”ひとつなぎの大秘宝”なんかいらないわ、それよりケーキバイキングよ! 作:mooma
野郎どもに囲まれながら、朝食を味わう
ポリッジにベーコンエッグとソーセージ、サラダ、コーヒーが本日のメニュー
今日はポリッジを黒糖で甘く、コーヒーはカフェオレにして、朝からちょっと贅沢気分!
わーわーぎゃーぎゃー煩い男子は無視して、今日の新聞に目を通す…
「まったく…飯も静かに食えねぇのか、あいつらは」
静かにオレの隣に腰をかけたセニョールは既にご飯は食べ終えたのかコーヒーだけを持っていて
「ガキなんだよ、全体的に」
ちらっと見れば肉を巡って戦争しているらしい戦闘員の男子たち…よかった、さすがに幹部は混じってない
「それに比べ、子猫ちゃんは随分と大人だな…朝食を食べながら新聞を読むとは」
まあ、その幹部たちはトレーボルがオレとすれ違う形で出て行ったし、コラソンはまた部屋に忍び込んできていたから縛り上げて放置してきたし、ディアマンテが起きてくるにはまだ早いし、ラオGは甲板で朝の体操中…と、実質この場にいるのはピーカとセニョール、それとキッチンの中で料理製造中のジョーラだけだから、混じる方が難しいんだけど
「女の子の方が成長が早いんだよ?セニョール」
身長は大分伸びてきたし、初潮も迎えたから、もう大人と言ってもいいんじゃね?
原作のドフラミンゴは身長305センチだったらしいけど、果たしてオレが何処まで伸びるのか…
膝下がきしきし痛んで困るから、あんまり一気には伸びないでほしいんだけどな
セニョールと出会った頃には140後半くらいだった身長は、あれから2年で170を超えた…
一月に一センチ以上のペースだよ?
しかもまだ止まりそうにないって…マジでやめてほしい
つーか身長伸ばしてないで胸囲を伸ばして!お願いだから!!
相変わらずのAカップは、この世界じゃ希少価値…ほんとのほんとに希少価値なんですけど!!
まあ…胸だけでなく他の所にも肉がついていないから…って見方をすれば…救いはあるんだけど…
そしてAなんです、AAじゃないんです!
A、なんです…っ!
…そういうことに、しておいてください…っ!!
「そうだな…子猫ちゃんももう立派なレディだったことを失念していたぜ」
ポンポンと頭を撫でてくるセニョールにとってはまだ子供が背伸びをしているように見えるのかもしれない
小さい頃から知っている人間っていうのはそういうところがあるものだし
コーヒーを啜るセニョールをもう一度見遣ってから、新聞に目を落とす
そしてページを捲った瞬間、
「!!!ジョーラ!オレ、今日出かけてくるから!!」
「え!?ちょ、ドフィちゃん!!?」
「トレーボルにごめんって言っといて!!」
新聞を片手に走り出したオレに、みんな驚いていたけれど、そんなことを気にしている暇はない
甲板に出て雲のあるほうへと手を伸ばす…この能力を使う上で地理の知識は必須として勉強してきた甲斐があった
「む?どうしたのじゃ?」
「出かけてくる!夕飯までには帰るから!!」
雲にイトをかけて
向かう先はとある島…
目的の島について、目的の場所を探す
ああ、もう、逸る心を抑えられない
駆け出しそうになるのを我慢して、ただただ目的の場所を探す…
あった!
その店に駆け込んで、カウンターにいるおじさんに声をかける
「おじさん!!新聞広告のこのコート下さい!!!」
新聞に載っていたのは、オレのために作られたに違いない、あのコート!
「お嬢ちゃん、それは非売品なんだが…」
「お願いです!!一目惚れしたんです!!このコートください!!」
ピンクで羽もこ、ドンキホーテ・ドフラミンゴを世界に印象付けたあのコート!!
見つけたからには買わないわけにはいかないでしょう!?
