東方生司妖   作:茸型衛星

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9.隠妖精と人魚姫

「…き……コ…ア……」

 

私は薄らと目を開ける。

太陽の光がまぶしい。

 

「やっと起きた。コキア、今日は地球に行くんじゃなかったの?」

「あ、よーちゃん。起こしてくれたの?ありがとう。」

 

私は今日、地球に行く。

 

「それじゃあね、よーちゃん。」

 

私はある場所へ赴く。

だいぶ前にお母さんが建てた神殿だ。その神殿には時空を超える機能がある。

神殿の中央にある謎の機械に手を触れて。

――私は、地球にワープする。

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

―冷たい。

 

頭が冷たい。

 

頭を触ってみると、額に氷が乗っていた。

目を開ける。  広がる空。空。空。

どうやら私は寝ていたようだ。

 

「あ、目を覚ましましたか」

 

声がした方を向くと、緑の着物を着た人が寝転んでいた。

その人の下半身は、魚の尻尾だった。

 

「に、人魚?」

「ええ。あなたは…妖精のようですね。なぜここで倒れていたの?」

「私、ここで倒れてたの?」

 

見渡してみると、ここは草原のようだ。一本の川が流れている。

人魚の下半身は川の水に浸かっていた。

 

「えっと…久しぶりに地球に来てから、ここまで記憶が無いの。」

「まぁ、久ぶりに…?貴女は何処で暮らしていたというのですか?」

「妖精の村。この空の向こうにあるの!」

「ふふふ、おとぎ話みたいですね。」

 

人魚は空を見上げ、薄らと笑みを浮かべる。

子供の妄想だと思い、信じていないのだろうか。

人魚が、何かを思い出したように私に話しかけた。

 

「そうだ。この川の続く湖に、妖精が出てくる島があるのですが、行ってみません?」

 

人魚は、私の返事も聞かずに川の下流へと泳いで行く。着物はなぜか濡れないようだ。

湖の島…私達の村に繋がる島だろうか。穴は隠してあるから村には入れないだろう。

私も、人魚を追って川の下流へ飛んで行く。

 

 

~~~~~~~

 

人魚を追って着いたのは、やはり私たちの村の入り口だった。

湖には濃い霧がかかっており、妖精が数十匹見える。

妖精の一人がこちらを見つけ、ふよふよと近づいてくる。

湖の見回りを担当している妖精だ。

 

「あ、誰かと思えばわかさぎ姫様とコキア様じゃないですか」

「様?まさか、貴女って妖精の中でも高い地位なの?」

「そうみたい。あなた、わかさぎ姫っていうんだね。よろしく。」

 

なぜか、わかさぎ姫は動揺している。自分より立場が上の人と思っているのだろうか。

 

「わかさぎ姫も、様づけなんだね。この子と知り合い?」

「コキア様、わかさぎ姫様は湖を守ってくれているのです。」

「最近、ここに住み始めました。貴女がここの管理人なのですか?」

「いや、違うよ。お母さんじゃないかな」

 

お母さんには、地球に行く、と言われて以来会っていない。

といっても1か月程の間だが。

 

 




てんぷらですか?ええ、そこそこ好きですよ。
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