Re:Nyanster 〜刺突から始まる猫人転生日記〜   作:パンダ三十六か条

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追記(1月24日)
「最終回閲覧注意」のタグを追加しました。


最終回

VS憤怒の使徒

水没林。雨が常に降り注ぐ、緑豊かな土地。ニャー郎はそこで1人の女に出会う。

 

「へえ、珍しいわね。重装備のアイルーがたった一匹でこんな所にくるなんて」

「……あんた、何者だ。人間にしては、明らかに秘めたエネルギーが強すぎる。それにその肉体、細いのにかなりの密度(・・)を感じる」

「ふふ、当ててごらんなさい」

 

人間の姿で飛びかかってくる女。女はその細身では考えられないほどの力を発揮する。しかし、様々な能力を駆使して筋力を上昇させ、ユクモ村でひたすらに格闘技の修練を積んだニャー郎には敵わず、その顔に強い一撃を喰らう。

 

「なるほどな、殴った時の感触が人間の肌じゃ無かったし、異様なほどに硬いし、重い。多分、元は巨大な肉体を圧縮して、その上から映像でも投影してるのか?」

「あが、変身が、乱れ、て」

「【猛竜毒過剰投与(ハイオーバー・ヴェノム)】の毒で筋肉を弛緩させて、更に【震動】と【発電能力】で筋肉の緊張を乱した。これでまともにその姿を保てないだろ」

【ネコの医療術】【睡眠誘導物質】【減気物質】【猛竜毒投与】の四つを合成した力は、ボス相手ても効き目があった。しかし、その毒は敵の本当の姿をニャー郎に見せることになった。

 

『アアアアア、許サナイ! 殺ス! 殺シテヤルゥゥゥウ!』

憤怒の使徒、その正体は変身能力を持つロアルドロスだった。毒のせいで小さな人の姿を満足に保てなくなったロアルドロス。それでも、手足の長さや肩幅を少し調節することにより、肉体をティガレックスのような動きやすい姿に変えることは容易にできた。ロアルドロスはその巨体には似合わぬ俊敏な速度で飛びかかってくる。その足元には水が蠢き出し、その体は白熱する炎へと包まれる。

 

強い炎は圧倒的な攻撃となり、防御となる。ニャー郎は、その強い能力の前に窮地に立たされた……かに思われた。

 

「能力【赤長靴を履いた猫(プス・イン・レッドブーツ)】と【ネコの火渡り術】を【調合】し、能力【紅蓮長靴を履いた猫(プス・イン・クリムゾンブーツ)】を獲得。マグマの上を歩ける能力と、脚を保護する力。これにより、俺の脚はお前の炎の影響を受けない!」

『ナンダトッ⁉︎』

「更に、前に俺が獲得したリオレウスの素材と、腕を保護する能力【赤い猫手(レッドハンド・オブ・ヘルパー)】と供に能力【外骨格着装】にフォームとして合成する!」

『バ、馬鹿ナ!』

「名付けて、【緋色の大地の舞踏正装】。この姿なら、炎で包まれた相手も殴れる! これで、トドメだー!」

『グアアアアアアア!』

 

『能力名【変形能力(メタモルフォーゼ)】のラーニング完了』

『能力名【変身(シェイプシフト)】のラーニング完了』

『能力名【炎獅子の灼体(フレイム・レオ)】のラーニング完了】

『能力名【深緑の住人】のラーニング完了』

『能力名【|水流操作能力《ハイドロハンドのラーニング完了』

『能力名【海綿質生成】のラーニング完了』

『能力名【水中の捕食者】のラーニング完了』

 

 

 

VS色欲の使徒

辺り一面白銀の世界。ほとんど活動的な生物のいない極寒の地に、恐るべきギギネブラが誕生していた。その個体は、何人もの女を捉えては、【淫毒生成】や【思考制御】を使って調教を行い、その性欲を満たすクズだったのだ。

 

「ヒヒッ! 僕は分身が寄生した相手は僕の支配下に置かれる! どんな相手だろうと、それから逃れるのは不可能なのさ!」

「それなら、感情の起伏によって温度が変わる炎を身体に纏う【炎獅子の灼体(フレイム・レオ)】と、ディアブロスからラーニングした【双角猛る砂漠の暴君】【過剰防衛】【死神】【悪魔】を同時発動する」

「うわあああ! 俺の分身が燃える!これじゃあ寄生できない!」

「更に、【火力大強化】と【燃える拍手フレイムクラップ】と【火属性攻撃】を合成した【発火能力(バイロキネシス)】も発動! 汚物は消毒だあああ!」

 

「こうなったら、俺の分身を寄生させたモンスター軍団を使うぞ! 行けっ、イビルジョー! ティガレックス! ウルクスス!アグナコアトル!」

「素材美味しい」

「うわあああ! そんな馬鹿な! 俺の最強軍団が!」

「イビルジョーにきちんと餌やってた? 本来よりかなり弱ってて、肉も筋張ってたぞ。美味かったけど」

 