「そうかい、そこまで気に入ってくれたんなら…とりあえず試着してみるかい?」
「はい!もちろんです!!」
試着室に入って着てみれば、まだ大きくて床ですってしまいそうだけど…
ああ、でも、本当に、オレの為に作られたみたいにすんなりと馴染む
「どう?おじさん…似合うと思わない?」
デニムのミニスカートと炎模様の白いシャツ、靴はグラディエーターで、止めにこのピンクのコート
腕を通すのでも羽織るのでもどちらでもいいけど、伸びた髪は背中に流して
「おお…!まさか…ここまで似合うとは…!」
「フフフ…で?売ってくれるの?くれないの?」
着て帰る気満々で尋ねれば、おじさんは…
「まるでお嬢ちゃんのために作られたみたいだな…いいだろう。これはお嬢ちゃんに売ってあげるとしよう」
「やったぁ!」
どうしよう、すっごい嬉しい!
ずっと探してたから見つけていてもたってもいられなかったんだよね!
非売品だって言うのに売ってくれるって事は、やっぱりオレの手に入るために作られたに違いない…!
「時間があるなら君に合わせて丈を詰めることもできるが…」
そう言ってきたおじさんの厚意に甘えることにしよう
「え?ほんと?時間なら今日一杯あるからお願いしてもいい?」
いいものだからこそ、できるだけ長く着たい…
さすがに同じのを25年以上着ているとは思えないから途中で買い換えたりしないといけないだろうけど、それでもこの最初の一着は特別なんだ…
「ああ、いいとも。…ではまた夕方に取りにおいで」
おじさんは軽く色んなところの長さを測ってから奥にコートを置きに行こうとして、
オレは夕方までの空き時間を潰しに行こうと振り返った瞬間、もうひとつ、目に付いた
「あ…ねえ、おじさん…こっちの、黒いのは…?」
色とサイズだけが違うそれには見覚えがあって…
「ん?ああ、そっちは店の売り物だよ。でもサイズが大きいからか売れる気配がなくてね…」
きゅっと握った袖は、ああ、やわらかい…
買ったら、着てくれるかな…?
買ったのがオレでも…着てくれるかな…
「…こっちも貰ってくわ。弟がガタイのいい子なの、兄弟でおそろいってステキじゃない?」
泣きそうになるのを誤魔化して、わざと明るい声で言う
ロシィが本当にコラソンになる日が来たら、着てもらうのも悪くない
これだったらドジってスッ転んでも怪我しなさそうだし
……よく燃えそうなのが心配だけど
「そうかい?そう言ってくれると助かるんだが…」
先払いで二着分の代金を支払ってから、改めて店を出た
ロシィ…お前は今何をしてるんだ?
ちゃんとご飯食べてるか?怪我はしてないか?
もう海軍には入ったのか?変な奴に捕まってたりはしてないよな?
ドジは減ったか?友達は、出来たのか…?
虐められてたり、してないか?
涙を溢さないようにと見上げた青い空にその面影を見て、溢れそうになるものを堪えられなくなる前に、オレは逃げるように横道へと入って行ったのだった
どんな島でも横道やらわき道やらには多少なりとも“裏”の匂いが付きまとう
それは、この島でも言えたことだったらしい
カツカツカツと響くオレのヒールの音に隠れるようにしてついてくる小さな足音
つかず離れず、一定の距離を保っているあたり、尾行には慣れているようだ
お小遣いで買ったホットドッグを口にしながら、気付かないフリであっちへふらふらこっちへふらふら…
それでもついてくる相手に、振り切るのは面倒そうだと計画を変更する
片手では足りないほどの“
まあ、オレだけでなく他の幹部陣もある意味出来高小遣い制だから文句は言えないんだけどね
足音がちゃんとついてきていることを確認して、オレは一段と人気のない道へと入っていく
途中迷っているように見せかけるのも忘れない
罠だと知られたら意味がないからな
そうして辿り着く袋小路に、これで掛かんなかったら糸で捕まえようと思って入っていった
…オレは、釣りを楽しめるほど、気が長くないんだ
幸運にも魚は罠だと知らずに餌に喰らいついてきてくれた
わき腹を刺すような高さで襲ってきたナイフは、青銀の髪の少年の手の内にあって…
「!?」
ナイフが当たる寸前で身を翻したオレと視線が合って、少年の驚愕の声が漏れる
「カハ…ッ!」
ナイフを持っている手を掴んで、そこを軸にして一回転させて地面に叩きつければ、今度は息が漏れた
ナイフは奪って壁に投げつけ、逃げられないようその胸に腰を下ろす
体重のほとんどは糸で支えているから大した重さは感じられないはず…
「オレに何のようだ?ボーズ」
こうして見下ろしてやれば、どちらが上だか一目でわかるだろう?
