遅くなり申し訳ございません。
FGOやり始めたりウルトラサンやってたりしてて疎かになっていました。
いや、ちゃんと書いてはいたのよ?でも途中でスランプに陥りまして。
今回から本格的に原作介入します。
第弐拾話 戦乙女、居合わせる
時は流れ1913年。
ニューオプティン発の特急列車が東部過激派『青の団』にハイジャックされた。
乗客にはハクロ少将の一家がおり、テロリストは彼らを人質に、収監されている指導者の解放を要求しているとのこと。
東方司令部のロイ・マスタングは副官のリザ・ホークアイらと共に指令室で事態の解決を図っていた。
「困ったな、夕方からデートの約束があったのに」
「たまには俺達と残業デートしましょうやー」
「むぅ……ここは一つ、将軍閣下には尊い犠牲になっていただいて、さっさと事件を片付ける方向で…」
「バカ言わないでくださいよ大佐。乗客名簿あがりました」
咎めるような発言をしたフュリー曹長から乗客のリストを渡された。
ハボック少尉とともにリストに目を通すと、紛れも無いハクロ一家の名前が記されていた。
「あー本当に家族で乗ってますね、ハクロのおっさん」
「まったく…東部の情勢が不安定なのは知っているだろうにこんな時にバカンスとは…」
上官の行動に顔をしかめていると、ある名前を見つけた。
「ああ諸君、今日は思ったより早く帰れそうだ」
ロイは不敵な笑みを浮かべながら言った。
「“鋼の錬金術師”が乗っている」
――が、ある名前を見つけて固まった。
あ、これ別の意味で帰れないかもしれない。
乗客の名前の中に、その名前はあった。
ヴァルトルート・ヒューズ、と。
ロイを固まらせた、当の本人はというと。
「うん、こんな感じだね」
紫電を纏った右手を軽く開閉しながら呟いていた。その足元には、武装したテロリスト達が痺れた状態で転がっている。
イシュヴァールでの一件の後、エドワード・エルリックが国家錬金術師となったことを知ったヴァルトルートは、使い魔を通じてエルリック兄弟の動向を探っていた。
今回、原作開始の時期と原作知識を照らし合わせ、ハイジャック事件に居合わせるようにニューオプティンに用事を捩込み、帰りの列車に乗り込んだのだ。
乗ってからしばらく、テロリストがジャックして各車両に見張りを置いた。後はエルリック弟のアルフォンスが先頭車両に向かって行くのを待つだけ……なのだが、ヴァルトルートは見張りを落としていた。
何故か?彼女ならこう答えるだろう。
“考えるより先に身体が動いていた。反省はしているが後悔はしていない”
イシュヴァール殲滅戦後、ヴァルトルートが戦場に出る機会は減っていた。手合わせをしてくれたオリヴィエも北壁での指揮に専念しているらしく、相手をする人物がいなかったのだ。
もしここに副官にしてツッコミ役というストッパーのクリステルがいたならヴァルトルートの蛮行を拳でもって止めていただろう。
だが、クリステルはセントラルで発生する事態に備えてある人物の護衛についてもらっている。
故に、ヴァルトルートを止めることが出来る者は存在しない。
友人が胃痛に襲われていることなど露知らず、ヴァルトルートは見張りを次々と潰していくのだった。
後からやってきたアルフォンスがこの有り様を目にして首を傾げることになるのは致し方ない。
途中、ここでのイベントを思い出して一号車の前で認識阻害の魔術を行使して、兄弟が揃うのを待つのだった。
やがて、エルリック兄のエドワードが炭水車を媒体に水道管を錬成して水に流すという暴挙を起こし、アルフォンスが流されてきたテロリスト達を迎えるという構図になっている中、ヴァルトルートはその隙にリーダー格の前に立ちふさがったのだった。
「やぁテロリストさん、年貢の納め時みたいだね」
「てめえ……これをやったやつの仲間か」
「いやなに、流石に一人で立ち向かうなんてことは出来ないから彼らに便乗したまでだよ」
仲間ではないが目的が同じだった、つまりはそういうことだ。
青の団のリーダー、バルドは既に頭に血が上っていてその意味を理解することが出来なかった。
「こっ…、こんな
機械鎧を振りかぶるバルド。ヴァルトルートはそれを冷めた目で眺める。
「はぁ…気づいてないの?ここには私以外にもいるんだぞ?」
ヴァルトルートとバルドの間に割り込むように金髪の少年―――エドワードが刃物状に変形させた機械鎧をバルドの機械鎧に突き刺す。
「なんだ、安物使ってんなぁ」
アルフォンスがバルドの背後で肩を掴み、そして。
エドワードが機械鎧を切り払い、アルフォンスが頭部を思い切り殴りつけたのだった。
原作死亡キャラはある程度は救っておきたいですよね。
でも登場人物の行動のきっかけとなる犠牲も必要なわけで。
現在救済している原作キャラ
ロックベル夫妻
ヒースクリフ
ローグ・ロウ