Re:Nyanster 〜刺突から始まる猫人転生日記〜   作:パンダ三十六か条

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久々の投稿です! 遅くなり、申し訳ございません!


11日目〜14日目 喰うこととは強くなる事

11日目

 

今日も昨日と変わらず雌アイルー達との採取していたら、誰かが【気配察知】に引っかかった。アイルーと似ているけど何処か違う、奇妙な気配。皆に先に行くように指示してから気配のする先に行ってみると、そこにいたのは黒い毛並みの猫人だった。

 

猫盗人(メラルー)』。盗みが得意でイタズラ好きな、アイルーの近縁種。アイルーが攻撃しない限り何もしてこないのに対して、こいつらは近くにハンターが来るだけで盛んに飛びかかってくる。大型モンスターと戦闘している時や、卵を持っている時には絶対遭遇したくないモンスターだ。

目の前にいる個体は手に鉄製のナイフを持ち、ジャギィの毛皮を貼り合わして作った服を着ている。そこから察するに、メラルーの文化はアイルーよりも高水準らしい。アイルーはそこまで良い防具を作る技術もないし、金属製の武具なんて持っていない。

 

せっかくの装備を傷つけたり汚したりしたらもったいないので、今回は今まで使ってなかった【蔦生成】と【氷属性攻撃】を使用。遠くから蔦を飛ばして相手を縛り付けてから一気に近づき、頭を掴んで凍らせて倒した。ナイフや服を回収した後、周りの気配を確認して誰もいないのを確認してから【大顎】を使って一気に咀嚼する。

 

『能力名【隠れ身(ハイディング)】のラーニング完了』

 

『能力名【盗賊(シーフ)の心得】のラーニング完了』

 

初めて職業系能力をラーニングした。【盗賊】はナイフを使う時や盗みをする時に補正がかかる、泥棒にはベストな能力だ。

 

食った時に飛び散った血で汚れてしまったので【蟻酸生成】で作った弱酸性の水で身体を洗ってから皆の所に帰った。ナイフと装備は近くで拾った、と言って誤魔化し、装備の方は俺には小さかったので他の人に譲り、ナイフは俺の物にする事にした。

 

その後は、いつものエリアで魚やキノコや薬草などを取って1日は終了。新しいエリアに行きたかったのだが、他のアイルーに反対されていくことはできなかった。

途中で群れから抜けてソロで行動しているジャギィ、いわゆるはぐれジャギィが出るなどのトラブルがあったが、【蜘蛛の糸生成】で拘束して無事鎮圧。群れから離れて一匹で行動している個体なだけあって普通よりも大きく、力が強くて俺の素の力では抑えるのは大変だったが、【猪の筋肉】と【蟻の筋力】を重ねがけすれば問題無かった。

 

『能力名【早食い】のラーニング完了』

 

『能力名【食い溜め】のラーニング完了』

 

『能力名【独り身の戦闘(ワンマンアーミー)】のラーニング完了』

 

……思ったよりハイスペックなぼっち個体だった。はぐれジャギィ侮れない。俺たちと戦わなかったら、案外コイツはドスジャギィに存在進化していたかもしれないな。

 

 

 

12日目

 

今日はエリア9で採取をすることになったので、この機会にオルタロスの全能力のラーニングに挑戦することにした。

というのも、俺は今までオルタロスの肉を何回も食べているのだが、ラーニング打ち止めの感覚がまだ無いのだ。キノコや薬草なら一定量食べるともうこれ以上ラーニングできない事が感覚的に分かるのに、モンスターの肉ではいまだに打ち止めだと感じることは無かった。なので、どこまでラーニングが可能なのか一度実験してみることにした。

俺は、まず「今日は分かれて狩りをしよう! 競争だ!」といって皆をこの場から離れさせた。強い敵が現れた時のために3〜4人のアイルーで班を作り、俺が能力で作った肥やし玉と粘糸玉を全員に持たせたので、もしもの時も安心だ。

 

そうして周りの奴らを追っ払った後、俺は巣の入り口の前にしゃがみ込んで周りの気配を確認してから、中に【爆竹生成】で作った爆竹を放り込んだ。

中から火薬の弾ける音が聞こえ、硝煙の臭いが漂う。その瞬間、【気配察知】にこちらに向かってくる大量の反応が出現した。怒りくるったオルタロス達が列をなしてやってきたのが俺には分かった。

 

俺はすぐさま【噛み付き攻撃】【大顎】【早食い】を同時使用し、巣から出てくるオルタロスにかぶりつく。

【噛み付き攻撃】でオルタロスを確実に捉え、【大顎】で出てきたオルタロスを噛み砕き、【早食い】でわんこそばのようにつるんと飲み込む。潰された仲間から飛び散る体液の匂いでオルタロス達は更に怒り狂って出てくるので、次から次へと溢れ出る。

【大顎】は攻撃力が高く、使いやすいいい能力ではあるが、ビジュアルがかなり怖くなってしまうが難点だ。猫の顔がパックリ割れて相手に喰らい付く様子は精神的にかなりのダメージが発生するため、そのせいでこの能力は仲間の前では使えないのだ。

