも細かい事は色々言っていたが、大体こんな感じだろうか。
アビーネ監督は結構選手を褒めてくれるモチベータータイプの監督だ。
監督からは全体の場ではない所でも個人的に「最高のゴールだった」と褒めてもらえた。
よし、後半もゴールをバンバン決めて監督の心証をよくしておこう。
FWが監督の信頼を得るには得点を取るのが一番だからな。
・・・・・・・・・
後半5分頃
後半開始からウルグアイは前線からの積極的なプレスを仕掛けてきた。
親善試合とはいえ格下の日本相手に負けるわけにはいかない。
きっとそう思っていることだろう。
だが日本代表もウルグアイがかけるプレッシャーには負けない。
試合前の監督の指示通り後ろで無理に繋ぐのではなく、積極的にCFの俺にロングボールを入れる日本DF陣。
今回も相手FWからプレスを受けた左CB米谷が俺にロングボールを放つ!
俺はそのボールを相手DFと競って…
勝利する!
この空中戦に勝利し、マイボールに出来るかどうか。それはチームとしてロングボールを使う上でとても重要だ。
マイボールに出来ないのであればそれはボールをクリアして相手に攻撃権をプレゼントするようなものだ。
一方でマイボールに出来るのであれば一気に前線に攻撃エリアを移すことが出来る。
一か八か、フィフティフィフティ、ロングボールはそのようにしばしばマイボールにする確率の低い戦法として認識されている。
ボール保持率が下がるため、あえてロングボールを使わないチームは多くあるだろう。
だが俺というFWがチームにいれば、話は変わる。
俺は身長190cm以上で、強靭なフィジカル、ジャンプ力、スピードを兼ね備えている。
もしヘディング能力が欠けていればウドの大木と批判されただろうが、それもちゃんとある。
以前名古屋アハトのクラブハウスで俺のN1リーグにおける敵陣空中戦勝率を見せてもらう機会があった。
その勝率は驚異の70%超えである。全てがロングボールを競ったものではないが、俺が空中戦に強い事が分かる。
空中戦に強いFWがいるということは前線にロングボールを入れてもマイボールにする確率が高いと推測できる。
だからこそアビーネ監督は俺をスタメンとして起用し、ロングボールを入れる事で速い攻撃を生み出す事を期待しているのだと思う。
逆に俺というFWがいるのに高さもスピードも活かさないサッカーを選択するとしたら、相当偏った思考を持った監督ではなかろうか。
さて戦局は右サイドの右WG星野VS相手左SBへと移っている。
星野が選んだのは…
カットインからのクロス!
ボンッ!
俺に向かって放たれたクロスは…
ボンッ!
相手左CBゴヴィヌがヘディングクリア!
回収したのは相手左IH、すぐさまターンしてドリブルで持ち上がる!
そしてCFカダーリにボールを渡す!
カダーリはワンタッチで左WGが走る先へパスを送る!
日本の右SB澤田は敵陣深くまで攻撃参加していたので、対応するのは右CB望岡だ。
だが相手左WGは望岡が追いつく前にアーリークロスを中央に送る!
ボンッ!
ドゴッ!
ゴール前に走り込んだカダーリによるダイレクトシュート!
ガンッ!
カダーリのシュートはゴールポストに当たった!
ウルグアイの攻撃はまだ続く。
ゴールポストの跳ね返りを相手右WGがペナルティエリア内で回収。すぐさま左に切り返してシュートを放つ!
ボンッ!
バシッ!
このボールには右CB米谷が足先を当てた!
だがシュートの軌道が変わったことでGK神山の取れないコースにボールは転がっていく!
ボールの行く先は…
ゴールポストの外側!日本はコーナーキックへと逃れた!
ふぅ…なんとか日本のDF陣は耐えてくれている。
さぁウルグアイボールのコーナーキック。
ボンッ!
コーナーエリアから中央にクロスボールが供給される!
ボンッ!
ウルグアイFWカダーリが日本DFとの競り合いに勝ち、ヘディングシュート!
ガシッ!
このボールはGK神山がジャンピングキャッチ!
