今日も世話を焼く   作:ディアーリーズ

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読者募集ネタになります。

ただ、時系列や参加者は整合性のために弄らせていただきました。
申し訳ありませんが、ご了承いただければと思います。


Ex.ヤチヨVSかぐやVSいろP 仁義なき女子力三番勝負①

義体完成後──『Ex.十年後①』より少し前。

 

「……これは、ダメ」

 

綾紬芦花は、スマホ越しに映る親友の姿を見て額を押さえた。

画面の向こうでは酒寄彩葉が研究室の机に向かい、何やら真剣な顔で設計図を睨んでいる。

 

白衣。

ぼさぼさの髪。

寝不足気味の目元。

 

そして背景には飲み終えたコーヒーの紙コップ。

 

「また白衣……」

 

思わず深いため息が漏れた。

 

もちろん理由は知っている。

一刻も早くかぐやちゃんとヤチヨちゃん、二人分の義体を完成させるために、

隼斗くんと二人で研究室に泊まり込み同然の日々を送っていたことも知っている。

食事も睡眠も、隼斗くんが半ば強引に管理しているらしい。

かぐやちゃんとヤチヨちゃんが義体を得た後は、その二人も加わってますます賑やかになった。

 

……だから問題はそこじゃない。

 

「女の子が四六時中白衣ってどういうことなの……!」

 

美容系インフルエンサーとして、それだけは見過ごせなかった。

高校時代。

外見を気にして、身だしなみに気を遣い、髪も服も綺麗に整えていた彩葉はどこへ行ったのか。

今では配信をするときだけ最低限整え、終わればまた白衣生活。

研究以外の時間は、ほぼ存在しない。

 

「これはもう……」

 

芦花は静かに立ち上がる。

 

「私が何とかするしかないかな」

 

 

 

 

その日の夕方。

 

「ろ、芦花さん?」

 

呼び出された鶫が首を傾げる。

 

「鶫ちゃん。お願いがあるの」

 

芦花はにっこり笑った。

その笑顔を見た瞬間。

鶫は本能的に悟る。

 

「(……誰か助けてぇ。お兄ちゃんでも真実さんでも、この際かぐやでも良いから……)」

 

だが、もう遅かった。

 

「今日から始めます」

「――いろP魔改造計画を」

「…………(彩葉お姉さん、逃げたほうがいいかも)」

「安心して。悪いようにはしないから♪」

「その笑顔が一番怖いです……」

 

こうして。

美容系インフルエンサー・ROKA。

そして、その愛弟子TSUGUM1。

二人による『酒寄彩葉・女子力再生プロジェクト』が静かに幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっかけは、ジュンヨウの元へ届いた一通のマシュマロだった。

後になって思う。

せめてこのマシュマロだけは、コラボ雑談で取り上げるべきではなかった。

 

 

 

                  

かぐやさん、いろPさん、ヤチヨさんの三人のうち、女子力が一番高いのは誰ですか?

                  

 

 

 

配信中に読み上げられたそのマシュマロに、真っ先に反応したのはかぐやだった。

 

「じゃあ勝負しよう!!」

 

その一言から、事態は一気に大きくなる。

かぐや、酒寄彩葉、月見ヤチヨ。

三人による、女子力を懸けた真剣勝負。

 

司会進行は忠犬オタ公。

審査員には、美容系インフルエンサー・ROKA、その愛弟子TSUGUM1、そして唯一の彼氏持ちであるまみまみが並ぶ。

さらに――。

 

「なんで俺まで呼ばれてんの?」

「特別ゲストだからです」

「その割に椅子に縛られてるんだが?」

「逃げると思ったので」

「逃げるに決まってんだろ!なんだこの企画!」

 

抵抗も虚しく、椅子にしっかり固定されるジュンヨウ。

『特別ゲスト』という名目の、実質着せ替え人形兼リアクション担当である。

 

果たして栄えある『女子力No.1』の称号を手にするのは誰なのか。

そして、最後まで平穏に終わることはできるのか。

 

「それでは!」

 

オタ公が咳払いを一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「第一回!」

「ヤチヨVSかぐやVSいろP!」

「仁義なき女子力三番勝負!」

「開幕です!」

 

 

《パチパチパチパチ》

 

 

 

 

 

コメント欄も一斉に流れ始める。

 

─始まったw

─なんだこの企画

─ジュンヨウ縛られてて草

 