まだ何が起きたのか解かっていない様子の少年に微笑みかければ、少年はボッと赤くなって
「ん?なぁんでオレのことつけてたの?」
ちょっと面白くなってさらに顔を近づけて笑顔で聞きながら首を傾げれば、少年はさらに赤くなった後バァン!と大きな音を立てて弾けてしまい
「けほっ!けほっ!」
至近距離で巻き込まれた爆発に、怪我こそはなかったものの煙で咽てしまったオレは、漸くそれが誰なのかがわかった
「…~…ッ!!」
真っ赤に染まった泣きそうな顔でオレから逃げようとしているそいつは、グラディウスだった
「落ち着いたか?」
「あ、ああ…」
ちら、ちら、と、ちゃんと見ようとはしないまま、少年はこちらを窺ってくる
あの後さらに何度か弾けてしまった彼は、それでも逃げることのなかったオレに根負けしたのか、逃げないから解放してくれとお願いしてきたので、今は向き合うようにして座っている
「その…怖く、ないのか…?」
そう聴いてきた声は少し震えていて…
「怖いって、何が?さっきの爆発?」
こくりと頷いた彼は、身体も震えていて…
もう能力者だって事を踏まえれば、これ、捨てられたとか迫害されてたりするパターンかな?
「お前能力者だろ?」
ズイっと身を乗り出して、もう少しだけ近づいて、顔を覗き込みながら聞いてみる
この聞き方で通じる奴は大体知ってる奴で、通じない奴は知らない奴
知ってる奴の場合はここで能力の説明とかしてくれるから、結構ありがたい質問だったりする
…この世界の人たちはみんなどこか抜けてんだな、とも毎回思うけど
「のー、りょく…?」
知らないってことは、多分能力の使い方もほとんど無意識なんだろうな
これが
「能力者。悪魔の実の能力者な?悪魔の実って言う、くっそまずい果物を食べた、特殊な能力を持った人間のことさ。お前はくっそまずい味の果物を食べた覚えはあるか?」
あの実の味はくっそまずい味ってだけは共通してて、オレのイトイトは腐ったような味、トレーボルのベタベタは味はともかくぬちょぬちょベタベタした食感が気持ち悪くて吐きそうになったらしいし、口にしてしまったならそう簡単には忘れられないだろ
「…ある」
少し思い返してからそう答えたグラディウスはその味まで思い出してしまったのか、変な顔になってしまった
うん…気持ちはわかる、悪魔の実の味はトラウマになるよね…
「その後からだろ?変なことが起き出したの」
「ああ…!ああ、そうだ!」
それが怒りなのか悲しみなのかは解らないけど、叫んだ声は苦しそうで、握り締めた拳からは血がこぼれていた
「さっきのだって、能力を扱いこなせない内には良くある、ただの暴発だよ。誰にでも起き得ることだから、オレは怖いとは思わないし…」
その手を取って、握った拳を解けば爪の食い込んだ痕が痛々しくて…
「…っ」
ハンカチを巻いて、せめてもの応急処置になればと思う
「オレ自身も能力者だからな、共感できるよ。オレの能力はこれな?この糸を使って色々できるんだ、例えばそう、ミニ“
せめて少しは心安らげるようにとオレも能力を見せれば、零れ落ちそうなほどに目を開いて
「あなたも…能力者なのか…?」
「そ、イトイトの実を食べた糸人間ってとこかな?イトを出すことと出したイトを自在に操ることが出来るんだ」
くるくると小さな
風にとけて耳には届かなかった声は、おれだけじゃなかったのか…と確かに呟いていた
その後、彼の寝床に案内してもらえることになって、オレはそれなりに食べ物を買ってきてから向かうことにした
話を聞いていくうちに、彼がここいらを寝床としているストリートチルドレンの一人らしいことに気付いて、おなかが空いていたからこそオレを襲ったのだということを知って、とりあえずの急場を凌ぐ意味で食べ物を持っていくことにしたのだ
「パンク兄ちゃん!そのおねぇちゃんだあれ?」
「…イトのおねえさんだ」
「イトのおねえちゃん?こんにちわ、イトのおねえちゃん!」
寝床に着けば、そこにはどう見てもこんなところに住んでいていいはずがないくらい小さなチビちゃんたちばかりで…
汚れた服に身を包んで、顔は汚れ髪もボサボサ、ご飯もちゃんと食べれていないから発育も不十分だし…
なのに…!
