Re:Nyanster 〜刺突から始まる猫人転生日記〜   作:パンダ三十六か条

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大幅に加筆しました。


24日目〜27日目 ボスとの連戦。増える能力。

24日目

 

今日も別の区域に見回りへ。敵を探して進んで行くと、先の方から強い生物の気配を感じる。それを辿って奥へ奥へと進んでいくと、その先に居たのは熊だった。

 

青熊獣(アオアシラ)

青く分厚い皮に覆われている大柄な熊。雑食で蜂蜜や魚などを好んで食らい、高い攻撃力と防御力で立ちはだかるモンスターを蹴散らす。体力もありタフで、持久戦も向いている。性格は比較的温厚で愛嬌もあり、近隣の住民から親しみを持たれている。

 

こいつは、はっきり言って俺と相性が悪いモンスターだ。なんせ打たれ強いので一撃で倒す事もできないし、自然治癒力が高いので毒も聞きづらい。つまり物理攻撃による長期戦が方法が一番良いのだが、俺のステータスは全方面に満遍なく鍛えられている万能型(オールマイティ)なのに対し、こいつは物理攻撃特化の攻撃型(アタッカー)前衛型(タンク)。まるでRe:Monsterのミノ吉だ。

だが、今の俺にはいいかもしれない。俺には戦闘経験が少ないので、どうしてもセンスに欠けている。【武芸百般の心得】は持っているから戦闘方法はある程度分かるのだが、それだけでは戦闘面で不安が残る。

 

俺はまず、【斬撃力上昇】と【切断力上昇】と【貫通力上昇】、そして【打撃力上昇】を【調合】する。この4つはいちいち切り替えるのが面倒なので1つにして使いやすくするためだ。これにより、【武器攻撃威力上昇】が完成する。

そして、アイテムボックスから双剣を取り出すと、【5属性攻撃】を発動させる。これにより、全ての攻撃に5属性が付与されるようになる。

さらに、【攻撃力強化】と【防御力強化】で身体能力を底上げし、【薬物効果上昇】【攻撃強化薬】【防御強化薬】を使って更に上昇させる。

 

準備が完了した。俺は【威嚇咆哮】を使い、相手に自分の存在を気づかせた。今回の戦いはあくまで戦闘訓練のため、わざわざ奇襲をしたりはしない。

アオアシラはこちらに気づくと、まっすぐに目を合わせてくる。そして、ゆっくりと立ち上がると身体を起こして腕を広げ、威嚇の体制をとった。

「ガァァァァァア!」

俺たちは互いに闘争の意思を示し合うと、戦闘を開始した。

 

 

 

切り裂く。叩く。突き刺す。去なす。抉る。足を斬りつけてバランスを崩し、頭を殴って目眩を起こさせて、腹を貫いて肉を穿つ。まるでルーチンワークのように、あらゆる動作を繰り返す。【弱点見切り】で相手の弱い所を探し出し、【岩斬り】でガードを抜けて相手に攻撃を当てる。【連斬】で相手にラッシュを叩き込み、【剣打撃】【気絶攻撃】で相手の頭を打ち一瞬の隙を作り出す。全ての行動から回避に移行できる【回避直結】によって攻撃を全てかわす。

この戦いで分かった。今の俺の身体能力に強化能力を重ねがけすればボスモンスターとも戦えるって事が。

 

「がっ⁉︎」

そんな風に別の事を考えていたら、うっかり一撃喰らった。思いっきり吹っ飛ばされて地面を転がる。だが、今の俺は【形状記憶】【竜鱗生成】【スーパーアーマー】【狗竜の鱗』などを組み合わせて使っているので致命傷にはならなかった。

