今日も世話を焼く   作:ディアーリーズ

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25話

花火大会から帰ってきた、その日の夜。

かぐやは突然、ライバーの引退と卒業ライブを発表した。

当然、ツクヨミは大騒ぎになった。

一夜明けた今もなお、SNSのトレンドにはかぐやの名前が並び続けている。

 

「くあぁ~~~……眠ぃ……」

「もう、だらけすぎ」

「お前がちゃんとしすぎてんだよ……」

 

エレベーターで欠伸を噛み殺すと、彩葉に注意された。

始業式だけとはいえ、夏休み明けの学校ってのはなんでこう疲れるんだろうな。

エレベーターを降りると、玄関の電子ロックが開いた。

 

「ただいま」

「たでぇま~っと」

「おか~」

 

間延びした返事。

リビングを覗くと、かぐやが床にうつ伏せになって洗面器を覗き込んでいた。

花火大会で釣ったカニを洗面器に放して、真上からじっと見下ろしている。

右手をゆっくり突き出したかと思えば、今度は拳を握って上下に揺らす。

 

「……なにしてんの?」

 

彩葉が呆れた声で尋ねる。

 

「カニビビらしてる~」

「そいつらハサミしか出せねえからな。石なら完封だもんな」

「そそそ」

 

得意げに頷くかぐや。

彩葉は小さく息を吐くと、鞄をダイニングテーブルに置きながらかぐやに話しかけた。

 

「……新しい曲、作る?」

 

その瞬間。

かぐやの動きが止まった。

 

「え?」

 

ゆっくり振り返る。

数秒遅れて、顔が一気に輝いた。

 

「えっ!?マジ!?ひゃっほーぅやひゃっふーぅ!!」

 

床の上でばたばた暴れ始めた。

……あ、万歳のせいでパーでカニに負けた。

 

「うひひひひひ!」

「うるせぇ」

「うまく出来るかわかんないけど……どんなのが良い?」

「あっ、じゃああの途中で止まってた曲!」

 

眉を寄せて、難しい顔をした彩葉。

 

……あー?

なるほど。

その曲知らねえけど、彩葉の顔見りゃ分かる。

難産になるやつだ、これ。

 

 

 

 

 

 

でも彩葉は、少し黙ったあと小さく頷いた。

 

「……わかった」

 

 

 

 

 

そのすぐ後から、彩葉はほとんど部屋に籠りっぱなしになった。

キーボードに向かって、ヘッドホンつけて、何回も曲を組み直してる。

集中すると周り見えなくなるタイプだからな、こいつ。

案の定、エナドリ片手に徹夜モードに入ろうとし始めたから取り上げてやった。

 

「はい没収」

「えぇ……そんなぁ」

「代わり」

 

狐の意匠のマグカップを机に置く。

中身ははちみつ入りのホットミルク。

 

「……子供扱い」

「やっと夜寝れるようになってきたとこだろうが」

 

ぶつくさ言いながらも、彩葉は両手でマグカップを持って啜っていた。

 

 

 

 

 

 

 

一方、かぐやは。

いつもみたいに「遊ぼう!」って彩葉を連れ回したりはしなかった。

多分、気ぃ使ってる。

その代わりってわけじゃねえんだろうけど。

 

「隼斗ぉ~」

「今度はなんだ」

 

「一緒に歌枠配信しよ」

「引退発表翌日にコラボとか、変なの湧くからダメ。やるならソロでやれ」

 

「じゃあバイク乗せて!」

「乗ってどこ行くんだよ」

 

「えっ、うーん……」

「行き先も決めてねぇのかよ」

 

完全に俺が振り回され役だった。

 

……いやまあ。

それくらいしか、今まで通りに出来ねえのかもしれねえけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

風呂も終わって、そろそろ寝るかって時だった。

かぐやが部屋から自分の枕を抱えてきて言い出した。

 

「ねえ、お迎え来るまで夜は三人で寝たいな~」

「却下」

 

即答した。

 

「んえええ~!寂しいじゃん~!」

「流石にダメだろ」

「やりたいことはやったもん勝ちって、隼斗いつも言うじゃ~ん!」

「微妙にニュアンス違ぇわ」

 

頭痛ぇ。

良いわけねえだろ。

 

「彩葉もなんとか言ってくれ。このわがままお姫様、俺一人じゃ止められん」

「んー……まあ、いいんじゃない?」

「ハ?」

 

思わず変な声が出た。

彩葉は不思議そうに首を傾げる。

 

「隼斗からしたら、かぐやなんて鶫ちゃんと一緒に寝るようなもんでしょ?」

「いや待て待て待て」

 

タイムのジェスチャーをしながら、頭に手を当てる。

お前までそっち側行かないでくれ、頼むから。

 

