東方生司妖   作:茸型衛星

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6.妖精神と隠れ里

「まだ入り口が隠れてないよ」

「そのくらいの大きさなら私に任せて」

 

コキアが割り込んでくる。

 

「そういえば、隠すはあんたの特権だったね」

「どういうこと?」

「私は、隠す能力をもってるの」

「何でも隠せるってこと?」

「うん。入り口でも、小島でも。目に見えないものだって隠せるんだよ」

 

どやぁ、と言わんばかりに(無い)胸を張るコキア。

…ん?

 

「じゃぁ、私が隠さなくてもよかったじゃん」

「私は隠すことができても村を創るのは無理なの」

「私も専門外なんだけどね…」

 

~~~~~~~~~~~~

 

「早速隠しちゃうよ~…それっ」

「この術式…妖術も混ざってるの?認証用の術だけど」

「そこに登録した人は、隠してるものが見えるようになるよ」

 

直後、淡い赤色の術式が粉になって散って行く。

残されたのは、穴の開いていない小さな島1つ。

 

「ここに、手を置いて」

 

言われた通り、術式の中心に手を置く。

すると、術式が光り始め、強い光を放った後、先程と同じように散って行く。

島には、元通りぽっかりと穴が開いていた。

 

「ほら、他の皆も」

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

妖精たち全員が術に触れ、縦穴に入り終わった。

 

「それにしても、この星はあんたが創ったのかい?」

 

と、信じられなさそうに訊いてくるてゐ。

普通は自分の隣に創造神が居るなんて信じられないだろう。

 

「神力を固めたただの岩だけどね」

「神様は泥団子を作る感覚で星を創るのかい?」

「大体の神は神力が尽きるでしょ」

「あんたは有り余ってるんだろうね…」

 

 

 

 

 

「お母さん、村ができてないよ」

 

コキアの言う通り、星には家どころか草木一本ない。

 

「うーん…まず森を創ろうかな」

 

土の力で星に土を敷き、草木を生やして森を創る。

妖精たちは、木に穴をあけてそれぞれの住処を作った。

 

「私も家を作っていいかな?」

「いいよ。てゐもここに住むの?」

「前の家はあの洞穴だったからね。それにここなら敵もいないし、住むには丁度いい」

 

てゐは森の方へ走っていくと、妖力で木を切り倒し、小さな小屋を造った。

小屋は完璧に造られており、無駄が一切なかった。

 

「で、あんたの家は?」

「え、私の家?」

「そうに決まってるじゃない。まさか家無しなんて考えて無いでしょうね」

 

風雨が届かない空中で寝るつもりだったのだが、てゐに先読みされた。

家を造る気は無かったのだが、折角だしこの機会に造ってみよう。

神様の家、ということで神殿を造ろうと思う。

神が神殿を造るのもどうかと思うが、ちょっとくらい見栄を張ってもいいだろう。

 

金の力で石の山を創り、妖力を圧縮した刃で削って行く。

 

「あんた、相変わらず規模が大きいね、私達とは桁違いだよ。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~

神殿内部

 

「これくらいでいいかな。」

「普通なら何年もかかる物をわずか数分で…」

 

神殿内部には、両側に何本もの石の柱、奥には3段の階段と踊り場。

全体的に薄暗く、踊り場だけが消えない炎で明るく照らされている。

 

「この星に西洋建築も変かな…?」

「いやいや、変だから面白くていいんじゃないの。」

「そうかな?」

 

ただの神殿ではなく、何か機能を持たせないと入る気がしないくらい、中は殺風景だ。

神殿といえば…何だろう。神が降臨する場所?祈りをささげる場所?  …どちらも、必要ないし、村でできる。  ん?降臨する?

 

「テレポーターとかどうかな」

「な、なによ急に」

「あ、いや、神殿に何か機能を持たせようと思ったんだけど、テレポーターとかいいんじゃないかな?」

「なによその、てれぽーたー、って奴は。」

「ああ、知ってるわけないか。テレポーターっていうのはね」

 

~少女説明中~

 

「えっと、つまり、そのテレポーターっていうのを使えば、違う場所や時間に行けるってこと?」

「その通り。」

「すごいじゃないか、それを使えばこの神殿からどこへでも行けるってわけかい?」

「うん。ただ、妖精達が変なことしないように、限られた人しか使えないようにするよ」

「誰が使えるの?」

「今のところは、私と、てゐと、コキアだけにしようと思ってる。」

「私も入れてくれるのかい、ありがとう。」

「どういたしまして。さて、早速装置を作るよ」

 

 

~~~~~~~~~~~~~

 

 

「やっとできた…」

「どれだけ大掛かりなんだい、手伝おうにも何も分からなかったよ」

 

呆れたようにてゐが言う。

何処にいても自由に戻れるようにしたので、迷う心配はなくなる。

 

 

村も家(木の穴)が次々と出来ていき、移動経路も確保できた。

 

 

何にしろ、暫くは退屈な日常を神殿で解消できるだろう。

また、面白いことが起こるまで。

 




小説1話投稿から100分以内に、いきなり50UAに到達しました。夜分遅くにどうも。
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