なのに挨拶をしてくる笑顔は一等輝いていて…!
「こんにちわ。お姉ちゃんね、りんごとかもってきたんだけど、食べれるかな?」
しゃがみこんでその子と視線を合わせればオレの言葉にさらに目が輝いて、
「りんご?たべる!たべたい!いいの!?りんごたべて!」
ぱあぁっと明るくなった顔に、どうして此処の大人たちは何もしないのだろうと頭が冷えていくのを感じた
「うん、いいよ。でもみんなの分もあるから、みぃんなあつまってからね?みんなあつめてくれるかな?」
オレがそうお願いすると最初に来た子はわかった!と言って仲間達を呼びに行ってしまった
その後ひょこひょこと現れだしたのはにぃ、しぃ、ろぅ…十人ほどの子供達
みんな同じように汚れていて、上は八つぐらいの女の子から、下は三歳くらいのチビちゃんまでいる…
「イトのおねえちゃん!みんなつれてきたよ!」
最初の子がにこやかに駆け寄ってきてくれて、オレに教えてくれたのを見て、オレも笑顔を返してあげる
「えらいね~!じゃあ、はい、みんなならんで~!りんごとオレンジとぶどうがあるけどなにがいいかな~?」
頭を撫でてあげれば照れくさそうにしたその子がとっても可愛くて、もうオレの心は決まっていた
「あたしりんご~!」「ぼくぶどうがいい!」「おれんじ~」
次々と出されるリクエストに答えつつ、子供達を観察していけば、半数以上が同じマークのついた服を着ていることに気がついた
それに見覚えがある気がして記憶をさらえば、嫌な奴らが思い当たって
「あのね、お姉ちゃんの思い過ごしだといいんだけど…もしかしてみんな、逃げてきたのかな?」
一番年上だろう女の子に聞けばびくりと大きく震えられた後、小さくこくりと頷かれて…
「怖いこと思い出させてごめんね…大丈夫、誰にも教えたりしないから」
よしよしとその子を抱き寄せて宥めれば少しずつ濡れていくシャツ
「町の人たちは…たまにご飯とかくれるけど足りなくて…っ…わたしもう、おうちかえりたい…っ」
それはそうだろう…組織立った犯罪者を敵に回すなんて、普通はやりたくないはずだ
逃げてきた商品を匿うなんて危険なこと、出来ないか…
それでも食べ物は持ってきてくれたりしていたあたり、此処の人たちは救いようがないほど腐っていたわけではなさそうだ
「辛いこと、聞くけど……むりやり連れてかれたの?それともお金で買われたのかな?」
うちに帰してあげる事は難しくないかもしれないけど…でも一度子供を売った親は、帰ってこられてもまた金に変えるだけだろうし、そんなところにはオレが返したくない
「わたしはむりやり…っ…でも、買われた子達もけっこういたみたい…」
ここにいる子たちはあくまでも氷山の一角に過ぎないようだ…
まったく、汚い奴らめ…子供をターゲットにした人身売買とか…反吐が出る
「そう…教えてくれてありがとう…頑張ったね、もう大丈夫だからね?コワい奴らはお姉ちゃんがお仕置きして、おうちに帰れるようにしてあげるから、もう、だいじょうぶだよ」
さあて、帰ったらやることが出来たぞ~
トレーボルには悪いけど、ちょ~っと計画を前倒しかなぁ?
