”ひとつなぎの大秘宝”なんかいらないわ、それよりケーキバイキングよ!   作:mooma

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あとはおちるだけ


しんきいってん

それは予定調和かあるいは宿命(さだめ)

 

オレの説得もむなしく父は一家の移住を決定した

 

元々頭は良くとも普通の人間はみんな他人に優しくするものだと信じているような人だからな…

 

平和な国でだったらいい君主になっただろうが、今回ばかりは悪手が過ぎる

 

母上も今回は父上に賛同しているし、まだ幼いロシィは言わずもがなだ

 

政治の世界は後ろ暗いことも多くあって真っ白じゃやっていけないことを理解してもらうのがこんなに難しいとは思わなかった

 

第一、奴隷なしでどうやって生活するつもりなんだ?

 

母上は料理なんてできないみたいだし、人を雇うにしても天竜人だったことがバレない保証は無い

 

そもそもなんで最初ッから非加盟国に行くんだよ!?

 

加盟国ならまだ何かあったときに取り返しが効くだろうに…

 

ほんと、想像力が足りないよ!

 

でも、そんなダメ親父でもオレの父親だからな、できるだけ策略謀計をめぐらせて最悪の結果だけは阻止できるようにしないと…

 

今のところ一番の問題は、有事の際にはこの非加盟国から逃げられそうに無い事なんだよな…

 

船を下りて天竜人の証明チップを返した瞬間から海軍は頼れない

 

海軍はあくまでも天竜人のためか加盟国内の問題にしか出動できないらしいし…

 

そうなると頼れるのは自分らだけになるからなぁ…

 

まだ何の力も持たない今のオレじゃあ、多勢に無勢ってなるとどうしようもない

 

…イトイトの実の能力者になった後なら手がないわけではないけど、子供には見せられないよ!な事態になることは間違いないし…

 

「父上、本当に“いま”、“その国”でなければなりませんか?オレやロシィがもう少し大きくなってからではいけませんか?それに他にも行けそうな国はありますが、その国でなくはならないのですか?」

 

「ドフィ…お前がもう少し大きくなってからでは遅いのだ…お前がまだ幼い内でなくては…。それと、残念ではあるが、どうしてもその国でなくてはならないらしい…その国は、いい国だとは聞いているが…。さあ、心配しないでお前も準備をして来なさい」

 

はあ…ダメっぽいなぁ…覚悟を決めるか…

 

でも…言い方が気に掛かる…

 

もしかして、この急とも言える引越しの理由は、オレの男装のことにも関係あるのか…?

 

そうだとしたら…せめて理由を教えてほしいのに…

 

そうしたらオレだって何か出来るかもしれないのに…

 

…ハァ…考えても無駄か…今は先のことを想定しておこう…

 

しっかし…一人暮らしの経験がこんなところで活かされそうになっているなんてなぁ…

 

自分ひとりででも一通りの事ができるようにと苦労した甲斐があるよ

 

さて、注意すべきとこはどこだ?

 

炊事はできる、ぱっと見た感じ最悪でも火が起こせれば後はオレの知ってるキッチンとほとんど変わらない

 

洗濯…しているところは見たこと無い

 

そもそも天竜人には毎日服を変えている自覚も無いかもしれない…同じのが何着もあって奴隷が着せてくれる事の方が多いし

 

でも桶で手洗いでもできなくはないと思う…わかんなかった場合、子供なら近所のおばちゃんに「お母さんのお手伝いしたいから教えて!お母さんにお願いするのは驚かせたいからダメなの!」とか言ってもおかしくないよね?

 

買い物は、金遣いの荒さにさえ気をつければ大丈夫か?