「では最初の競技はこちら!」

 

オタ公がスケッチブックをめくる。

 

『第一種目 私服コーデ対決』

「はい?」

 

彩葉が固まる。

 

「はぇ?」

 

かぐやも固まる。

 

「ふふーん♪」

 

ヤチヨだけが妙に余裕だった。

 

「制限時間三十分!」

「用意された衣装の中からコーディネートを組み、モデルに着せてもらいます!」

「モデルは――」

 

オタ公が勢いよくジュンヨウを指差した。

 

「こちらの特別ゲストです!」

「なんでだ!?」

「参考資料です。お三方の一番近い異性ですし」

「何の参考にもなんねぇよ!同性でも良いだろ!!!」

「ROKAとかまみまみとかオメーとか!!!!」

「用意された衣装がメンズなんで、却下です」

「却下を却下!」

「さらに却下です」

「俺の人権はァ!?!?」

「この企画においては、無い」

 

コメント欄が爆笑する。

 

─参考資料www

─また拘束されてる

─ジュンヨウに拒否権はありません

 

ROKAが腕を組んで頷く。

 

「いろP」

「……ハイ、ナンデショウカ」

「まず最初に、白衣を脱ぐ」

「え?」

「命令」

「え?」

「競技以前の問題だから」

「…………」

「はい、脱ぐ」

「はい……」

─洗脳始まってるw

─いろP素直すぎるw

 

「素直!」

「そこ褒めるところじゃない!」

 

開始一分。

早くもスタジオは笑いに包まれていた。

 

「それでは制限時間三十分!」

 

スタジオの奥のカーテンが開く。

 

ずらりと並んだラックには、

 

カジュアル。

ストリート。

きれいめ。

モード。

アウトドア。

スーツ。

 

ありとあらゆるメンズファッションが並んでいた。

ネタ枠として、コスプレのような衣装も並んでいる。

 

「好きな服を選んでください!」

「なるほど」

 

ヤチヨは迷わない。

 

「じゃあ私はこれ~♪」

 

一番最初に手を伸ばしたのは、シンプルな白シャツとネイビーのカーディガン。

 

「おっ、無難」

「無難じゃないよ。ジュンヨウ、白似合うし」

「理由が俺なのかよ。いや趣旨には合ってるのか……?」

 

一方。

 

「うーん……」

 

かぐやはラックの前を行ったり来たりしている。

 

「あっ!」

 

手に取ったのは黄色いパーカー。

さらに真っ赤なキャップ。

迷彩パンツ。

 

「待て」

 

ジュンヨウが止めた。

 

「なんで?」

「信号機にさせる気か」

 

コメント欄が一斉に流れる。

 

─信号機www

─色多いw

 

「違うよぉ、色の並び違うじゃん?」

「じゃあライダーじゃねえか」

「あっ、どこかで見覚えあると思ったらそれかぁ!」

「捨てろそれ原色バチバチで目に悪いわ」

─オーズじゃねえか

タカ!トラ!バッタ!

─歌は気にするな

─アンクもいます

 

「じゃあこっち!」

 

今度は全身真っ黒。

 

「極端なんだよ!」

「えー!」

 

その隣では彩葉が固まっていた。

 

「……」

「いろP?」

「私……」

 

静かに呟く。

 

「私……服って、どう選ぶんだっけ。……しかも、メンズ……」

 

スタジオが一瞬静まり返る。

 

「終わった」

「え?」

「完全に研究者になっちゃってる」

「重症だ……」

 

ROKAとTSUGUM1が頭を抱えた。

 

「ここまで女子力が退化してるなんて思わなかった!」

「研究室に置いてある服しか着てなかったから……」

「ダメ!」

 

ROKAが肩を掴む。

 

「今日は徹底的に矯正する!」

「はい……」

「返事だけはいいね!」

─研究者あるあるw

─白衣以外忘れてるw

─いろP完全に教育対象w

 

コメント欄は爆笑。

やり取りをしているROKAといろP。

その隣では、ヤチヨがすでにコーディネートを完成させていた。

 

「できた~♪」

「早っ!」

「ジュンヨウに似合う服を考えるだけなら簡単だよ~♪」

「流石だな」

「だってこれ、ジュンヨウに『これを着てデートしてほしいコーディネート』でしょ?」

「そういう企画じゃねぇと思うんだけど」

 