「普通にハードル高ぇんだわ。妹と一緒にすんな」

「へぇ?」

 

彩葉の口元が、ちょっとだけ悪戯っぽく緩んだ。

 

「じゃあ意識しちゃってるんだ?」

「してるわそりゃ。かぐやだけじゃなく、お前にも。気ぃ使ってんだわ、これでも」

「いしきぃ?」

 

きょとんとするかぐや。

彩葉は「んぐっ」と変な声を出して視線を逸らした。

 

「……わ、私は別にいいよ」

「おいおい、流されてねえか?」

「ない……とは言わないけど」

 

少し黙ってから、彩葉が続ける。

 

「信用してるの。じゃなきゃ一緒に住んでない」

「…………」

 

反則だろ、それ。

そんな真っ直ぐ言われたら断りづれぇ。

 

……はぁ~~~……。わぁった、わぁったよ」

 

かぐやの顔がぱあっと明るくなる。

 

「ただし、条件付きだ」

 

指を一本立てる。

 

「誰かの部屋じゃなくリビング。布団三枚。川の字。間にかぐや。……これ以上は一切譲らん」

「やったぁぁぁ!!」

「うるせぇ」

 

その夜。

川の字の真ん中で、かぐやはすぐ寝た。

コイツ、めちゃくちゃ寝相悪ぃ。

布団蹴飛ばすわ、転がるわ、腕飛んでくるわ。

 

「……ガキかよ」

 

小声で呟きながら、転がってきた腕をどかす。

無邪気な寝顔だった。

……だから余計に、腹が立つ。

コイツが月に帰らなきゃいけねえってことに。

……それを、もう受け入れちまってるかぐや自身にも。

 

彩葉に目を向けると、かぐやを起こさないようにか無言で頷いてきた。

頷き返して、音を立てないよう布団から抜け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っかぁ~っ!かぐやちゃんが本当に月のプリンセスとは!……分かるっ!」

「プリンセスとは言ってねえよ」

 

腕を組みながら大きく頷き、勝手に納得している帝。

……なんだコイツ。

 

深夜の呼び出しだってのに、全員来やがった。

……ブラックオニキスの三人だけじゃなく、綾紬に諌山。

しかも、なぜか鶫まで来ていた。

さらに、管理人のヤチヨまで。

ツクヨミ内のミーティングルームで、話せる事情はすべて話した。

 

「築地生まれじゃなかったんだ……」

「海行っても肌真っ白だったもんね~」

「……えっ、もしかしてウチのうさ耳ロンパース着せてたってこと?かぐやに???」

 

それで今あの見た目ってコト……?と宇宙猫になっている鶫。

そのうさ耳ロンパース、急成長したかぐやのせいで弾け飛んだんだけどな。

貧乏性の彩葉によって雑巾に生まれ変わったけど、引っ越しん時にお役御免になったぞ。

 

「……ヤチヨ、かぐやを守ることってできないかな」

 

彩葉がヤチヨに問いかける。

月人たちはツクヨミにかぐやを迎えに来る。

ツクヨミの管理人であるヤチヨに相談するのが一番だが。

 

「調べてみたけど、どこからアクセスしてるかもわからなかったんだよね~。……ごみん」

「ううん……」

 

申し訳なさそうに肩を竦めるヤチヨに、駄目元だったのだろう彩葉が言葉を返した。

 

……でも。

なんか引っかかった。

 

上手く言葉には出来ねえ。

ただ、コラボライブの時と同じ感覚があった。

 

嘘は吐いてない。

少なくとも、今言った言葉自体は本当だ。

 

でも、全部は言ってねえ。

 

一瞬だけ空いた間。

少しだけ泳いで、それを隠すように伏せた目線。

 

何かを知ってるやつの反応だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っま、相手が現実に手出しできないんならツクヨミで追い払えばいいんでしょ?」

 

帝が軽い口調で、場の空気を変えにかかった。

 

「なんだよ、その顔は。そのために俺ら呼んだんだろ?