 

ああ、でも、金を払わないでリンゴを食べたりしそうで怖い…

 

掃除…手、届かないだろうから早くイトイトの実を見つけないと

 

やらないといけないことが多すぎて、時間が足りないなぁ…

 

病気…病気も怖いな、ここほど上等な医療は受けられない…そもそも信頼できる医者を探すところから始めないといけない気がする

 

どこから情報が漏れるかわからないし、情報が漏れたら鬱憤を晴らすために私刑に遭うのは目に見えてるから…女として、そんな最悪の展開は、絶対に回避したい…

 

教育?オレは問題ないと思うし、教本とかなくてもある程度までならロシィに教えられる自信はある

 

でも何より今一番欲しいのは自衛の手段だ

 

母上はとてもじゃないが自衛なんてできそうにない、せいぜい押し倒してきた野郎の隙をついて急所を刺すくらいか?…まあ、相手が気を抜いてるならそこそこ出来そうな気がしないでもないんだけど…

 

父上もどう見ても文系だから無理そうだ…嗜みとしての剣術程度はできると思いたいがそれだって実践では使い物にならない可能性が高いし…何より母上にボッコボコにされてたこともあるから多分そんなに強くない…

 

ロシィは逃げて隠れるくらいならできると思うけど人を傷つけることは難しいだろうな…ロシィは優しいから

 

オレは前に習ってた護身術で隙をついて逃げることはできる…能力者にさえなってしまえば人を殺す事だって……できなくは、ない…その覚悟はまだ、ちゃんとは決まってないけど…

 

ダメだ…どうしても悪い方にばかり考えてしまう…

 

大丈夫、まだ詰んでない…まだ打てる手はある

 

父上も母上も、もちろんロシィも、死なせたりなんか、するものか

 

そうだ、いつかみんな一緒に一族の故郷(ドレスローザ)に行く事を目標にして頑張るのもありだよね?

 

目標があれば、努力だって苦痛にならない

 

よし!そうと決まれば…!

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせいたしました…あちらが我々が準備した屋敷となります。不自由のない生活をお送りいただけるほどの財産も既に搬入してあります」

 

海軍船の図書室で海図や航海術の本を読み漁っていたオレに、まだ年若い海兵が恐る恐ると言った様子で声をかけてきた

 

恐らく邪魔をしたせいで手討ちにされるかもしれないとでも思っているのだろう

 

そんな面倒な事はしねぇっての

 

窓から見える屋敷を指差して教えてくれたそいつは可哀想になるくらい緊張していて…

 

いい大人がもうすぐ天竜人じゃなくなるガキ相手にビビリ過ぎだよ

 

…まあ、まだ一応天竜人だからそうなるのもわからなくもないけどな

 

「ご苦労。ところでひとつ聞きたいんだがいいかえ?」

 

「はっ!何でございましょうか、ドンキホーテ・ドフラミンゴ聖」

 

本を元あったところに戻しながらその若い海兵に尋ねれば、ビシッと決まった敬礼を添えて彼は返事を返す

 

うん、嫌だとは答えられないよね、偉い人相手に

 

当たり前だけど

 

「船や海図と言った航海に必要な品は普通どこで手に入れるえ?色々見に行くなら船は必要だろう?」

 

「へ?あ…自分はこの国の出身ではないのでなんとも…で、ですが!漁師に聞けばこの国で船を買える場所がわかるかと思われます!」

 

「そうか…助かったえ」

 

一瞬、何を言われたか解らなかったように呆けたのには笑いそうになったわ

 

オレと二人きりだから問題なかったものの、これから先もそんな様子じゃ将来危ないぞ~?

 

しかも答えも微妙だしなぁ…コイツ、大丈夫か?その内実戦でうわぁぁっと死んじゃったりしそうなんだけど?

 

まあ、でも、それはオレの問題ではなくて、コイツの問題だから気にしないことにしよう

 

オレはオレたちの事で手一杯だしな

 

甲板に出てもう一度オレの家になるという屋敷を見やる

 

…うん、木造二階建てが主流っぽい中世風の世界で、石造りの三階建てっぽい家か

 

どっからどう見ても金持ちの邸宅ですね、わかります

 

世界政府加盟国と比較してかなり治安が悪いと言う噂があるこの非加盟国で、こんないいお屋敷に護衛なしで住むとか、どう考えても襲ってくれと言ってるようにしか見えないだろ?

 

色々調べたけど、この国の治安は悪すぎて、とてもじゃないけど、正気な人間なら移住しようとは思わないだろう

 

ここはいい国だと薦めてもらった?らしいが、どう考えてもこれ、消極的だけど殺しに来てるよな?