ヤチヨは近くに置かれていた男性型のマネキンへ、手際よく選んだ服を着せ始める。

 

「完成したらジュンヨウに着せるから、まずは全体のバランス確認だね♪」

「なるほど、そういう流れか」

 

それを聞いた彩葉がぴくっと反応した。

一方のかぐやはというと――。

 

「ねぇ見て見て!」

 

かぐやも同じようにマネキンへ着せていたファッションをお披露目した。

 

明るい水色のジャケット。

中には落ち着いたワインレッドのセーター。

ボトムスは動きやすそうなデニム。

 

「……なんだ?どっかで見たことあるぞ、そのファッション」

「戦わなければ生き残れない!!」

「ライダー捨てろっつったろ!!!!」

 

スタジオは再び笑いに包まれた。

ヤチヨとかぐやが迷いなくコーディネートを組み上げていく中、

 

「えーっと……」

 

分からないなりに服を選ぼうとする彩葉。

そこにROKAが待ったをかけた。

 

「ちょっと待って!」

 

ROKAが彩葉の前へ回り込む。

 

「そのまま選び始めちゃダメ」

「え?」

「服を選ぶ前に、まず『誰に着てもらうか』を考えて」

「誰に……」

「彩葉」

「はい」

「まず質問」

「はい」

「ジュンヨウくんに似合う色は?」

「…………黒?」

「違う」

「白?」

「違う」

「じゃあ……」

 

彩葉は本気で悩み始めた。

ROKAは頭を抱える。

 

「違う違う!」

「色だけで見るんじゃない!」

「その人全体を見るの!」

「その人……?」

「肌の色」

「髪色」

「体格」

「雰囲気」

「全部合わせて考えるの!」

「…………」

 

彩葉は真剣な顔でジュンヨウを見る。

 

「…………」

「…………」

「見るな」

「いや、教材だし」

「教材扱いされてんの俺?」

─教材www

─人体模型みたいに言うなw

─ジュンヨウ今日ずっと被害者

─教材兼マネキン

─ジュンヨウの扱いw

 

再びコメント欄が爆笑する。

 

「──残り一分ですよ!」

 

オタ公の声がスタジオへ響く。

 

「急いで急いで!」

 

「終わったー!」とかぐやが両手を挙げる。

「できた~♪」とヤチヨも笑顔で頷く。

 

「……なんとか」

 

最後に彩葉も小さく息をついた。

三者三様、最後の調整を終える。

 

「タイムアップ!!」

 

《ピンポーン♪》

 

「それでは!第一ラウンド!完成コーディネート発表!」

 

《パチパチパチ》

 

「まずはヤチヨさんからお願いします!」

「……嫌な予感しかしねぇ」

「モデルさん、こちらへどうぞ♪」

「俺なのかよ!」

「もちろんです」

「ですよねぇ~!!」

「モデルさん、着替えお願いしまーす♪」

 

「はいはい……」

 

渋々ジュンヨウはスタッフから服を受け取り、更衣スペースへ消えていく。

 

─逃げられなかったw

─更衣タイム

─モデルのお仕事開始

 

少し経ってカーテンが開いた。

 

白いシャツ。

ネイビーのカーディガン。

細身のブラックパンツ。

足元はシンプルな白スニーカー。

 

飾り過ぎない。

それでいて清潔感のあるコーディネートだった。

 

「おぉー!」

 

スタジオから歓声が上がる。

 

「似合うじゃん!」

「普通にかっこいい!」

 

まみまみも頷く。

 

「デートなら一番安心感あるかも」

 

ROKAも腕を組みながら評価する。

 

「色数を抑えてるのがいいね」

「顔立ちもちゃんと活かせてる」

 

TSUGUM1もメモを取りながら頷く。

 

「清潔感重視ですね」

「そうそう♪」

 

ヤチヨが満足そうに笑う。

 

「ジュンヨウってさ、元々顔がうるさくないから」

「余計な色を足さない方が映えるんだよ」

「顔がうるさくないって何だ」

「褒めてるよ?」

「本当か?誉め言葉なのか?それは」

 

コメント欄が笑う。

 

─褒めてる?w

─彼女感ある

─分かってるなヤチヨ

 

オタ公が頷く。

 

「それでは審査をお願いします!」

 

『ROKA 9点』

 

『TSUGUM1 9点』

 

『まみまみ 10点』

 