でもその前に此処の子達を連れて行かないとだよね~
…グラディウス含めて11人か…
ここは諦めて迎えに来てもらうことにするか
オレが抱き寄せていた子が泣き止んだのを確認して、電伝虫を取り出す
「電伝虫…?」
「でんつん、ちょっと船まで繋げて」
《ぷるぷるぷるぴる…ぷるぷるぷるぴる…がちょん》
このちょっと特徴のあるコール音がチャーミングなのが、オレのマイ電伝虫のでんつん
割と頭も良いのか、一度覚えた相手なら名前を言うだけで繋げてくれるので、結構助かってます
オレってばケータイ世代だから電話番号覚えるの苦手なんだよね~…
『んねーねー、誰~?んねー、誰なの~?ドフィがいなくて大変な時にかけてくんの~』
電話越しに聞こえてきたトレーボルのイラついた声
大変…ってオレ今日はそこまで仕事なかったはずだから、大変になる理由はあんまりないと思うんだけど…
「そのドフィですがね、」
なんでイラついてんだ?と思いながらも答えれば、一気に電話の向こうのボリュームが大きくなる
『ど、どどどドフィぃぃぃ!!?どこ行ったの、ね~!?ドフィどこ行っちゃったの、んね~!?おれたちが嫌いになったの!?ねーねー!おれ達が嫌いになったから出て行ったの!?んね~!?ドフィぃぃぃっ!!』
ああ…これなんか誤解してんな…
「うっさいぞ、トレーボル。ちょっと落ち着かねぇか、買い物に出かけただけだってのに、なんだってそんな話になってやがる?」
『買い、物…?』
「そう、買い物」
電話の向こうから色んなものが崩れて大きな音を立てるのが聞こえて、ああ、アイツ、溶けたか脱力したかでデスクの上のものなりを落としたんだなぁと想像できてしまった
『ご、ごめんドフィ…それでなんで電話かけてきたの~?』
「ん~?夕飯までに帰るつもりだったんだけど、ちょっと小さなお客さんをたくさん助けたくなっちゃったから、自分じゃ帰れなくなっちゃった☆迎えに来て~!ってお願いしようと思って?」
可愛い子ぶってそう言えばトレーボルもノーとは言えないだろう
うちの幹部陣は基本的にオレに甘いのです
オレのワガママは大体通るので、なるべくワガママは言わないことにしてる
まあ、実際にはオレもみんなに甘くてみんなのワガママ聞いてたりするからお互い様なんだけどね
『ドフィ~…も~、どこに迎えに行けばいいの~?』
少し呆れたような声を出しながらも結局は迎えに来てくれるあたり、優しいよね
「カッターコー島なんだけど…大丈夫?」
『ん~…日が沈むまでには行けると思うよ~?んねーねー、あと小さなお客さん沢山ってどれぐらい~?』
航路の計算をしなおしたんだろう、ペンが走る音が聞こえて、さらに誰かに指示を出す音もあったから、全力でこっちに向かってくることだろう
「三歳ぐらいから八歳ぐらいまでのチビちゃんたちが11人。これは最悪オレの部屋に雑魚寝すればいいと思ってるから」
『わかった~。後で詳しく聞かせてくれるんでしょ~?』
そう言うトレーボルの声にはある種の有無を言わさぬ雰囲気があって、さすがはうちの参謀役だと少し誇らしくなってしまった
「当然。待ってるけど急がなくていい、安全第一で来い」
『わかってるよ~ドフィ~。じゃああとでね~』
《がちょん》
もうそろそろコートを取りに戻ってもいい頃だし、コートを受け取ったらどこか船を着け易そうな場所でまっているか…
そう思いながら、まだ果物を食べている子も多いチビちゃんたちを見て、オレは久々に心いくまで癒されていたのであった
つづく
一方その頃…
この話は(以下略)←
「おお!ロシナンテではないか!せんべえ食うか?」
「が、ガープさん…ありがとうございます…?」
「そうだ、ロシナンテは強い男になりたいんだったな?じゃあ、ちょっと行ってくるか?」
「え?」
「!!ちょ、待て、ガープぅぅぅぅ!!!」
「え?え!?えぇぇぇぇ~っ!!!?」
ひゅ~ひゅるるるる…どっか~ん…
「う、ううう…いだい…っ」
「あ~…大丈夫か…?」
「!?だ、誰!?」
「…ドラゴン、モンキー・D・ドラゴンだ」
「(ディー!?この人も“ディー”なの!?)…ロシナンテ」
「ロシナンテ…?もしかして、センゴクさんの養い子だという…?」
「センゴクさんを知ってるの?」
「ああ、知っていると言うか…父の同僚だ」
「父?…え、モンキーって、まさか…!」
「あ~…うん…“あの”ガープの…息子です」
「なに?じゃあ、ロシナンテはアイツに殴られて此処に?!」
「う、うん…なんか、強くなれ~って…」
「…」
「ドラゴン、さん?」
「その節は!大ッ変!!ご迷惑をお掛けいたしましたぁぁッ!!!」ジャンピング土下座ァ!!
