Re:Nyanster 〜刺突から始まる猫人転生日記〜   作:パンダ三十六か条

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皆さん、いつもこの作品を読んでいただきありがとうございます。
今回の「37日目〜38日目」ですが、矛盾点がいくつか見つかったので、最後の部分を書き直させていただきました。その結果、変更前と大分結果が変わりましたが、ご了承ください。
これからはなるべく、そういう事態が起こらないようにします。どうもすいませんでした。

さらに追記
若干最後の展開を書き直しました


37日目〜38日目 準備と誤算

37日目

 

今日は能力の検証をするために、エリア8の高台の所に行った。行く途中でガーグァ三体捕まえて腹ごしらえも行う。最近新しい能力を大量に手に入れたので、その効果の確認をする必要もあった。

 

 

まず最初に【猫又の妖剣尾】。この能力は現在、多種多様な能力が合成されている。

尾から3本の棘を生やして、相手に向かって正確に飛ばす【三つ叉の棘尻尾】。

龍属性と対龍属性を付与し、刃状にする【竜殺しの刃尻尾】。

相手の防御を崩して、尻尾を深く突き刺す【貫穿の黒尻尾】。

尻尾を自由に操り、相手に強い一撃をくらわせる【黒き猫竜の尾攻撃】。

複数の能力が統合された結果、俺の尻尾による攻撃の威力は大型モンスター並みになった。遠距離の相手に対しては守りを貫通する棘で狙撃をすることもできる。

 

さらに今、俺は全身に尻尾が合成されているため、この能力を全身で発動することができる。試してみたところ、腕から棘を出現させて飛ばしたり、手を剣状にする事ができた。今の俺は全身が凶器といっても過言ではない。

 

他にもいくつかの能力の検証を行い、性能をチェックする。

【並速思考】は、脳の処理速度をぐーんとはねあげる。脳内にいくつもの意志がある感覚は新鮮で、いつもより世界が鮮明でゆっくり動いてる気がした。

【赤い猫手】と【赤長靴を履いた猫】は【外骨格着装】の部分展開版。身体を守る範囲こそ狭いが、性能自体はこれらの方が上だった。どちらも【外骨格着装】と同時に使えないようなので、状況で使い分けるのがベストだろう。

【雷光虫活性化】は、使うと身体から翅と触覚が生えた。どうやらこの能力、使うと俺の中の雷光虫の要素が増幅されて表に現れるらしい。雷光虫の部分が発生させた電気が【電気増強】により筋力を強化するので、副次効果で身体能力が大きく底上げされた。

 

 

あと、最近分かったのだが、俺の能力には常にオンになっている物があるらしい。ジンオウガとの一戦で【龍気脆弱】が意図せず発動していたように、俺は得た能力を完全に支配しているわけじゃないらしいのだ。

なんせ、俺は日本では普通の一般人だったのだ。前世では何年も【吸喰能力】を使っていた伴杭彼方(ゴブ朗)とは違い、俺はこの能力を手に入れたばかり。俺とオバ朗では能力を使ってきた経験が違う。能力を制御できずに暴走させてしまうのも無理はない。

調べてみたところ、このような結果になった。

 

任意で発動する能力は『自然現象系』『物理直接攻撃』『物理間接攻撃系』『防御系』『間接防御力強化系』『回復系』『隠密関係系』『生作系』『取り扱い系』。

 

常時発動する能力は、『職業系』『耐性防御系』『脆弱系』『強化系』『間接強化系』『精神関係系』『統括系』『情報収集系』『技能関係系』『心得系』『血統・因子系』『言語系』。

 

能力によってまちまちなのが『感覚強化系』『特殊強化系』『戦闘関係系』。

 

つまり、結構な数の能力が常に発動している、というのが今の現状らしい。そのせいで身体の燃費が悪くていろいろと大変なので、能力を制限する能力をそろそろラーニングしたいものだ。

 

 

 

能力検証も終わったので、次は人間社会に入るための準備をしよう。俺は【菌床】と【生肉生成】に、【確率変動】と【玉石混淆】を合わせて発動させ、更に俺の血を加える事でスライムのような生命体を作り出す。

 

人間社会に入ったら、きっと俺は今までのようには食えない。野生動物を乱獲したり、強い人間を食ったりするのはやすやすとできなくなる。なので、俺は【庇護者】の能力を応用してエネルギーを集める事にした。

【庇護者】は傘下を強化する能力だ。繋がりのある者との間にパスをつくり、能力を与える。すなわち、これを利用して傘下からエネルギーを徴収する事もできるはず。そこで俺は繁殖力の高めなキノコの胞子をばら撒くスライムを製作してみた。俺は試しに作ったスライムを鑑定する。

