今日も世話を焼く   作:ディアーリーズ

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読者募集ネタになります。


Ex.小料理かぐや開店

「かぐやっほー!今日はかぐやが小料理屋やるよ!」

「いろっぴー。いろPでーす。本日はコラボです」

「ヤオヨロ~!ヤチヨだよ~♪」

「よー、ジュンヨウだ。今日はゲストとして来店してま~す」

 

配信タイトルは【一日限定】小料理かぐや開店♪【かぐやいろP×JunY0u×月見ヤチヨ】

 

─きた!!!

─居酒屋隼鷹の続編!?

─かぐやが料理するの!?

─待って前回と立場逆転してる

 

「今日はかぐやたちが料理担当!」

「俺は客として飲む。前回の居酒屋隼鷹の逆バージョンだ」

「そう!かぐやたちが隼斗に料理を振る舞う!美味しいよ!!」

「……そういえば聞いてなかったんだが、今日のメニューはなんだ」

「ひ・み・つ!」

「えっ」

 

─秘密で草

─立場逆転すぎる

─またしても何も知らないジュンヨウさん(28)

 

「出てきてからのお楽しみ!」

「いろPは知ってんの?」

「……うん、まあ。ちょっと手伝ったし」

「ヤチヨは」

「知ってるし、ヤッチョも手伝ったよ」

「俺だけ知らんの?」

「そう!」

 

……なんで嬉しそうに言うんだこいつは。

 

「ちなみにアレルギーとかはないから」

「それは俺のセリフなんだよな。ねえけどよ」

─立場完全に逆転してる

─ジュンヨウが客席にいる

 

「飲み物は?今日は俺が決めていいんだろ」

「もちろん!」

「小料理ってなると、ジャンルは和食ってことで良いのか?」

「そのくらいなら答えてあげても良いんじゃない?かぐや」

「そだね!今日は和食オンリー!」

「じゃ、日本酒くれ。キッチンの下の棚に入ってるから」

「らじゃー!」

 

かぐやがキッチンへ飛んでいく。

ドタドタとした足音。

しばらくして。

 

「あったよ!」

「持ってきてくれ。今日はひやで飲む」

「らじゃー!」

─一升瓶!?

─いつもと飲む量が違う

─今日は飲む気満々じゃん

 

「……居酒屋隼鷹の時、一杯で抑えてたのにね」

 

彩葉が小声で言う。

 

「あん時は俺がホストだったからな、配信切れなくなったら目も当てられん。今日はゲストで俺の枠じゃねえからな」

「客の自覚があるんだ」

「当たり前だろ」

 

かぐやが一升瓶を持ってくる。

グラスに注ぐと、ふわりと米の香りが漂った。

 

「……良いな」

 

思わず口元が緩む。

 

「「「かんぱーい!」」」

「おう、乾杯」

─ジュンヨウが笑った

─珍しい

─今日は何かが違う

 

しばらく雑談しながら飲んでいると、キッチンから良い匂いがしてきた。

 

「……何作ってんだ」

「まだ秘密!」

「匂いで大体分かるんだが」

「言わないで!!」

 

─嗅覚で分かっちゃうの草

─流石に種明かしは待ってほしい

 

しばらくして、かぐやが皿を持って出てきた。

 

「はい!まずはお通しで~す!」

 

皿に乗っているのは、だし巻き卵。

 

「……これは」

「ジュンヨウが前に作ってたやつ!かぐやも作れるけど、味付けをジュンヨウと同じにするのに苦労したんだ!」

「……見た目は悪くないな」

 

一口。

 

「……」

 

もう一口。

 

「……美味いじゃん」

「ほんと!?」

 

かぐやがぱっと顔を輝かせる。

 

「ちゃんとだし巻きになってる。巻き方も綺麗だ」

「えへへへへ!!褒められた!!」

─本物が認めた

─かぐやが嬉しそうで嬉しい

─師匠公認

 

「彩葉に教わったの。だし巻き卵、彩葉が得意になったから!」

「そうか」

 

彩葉の方を見る。

 

