東方生司妖   作:茸型衛星

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11.妖精神と月へ行く者

「ねぇ白銀、なんで私担がれてたんだろう?」

 

また封印を強めたためか、10cm程伸びた青緑色のポニーテールを揺らす。特に意味は無い。

話しかけているのは、先程創造した妖狐、白銀(しろがね)。白髪に青い瞳。

 

「前方に妖怪がいるぞ。かなりの量だ。」

 

能力で探知してみると、確かに妖怪がいた。かなり遠くに。

白銀、かなり目が良いようだ。

 

「どうする?行ってみる?」

「…待っていても何も得られないぞ。」

 

白銀が歩き出す。

ちなみに私は今、白銀に肩車してもらっている。視点がいつもより高い。時々、白銀の尻尾が首元に触れる。

 

 

 

 

 

しばらく歩いていると、獣道を抜けて開けた土地に出た。

大勢の妖怪たちが集まっている。

西を見ると、人間たちの街が見えた。

 

殆どの妖怪がこの広間に集まっているようで、周りの森には妖怪の気配がしなかった。

妖怪達の上を白銀と飛んでいると、見知らぬ妖怪が近づいてきた。

 

「おう、お前さんも参加するのか?ずいぶん遅かったじゃねえか、あと四半刻(現在では30分)しかないぞ」

「あと四半刻でなにするの?」

「知らなかったのか?あと四半刻で人間達が月に行くというから、儂等妖怪が奇襲を仕掛けるのさ。」

 

全く知らなかった。この広場に集まっている妖怪の量…数十万、いや、百万はいた。

人間たちも妖怪に対する対策はそれなりにあるようだが、数に押し負けるだろう。

恐らく人間たちはこの奇襲のことを察知できていない。

だとしたら、襲われたときに人間たちが取る行動…軍人たちがロケットを護り、その間に住民が逃げる。

これしか考えられない。

 

「白銀、付いてきて」

「分かった」

 

~~~~~~

 

私と白銀は今、人間の街の真上にいる。

本当は白銀をあの場所に残して行っても良かった。

しかし、白銀を連れてきた理由。

 

「人間に完璧に偽装する術、出来る?」

「ああ。すぐできるぞ。」

 

それは、私が出来ない程高度な術を発動してもらうため。

当然だが、妖精より妖狐の方が術に長けている。

私も人間に化けることはできるが、完璧ではない。少なくとも今の人間たちには見つかってしまうだろう。

 

「できたぞ。どうだ?」

 

私の姿は人間に化けたときと変わらないようだ。

白銀の姿は、茶が混じった黒髪で、瞳は茶色だった。

 

「流石。完璧だね。じゃぁ、人間の街にテレポートするよ」

 

私と白銀は、人間の街にワープする。

少し前に出会った人間の元へ。

 

 

 

偽装が完璧だったからか、無事ワープできたようだ。

少し先にロケットが見える。

ロケットの傍で、見覚えのある銀髪の女性が佇んでいる。

子供を連れているようだ。黒髪のロングヘアー。

 

「おーい、久しぶり~」

 

ロケットの傍に行って話しかける。

女性はこちらを見るなり

 

「誰…?久しぶり…?見覚えないわね。」

「森で2回あったでしょ?」

 

女性は少し考えた後、驚きの表情を浮かべた。

 

「その顔、あの時の妖精…!?」

「正解~。」

「ねぇえーりん、この人だれ?」

 

子供が口をはさむ。えーりん、というのはこの女性の名前だろうか。

 

「今度は負けられないわよ!姫様だけは守って見せる!」

「ちょっと、何?私は戦いに来たわけじゃないよ。ただ、伝えに来ただけ」

「妖怪の言うことは信用できない。けれど、貴女の話なら聞いてあげても良いわ。この前の戦いだって、元々は私が悪かったもの。」

 

なぜ上から目線なのか。

そんなことはどうでもいいが、話を聞いてくれるだけ信用されているのだろう。

そこだけは嬉しいところだ。また戦う前提で話されたけど。

 

「まぁ、伝えることは1つだけ。あと四半刻もしない内に、妖怪の大群が攻めてくる。それも、ざっと百万匹はいるよ。」

「なっ…この街の全戦力でも防げないじゃない!そんなことがあるはず無いわ。」

「え~り~ん、ようかいってなぁに?」

「まぁ、私が言いに来たのはそれだけ。じゃぁね。」

 

空気を読んで少し遠くにいた白銀を呼び、街の上空へと飛んで行く。

 

妖怪たちが集まっている広場が見える高さに陣取り、変化を解く。

 

「主、人間を救うつもりか?」

「ごく一部だけね。こんなに発達した科学は、滅んでしまう方が良い。人間のためにも、妖怪のためにも。」

 

 

 

    歴史の大きな分岐点まで、あと15分。

 

 




人妖大戦での被害…またオリキャラが増える予感!

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