だが、それでも痛いものは痛い。【回復】などを使う事で傷は塞がるが、精神的にじわじわと磨耗していくのを感じた。

「どうやら出し惜しみはできないみたいだな……」

【鬼人化】【鬼人強化】【練気技】発動。

身体の中でエネルギーが弾けて、気持ちが高ぶる。鬼人化によって攻撃の速度と威力が上昇し、ラッシュを叩き込むほどにその威力は上がっていく。【鬼人強化】と【練気技】はどちらも攻撃を当てるほどに威力が上がっていく能力なので、2つの効果が合わさって飛躍的に俺の攻撃力は上昇する。

【連斬】を発動し、体に幾つもの傷を負わせていく。鬼人化によって高速で叩き込まれる刃は、身体の奥へ奥へと近づいていく。

 

そろそろ相手が力尽きそうになっていた。全身から血を流し、動きも鈍い。目に宿る士気こそ消えてないものの、満身創痍で今にも死にそうだ。

【5属性攻撃】に、まだ残っている【火属性攻撃】【水属性攻撃】【雷属性攻撃】【氷属性攻撃】【龍属性攻撃】を重ねがけして威力を高める。双剣からは炎が燃え上がり、水が溢れ、雷が轟き、冷気が噴き出し、黒いオーラが満ちる。俺は【突進】を使って一気に詰め寄り、技を発動させる。

 

「……【属性解放突き】」

その瞬間、五色の輝きが光の奔流となってアオアシラの胸下を貫いた。

 

【属性解放突き】は本来スラッシュアックスの技でその武器についているビンの性質を解き放つ技だが、ラーニングによって若干その性質が変わっている。

今の俺の【属性解放突き】は、武器の内封する全ての性質を解き放つ。属性も毒も何もかも、持っている性質をブチまける。

 

身体を貫かれたアオアシラは、こちらを見据えて少し笑い、そのまま前に向かって倒れた。その死に顔はとても安らかで、満足気だった。

俺は、アオラシアの前に座りこみ、手を合わせる。

「……アオアシラ、いただきます」

 

 

 

『能力名【青熊の堅牢な甲殻】のラーニング完了』

 

『能力名【青熊の強靭な筋肉】のラーニング完了』

 

『能力名【重撃無双】のラーニング完了』

 

『能力名【連撃怒濤】のラーニング完了』

 

『能力名【飽食】のラーニング完了』

 

『能力名【甘党】のラーニング完了』

 

『能力名【餌探し】のラーニング完了』

 

『能力名【獣の誇り】のラーニング完了』

 

毛皮や骨などの、余った素材は皆に渡した。これで他のアイルーの装備が充実するはずだ。

 

 

今日の能力合成結果

【蟻酸生成】+【肝機能上昇】+【飽食】+【早食い】+【食い溜め】=【大食感】

 

【竜毒投与】+【特殊攻撃威力上昇】+【毒物生成】+【減気毒生成】+【麻痺毒生成】+【睡眠毒生成】=【猛竜毒投与(ハイヴェノム)

 

25日目

 

 

獲物が取れないなら魚を取れば良いじゃない! ……と、言うわけで魚釣りに挑戦する事にした。

 

今まで使ってなかったのだが、俺は釣りミミズから【魚寄せ】という能力をラーニングしている。今まで使い所が無くて使っていなかったが、この能力を使えば大量に魚を引き寄せる事ができる。これで大量に魚が捕まえられるはずだ。

 

釣竿は無いので道具は自作。【蔦生成】を使用して細い糸のような蔦を作り、先端部は硬くフック状になるように調整する。こうしてできた糸を川に垂らして、【魚寄せ】を使う。能力の効果で魚は競うように食いついてくるので、後はそれを引っ張り上げるだけ。【操糸術】の効果で俺は糸を神経が通っているかのように操れるので、魚を釣り上げるのは簡単だった。

 

釣れたのはサシミウオ8匹、ハリマグロ6匹、小金魚2匹、黄金魚一匹。いくつか残していただきました。

 

『能力名【微回復】のラーニング完了』

 

『能力名【金属吸収】のラーニング完了』

 

『能力名【黄金制御】のラーニング完了』

 