 

大体、いい国の定義が違うって事を父上はわかっているのか…?

 

ここは、良質な奴隷が取れるって言う意味での“いい国”なんだって事、ちょっと調べればすぐにわかったぞ?

 

みんながみんな、あなたのように清く正しいわけじゃあないんだってこと、何度言っても解ってくれないどころか逆に『そんなに人を疑ってはいけないよ』と諭しに来るとか…!

 

あ、あれか、父上は神父とか、聖人とか、そっち系の人なのか

 

いや、聖人はだめだ!高い確率で殉教しそうで怖いから!!

 

どうせ神父なら某運命の麻婆神父になってくれよ!人間は薄汚くて醜い生き物なんだって事、わかった上で行動しようぜ!?愉悦は勘弁だけど!!

 

「あ~…あの…ドフラミンゴ聖?」

 

ハッ!?

 

今の絶対顔に出てた…ヤバイ…ハズい…っ

 

「なんだえ?」

 

「いえ…その、ご気分が悪いように見えたもので…」

 

「ちょっと考え事してただけだえ。忘れろ、いいな?」

 

「ひっ…は、はいぃッ!」

 

…そんなにビビらなくてもイイじゃん…

 

はぁ…聖人な父に、女神な母、天使な弟と来るのに感性が一般人なオレが姉、ただし対外的には兄とか、どう見ても浮いてるよね…

 

ロシィを虐める奴らに五倍返ししてたらいつの間にか影で悪魔って呼ばれてたしさぁ…

 

べつにいいけどね、悪魔でも

 

オレが悪魔だって言うんなら、悪魔らしいやり方を使ってでも家族を護るから

 

堕ちた天使が悪魔になるってことを考えれば、当てはまってなくもないし?

 

世俗に穢れる事が堕ちるってことだもんな、肉体的にはまだ清い乙女ですが!

 

そんなことを考えているうちに、気がつけば屋敷の目の前にまで来ていて…

 

「……では、天竜人の証明チップを回収します」

 

これで、オレらを護るものは、なくなった…

 

「さぁ、今日からはここで一家四人慎ましく暮らそうじゃないか」

 

にこにこと嬉しそうな父上にはわからないのかな…?これから綱渡りのような状況がずっと続くんだってこと

 

とりあえず、まずは現状での装備を確認しないと

 

「ロシィ、オレはこれから家を探検しに行くけど一緒に来るか?」

 

「…!うんっ!」

 

「ははは…ドフィは元気だなぁ、私は長旅ですっかり疲れてしまったから少しゆっくりさせてもらおうか」

 

「はい、あなた。わたくしもご一緒させてもらいますね」

 

それなら最初にキッチンでも漁りに行くか…

 

一応キッチンとかは北側にあるのが一般的だったと思うんだけど、ここではどうなんだろ?

 

ロシィの手をとって歩き出せば、花が咲いたような笑顔を浮かべてロシィが駆け出した

 

なにこの天使、護りたいその笑顔っ!

 

そんな事を考えながらも、もちろん家の観察は怠らない

 

家具や装飾品の類はパッと見一流の品のように見えるが、近くで見ると粗が目立つ…恐らくは偽造品だな、それもどちらかと言えば質の悪い方の偽造品

 

質のいい方、つまり精巧な偽造品だったらこんなすぐにはわからないと思うし

 

マリージョアには一流も一流、超一流の品しかなかったから多分目利きに間違いはないと思う

 

大方オレたちに割く予算が勿体無いだとかでとりあえず見た目だけ整えたのだろう

 

…好きにすればいい…貴様らの程度が知れるから、オレ的にはむしろ助かるし

 

ああ、でも…きょろきょろと辺りを見渡しては色々触ってみたり覗いてみたりしているロシィまじ天使…ッ!

 

にぱっと笑ってオレの方に来ようと走り出して、あ、

 

「大丈夫か?」

 

セェーフ!

 

足がもつれてコケそうになったところを間一髪で抱きとめられた

 

「あ…ありがと兄上…」

 

「気をつけろよ?ロシィは時々不注意でドジるんだから慣れないうちはちゃんと注意しとけ」

 

「うん…」

 

「ま、ドジっ子なロシィも可愛いんだけどな?」

 

おっと、本音が漏れてしまった

 

いや、別にドジが治ったら困るとか思ってないよ?