 ここなら俺らが一番つえーし。力づくで叩き潰そうぜ、月に帰りたくなるまでな」

 

無茶苦茶だ。

根拠なんか一ミリもねえ。

妹に頼られてテンション上がってんのか、コイツ。

……俺はこうはなるまい。

 

「……私もやる。何が出来るかわからないけど……」

 

居住まいを正して、彩葉が頭を下げる。

 

「お願いします」

「……俺からも頼む。

何もせずに連れていかれるあいつを見てるだけ、ってのは俺の性に合わねえ」

 

彩葉の隣に並ぶ。

 

「ただ、俺だけじゃどうにもならねえ。そんなこと、嫌でもわかってる」

 

アイツらは数が多い。

コラボライブのときの、いうなれば『予告』でさえとんでもない物量で押し寄せてきた。

その上かぐやの話じゃ、アイツらは情報生命体。

肉体じゃなく、情報そのものが本体みてえな存在らしい。

 

ツクヨミは電子世界だ。

つまり、アイツらにとっちゃホームグラウンドも同然。

 

普通のアバターなら、人間が扱える量の情報しか持たねえ。

見た目も、動きも、声も。

結局は現実の人間を模した器だ。

 

でも月人は違う。

情報そのものだ。

一体一体が抱えてる情報量からして、文字通り桁が違う。

 

あの時だってそうだった。

 

たった数分にも満たない接触だってのに、ライブが終わった後は目の奥が焼けるみてえに痛んだ。

 

頭の中に大量のノイズを流し込まれたみてえな感覚。

 

あれが予告程度の接触だってんなら、本番はもっと酷い。

 

なにより、俺の戦いは相手を視ることで成立している。

俺との相性は、最悪と言っていい。

 

 

 

 

 

 

だからって、指を咥えて見てるのは俺が俺を許せねえ。

 

「力を貸してほしい、頼む」

 

目を伏せて、頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んじゃ、準備だな。乃依」

「え~?あれ、めんど~」

「リーダーは絶対」

「はいはぁい」

 

軽口をたたき合いながら黒鬼の三人がログアウトしていく。

 

「彩葉っ。高羽くん」

「あ……」

 

綾紬、諌山の二人と鶫が駆け寄ってくる。

 

「来年もみんなで海行こうね」

「温泉も行こ~」

「初詣行きましょ!みんな着物で!」

 

つらつら並べ立てられたイベントに、ふと思い立った。

 

「そっか、考えてみたらアイツ、来たの夏休み前だからな……夏以外知らねんだ。

 まずは紅葉狩りにでも行こうぜ、その次は冬に炬燵で鍋。春になったら花見。

 そんで綾紬の言う通り海だ」

「温泉は?」

「初詣は!?」

「いやちょっと流石に男女で温泉はハードル高ぇわ。

 初詣も、着物女子に囲まれて俺だけ私服とか地獄だろ」

「お兄ちゃんは袴!」

「やだよめんどくせぇ」

 

やり取りをしながら、横目でチラッとヤチヨを見る。

ヤチヨはこのやり取りを、じっと見ていた。

眩しいものを見るような、申し訳なさを滲ませるような、複雑な表情で。

そんなヤチヨに、彩葉が少し恐縮しながら声を掛けた。

 

「あっ、あのさヤチヨ。

 もう一つお願いがあって……ライブ会場、KASSENのフィールドを使わせてほしいの。

 みんなで迎え撃てる場所で」

「もちろん、オールオッケー!ヤチヨカップ優勝者のおねがいだからね~」

 

即答だった。

……いや、早すぎるだろ。

KASSENのフィールドを貸し切ってライブだなんて、どう考えても軽い話じゃねえ。

なのに、迷った感じが一切なかった。

 

まるで、ずっと前から決まってたみたいに。

 

彩葉は気にした様子もなく、笑顔でヤチヨに礼を言っている。

 

「隼斗、ゴメン。私そろそろ戻るね。新曲、少しずつでも進めなきゃ」

「……おう、エナドリ飲むなよ」

「じゃ、私もそろそろ落ちるね。夜更かしは美容の大敵だし。鶫ちゃんもおやすみ」

「おやすみなさい、芦花さん!」

「わたしも落ちるね~」

 

彩葉、綾紬、諌山が次々とログアウトしていく。

残されたのは俺と鶫、そしてヤチヨ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ、先に言っとくけど、お前をKASSENに出す気ねえからな、鶫」

「え~~~!?」

「当たり前だろ、この時間に起きてんのもどうかと思ってんだ」

 

……月人とのKASSENなんて何が起きるか分かんねえ。

本音を言うなら綾紬と諌山、彩葉だって出したくはねえ。

でも、さっき言った通り手が足りねえ。

……こんなん正直に言ったら、当日勝手に飛び入りしてきかねない。

それか「じゃあお兄ちゃんだって危ないんじゃん!」なんて言い出しかねない。

だから、口うるさい兄の小言で良い。

 

「そもそもKASSENは7vs7なんだ。俺、彩葉、綾紬、諌山。それに黒鬼の三人で枠は埋まってる」

「そんなん向こうが合わせてくれるかなんて分かんないじゃん!」

 

……痛ぇところ突いてきやがった。

誰に似たんだ、こういうところ。

 

助けを求めるように───いや、助けてくれると確信しながら、ヤチヨに視線を向ける。

目を向けられたヤチヨはちょっと困った顔で割って入った。

 

「ん~、そこは鶫ちゃんの言う通りかなぁ。相手側の頭数は読めないし」

「ほら見ろ!」

 

鶫が勝ち誇った顔をする。

でもヤチヨは、そのまま続けた。

 

「でも、鶫ちゃんまだ小学生でしょ?

