ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜 作:クズ吉
2011年4月
「じゃあね望結ちゃん部活頑張って」
「ありがとう大雅君。じゃあねまた明日」
今日の授業が全て終わり、望結ちゃんに手を振りながら別れの挨拶をして教室を出る。
向かう先は校門前。今日は俺のクラブと紗那の陸上部の休みが重なった日で、紗那と一緒に帰る約束をしていた。
中学校に入って部活動が始まった。我が中学校は基本的に誰でもどこかの部活に所属しなければならないのが面倒くさいところ。
ただ救済措置があって、部活に所属しても活動には参加しない幽霊部員になることが黙認される部活がいくつかある。
その部活を見つけられるかどうかは噂を持ってきてくれる友達や先輩がいるかが大事だ。
俺は幸いにも紗那から陸上部なら幽霊部員になっても怒られないらしいと聞いたので、紗那と同じ陸上部に所属することに決めた。
紗那は俺とは違い、陸上部の活動を頑張るそうだ。
ちなみに望結ちゃんは美術部に入ったらしい。
そんなことを考えてると校門前に到着。紗那は先に着いていた。
「紗那!おまたせ」
「そんな待ってないよ。じゃあ帰ろっか」
俺たちの家は中学校から徒歩10分の位置にある。
帰る間、俺達は学校のことや部活の話、クラブチームの話などをして楽しく過ごした。
・・・・・
「じゃあ荷物置いたら私んちに集合ね」
「おっけー」
俺達はまた会う約束をして紗那の家の前で別れた。
俺はすぐ近くの自分の家に帰る。
「ただいまー」
「おかえりー」
母さんが帰ってきた俺を出迎えてくれる。
「学校どうだった?」
「んーまぁまぁ楽しめたかな」
「そう、良かったね。このあとの予定は?」
「紗那んち行く」
その後自分の部屋に荷物を置いて俺は家を出た。
・・・・・
ピンポーン
「はい」
「さーなーちゃん、あーそーぼ」
「いいよー」
ガチャッ
紗那が玄関のドアを開けて俺を家に招く。
「今日茉那ちゃんは?」
「ランドセルおいてどっか遊びに行ったっぽい」
「そっか、じゃあ今日もゲームをして遊ぼう」
「うん!」
紗那は本当にゲームが大好きだ。
夜にちゃんと寝てるか心配になるが、以前聞いたときは21時にはちゃんと寝てるって言ってたな。
「そういえば紗那、もう誰かに俺たちが付き合ってること言っちゃった?」
「別に誰にも言ってないけど」
ふぅ…紗那があんまりそういう事をひけらかさない子で良かった。
「出来ればこのまま付き合ってることは二人の秘密にしてくれないかな」
「どうして?」
「んーと、それは7月になったら教えられるかな…」
「…ねぇ、他に好きな女の子できたでしょ」
!?なぜそれを…エスパーか?紗那は。
「ど、どうしてそう思ったの?」
「学年の女子の間で噂になってるよ。五十嵐望結ちゃんだっけ?その子と大雅がイイ感じだーって」
まさか他のクラスにまでそんな噂が…俺が望結ちゃんにデレデレしすぎたせいか。
「あー…えっと、そのー」
言葉が何も出てこない。
「はぁ…好きなんだねその子のこと」
…コクッ
俺は正直に頷いた。
「私と付き合うことにしたの後悔してる?」
…ブンッブンッ
今度は俺は頭を横にふる。
「じゃあこれからどうするの?」
俺は7月に決行しようと思っていた、二人に二股していいか聞く作戦を紗那に伝える。
「あのね、ハッキリ言うけど二股をしていいか聞かれて許す女も、あなたは2番目の女だけど付き合ってくれって言われて付き合う女もこの世には普通いないからね!」
「無理かー」
「無理かー、じゃない!このバカ!」
ポカッ
紗那にゲンコツで軽く殴られた。痛い。
「はぁ…んー、大雅がその望結ちゃんって子とどうしても付き合いたいなら、私と付き合ってないことにしないと」
「望結ちゃんを騙すってこと?」
「それしたら私は大雅のこと軽蔑するけどね」
「じゃあ駄目じゃないか」
八方塞がりだ。俺は望結ちゃんを諦めるしかないのか。
「諦めちゃえって、そんな幼稚園児みたいな夢」
「幼稚園児…紗那、逆に考えてみて。幼稚園児が夢に抱くという事はそれは純粋、人間の本能とも言えないか?」
「そうだとしてもここは日本なんです!二股なんて不純極まりないの!ほら、準備できたよ」
「うん…」
この日は紗那に丸め込まれた俺だった。