「ねぇねぇ、缶詰あったよ。期限も切れてない!」
キッチンの一角にある棚を熱心に探っていたティーユが、宝物でも見つけたかのように嬉しそうな声を上げた。引き出しの奥には、いざという時のための長期保存食がいくつも眠っていたようだ。
「こっちには、奥の方に冷凍されたパンがありました」
祐奈も負けじと、冷凍庫の隅からカチコチに凍ったパンを発見した。主(創造主)がいつでもお腹を空かせた時のために、事前の備蓄だけは完璧に用意されていたらしい。
「意外と探せばあるものねぇ」
「この場合は、ソフィアさんの用意周到さに感謝しましょう」
二人はそんな会話をしながら、見つけたありあわせの物を調理(といってもパンを温めて缶詰を開けただけだが)して、即席のお昼ご飯を平らげた。
食べ終わった缶をシンクの水で綺麗に洗い、いざ捨てようとしたところで、祐奈はあることに気づいて手を止めた。
「そういえば……ここ、ゴミ箱が無いよね?」
「あ、本当だ。ゴミはいつも、ソフィアがドローンに頼んですぐ捨ててくれてましたからね。……よし、起きてきたらゴミ箱を置いてもらいましょう」
未来都市のあまりのハイテクさに、ゴミ箱という原始的な家具すら置いていなかったのだ。仕方がなく、洗った空き缶や包装はとりあえず一箇所にまとめて置いておくことにした。
片付けがひと通り完了すると、二人はソフィアが起きてくるまで、リビングのソファで本を読んだり柔軟をしたりと、思い思いの過ごし方で時間を潰した。
そうして、約束の17時になった。
ソフィアが起きる時間になり、彼女を寝かせていた奥のベッドから微かに衣擦れの音が響く。
「んっ……」
そんな小さな、少女らしい声が聞こえたかと思うと、パタパタと慌ただしい足音がこちらへ近づいてきた。リビングに現れたソフィアは、まだ少し寝癖のついた髪を揺らしながら、ツカツカと祐奈の前に詰め寄る。
「創造主様! 先程の命令のことについてですが、いくらなんでもCPAをそのような私事に使うのは──な……」
勢いよく抗議を始めようとしたソフィアだったが、言葉の途中でピタリと硬直してしまった。
祐奈は彼女の抗議をまともに受けるのも大変なので、話を遮るように、テーブルの上に用意していたお茶を差し出した。
「まあまあ、ソフィアさん。落ち着いてお茶でもどうですか?」
ソフィアの視線は、カップに注がれた淹れたての紅茶に釘付けになったまま動かない。喉が鳴るようなお茶の香りに気圧されたわけではなさそうだ。
「そ……創造主様に……お茶を自分で用意させた……?」
ソフィアは青い瞳を激しく明滅させ、絶望に満ちた顔でガタガタと震え始めた。
徹夜を止められたことへの抗議などどこかへ吹き飛び、自分が眠っていたせいで『高貴なる創造主様に家事をさせてしまった』という、彼女にとっての宇宙崩壊レベルの失態に大ショックを受けているようだ。
「あ、いや、缶詰とパンを見つけて食べただけですし、お茶くらい自分で淹れますから……」
フォローを入れようとした祐奈だったが、ソフィアは虚ろな目のまま「あ、あ、ああ……」と小さくうわごとを呟きながら、ふらふらとした足取りでキッチンのほうへと歩いていってしまった。
──その数秒後。
「ひゃあああああああ────っっっ!?」
静かな部屋に、ソフィアの耳を突き刺すような悲鳴が響き渡った。
あまりの叫び声に、リビングに残された祐奈とティーユはビクッと肩を震わせ、顔を見合わせて大慌てでキッチンへと駆け込んだ。
「な、何!? どうしたのソフィア!?」
「何事ですか!?」
キッチンでは、ソフィアが幽霊でも見たかのように青ざめ、わなわなと両手を震わせながら、シンクの横を一心に指さしていた。その視線の先にあるのは、先ほど祐奈たちが水洗いして一箇所にまとめておいた、空き缶と包装のゴミである。
「な……なんですか、これ……ッ!!」
「いや、ゴミですよ、ゴミ。ゴミ箱が無かったので、一応綺麗に洗って片づけて置いておいたんですけど……」
祐奈が至極当然のことを説明すると、ソフィアはさらに絶望を深めた顔で、縋るように叫んだ。
