やまうちのなく頃に 作:おやまうちさま
入学式を使って前回の復習。
いろいろやらかした気がするけど、たかが45クラスポイントつってもクラスポイントをゲットできたから、成功でよかったんじゃね?
そうだよな。失敗したのは、テストだけじゃん。
ポジティブに捉えて、前回の案は積極的に使って行こう。
前回の方針
1、健は、起こさない。
2、ゲームは、買わない。
3、授業は、真面目に受ける。
4、寛治とは、仲良くしたいけど諦める。
5月の時点でプライベートポイント7万近く残せていたし、ボッチ生活ってお金を使わないことに関しちゃ、有りなのかもなぁ。
4の寛治だけは、めちゃくちゃ辛いけど、寛治とクラスポイントの両立をどうしたら良いのか分かんねーしさ。正直、たった45クラスポイントなら寛治を優先させたいぜ?
けどよぉ、これでクラスポイントを0にしたら、前回の俺はなんだったんだってなるじゃん。
全部失敗したとかハズイし、クラスポイントだけは成功したってことにしておきたいのよ。
すまん寛治。そのうち仲良くなろうぜ。
次は前回から変える方針。
5、勉強はせずに、サバイバルの予習に費やす。
ここだけは、前回から変えなきゃダメだな。
櫛田ちゃんから模範解答を貰ったら、サバイバルの予習は中断する。
ビキニには要注意、と。よし、これでいける。
◇◇◇
6月
無事に中間テストを誰一人欠けることなく突破したDクラスは、クラスポイントが0になっていた。
「なんでだよ」
5月の時点では、池との友情を引き換えに45クラスポイント今回も残すことに成功した。
残念だけど、そこまでだ。だらだらした4月を過ごしたDクラスにとって、いきなり真面目モードに切り替えるのは、難易度が高すぎた。
流石に露骨な私語とかは減ったけど、健は相変わらず遅刻してくるし、一部の女子はプールに不参加だったり、授業の欠席も多い。
元々1000クラスポイントを45まで減らしたクラスなわけでさ。
45クラスポイントが消えるのは、あっという間だった。
つーか、前回で気づいとけよ。すぐに退学になったせいで、気づいてなかったぜ。
「……中間テストが終わったし、ポイントが回復するよな」
夏休み前には、確かポイントがちょっと復活していたはず。
中間テストのおかげだっけ、なんでだっけ。理由は知らん。
反映されたのは、7月からだったのは覚えている。
あの頃は無料の水だけで切り抜けてたし、ポイントが貰えるならなんでもオッケーだったからなぁ。
あ、前回見たビキニ動画発見。ブックマークブックマークと。
よーし、順調にサバイバル知識が溜まっていってるぜ。
これで俺も大活躍間違いなしっと。
夏が待ち遠しい。山内春樹のAクラス伝説は、夏から始まるっと。
その前に期末テストがあるはずだから、ちょっとだけ勉強しとこうか。
前に突破できたから大丈夫なはずだけど、一応な、一応。
◇◇◇
7月
想定通りに、クラスポイントが93まで回復した。
想定外の出来事として、プライベートポイントは振り込まれなかった。
「健のやらかしじゃん。どうなったんだっけ」
健の暴力事件が勃発したことが、茶柱の口から説明された。
あったあった。そうだ、健が悪いんだった。
でも、結局どうなったんだ?
目撃者探しを行った覚えはある。
なんか佐倉が関わってた気がする。
思い出せねー。つーか、これもいつの間にか解決してたんだよなぁ。
あ、そうだ。堀北だ。
確か堀北がなんかしたんだった。
そのせいで健は、二言目には堀北堀北って言い出すようになったから、堀北が解決したのは間違いない。
うっし、整理しよう。
健が暴力事件を起こした。
佐倉がなんか関わって、堀北がなんか解決した。
うん、全然わからん。
佐倉って大人しいし、何考えてるのか全然わかんねーんだよなぁ。
真の姿は可愛いにしても、普段は地味でダメダメだし。
おっぱいは最高だけど。
おっぱいは最高なんだけど。
あ、でも大人しい佐倉が夏の無人島時点で、綾小路と親しくしてたんだよなぁ。
綾小路に佐倉のメアドを教えてやるって騙されたのも、親しそうだったからだし。
綾小路と佐倉の接点って、もしかしてこの事件で出来たんじゃね?
ピーンときた。
思いついたら間違いないグッドアイディアな気がしてきたぜ。
綾小路は、堀北の腰ぎんちゃくで一緒に動いたりしてたみたいだし。
その流れで佐倉と関わって、親しくなったとかだったら。
「ワンチャン、俺が佐倉と親しくなれるんじゃ……」
既にクラスでは、平田と軽井沢というカップルが誕生している。
恋愛戦はもうスタートを切ったといっていい。
櫛田ちゃん狙いだったけど、親しくなれるチャンスがあるなら逃す手はないっしょ。
前に振られちゃったのは、仲良くなる前に一方的に告ったからだし。反省して、今回はしっかり仲良くなっときたい。
そして上手くいけば、あのおっぱいが俺のものになる!?
そうと決まったら行動あるのみよ。
寛治たちから誘われなかったし、俺はフリーだ。自由に動ける。
早速放課後、堀北の席へと向かった。
「堀北、一緒に目撃者探しに行こうぜ」
「嫌よ」
「…………」
撃沈。
威圧するような目に圧倒されて、粘ることすらできなかった。
佐倉と親しくなる前に、堀北の好感度が足りなかったらしい。
綾小路は、どうやって堀北と親しくなったんだ。
どうしろってんだよぉ。
「あ……池の誕生日、6月じゃなかったっけ?」
なんか急に思い出したけど、完全に忘れてた。もう今更じゃん。手遅れだ。
ほ、ほら、来年祝えばいいんだ。
池の誕生日を祝うためにも、退学にならないように頑張ろうぜ。
◇◇◇
堀北には断られたけど、チャンスが消えたわけじゃない。
あれからなんとなく佐倉を注目してみている。
ワンチャン佐倉狙いとかじゃないぞ。
健の暴力問題を解決するキーマンが佐倉だって知ってるから、それを活かすために頑張ってるだけ。それで、オマケとして親しくなるに越したことはないわけだしさ。
放課後。
さりげなく椅子に座って、端末をいじる振りをしなら佐倉をチェックする。
席を立ったのに合わせて、その後を追いかける。
「あ……」
と、ドアを出たところでなぜか教室に戻ろうとしていた
佐倉の手から何が落ちて金属音が響いた。
デジカメだ。
本堂は、デジカメに気付かなかったのか、悪い悪いと軽く謝って去っていった。
何のために戻って来たんだ、アイツ。
いや、本堂のことはいい、佐倉とデジカメだ。
佐倉ってデジカメ持ってたのか。
それすら知らなかったぜ。
「嘘、映らない……」
しかし、チャンス到来だ。
ここは優しく声をかけて、好感度ゲットだぜ。
「佐倉、大丈夫か?」
「ごめんない。帰ります……」
「…………」
佐倉は、逃げるように小走りで俺の前を去っていった。
その勢いに俺は何も言えなかった。
伸ばした手を情けなくひっこめただけだ。
おっかしいなぁ。チャンスだと思ったんだけどなぁ。
けど、デジカメが壊れたってことは、修理が必要だよなぁ。
ケヤキモールで修理できるんだっけ。調べとくか。
くれぐれも忘れるなよ。健の暴力事件を解決するには、佐倉の協力が必要だからであって、決してストーカー行為じゃねえからな。