途中からはお腹が苦しくなってきたので、【食い溜め】で腹の容量を高めたりオルタロスを食べて得た能力を使って消化能力を高めた。

10体ほどオルタロスをむさぼった結果、ラーニングは完了した。

 

『能力名【外骨格着装】のラーニング完了』

 

『能力名【酸耐性(トレランス・アシッド)】のラーニング完了』

 

『能力名【腹袋】のラーニング完了』

 

『能力名【体内熟成】のラーニング完了』

 

これでオルタロスの能力は打ち止め。後は食べても腹の足しくらいにしかならないようだ。

これ以上食うのも何なので、巣の中に【麻痺毒生成】と【素材玉生成】の併用で作った麻痺煙玉を放り込んで動きを封じ、巣から既に出ていた個体は【竜毒投与(ヴェノム)】で直接麻痺毒を注入し、昨日手に入れたナイフで解体した。

 

【外骨格着装】は確か『Re:Monster』にもでてきた能力で、身に纏った物を使って変身ヒーローのスーツのようなビジュアルの鎧を作り出し、装着する能力だったはず。頑丈なのにまったく身体の動きを阻害せず、受けた衝撃を分散することでダメージを軽減する事もできる事もできるので、強敵との戦いにおいてはもってこいの力だ。

 

……今度ボスモンスターの素材を手に入れたら使ってみるとしよう。

 

13日目

 

今日は、【隠れ身】のスキルを使ってケルビを狩ることにした。

ケルビは古の秘薬の素材になる角、防寒着の素材になる暖かい毛皮、納品アイテムのホワイトレバーなど、剥ぎ取れば良い素材を大量に入手することができる、非常に美味しい獲物だ。しかし、逃げ足が早さ、気配察知能力の高さなどの理由から、捕まえることがとても難しく、なかなか出会うことができないモンスターである。

 

そんなケルビを効率よく狩るには、【気配察知】と【隠れ身】がうってつけだ。

俺の【気配察知】は現在、10メートル以内の敵を感知でき、その生物の種類も判別できる。それを利用して今まで感じた事が無い生物の気配を探して、後は【隠れ身】を使いながら近づいて【蜘蛛の糸生成】と【操糸術】で捕縛すれば良い。

 

 

そうして、結局俺はその方法を実行し、1日かけて10匹ほどケルビを捕食した。鹿肉は歯ごたえがありクセの強い風味がした。角は何かに使えそうなので喰うのは少しだけにして、後はとって置くことにした。

 

『能力名【肝機能上昇】のラーニング完了』

 

『能力名【頭突き】のラーニング完了』

 

『能力名【角生成】のラーニング完了』

 

 

 

14日目

 

今日、【気配察知】に謎の気配が引っかかった。何匹かのメラルーの群れで、全員が異様な程に強い力を持っているようだった。

 

皆に大人しくしているように伝えてから気配のする先に行くと、そこにいたのは大きな荷馬車を引くメラルーがいた。荷馬車の上にはたくさんの荷物が並んでいて、そのどれもが野生では手に入らない人工物だった。

 

多分、奴らは大人のアイルーの言っていた猫盗賊(メラルー・バンデット)だろう。奴らは、全員が人間の装備を切って自分達のサイズに合わせたものを装備していて、筋肉も鍛えられているようだった。顔は愛くるしい猫の物だが、纏っている雰囲気は圧倒的強者の物だ。

こっそり後ろを付いていったところ、渓流の奥深くのマップには載っていない場所についた。どうやら彼らはそこを根城にしているらしく、何人かのメラルーがその近辺をうろついていた。

俺は、巣の場所をしっかり覚えた後、皆の元へ帰って狩りを続けることにした。

 

採取を続けてしばらくすると、ガーグァの群れを発見したので、【竜尾攻撃】で頭を切り離してそこにいた全羽を惨殺した。その匂いに寄せられてジャギィも何体か出たが、そいつらは固まって行動していたので【素材玉生成】と【火薬生成】で作った爆弾をぶつけてまとめて倒した。

 

『能力名【羽毛生成】のラーニング完了』

 

ガーグァの頭を全部と、ジャギィ一体は俺が貰って食べた。アイルーの小さい身体にこれだけの量は収まりきらないはずなのに、俺は普通に完食することができた。ありったけの量の肉を食べたが、それでもまだ俺の食欲は収まっていなかった。

 

 

 

……喰いたい。

自分より強い 猫盗賊(アイルー・バンデット)を見ていたせいか、俺の中でその欲望が深くなっていた。

 

もっと強い者を喰いたい、もっと美味い物を喰いたい。

俺の中の【吸喰能力(アブソープション)】がそうさせるのだろうか。

 

はっきり言って実力は見合ってない。正面から闘ったらほぼ100パーセントの確率で俺は負けるだろう。

だけど、その程度で俺の欲望は躊躇したりしない。むしろ、強い者と戦える喜びによって、余計にヒートアップしている。それも味を引き立たせるスパイスだと感じているようだ。

 

……決めた。あいつら全員を喰おう。そうすれば、俺の中にある欲望も満たされるはず。

心の中で獲物に狙いを定め、俺は笑みを浮かべた。

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