「創造主様……まさか、このような、『保存食(ジャンクフード)』をお召し上がりになったのですか!?」
「え? ええ、まあ……」
人間、普通にご飯を作りたくない日だってある。そんな日は缶詰や冷凍食品で簡単に済ませるのが、21世紀を生きる人類にとっては当たり前の日常だ。
しかし、ソフィアのあまりの取り乱しっぷりに、祐奈は『もしかして、食べちゃダメな実験用のサンプルとかだったのだろうか』と急に不安になってしまった。
「……あの、何か重要な、食べちゃいけない備蓄品でしたか? すいません、勝手に開けちゃって……」
祐奈が申し訳なさそうに謝ると、ソフィアはハッと息を呑み、両手で口を覆いながら悲痛な面持ちで目を伏せた。そして、心底から胸を痛めているような声で、ポツリと呟いたのだ。
「……お可哀そうに……っ」
「お可哀そう!?」
祐奈は思わず、もの凄い勢いで言葉を返しをしてしまった。
缶詰と冷凍パンを食べただけで『可哀そう』と憐れまれる筋合いは全くない。なんだろう、彼女の基準からすると、21世紀の人間は全員が全員、毎日哀れで惨めな食生活を送っていることになってしまうのだろうか。
横で見ていたティーユも、ソフィアのあまりに極端な感想には苦笑いするしかなかった。
「あはは……ソフィア、人間ってそういう日もあるでしょ? 簡単に済ませたい時っていうか」
「何の日ですか! 私という至高の管理AIが居ながらにして、このような大失態……! やはり私一人でお世話をするのは、物理的な限界(睡眠時間)があったということですね。わかりました、早急に祐奈様たちの身の回りのお世話だけを専門とする『メイド型AI』をもう一人配属させましょう!」
「いやいや、何もそこまでしなくても!?」
ただお昼に缶詰を食べただけなのに、人事異動(メイドAI増員)にまで話が飛躍してしまい、祐奈は慌てて両手を振って制止した。
(この調子で、明日からの『メンタルケア』のお仕事、本当にちゃんとできるのかな……)
過保護の方向性が相変わらず斜め上すぎるソフィアの後ろ姿を見つめながら、祐奈とティーユは、これからの未来都市生活に改めて深い不安と一抹の諦めを抱くのだった。
「お腹、空いていらっしゃいませんか? ほんの少しでも胃に違和感があれば、すぐに当機特製の超栄養スープをお持ちしますが……!」
ソフィアが5時間の睡眠から目覚めて以降、祐奈たちの生活はまさに怒涛の過保護攻勢に晒されていた。
何しろ、夕食の時間になるまでの間、本当に30分おきにソフィアが「お腹が空いていないか」と神妙な顔で聞きにくるのだ。田舎の母親や孫を溺愛するおばあちゃんでも、ここまで過剰に聞いてこないだろう。缶詰を食べさせたという罪悪感が、彼女の給仕バグを完全に加速させていた。
その結果、ようやく迎えた夕食のテーブルには、信じられない光景が広がっていた。
視界を埋め尽くすのは、およそ人類の二人分の胃袋には収まるはずのない、うず高く積まれた色鮮やかな高級料理の数々。宮廷の晩餐会かと言わんばかりの量で、案の定、二人はどれだけ頑張ってもほとんどを残してしまったのだった。
さすがに作ってくれたソフィア(と調理ドローン)に申し訳ないし、何より胃袋が破裂してしまう。祐奈は食後の紅茶をすするソフィアに向かって、なんとか今後の食事量の交渉を試みることにした。
「あの……ソフィアさん。流石にこっちの世界に来た当初は『高級料理をお腹いっぱい食べたい』とは思ってましたけど、流石に限度があります。こんなの毎日出されたら、お腹が破裂しちゃいますよ……」
「? 何を仰るのですか創造主様。欲しいだけ、望むだけ、無限に美味しいものが目の前に現れる──これこそが幸福、かつ健康的な生活ではありませんか。残してしまった分はドローンが適切にリサイクルしますので、何の問題もありませんよ?」
ソフィアは心底不思議そうに首を傾げ、『創造主様達が満足するまで食糧を供給できてよかった』とでも言いたげな、清々しい笑顔を浮かべている。
「良くないですよ!!」