「もう、俺が挑むしかなry」

「【ネコの火薬術】と【爆薬生成】と【悪魔の兵器】を調合した【爆弾使い(ボマー)】で、体内に火薬をぶち込んで卵管を中からぶっ壊します。

「うわあああ!」

「逃げた敵は【空の王者】と【ワールドツアー】と【長時間飛行】と【長時間滞空】と【滑空】と【ホバリング】と【高速飛行の心得】を調合した【天空の王者】で空を飛んで追いかけます」

「うわあああ!」

「【風起こし】と【突風起こし】と【螺旋気流】と【竜巻拡散】と【風に乗る者】を調合した【|大気操作能力

エアロマスター》】で相手を叩き押します」

「うわああああああ!」

「【泥まき散らし】と【泥製鎧着装】と【肥沃な泥】と【砂山隠れ】と【濁流ブレス】と【岩降らし】と【砂玉ブレス】と【金属制御】と【黄金制御】を調合した【|地形操作能力《アース・コントロール】で上から岩を降らせます」

「うわあああ、あ……」

「瀕死になったので【ネコの解体術(小)】と【ネコの解体術(大)】と【ネコの解体の鉄人】を調合した【ネコの解体の俳人】で生きたまま解体して生きます」

「」

 

「生き残ってる人間の人はもう手遅れレベルだったので食べることにしよう」

 

『能力名【寄生支配】のラーニング完了』

『能力名【淫毒生成】のラーニング完了』

『能力名【クローン精製】のラーニング完了』

『能力名【思考制御】のラーニング完了』

『能力名【重力操作能力(グラビティロウ)】のラーニング完了』

その他省略

 

 

 

VS怠惰の使徒

『【大地侵食】で火山からエネルギー得てる……。存在進化して完全に火山と同化した……」

「【寄生支配】と【クローン精製】と【思考制御】で全身に寄生体打ち込んで何もできなくして、【侵食】でジワジワ食おう。【異次元収納】と【大食漢】を調合した【異次元胃袋】で全てのエネルギー吸収しよう。【情報簒奪の鑑定眼】と【凄みを知る者】を調合した【情報簒奪の鑑定眼・改】で鉱脈とかも探し出そう」

 

「終わった後に【直感】が働いたので【異次元胃袋】と【情報簒奪の鑑定眼・改】と【武芸百搬の心得】を調合してみたら、【基本特典】って能力になった。よく考えたら、アイテムボックスも鑑定も戦闘技術も、突然異世界トリップしたキャラによくある能力だよね」

 

『能力名【大地侵食】のラーニング完了』

『能力名【無尽なる竜帝の命精】のラーニング完了』

『能力名【一流自宅警備員《エリート・ニート》』のラーニング完了』

『能力名【溶岩に潜む者】のラーニング完了』

以下略

 

VS不定形猫人《アイルー・ショゴス》

「久々に渓流行ったらとんでもないモンスターがいた。どうやら俺の作ったスライムが存在進化して、アイルーを率いる存在になったらしい。しかもコイツ、【植物操作能力(プラントルール)】とか【細菌操作能力《ウイルスメイカー》】とか獲得しているし……」

「ご主人様、私を認めてください! 貴方のため、私は頑張ったのです!」

「ありがとう、俺のため頑張ってくれて。いただきます。【大地侵食】」

「え、ちょ、ま……」

 

「これで自然系能力が全て集まった。 【5属性攻撃】に【発火能力】【水流操作能力】【発電能力】【大気操作能力】【地形操作能力】【重力操作能力】【植物操作能力】【細菌操作能力】を調合して、【森羅万象】獲得。原作と違って【光子操作能力】は含まれてないけど、細菌も操れる能力になった!」

 

『能力名【植物操作能力(プラントルール)】のラーニング完了』

『能力名【細菌操作能力《ウイルスメイカー》】のラーニング完了』

 

 

 

 

 

 

 

VS嫉妬の使徒

ついにニャー郎は、以前一度負けたジンオウガに再選を挑む。

「俺はお前以外の全ての転生者から詩篇と能力を奪った! 俺はお前に勝つ!」

『残念だがそれは無理だ。俺は何体もの古龍と戦い、【逆境進化】で新たな能力を獲得しては、勝利を収めてその血肉を食らってきた。お前は俺に勝てない』

「そんな事はない!」

 

それから数時間。ニャー郎は必死で戦った。

毒を用いてジンオウガの周囲の虫を殺すのは勿論のこと、辺りの地面を操作してぬかるんだ状態にしたり、あちこちに地雷を仕掛けたり、血を吸って体力を奪ったりなど様々な戦法を駆使した。

しかし、ジンオウガもニャー郎毒同じく、様々な戦闘を経験する中で能力を増やしていた。二体の戦いは互いに様々な戦法を駆使して戦う消耗戦となっていた。

 