「……なに」

「いや、お前が教えられる側になったのかと思って」

「……うるさい」

─いろPが照れてる

─師弟関係の連鎖が良い

 

「俺が作ったのより美味い気がするな」

「それは気のせいでしょ~」

「……まあ、人が作ってくれた料理ってバイアスかかってる可能性はあるか」

 

次々と料理が出てくる。

肉豆腐。鶏の塩焼き。小松菜のおひたし。

どれもちゃんと食べられる仕上がりだった。

日本酒が進む。

 

「かぐや、鶏美味いぞ」

「ほんと!?」

「皮がパリッとしてる。火の通し方が良い」

「やった!!」

─ジュンヨウが普通に褒めてる

─飲んでるからか?

 

「いろP、この肉豆腐の味付けなんだけど」

「味見はしたけど、どっか変だった?」

「バランスが良い。甘みと塩気がちゃんと乗ってる」

「……そう?」

「そうだ」

─あれ?

─褒め方がいつもより率直じゃない?

─日本酒何杯目だ

 

グラスが空いていた。

かぐやがお代わりを注いでくれる。

 

「はい隼斗!」

「ん、ありがとよ」

「んえっ」

「どうした」

「……素直にありがとって言った」

─なんか変か?

─いつもはどうもとかだろ

─やばいやばい

 

「なにが変なんだ。お代わり注いでもらったから礼言っただけだろ」

「いや、そうなんだけど……」

「……ヤチヨ、おひたしなんだけど」

「食べた!」

「出汁がちゃんと染みてる。小松菜の歯ごたえも残ってる。よく出来てる」

「ありがと!……ん?なんでヤチヨがおひたし作ったってわかったの?」

「分かるだろ。味付けがお前の好みだし」

「……」

「……そういや肉豆腐も私が手伝ったってバレてた」

「俺が食う前にそわついてたからな」

─う~ん相変わらずの洞察力

─三人全員褒められてる

─一升瓶どこまで減った?

 

グラスが空いていた。

かぐやがお代わりを注ごうとして、一升瓶を傾ける。

 

「ありゃ……空だ」

「そうか。……呑み足りねえな」

「え、もう一本出す?」

「頼んだ」

─一本目空いた!!

─一升瓶一本を!?

─待って計算してみる

─かぐや・いろP・ヤチヨが飲んだ分引いたら

─ジュンヨウほぼ一本自分で飲んだじゃん

 

「ジュンヨウ、大丈夫?」

「頭は動いてる」

「でもなんかいつもと違う」

「なにが違うよ」

「……いつも優しいけど、なんかそれが表に出てきてる」

─優しいって言われた

─本人は自覚ないやつ

 

「普段通りのつもりなんだけどな」

「普段通りじゃないよ?」

 

かぐやが二本目を持ってくる。

注ぐ。

飲む。

 

「……うまいな。楽しいよ、今日」

「ホント!?」

─二本目開いた

─止めなくて良いのか

─でも止められる人がいないの草

─なんかふにゃふにゃしてない?

 

〆のご飯が出てきた頃、二本目の一升瓶はすでに三分の一を切っていた。

さらに飲み進んだ頃。

かぐやが〆のご飯を持って来た。

白米とみそ汁。

シンプルだった。

 

「かぐやのおみそ汁!飲んでみて!」

 

一口。

 

「……」

「どうどう?」

「……出汁がちゃんと取れてる。昔、油揚げ好きって言ったの憶えてたのか?」

「うん!出汁が染みたやつが好きって言ってたよね」

「……家で毎朝これ飲めたら幸せだな」

─飲めたら幸せって言った!?

─ジュンヨウが言った!?