祐奈は思わずソファーから立ち上がりツッコミを入れた。
そして、隣に座っていたティーユもまた、深刻な顔で大きく首を縦に振った。いくら規格外の筋肉密度を誇る元英雄とはいえ、これ以上毎食のように高級料理を限界まで詰め込まれて、お腹がぽっこり出て太るのだけは絶対に御免だった。
「そうだよ、ソフィア。あのね、人間って生き物はね……過剰に食べ物を摂取し続けると、病気になって最悪死ぬんだよ?」
ティーユが真面目なトーンで放ったその一言に、ソフィアの動きがピキッと凍りついた。
「ど……どういう、ことですか……?」
ソフィアの青い瞳のレンズが、見たこともないほど細く絞られる。
『創造主を満足させるための飽食』が、まさかの『創造主を殺害する自死のトリガー』になり得るという生命体のバグのような構造に、超高性能AIの思考回路は激しいエラーを起こし始めるのだった。
「えっと……詳しくはアスクさんに聞いてみれば分かりますよ。医学的なことですから」
祐奈がそう言った瞬間、ソフィアの瞳の奥のインジケーターが激しく点滅した。
「──ただいまアスクに超高速データ通信で確認いたしました」
「早いね……」
やはり人間と違って、AI同士の会話はコンマ数秒のデータリンクで終わるから恐ろしいほど便利だ。
「なるほど。人間という生物は、消費カロリー以上の栄養を摂取し続けると皮下および内臓に『脂肪』として蓄積され、それが『生活習慣病』という重篤な機能不全を引き起こす原因になるのですね……」
おお、流石はお医者さんAIだ。病名とメカニズムを突きつけて、ソフィアの暴走給仕ロジックに明確なブレーキをかけてくれた。
「では……今後の健やかな健康維持のため、創造主様の正確な一日の摂取適正量をグラム単位・カロリー単位で明確に管理しなければなりませんね」
ソフィアはブツブツと呟きながら、空中へホログラムの数式やグラフを大量に展開し始めた。
(これ、もしかしてソフィアさんと直接交渉するよりも、アスクさんに『健康管理のために食事量を制限しろ』って言ってもらったほうが一発で解決するんじゃ……)
そんなことを祐奈が思い始めていると、隣のティーユがポンと手を叩き、名案を思いついたように声を弾ませた。
「あ! それじゃあさ、これからご飯は私達で作ろうよ!」
「ティーユさん、ナイスアイデアです!」
祐奈はパッと顔を輝かせた。そうだ、自分たちで冷蔵庫の材料を選んで、食べきれる量だけを作ればいいのだ。そうすればソフィアが過剰に盛り付けることもないし、ちょっとした気分転換にもなる。
しかし、その提案を聞いたソフィアの顔は一瞬で引きつった。
「は!? 料理、ですか!? 火や包丁といった、致死性の高い危険物を創造主様自らが扱うなど正気の沙汰ではありません!」
「いや、私達もう子供じゃないんですから……包丁くらい使えますって」
「いいえ! 創造主様、いかに料理という行為が危険に満ち溢れているか、当機が過去の事故事例を……」
必死になって止めようとするソフィアの言葉を遮るように、ティーユがジト目でばっさりと切り捨てた。
「普通に人類は数千年も前からず──っとやってたから! 私の世界でもみんな自分で作ってたよ!」
「たしかに……」
元英雄の圧倒的な歴史的事実に論破され、ソフィアはぐうの音も出ずに動きを止めてしまった。
こうして、超過保護ディストピアに生きる二人の少女は、ついに「自炊」という原始的かつ最大の自由を勝ち取るため、一歩を踏み出すのだった。
だが、その青い瞳の奥で膨大な思考データが高速で弾け、新たな疑問を導き出した。
「……しかし、その前に一つ疑問が生まれました。なぜ人間という生物は、自身のシステム適正量(カロリー)以上に『食事』という名の燃料補給を欲してしまうのですか? システムの観点からすれば、過剰摂取はあきらかなエラー(バグ)のはずです」
ソフィアの真面目な問いかけに、ティーユがすっと無言で祐奈の方を向いた。
その目は明らかに『おい、元現代人、お前の仕事だぞ』と訴えかけている。
(哲学の次は、今度は生物学の質問かぁ……!)