『合計28点』

 

「高っ!」

「幸先いいですね!」

 

ヤチヨは満足そうにピースした。

 

「やった~♪」

「続いて、かぐやさん!」

「はーい!」

 

ジュンヨウは再び着替えに向かう。

 

数分後。

カーテンが開く。

 

ベージュとライトベージュの生地の切り替えがアクセントになっているトレンチコート。

モノクロトーンでまとめられたニットTシャツ。

ボトムスはライトインディゴのデニム。

全体的にアクティブさを意識したコーディネートになっている。

足元だけは――

なぜか左右で色違いの、赤と青のスニーカー。

 

「おぉ?」

 

ジュンヨウ自身が鏡を見て首を傾げる。

 

「意外と悪くねぇ」

「でしょ!」

 

かぐやは胸を張る。

 

「動きやすそうでしょ?」

「まぁ、それはそう」

 

ROKAが一歩前へ出る。

 

「うん、ちゃんと考えてる」

 

TSUGUM1も頷いた。

 

「全体のシルエットも綺麗ですね」

「色数も多くないし、動きやすさもある」

 

まみまみもジュンヨウをぐるりと見回す。

 

「こういう服で遊園地とか行きたいかも」

「歩き回るデート向きだね」

「ほら!」

 

かぐやは得意げに胸を張る。

 

「ちゃんと考えたもん!」

「へぇ」

 

ジュンヨウも腕を組む。

 

「正直さっきの信号機より百倍いい」

「信号機言わないで!」

 

コメント欄も流れる。

 

─普通に良いじゃん

─かぐや意外とセンスある

─これは期待

 

しかし。

ジュンヨウがぼそっと言った。

 

「……やっぱどっかで見たことあるよなぁ」

 

かぐやは満面の笑みでポーズを決めた。

 

「勝利の法則は、決まった!」

「だからライダーやめろ!!」

 

スタジオ大爆笑。

 

─今度はビルドかいwww

─ライダー脳

 

採点。

 

『ROKA 8点』

 

『TSUGUM1 8点』

 

『まみまみ 8点』

 

『合計24点』

 

「ライダー補正で減点です」

「ファッション自体は似合ってるんだけどね」

「そんなぁーー!!」

「当たり前だろ、しかも微妙に世代じゃねえんだよ」

「それでは最後」

 

オタ公が笑顔で振り向く。

 

「いろPさん!」

 

彩葉は少し緊張した様子で立ち上がる。

 

「……お願いします」

 

ジュンヨウも静かに頷いた。

 

「じゃ、着替えてくる」

 

更衣スペースへ向かうジュンヨウ。

その背中を、彩葉はじっと見送っていた。

ROKAが小さく微笑む。

 

「……さて、ちゃんと考えられたかな」

 

スタジオの空気が、ここだけ少しだけ真剣になる。

コメント欄も流れが変わった。

 

─本命きた

─いろP頑張れ

─ROKA先生の成果が出るか

─ROKA先生って良いなそれ……

─気持ちは分かるが妄想は控えろ

 

カーテンの向こうで着替える音が聞こえる。

彩葉は、自分でも気付かないうちに胸の前でぎゅっと手を握っていた。

 

しばらくして。

更衣スペースのカーテンが静かに開いた。

 

「……おぉ」

 

更衣スペースから姿を現したジュンヨウが、鏡代わりのモニターを見て思わず声を漏らす。

 

グレージュのシャツに、ダークネイビーの薄手ジャケット。

ボトムスは黒のスラックス。

足元は落ち着いたブラウンのレザースニーカー。

 

派手さはない。

けれど、全体の色味とシルエットが自然に調和し、不思議と目を引く。

 

「……」

 

スタジオが少し静かになる。

 

「え?」

 

かぐやが思わず瞬きをした。

 

「いろP……?」

 

ヤチヨも目を丸くする。

 

「……かわいい」

「いや、可愛いの俺?」

「違う違う!」

 

ヤチヨが慌てて両手を振る。

 

「コーディネート!コーディネートがね!」

 

ROKAは腕を組んだまま、小さく笑った。

 

「……そう来たか」

 

思わず口元が緩む。

TSUGUM1も驚きを隠せない。

 

「先生」

「これは……」

「うん」

 

ROKAは満足そうに頷く。

 

「ちゃんと『ジュンヨウくん』を見て選んでる」

「え?」

 