 

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名称:【蠢く菌肉】

分類:【人工生命体】

能力:【知性・小(弱)】【胞子散布】【隠れ身(ハイディング)】【気配察知】

備考:人工的に作り出された生き物。胞子をばら撒くための存在。消化器官などをもたないため、餓死ですぐ死ぬ。

 

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そこそこ良い物ができた。後はスライム達をそれぞれ別の方向に向かわせる。

スライムが通った道には胞子が散布されて、それが育ってできたキノコが俺に養分を供給する。キノコは胞子を広範囲に散布し更に数を増やすので、俺に供給される養分はどんどん増えていく。

 

更に俺は、キノコに引き寄せられた草食動物を狩るためのモンスターも作ることにした。

俺は先ほど殺したガーグァの卵を3個取り出すと、【飛竜の因子】と【孕ませる】を発動する。すると卵がズッシリと重くなったので、鑑定して能力を確かめる。

 

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名称:【賢い竜の卵】

分類:【卵/竜】

能力:【知性・小(弱)】【雑草の如き成長】【急成長】【大器晩成】【飛竜の因子】【猛竜毒投与】【火竜の堅牢な鱗】【龍属性攻撃】【回避直結】【飛行の心得】【異種族言語(ドラゴン・ランゲージ)】【猛火の竜息(バーニング・ドラゴン・ブレス)】【連携の心得】【隠れ身(ハイディング)

備考:知性を持つ竜の卵。成長すれば、かなり強い個体になると思われる。

 

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よし、これでよし。後は【羽毛生成】でフワフワな巣を作ってその上に卵を配置し、ジャギィ対策に【植物生成】で作った燃えやすいバリケードで覆う。ついでに生肉を作って、【強力殺菌】で殺菌して置いておく。

あとはコイツらが成長すればなんとかなるだろう。こうして作業を終えた俺は人間達の元へと戻った。

 

人間達の所に戻ったら、周りの人から怒られた。おっさん曰く、ひ弱なアイルーが1人で危険な渓流を探索するのは自殺行為だとか。いや、俺、このメンバーで一番強いんだけど……。理不尽である。

 

38日目

 

今日は、人間達と一緒にすごしていた。キャンプ地に近づいてきたモンスターを倒したり、人間社会について質問したりしていた。

そして、昼頃だっただろうか。突然辺りに大きな音が鳴り響いた。その爆音とガラスを引っ掻いたような高音は、俺の地雷が爆発した時の音だった。

 

近づいて行ってみたところ、そこには何台もの列になった荷馬車があった。話してみたところ、調査隊の本隊の人達だった。

荷馬車の先頭には動力であるガーグァを取り付けるための紐のような物があった。しかし、どうやらリオレイアの奇襲にあってガーグァが全部やられてしまったらしく、今はなにも繋がれていなかった。

なんでも車で移動している途中、突然爆音が鳴り響いたかと思うと、外に出てみたら先頭の方で火が上がっていたのだとか。ガーグァを操っていた御者の男は無事だったのがせめてもの救い、と調査隊の人は語っていた。

 

うん。その爆発は多分俺の地雷のせいだな。

おそらくガーグァに踏みつけられて地雷が爆発したのだろう。地雷というのは対戦車用でも踏みどころによっては人の体重でも爆発するというし、そうなるのも無理はないか。火薬の匂いは、強烈な

とりあえず、死んでしまったガーグァを埋めてから、乗っていた乗組員と俺たち6人で荷物を持てる分だけ持って歩いて帰ることになった。その中でやられたガーグァの肉を一部貰い、地雷の破片も回収しておく。あとは荷物と乗っていた人たちの髪の毛も少しだけちょろまかした。こういう時に、絶対的な盗みの技術を得る【簒奪(スティール)】は便利である。相手のパンツを瞬時に奪ったりとかはできないが、そこそこ有用な能力だ。

 

『能力名【幸運(ラック)】のラーニング完了』

 

『能力名【不運(ドゥーム)】のラーニング完了』

 

『能力名【悪魔の兵器】のラーニング完了』

 

『能力名【擬似千里眼】のラーニング完了』

 

『能力名【溜め短縮】のラーニング完了』

 

『能力名【凄みを知る者】のラーニング完了』

 

その作業の間、御者の男が「あれは絶対にリオレイアでは無かった」と騒いでいたので、こっそりと睡眠毒を投与して眠らせておいた。

ちなみに【幸運(ラック)】は、近くで俺特性の地雷を受けても傷1つ追わなかったコイツからラーニングした能力名で、【不運(ドゥーム)】は運悪く地雷に巻き込まれたガーグァからラーニングしたものである。発動したら危険なので、片方はすぐに種に封印することにした。


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