 

【黄金制御】はどうやら金を操る能力らしい。小金魚から金を取り出して塊にする事ができた。地盤や水の中に含まれている物も操れるらしいので、金の鉱脈を探し出すのに使えるかもしれない。

 

時間があまったので、【金属吸収】と【黄金制御】の実験のため採掘を行う事に。【採掘】はもう既にラーニングしていたので、それを使って崖をザクザク掘り返す。

鉱石を見つけるのは中々骨が折れる作業だが、【気配察知】をフル回転させて鉱石の位置を探り続ける。

 

ただ、中々上手いくはいかず、数時間かけて手に入ったのは鉱石の欠片が数個と花香石の塊だけだった。金も手に入ったのは拳一つ分ほど。まあ、リアルのファンタジーだしこんなものだろ、と気持ちを切り替えて、花香石を食べる。

 

 

『能力名【花の香り(フローラル)】のラーニング完了』

 

 

試しに【金属吸収】を使ってマカライト鉱石を毛に取り込むと、毛は光沢と硬さを得た。どうやらこの力は金属と同化する能力らしい。

結局右腕にドラグライト鉱石とマカライト鉱石を取り込み、金属腕に変えた。これで盾としての機能と鈍器としての機能を得る事ができたので、戦闘面で大いに役立ちそうだ。

手に入れた黄金はアイテムボックスにまとめておく事に。もし人間との出会いがあればこれも取引に使えるかもしれない。

 

今日の能力合成結果

【物品鑑定】+【簒奪】=【情報簒奪の鑑定眼】

 

【発熱】+【冷却】=【温度操作】

 

26日目

 

エリア9の方から不穏な気配がしたので行ってみた所、そこにはクルペッコとリオレイアがいた。【隠れ身】と【忍び足】を使って近づいたので気づかれる事はなかったが、かなりの大迫力に少し震えた。

リオレイアは逃げようとするクルペッコを必死に攻撃し、クルペッコはそれから逃れようと、もがき続ける。だが、その翼はもうボロボロで、噛み付かれて傷だらけになっている。この状態で飛ぶのはかなり大変だろう。どうやら鳴き袋も潰されたらしく、喉元からは血を流している。

双方ともに、火を使って戦うモンスターで火属性耐性が高い。だからこそ、この二体の戦いは互いの肉体性能が物を言う。小手先の手段しか持たないクルペッコにとって、空の王者のつがいであるリオレイアはとても敵う相手ではないのだ。

 

クルペッコはボロボロの翼を羽ばたかせて何とかリオレイアの拘束から逃れると、そのまま空を飛んで逃げていった。リオレイアは逃げていくクルペッコの姿を満足そうに眺めると、そのまま巣のあるエリア8に戻っていく。

 

 

……よし、クルペッコを殺そう。今なら怪我をしているから倒しやすそうだ。

そう決めると、俺は【翅生成】で背中に虫の翅を作り空を飛んだ。手にアイテムボックスから取り出した弓を持つと、相手を狙って構える。はたから見ればまるでキューピットだ。

【矢生成】で作った矢に【猛竜毒投与】で協力な麻痺毒を纏わせ撃ちこんだ。動けなくなったクルペッコはエリア7の方に落下していった。

 

回収したクルペッコはジャギィやアオアシラより上位のモンスターなだけあり、歯ごたえがありながらも肉汁がありボリューム感が強かった。

 

『能力名【燃える拍手(フレイムクラップ)】のラーニング完了』

 

『能力名【高速飛行の心得】のラーニング完了』

 

『能力名【粘液の唾】のラーニング完了』

 

『能力名【燃えない羽毛】のラーニング完了』

 

『能力名【4連突き】のラーニング完了』

 

『能力名【笛吹き名人】のラーニング完了』

 

『能力名【癒し】のラーニング完了』

 

『能力名【広範囲攻撃】のラーニング完了』

 

『能力名【魚取り】のラーニング完了』

 