 ツクヨミの管理側としては流石に危険な場所には入れたくないかな~」

「うっ……そ、それは……そうだ、お兄ちゃんたちも未成年じゃん!」

「高校生と小学生は別だよ~。

 高校生は自己責任って言うこともできるけど、小学生はそういうわけにもいかないし。

 特に今回は、何が起こるかもわからないし?」

「ううっ……」

「それに小学生を危険地帯に入れて何かあったら、

 ヤッチョがえらい大人たちに普通に怒られちゃうからねぇ……ヨヨヨ」

「ほらな」

「お兄ちゃんうざい!もういい!」

 

ぷんぷんの鶫がウィンドウを操作して、ログアウトし始める。

……悪い。

でも、お前だけは絶対に巻き込みたくねえ。

 

「お兄ちゃんなんて…お兄ちゃんなんて……!!」

 

顔を真っ赤にして、目尻に涙を溜めながら、詰まる言葉を吐き出そうとする鶫。

……待て、お前なに言うつもりだ?

 

「小学生の時『鶫を守る!』とか言って滑り台から飛び降りて、足挫いて泣いてたくせに!」

「」

「おやまぁ」

「昔、鶫を自転車の後ろに乗せて爆走して二人で転んでたくせに!!」

「」

「それでそれで?」

「ヒーローが自己犠牲すると毎回泣いてたくせに!!」

「おいコラいい加減にしろ」

「うるさいっ!ばーかばーか!」

 

とんでもないことを言い残して、鶫はログアウトしていった。

残ったのは頭ん中真っ白の俺と、ニコニコしているヤチヨ。

 

「タイマン最強のプレイヤーくんにも、微笑ましい時代があったんだねぇ。ヤッチョ得した気分」

「途中煽ってたろお前」

「……それは置いといて」

 

人の黒歴史をさて置いとくなよ。

 

「隼斗、ヤッチョに何か聞きたいことでもあるのかな?」

「……ああ。ヤチヨ、お前なんか知ってんだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どうしてそう思うんだい?」

「俺ぁ、かぐやにずっと妙な既視感を覚えてた」

 

ヤチヨの目が、ほんの少し細まる。

 

「誰に似てるのかは分からねえ。

 ただ、どっかで見たことある動きだって感覚だけが頭の片隅にあった」

「……続けて?」

「それがヤチヨだって気づいたのは、コラボライブの時だ」

 

最初は気のせいかと思った。

でも、一度気づいたらもう駄目だった。

 

「ライブ中、ずっと引っ掛かってたんだ」

 

ヤチヨは黙って聞いている。

 

「歌詞を飛ばした時。

 サングラスのアドリブ。

 あれだけでも妙だった」

 

少しだけ拳を握る。

 

「でも、本当に気になったのはそこじゃねえ」

 

「立ち位置が入れ替わるたびに思ってた。

 右へ体重を乗せるタイミング。

 腕を振り切る角度。

 客を見る時の間」

 

「似てるとか、息が合ってるとか。

 そういうレベルの話じゃねえんだ」

 

ヤチヨの表情は変わらない。

 

「上手く言えねえけど……」

 

言葉を探す。

コラボライブを頭の中で反芻する。

 

「……同じ人間(もう一人のかぐや)が踊ってるみてえだった」

 

空気が少し張る。

 

「流石にそんなわけねえって、自分でも思った」

 

「けど、ライブが終わった後も頭から離れなかった」

 

一歩踏み込む。

 

「……ヤチヨ。お前、なにもんなんだ?」

 

ヤチヨの目が僅かに細まる。

 

「俺には、お前とアイツが―――」

「―――――」

 

ヤチヨの目が、一瞬だけ見開かれた。

けれど次の瞬間には、いつもの笑みへ戻っている。

 

「ヤッチョは8000年生きてるAIライバーだからねぇ。

 動きの癖をトレースするくらい、朝飯前というかもはやディナー前というか?」

「ヤチヨ……」

「彩葉から頼まれたこともあるし、ヤッチョはこのあたりで失礼するよ。おやすみなさい、隼斗」

 

ふわりと宙を泳ぐように浮かび、そのままツクヨミの空へと消えていく。

呼び止めようと伸ばした手が、力なく下がった。

 

「――じゃあなんで、俺の名前を知ってんだよ」

 

それに。

……なんであの時、泣いてたんだよ。

 

 




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