 

思ってないったら思ってないよ!

 

…誰に弁解してるんだよ、オレ…

 

ああ、ドフィ、あなた疲れてるのよ…

 

と、思ったところでキッチン発見だ

 

ふむ…造りは悪くないけどやっぱり人が居ないな、自分でやれってことか、しゃあないな

 

オレだったら此処でスパイとして家政婦を潜り込ませるんだけどなぁ…とか考えているオレはやっぱり腹黒いのかねぇ…?

 

そんなことを思いながらも物色は続ける

 

「ロシィ、オレはお湯を沸かすから、茶葉と茶菓子がないか、“気をつけて”探してくれないか?」

 

「うんっ!まかせて兄上!紅茶のはっぱとお菓子でしょ?見つけてくる!」

 

…って、なんでそこでキッチンから飛び出すんだよ!?

 

普通キッチンの中を探すだろ!?

 

…アレか、前は持って来てもらってたから茶葉がキッチンに保管されてるって知らなかったのか、そうか

 

今のはオレのミスだな、うん、ロシィは悪くない、悪いのはロシィじゃない、ロシィはただの天使だった、うん、オレが悪かった、オレが悪いに違いない!

 

つーか…ちょっと(ロシィ)が天使過ぎて不整脈起こしそうで…ヤバイ

 

あ、でもその前に貧血で死にそう…鼻血出てないよね…?…うん、大丈夫だ、出てない出てない

 

ちょっとどころじゃなくかなり動揺してしまった…

 

これからはもっと気をつけないとダメだな…オレがしっかりしてないと!

 

仕方がないから鍋を火にかけている間にオレが探すか…ティーポットも見当たらないし、茶葉と一緒にどっかの棚に保管してんのかね?

 

ついでに緊急持ち出し袋チックなもの用に保存が利く食べ物は分けて置いとこう

 

…チョコとかあったりしねぇかな?

 

アルファ米とかレトルトのカレーとかは期待してないけどチョコとビスケットぐらいは詰めときたいなぁ…あ、干し肉発見

 

缶詰や瓶詰めもある…こっちは粉物か…パンってどうやって作るんだっけ…?

 

 

 

しばらくゴソゴソしてたらロシィがめそめそベソをかきながら戻ってきた

 

「兄上ぇぇ…お茶もお菓子もみつからないぃ…」

 

「そうか、じゃあこっち探すの手伝ってくれ。こっからそこまでがまだ探してないとこだから多分ここらにあると思うんだけど…」

 

「う゛ん……あ…あったぁ!!」

 

…うん、ごめんロシィ…

 

実はお姉ちゃん、さっきそこ探したからそこにあるの知ってたの

 

でもロシィが見つけたいかなって思ってお口にチャックでロシィにお願いしたんだ…

 

見つけて満面笑顔の天使(ロシィ)、プライスレス!

 

 

 

 

 

 

 

新しい屋敷へと移り、人間としての第一歩を踏み出した日、

 

私は子供達の成長の早さに驚く事となった

 

元気が有り余っているのだろう私の子供達、ドフラミンゴ、ドフィとロシナンテ、ロシィが屋敷を探検すると言って駆け出してから一時間ほど

 

私は妻・ドゥルシネーアとソファで腰を休めていたのだが、そこへロシィが顔を覗かせて駆け寄って来る

 

同じように顔を覗かせたドフィはすぐには部屋に入らず、私達に声をかけて来た

 

「父上、母上、お茶を淹れてきました」

 

「なに?」

 

顔を見合わせる私達を確認してから部屋に入ってきたドフィは、驚く事に配膳カートにティーセットを載せ押していたのだ

 

「兄上がお湯をわかしてくれたんです!」

 

妻の膝に手を乗せ身を乗り出してロシィが私に告げてきた

 

「でも、お湯を沸かすのに手一杯で、ロシィが茶葉とお菓子を見つけてくれなかったらお湯を飲まないといけないところでしたけど」

 