彩葉が目を丸くする。

ROKAはゆっくり説明する。

 

「派手な色を使ってない」

「でも暗すぎない」

 

「肌の色」

「髪色」

「体格」

「全部考えてる」

「あと――」

 

ROKAはジュンヨウを見た。

 

「研究者兼、配信者だから」

「立っても」

「座っても」

「カメラ映えするコーデになってる」

「そこまで考えた?」

 

彩葉は少し照れ臭そうに頷いた。

 

「……うん」

「仕事でも配信でも長時間座ってることが多いし」

「肩が張らない服がいいかなって」

「あと……」

 

少し言い淀む。

 

「……ネイビーなら、ジュンヨウの髪色に映えるかなって」

 

ジュンヨウは一瞬だけ言葉を失う。

しばらく彩葉を見つめた。

 

「……ありがとよ」

 

その一言だけだった。

彩葉は少しだけ笑った。

 

「どういたしまして」

 

コメント欄が一気に流れ始める。

 

─おい空気変わったぞ

─誰かコーヒーくれ、ブラックのやつ

─これは彼女目線

─いろP強い

─ちゃんと生活を見て選んでる

─普段から見てる人のコーデだ

 

ROKAは満足そうに笑う。

 

「うん、合格」

 

ROKAは満足そうに頷く。

 

「ちゃんと『相手を見る』ことができてる」

「それじゃ――採点、いこうか」

「それでは採点です!」

 

ROKAは迷わなかった。

 

「……10点」

「先生!?」

 

オタ公が思わず大きな声を上げた。

TSUGUM1も続いて点数を発表する。

 

「私も10点です」

 

まみまみも笑顔で札を掲げた。

 

「私も10点!」

 

オタ公が驚く。

 

「満点!!合計30点です!」

 

ROKAは静かに説明した。

 

「おしゃれな服を選ぶだけなら、誰でもできる」

 

「でもね、『相手が普段どう生活しているか』、

『何を大事にしているか』

『どんな場面で着るか』

そこまで考えられる人は少ないんだよね」

 

TSUGUM1も頷く。

 

「お兄ちゃん本人に合わせた服でした」

 

まみまみも笑う。

 

「恋人だったら嬉しい服って、こういう服だと思う」

─満点きたwww

─納得

─生活を見てる

─これは勝てない

─彼女目線だ

─研究者なのに観察力が恋人だった

 

彩葉は困ったように笑う。

 

「そんなに褒められると、ちょっと恥ずかしいな……。ROKAに教えてもらったからだし」

「選んだのはいろP。私はちょっとアドバイスをしただけなんだから」

 

ジュンヨウも頭をかきながら苦笑する。

 

「俺も結構気に入った」

 

彩葉はその一言だけで少し嬉しそうに目を細めた。

 

オタ公がパンッと手を叩く。

 

「さて!」

 

「第一ラウンド終了!」

 

《パチパチパチパチ》

 

「現在の順位はこちら!」

 

『1位 いろP 30点』

『2位 月見ヤチヨ 28点』

『3位 かぐや 24点』

 

「いろPつよっ!」

「まだ一回戦だからね♪」

「ライダー減点が痛かったぁ……」

「だからライダーやめろっつったろ」

 

スタジオが笑いに包まれる。

オタ公が次のスケッチブックをめくった。

 

『第二種目 ペアコーデ対決』

 

「今度は逆です!」

「相手に似合う服を考えるだけじゃありません」

「自分も、その相手と並んで似合うコーディネートを考えてください!」

「つまり――」

「二人並んで歩いて、違和感のないペアコーデを作っていただきます!」

 

スタジオがざわつく。

 

「えっ」

「ペア?」

「デート服ってこと?」

「違います!」

「違うのか?」

「違わない気もする」

─始まったwww

─実質デート対決

─オタ公攻めるなw

─ジュンヨウ逃げろ

─いや逃げるな迎え撃て

 

オタ公がにやりと笑う。

 

「制限時間は――」

「同じく三十分です!」

「それでは!」

「第二ラウンド!」

「スタート!!」

 

 




ネムヌコさん、評価いただきありがとうございます。

ROSOさん、感想いただきありがとうございます。

お気に入り登録いただいた方々もありがとうございます。
とても励みになります。

活動報告の方でネタの募集も始めておりますので、ご一読いただければと思います。
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