ウルグアイの好きなようにさせていない今日の日本の守備陣。
いいぞ!さっさと追加点を取って守備陣を援護してあげねば!
・・・・・・・
後半15分頃
日本の選手交代が行われるようだ。今日は親善試合なので交代枠は6人まで。
1.OUT→背番号8高間重吾 (ポルトガル)
IN→背番号10
2.OUT→背番号9大杉修人 (ドイツ)
IN→背番号14
3.OUT背番号21澤田日高 (ドイツ)
IN→背番号3
交代選手1人目はMFの金田修斗選手。左IHのポジションに入る。先日イングランドのクラブからドイツの古巣に移籍したばかりの日本のエースだ。
彼は前世では古巣に戻って年が経つにつれて厳しい立場になっていったと記憶している。
W杯ベスト8、俺を含む新生アビーネジャパンの誕生という前世とは異なる出来事が彼の今後のキャリアをどう左右するか。
一ファンとして、日本代表の仲間としてとても気になるところだ。
交代選手2人目はFWの向井頼明選手。左WGのポジションに入る。SC東京に所属する現役大学生の新人Nリーガーだ。
このあとドイツ、イングランドに渡るはずだ。
交代選手3人目はDFの澤田権六選手。右SBに入る。澤田日高選手と変わったが、苗字が被っているので俺は2人に関しては下の名前+さん付けで呼ぶようにしている。
澤田権六選手は前世ではドイツリーグでコンスタントに試合に出ていた印象だ。たしかキャプテンも任されていた気がする。
さて試合は日本ボールのスローインから再開する。左SB中園は左CB米谷、米谷はDMF宝坂にパスする。
そして宝坂から右CB望岡にボールが渡った時!
望岡は相手DFの中間にポジションをとった右WG星野に楔のパスを入れる!
星野はターンをして相手のチェックを躱した後にCFの俺にパスをする!
俺はそのボールをワンタッチで左IH金田にパス。
金田は相手DFラインの裏に抜けようとする左WG向井にスルーパスを送る!
パスが通った!向井はドリブルでゴールライン付近まで進入する!
そしてグラウンダーのクロスを中央に入れた!
ボンッ!
バシッ!
このボールはウルグアイ右CBヒレセルが何とか足に当ててボールの方向が変わる。
ボンッ!
ポールが向かった先には左IH金田がいる!金田のダイレクトシュート!
パシッ!
ゴール左に飛んだボールはウルグアイGKが横っ飛びで弾く。
日本ボールのコーナーキックだ。
キッカーは右IH立木が務める。
ボンッ!
ペナルティエリア中央へクロスボールが入ってくる!
ボンッ!
このボールはウルグアイ左CBゴヴィヌがヘディングクリア!
ゴヴィヌは今日何回空中戦でボールをはじき返しているだろうか!
しかしセカンドボールを拾ったのは左IH金田だ。
ペナルティエリア外からもう一度中にクロスを入れる!
俺に向かってきたそのボールを俺は後ろに逸らす!
ゴール手前に落ちようとするそのボールは…
ドンッ!
パサッ!
青いユニフォームの選手がゴールに押し込む!
GOAL!
日本2-0ウルグアイ
ウオオオオ! ワアアアア! キャアアアア!
北海ドームが一瞬にして大歓声で満ちる!
コーナーエリアに向かう日本代表選手。ゴールしたのは…
背番号4!右WG星野だ!
星野はジャンピングガッツポーズをする!
日本代表メンバーは星野の下へ集まる!
「ナイスゴール星野さん!」
「よーし!」
「気を抜かずにこのまま勝とう!」
ウルグアイ相手に2-0は上出来すぎる!勝てる確率が大分上がってきたぞ!
ただ2-0はウルグアイであれば簡単にひっくり返せるスコアだ。
油断はできない。
・・・・・・・・・
後半30分頃
再び日本の選手交代。どうやら俺も下がるようだ。もう少し出たかったがしょうがない。
パチパチパチパチ!