ドフィは苦笑し、そう口にしたが、私にはそれが弟にも花を持たせてやろうというドフィの心遣いのように感じられた

 

「まあ!ふたりとも自分たちだけでお茶を淹れられるなんて凄いわ!頑張ったのね!」

 

喜び、少女のように笑顔を見せる妻はロシィを抱きしめると口付けを落とし、私は紅茶を注いでいるドフィを見つめていた

 

「ドフィ、お湯を沸かすなんて、そんな危ない事を子供達だけでやって…」

 

お湯を沸かすには火を扱う…炎そのものだけでなく、鍋や鍋の中のお湯ででも火傷をするかもしれないことを思えば、それはとても危険な事に感じられ…

 

「父上、でもオレ、ちゃんと本で勉強した通りにできたので大丈夫でしたよ?」

 

難なく紅茶を注ぎ終え私にカップを渡してきたドフィは、そのまま次に妻の紅茶を注ぎはじめた

 

確かに本で多くの知識を身につけてきたドフィならばそこまで心配する必要はないのかもしれないが…

 

「…そうだな…これからは私達だけで色々やらなくてはならないのだからそういうこともあるだろう。でもこれからは先に私に言ってくれ、私はお前達には怪我をして欲しくないのだよ」

 

その柔らかな髪を撫でながら諭すように言えばドフィも私の気持ちをわかってくれるだろう

 

「はい、わかりました。これからは先に父上にお伝えしてからすることにします」

 

ああ、やはりこの子は賢い…

 

だからこそ毒されてしまってはならないとこの子達が幼い内に降りてきたのだ

 

私の力が足りないばかりに、ドフィには苦労をかけてしまうことになって…

 

しばらくは此処で民の生活に混じり、監視の目がなくなった頃にこの国を出よう

 

監視の目を逃れ、真の自由を手に入れれば、ドフィに女の子としての生活をさせてあげられる…

 

美味しそうに茶菓子を頬張るロシィに、本で学んだ事を苦もなく実践しているドフィ、温かな笑顔を浮かべてカップを傾ける妻

 

私は自慢の娘ですと紹介できる日を、

 

家族四人で幸せに暮らしていく未来を思い描いていた…

 

 

 

私が夢見る未来が、叶う事はないと知らぬまま…

 






その夜、夫婦の寝室にて

本編とはあまり関係はありません()←


「まったく…ドフィには驚かされてばかりだ」

「ふふふ…そうですわね。まさか子供達だけでお茶を入れてくるなんて…」

「火傷をせずに済んだから良かったものの…痕が残るような事態になっていたらと思うと…」

「ホーミングさまは心配しすぎですよ?あの子はドンキホーテ一族の遺伝病とも言えるドジっ子属性は持っていないみたいですし…ロシィが何かやらかさない限りドフィが怪我をするような事はないと思いますわ」

「…そう、思うか…?…私にはどうもドフィの方が強くドンキホーテの血が出ているように思えるのだが…」

「そうですか?あの子はわたくしの方の血が強く出ているのだとばかり…腹黒ですし」

「いや、まあ、それは否定できんが…」

「はい?二コッ」

「ごほごほん!なんでもない…!…いや、ドフィはなんというか…フラグ回収のタイミングをドジったりして変な嗜好の異性にばかり気に入られてしまいそうな気がしていてな…?」

「…否定できませんね…あの子は自覚している以上に優しいので変態だろうと等しく愛を注ぎそうで……やっぱり家の娘に手を出そうとする愚か者がいたなら町ごと吹っ飛ばした方が安心よね…?」

「…なぜだろう…ドフィが息子な世界でドフィもそんなことをしているようなイメージが降って湧いて来たのだが…」

「気のせいでしょう。……むしろいっその事マリージョアを吹っ飛ばした方が…」

「…ドゥルシネーア、疲れているのだろう、早く寝なさい。……でないとその駄々漏れの呪詛と殺気で私が眠れなくなりそうだ…」

「…ええ、そうですわね…おやすみなさい、あなた」

「ほっ…おやすみ、ルシィ」

「…あした、覚えてらしてね?にこーっ」

「……ああ…」
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