 

 

手に入れた【燃える拍手】だが、これはどうやら手を打ち合わせると火を発生させる能力らしい。拍手すると手から炎が発生した。【火属性攻撃】との併用で炎の量を多くする事も可能なようだった。

他にも指パッチンで着火、などの芸当も可能だった。気分はどこぞの大佐である。一緒に手に入れた【粘液の唾】は確か相手の属性耐性を下げる能力だったはずなので、合わせて使ってみるのもいいかもしれない。

 

今日の能力合成結果

【回復】+【応急手当】+【生命の粉塵】+【回復速度上昇】=【黒猫の回復力】

 

 

 

27日目

 

居住区に山菜爺さんが来た。ゲームではお馴染みの人だったので少し感動する。どうやら渓流に採集に来たらしい。

【情報簒奪の鑑定眼】を使ったら、それを察知されてしまった。おそらく【敵意察知】のような能力を持っているのだろう。戦闘力は俺より低いようだが、油断はできなさそうだ。

 

大人アイルー達はこの人を歓迎しているらしく、何人もの人が彼の周りに集まっていた。せっかくなので俺も、備蓄していた食糧をパッと使って手料理を振る舞う事にした。

爺さんはアイルーが料理を作った事に驚いていたものの、結局食べていた。他のアイルー達も欲しがったので、そいつらの分も作る羽目になって大変だった。

他にも、メラルーの所で見つけた酒瓶を開けて爺さんと2人で飲んだり、最近人間の集落で起きてる事を聞いたりして過ごした。爺さんが言うには、最近女性ハンターの行方不明事件が多発したり、人間の住む場所の近くまでモンスターが現れたりなどで、世間の空気がピリピリしているらしい。

なんやかんやでその日は遅くまで爺さんとドンチャン騒ぎして過ごした。もう遅いので泊まっていくか聞いたが、爺さんは用事があるといって居住区から去っていった。

 

 

このとき俺は知らなかった。爺さんをそのまま帰したせいで、あんな事になるなんて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、ならないためにも俺は爺さんを殺す事にした。

爺さんをほっとくと絶対に危ない事が起こる気がする。なんせ俺はアイルーのくせにボス並みに強くなったイレギュラーな個体だ。このままだとハンター協会に報告されて面倒なことになる可能性もある。それを避けるためにも、俺は爺さんを殺す必要があるのだ。

 

俺はさっきまで飲んでいた酒をビンに吐き出し、封をしてアイテムボックスに放り込む。この爺さんと飲んでいた酒には、【猛毒投与】で作った『効果時間が来ると致死毒に変わる無味無臭の毒】が入っている。この毒は解毒薬や漢方薬が効かないくらいに強力だ。【吸喰能力】【猛毒耐性】【解毒】を持つ俺でもダメージを受けるレベルの毒なので、俺は飲んだフリをして【腹袋】に流していた。

爺さんも俺が飲んでいたから安心していたのだろう。俺と一緒にあいつも酒を飲んでしまった。村を出た後酒を吐いたり解毒薬を飲んだりしたとしても、今頃は死んでいることだろう。

 

 

 

しばらくして村を出ると、離れた所で爺さんの屍体を見つけた。さっきまで仲良く話していた人だけあり少々罪悪感はあったが、いい能力が手に入りそうなので食べた。

さっきまで喋っていた人の肉を食う。何とも奇妙な感覚だった。

 

『能力名【逃走の心得】のラーニング完了』

 

『能力名【職業・隠者(ハーミット)】のラーニング完了』

 

『能力名【採集の心得】のラーニング完了』

 

『能力名【老人の知恵袋】のラーニング完了』

 

『能力名【敵性感知(センスエネミー)】のラーニング完了』

 

『能力名【常時健康体】のラーニング完了』

 

 

今日はなぜか精神的に疲れたので、能力の合成もしなかった。





7月26日
矛盾点が見つかったので修正しました。
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