会場は大きな拍手で包まれている!俺も拍手をしながらベンチへ下がる。
4.OUT→背番号19クラウチ大雅 (名古屋)
IN→背番号18
5.OUT→背番号4星野謙一 (イタリア)
IN→背番号11
6.OUT→背番号13宝坂隼 (ドイツ)
IN→背番号17
交代選手4人目は及川倖男選手。元鹿島の半端ない選手で現在ドイツリーグでプレーしている。
ポストプレーが持ち味の選手で、前世では日本代表のCFとして結構試合に出ていた。
だが、今世では俺とポジションを争うことになる。俺が一番ライバル視している選手だ。
交代選手5人目は海崎陽之介選手。元ブロッサム大阪の選手でトラップが天才的と言われている。この夏スイスに移籍した。
この選手も真ん中で使われる事が多いがWGも出来る。アビーネジャパンの下ではどうなるか。
日本代表の前線は本当に層が厚い。
交代選手6人目は羽賀田勝選手。日本代表のキャプテンだ。今も星野選手からキャプテンマークを引き継いでピッチに入った。
この選手はなんと言っても安定感。いつも攻守に渡りゲームを整えてくれる。
さて日本代表はシステム変更を行うようだ。守備陣形は5-4-1に移行。羽賀田キャプテンがCBに入って完全に逃げ切りに入る構えだ。
しかしこの形は練習でやってないぞ。
アビーネ監督もウルグアイ相手に後半残り15分で2-0というスコアは想定していなかったのだろうか。
6人の交代枠をフル活用しての采配。初陣からアビーネ監督は忙しなく手腕を振るう。
・・・・・・・・
その後ウルグアイは日本の強固な5-4-1ブロックを崩し切ることができなかった。
おまけにカウンターでCF及川、左SHに入った海崎、右SHに移動した向井の連携により最終的に向井のゴールが生まれた。
向井頼明選手は代表初出場で初ゴールだ!
ピッ、ピッ、ピー!
試合終了のホイッスルが鳴る。
試合結果は…
日本3-0ウルグアイ
なんと強豪ウルグアイ相手にクリーンシート!守備陣は本当によく抑えたものだ。
そして3点差をつけての勝利。流れを向こうに与えなかったのは攻守両方がしっかり機能していたからだろう。
試合後のピッチでアビーネ監督は上機嫌にウルグアイ日本両国の選手に握手していく。
北海ドームに来たお客さんも皆満足そうな顔をしている!
ひとまずアビーネジャパンの初陣を勝利で飾れて俺も安心だ。
さてと俺はゴヴィヌにユニフォーム交換を頼みに行かないとな。
ゴヴィヌは丁度審判団との握手を終えたところだった。まだ誰ともユニフォーム交換はしてないようだ。
「やぁ、ユニフォーム交換をお願いしてもいいですか?」
「やぁハンサム君。なんだよスペイン語喋れるなら試合前に話しかけたのに」
「クラウチ大雅って言います」
「知ってるよ。試合前に何度もW杯での映像を見たからね」
なんとゴヴィヌは俺の事を知ってくれていたようだ。
「僕も!僕も欧州CLファイナルの試合を見ました。素晴らしいゴールでしたね」
「ありがとう。君の今日のゴールも素晴らしかった。W杯でも見せてたパターンだったから防げると思ったんだけど、君が速すぎた」
「そう言ってもらえて嬉しいです。いつか…いつか僕もあなたと同じ舞台に立てるようにがんばります」
「早く欧州においで。まだ来れないのは分かってるけど」
ゴヴィヌはそう言って笑ってユニフォームを脱ぎだした。
俺も一緒になってユニフォームを脱いで彼のと交換をする。
「それじゃまた会おう」
そうして俺はゴヴィヌと別れ他のウルグアイの面々にもスペイン語で挨拶をしていった。
さぁ勝利の余韻に浸るのもいいが…
次の試合の対戦相手は難敵メキシコだ。
10月のスケジュールもそうだが、マッチを組んだ日本代表の担当者はアビーネ監督に対してかなり無情ではないだろうか。
強敵続きで一瞬も気を抜けない。
もちろんどんな相手だろうが全試合に勝つつもりでいるがな!
初陣を制した勢いのままに突き進もうアビーネジャパン!