「くっ、あらゆる能力を使ったが、それでも尚コイツには届かないのか……」

『お前もなかなかに頑張ったが、これで終わりだ! 俺の渾身の雷撃をお前にぶつけてやる!』

ジンオウガは【超帯電モード】へと変わり、全身の毛が逆立つ。黒い龍属性の雷が、全身を覆った。

 

「いいや、死ぬのはお前だよ!」

ニャー郎は顔の前で拳を握り締め、最後の一撃に向けて準備をし始めた。

 

ニャー郎は、いつくつかの能力を調合していく。

【ネコの火事場力】と【力の解放】を調合し、【ネコの火事場の馬鹿力】へ。

【ネコの拳闘術】と【ネコの蹴脚術】と【ネコの体術】を調合し、【ネコの武闘術】へ。

更に、ネコのゴリ押し術】と【ネコのはじかれ上手】と【岩切り】と【肉潰す怒涛の破拳】を調合して【鋼鉄穿つ怒涛の破壊拳】へ。

そして、【オトモスキル《会心攻撃強化の術》】と【精霊の加護】を調合して、【精霊の加護を受けし一撃】へ。

そして、ニャー郎はその拳をジンオウガへとぶつけた。

 

ニャー郎の拳がジンオウガの身体に食い込む。しかし、ジンオウガはその場に悠然と立っていた。その一撃は、ジンオウガを殺すには到底及ばない!

『……これが現実だ。お前では俺を殺すに至れない』

「そうだな、お前を殺すのは、俺では無理だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前を殺すのは、お前自身だ」

次の瞬間、ジンオウガの肉体が爆ぜた。

 

 

 

【龍気脆弱】

ニャー郎がリオレイアから獲得した能力であり、前回のジンオウガとの戦いで勝敗を決めた能力である。その能力が発動すれば、肉体は龍属性に対して非常に脆弱になる。

 

ニャー郎は、その能力を種に【調合】することで、自分の肉体から取り除いていた。そしてニャー郎はその種をいつか使うかもしれないと【異次元収納】で収納してそのまま忘れていた。

 

今回、ニャー郎は、その種のと【龍気脆弱】をジンオウガへと【調合】したのだ。

顔の前に手を持ってきた時にこっそりと【異次元胃袋】から種を取り出し(【異次元収納】から【異次元胃袋】に変わり、口からしか物を出せなくなった)、龍属性にやられないように他の能力でコーティングして、相手の体内に叩き込んだのである。

 

ジンオウガの【逆境進化】は、一定時間以上の戦闘をしなければ発動しない能力。すなわち、この力は突然の変化(・・・・・)に対応することはできない。

 

他にも様々な要因がある。

超帯電モードへとなり、全身に大量の龍属性のオーラが流れていたこと。ジンオウガは再生能力があまりにも高かったことにより、防御に関する能力をほとんど得ていなかったこと。ニャー郎の攻撃を受けても治るから大丈夫だと慢心していたこと。それらの要因が組み合わさった末の、この結果だった。

 

 

 【レベルが規定値を突破しました。

 特殊条件《高慢殺害》《強欲殺害》《憤怒殺害》《色欲殺害》《嫉妬殺害》をクリアしているため、【悪魔猫人(デビルアイルー)・現神種】に【存在進化(ランクアップ)】が可能です。

 【存在進化(ランクアップ)】しますか?

 ≪YES≫ ≪NO≫】

 

「この世界にはきっと、まだたくさんの食材があるのだろう。俺の知らない能力を持つ個体だってきっといる。俺は、あらゆるモンスターを味わいたい! あらゆる強者を食って、その能力を獲得したい! そのためなら俺は、もっともっと強くなってやる!」

 

「俺の戦いは、まだまだこれからだ!」




作者のパンダ36か条です。
今回を持って、Re:Nyansterは連載を終了させていただきます。
私は、この作品を作る時に、きちんとプロットを組まずに「〇〇との戦闘時はこんな戦法を使う!」とだけ決めて作品を書きました。その結果、途中で内容に齟齬が生じたり、更新が止まったりなどの問題を起こしてしまいました。元々は「平均3000文字くらいで良いから書こう」と考えていたのですが、それよりかなり短い回が後半はありました。
人間との間で恋愛させるつもりでヒロインを出しましたが、全く書かずに終わりました。なろうの人気小説と展開やら設定やらが若干被ってめちゃくちゃ慌てたこともありました。「なんで評価落ちてるんだ……」などと後書きでボヤくなんてこともしてしまいました。振り返ると、自分には様々な問題がありました。それでもこの作品を読んでくださった人が居てくれて、とても励みになりました。
この作品、読者の皆様のお陰で一度はランキング3位に輝いたことがありました。これも、評価してくださった方々や、読んでくださった方々のおかげです。ありがとうございます。

いつかまた、新しい作品を書く時は、もっと内容を深く吟味して、クオリティの高い二次創作を書けるよう努力します。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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