「え?え!?」
「うちのクソ親父がほんととんだご迷惑をぉぉぉ!!!」ガンッガンッ
「ふぇぇぇぇ!!?」
「お、落ち着きました…?」びくびく
「…ああ…すまなかったな」
「い、いえ…(やっぱりディーは嵐を呼ぶってホントなんだ…!周りが嵐の被害に遭ってるのに本人達だけはなぜか無事だしぃぃ…)」
「…は?ロー、お前、今なんて言った?」
「いや、だからこれから麦わら屋、モンキー・D・ルフィを始めとした最悪の世代で飲み会するって…」
「だ、ダメだダメだダメだダメだぁあぁああ!!あ、あんなやつらと関わり合いになったら繊細なローじゃぶっ壊れちまう!!い、今すぐ海軍に通報…!!いや、いっそバスターコール!そう、バスターコールだえぇぇぇ!!!」
「あ~…ドフィ?コラさんが、ぶっ壊れたみたいなんだが…」
ゴンッ「…あねうえ…いたい、です…」
「殴れば治る。これはあれだ、ただのモンキー家アレルギーだから気にすんな、行きたいなら行って来い」
「ああ、うん…でもコラさん今天竜人みたいな…」
「なんか言ったか?ん?ローはお利口さんだからお口にチャックできるよな?なぁ?」
「いや、今のは聞き間違いだった。そうだな?ドフィ」
「わかればよろしぃ…」
「姉上ぇ…ローが、ローがぁ~…」ぐずぐず
「ああ、もう…ほら、ロシィ、そう泣くな、お前は強い男になったんだろ?」
「大体なぁ、コラさん。オレだって七武海なんだぞ?ドフィと同じ七武海なんだぞ?それなのに麦わら屋にぶっ壊される程度の実力しかないと思われるのは…大好きなコラさんだからこそ、余計に傷つくんだけど…」
「うぐッ!ご、ごめん、ごめんなぁ、ローっ!そういうつもりじゃなかったんだ…!でもあそこの家のやつはみんなぶっ飛んでるから、ローも巻き込まれて怪我するんじゃねぇかって…!!」
「そんなに心配なら白ひげに頼んでエース寄越してもらう?あ、あとサボも呼んどこうか??あと…バリアオトメンだっけ?あの子ぐらいまでなら世代あんま離れてないしいけるでしょ」
「ドフィ、バルトロメオだから。確かにバリアを使う乙メンなのは否定できないが、バリアオトメンじゃなくてバルトロメオだから。でも面白そうだから今度一度バリアオトメン屋と呼んでみるか…」
「…ロー。危なくなったらいつでもシャンブルズで帰ってきて良いんだからな!?」
「わかったわかった。コラさんは心配しすぎだ、いざとなったらユースタス屋とドレーク屋を犠牲にして帰ってくるから安心してくれよ」
「…ドリィちゃんにはお詫びの詰め合わせ準備しといた方がいいかな…」
「ドフィ!そんな息子が迷惑をかけた友達に謝るようなことしなくていいから!」
「「息子じゃなくて弟だろ?」」
「そこでハモるなよ、ドンキホーテ姉弟…はぁ…行ってきます」
「いってらっしゃ~い!」ノシ
「気をつけて行ってくるんだぞ!?」
「はいはい…」