─完全に酔ってる

 

かぐやが固まった。

 

「いま、なんて言ったの?」

「出汁がちゃんと取れてると言った」

「そのあと」

「油揚げ好きって言ったの憶えてたのかって」

「そのあと!最後!」

「家で毎朝飲めたら幸せだと言った」

「……」

 

にやけ面のかぐやの目尻に涙が浮かんでいる。

 

「なんで泣いてんの?」

「だって……!そんなこと言われたら……!!」

「事実を言っただけなんだけど」

─事実を言っただけで草

─自覚なしで言ってるのが一番やばい

─かぐや泣かないで

 

「……いろP」

 

今度は彩葉の方を向く。

 

「な、なに」

「今日、料理に関わってくれてありがとな。かぐやのサポートしながら、自分でも動いてくれてた」

「……え?」

「全部見えてた。偉いと思う」

「……な、なんか変だよ?今日」

「何が変なんだよ。思ったことを言ってるだけだ」

─いろPの顔が赤くなってる

─変だよって言いながら嬉しそう

─ジュンヨウ今夜何杯飲んだ?

 

「……ヤチヨも」

「え、わたしも?」

「おひたし、ちゃんとできてた。火の通りも揃ってたし、色も鮮やかなままだった」

「……簡単だからね」

「シンプルだからこそ作り手の腕が試されるからな」

 

ヤチヨが頬を押さえた。

 

「……ジュンヨウ、今日おかしい」

「おかしくない」

「普段言わないこと言ってる」

「普段も思ってるが言う機会がないだけだ」

─普段も思ってるって言った

─日本酒に感謝

─これが素なジュンヨウでは?

─三人ともやられてる

 

「……お前ら三人、本当によく頑張ってると思う。いつも助けられてる」

 

グラスを持ったまま、静かに言った。

 

「かぐやは覚えるのが早い。ヤチヨは気が利く。いろPはサポートが細かい。三人揃ってると、なんでも出来るよな」

 

三人が黙った。

しばらく誰も何も言わなかった。

 

「……三人じゃないよ」

「あん?」

 

かぐやが小さく言った。

 

「三人じゃなくて!隼斗も入れて、四人じゃないと!」

「ん、んん~……」

 

照れくさくて、ポリポリと頬を掻いた。

 

「……あんまそういうこと言うな、恥ずい」

「どの口が言ってんの!?」

─ほんそれ

─赤面してるジュンヨウレアすぎる

─照れなのか酔いなのか分からんけどな

 

「……次は素面でも言いなよ」

 

彩葉がぼそっと言った。

 

「え?」

「普段も思ってるなら、普段も言えばいいじゃない」

「……」

 

グラスを置く。

 

「……検討する」

─また照れてる

─検討するで草

─でも否定しなかった

─小料理かぐや大成功

 

「……ジュンヨウ、何杯飲んだの?」

「五……いや六?」

「「「六杯!!」」」

「普段あんまり飲まないからな」

「日本酒でそんだけ吞まないと褒め魔にならないの!?」

「褒め魔って言うな。思ってることを言ってるだけだって」

─また言ってる

─思ってることを言っただけがクリティカルすぎる

─居酒屋隼鷹の時は一杯だったのにな

─小料理かぐや定期開催お願いします

 

「ジュンヨウがいらん事喋りそうだから、今回はここまで!」

「いらんことってなんだよ、褒めてるのに」

「はいはいおつかれ~!」

 

と、かぐやが強引に配信を〆た。

 

「……お水持ってくるね」

「いらんけど」

「顔が赤いし、言動がふわふわだから。次からはチェイサー挟みなさい」

「そうか。気い使わせて悪ぃな」

 

彩葉が台所に向かう。

かぐやがそっと隣に座ってきた。

 

「ねえ、隼斗」

「なんだ」

「さっき言ってたやつ、素面でも聞きたいなぁ」

「……また今度な」

「絶対!?」

「……絶対だ」

 

ヤチヨが反対側からそっと寄ってくる。

 

「ヤッチョも聞きたいな~?」

「……分かった」

 

水を持ってきた彩葉が俺たち三人の様子を見て、小さく溜息をついた。

 

「……あんた六杯で駄目になるんだね」

「駄目になってない」

「普段に比べたら、十分駄目になってる」

 

でも、そういうのも良いんじゃない?と、その口元は少し笑っていた。




大暴れってほど暴れなかったな……。

孤月さん、懐古蟲さん、評価いただきありがとうございます。

お気に入り登録いただいた方々もありがとうございます。
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活動報告の方でネタの募集も始めておりますので、ご一読いただければと思います。
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