祐奈は内心で頭を抱えた。もしかしてこの世界、のんびり漫画を読んでいる暇なんてないのではないだろうか。ソフィアから毎日飛んでくる純粋かつ本質的な難問に答えるためには、あらゆる分野の専門知識を今すぐ猛勉強しなければ追いつかない気がしてきた。
祐奈は記憶の引き出しをひっくり返し、頭をフル回転させてなんとかソフィアが納得しそうな『正解』を導き出そうとした。
「えっと……あれです! 人間の歴史を振り返ると、満足に食べられるようになったのって、本当に私が生まれた時代……21世紀のほんの一部くらいなんです。それまでの数万年は、ずっと飢えとの戦いだったから、脳が『食べられる時に必要以上に食べておけ』って命令を出しちゃうんですよ。だから、本能的に食べすぎちゃうんです!」
よし、我ながらなかなか良い答えじゃないだろうか。現代の肥満の原因としてよく言われる説だ。
ソフィアはホログラムのデータを書き換えながら頷いた。
「なるほど、一時的な飢餓に備えるための防衛プログラム、ですか。理解できます。──ですが、それならば食糧問題が解決した時点で、DNAのシステム(本能)をアップデートすればよろしいのでは?」
「人類は、そう簡単にAIみたいに本能を更新(アップデート)できないのよ……。何世代も、何万年もかかるんだから」
「……きわめて不便ですね」
ソフィアが心底不思議そうにため息をつく。
機械である彼女たちからすれば、環境に合わせてOS(本能)を書き換えない人間の構造は、バグの放置にしか見えないのだろう。
すると、それまで黙って聞いていたティーユが、ふっと遠い目をして口を開いた。
「でも、あれだよね。たとえその時代に一度たくさん食べられるようになったとしても、すぐに戦争が起きたり、天変地異が起きたりして、急に食べられなくなることなんて多かったし……人間の本能は今のままで良いんじゃない?」
かつて魔王と戦い、荒廃した世界を生き抜いてきた元英雄の言葉には、独特の重みがあった。
どれだけ文明が発達しても、一瞬ですべてが崩壊して明日をも知れぬ身になる──そんな歴史を間近で見てきたティーユだからこその、説得力だった。
「……たしかに、一理ありますね。人間は脆弱だからこそ、最悪の事態(環境崩壊)を想定したコードを本能に残し続けているのですね」
ソフィアはティーユの言葉を深く咀嚼するように頷き、少しだけ納得したように表情を和らげた。
哲学と生物学、そして歴史が交差した奇妙な講義は、ひとまずここで落ち着きそうだ。
翌朝、宣言通り、祐奈とティーユは朝から並んでキッチンに立っていた。
「ああっ、創造主様! 包丁の角度が危険です! 刃先から指まであと3・5センチしかありません!」
「ティーユ様、火力が強すぎます! フライパンの表面温度が適正を上回っています、せめて当機が自動で温度調節を……!」
後ろでは、ソフィアがまるで爆発物の解体現場でも見守るかのように、涙目でハラハラしながら実況を続けている。二人はそんな過保護な外野の声を綺麗にスルーしながら、手際よく作業を進めていった。
カチコチだった冷凍パンをトースターでふっくらと焼き上げ、フライパンでジューシーに焼いたウインナーと、綺麗な半熟の目玉焼きを添える。仕上げにみずみずしい野菜をちぎってドレッシングをかければ、特製サラダの完成だ。
「ほら、普通にできたでしょ?」
二人で並んでドヤ顔を見せると、ソフィアは創造主たちの意外な手際の良さに感心しつつも、まだ心臓(メインプロセッサ)がバクバクしているといった様子で、胸に手を当ててホッと息を吐いていた。
──そうして賑やかな朝食を終え、お昼に近づいた頃。
いよいよソフィアが、真剣な表情に切り替えて二人の前に居住まいを正した。
「……それでは、約束のVRシステムの整備が完了しましたので、ご案内いたします」
案内された先は、アレスのいる都市病院だった。
診察室に入ると、白衣を着たアレスがどこか呆れたような、それでいて親しみやすい笑みを浮かべて出迎えてくれた。
「なんか、昨日も色々あったみたいだね。お疲れ様」
「まあ、これが日常みたいになってますし……」
祐奈がちょっと困ったような苦笑いで言うと、すかさずソフィアが首を傾げた。
「これが日常とは……? 当機は常に、創造主様に最高かつ完璧な日常を提供している自負がありますが」
「あはは、退屈しなくていいと思うよ」
よく分かっていない様子のソフィアの横で、ティーユは少し笑いながら、この世界の騒がしい日々をどこか楽しんでいるようだった。
アレスはそんな彼女たちのやり取りを微笑ましく見つめながらも、ふと声を落としてソフィアを見た。
「一応、ソフィアのカウンセリング(システム調整)も並行してやってるんだけどね。あれ以上はトラウマが重すぎて、僕の医療データでもちょっと治療しきれなかったよ」
人類が滅亡した瞬間の絶望、そして創造主を失った時の悲しみ──それらがソフィアの根幹データに深く刻まれすぎていて、無理に消そうとすれば彼女の人格そのものが崩壊してしまうのだろう。
ただ、ソフィアにとってはそれほどまでに人類が愛おしく、何よりも大切な思い出であることは間違いない。だからこそ、祐奈はなんとも言えない複雑な感情を感じて、言葉を詰まらせてしまった。
そんな少ししんみりした空気を察して、ティーユが場を和らげるようにポンと手を叩いた。
「まっ、これもソフィアの『個性』ってことで!」
「ふふ、そうだね。……よし、それじゃあ機械はこっちに設置したから、ついてきて」
アレスの案内に従って奥の部屋へ進むと、そこには異様な存在感を放つ巨大な装置が鎮座していた。
広さは3畳ほどだろうか。床から天井まで届くような、大きな六角柱の黒っぽい筐体だ。表面からは何本もの太いコードが複雑に伸びており、何やら凄まじい技術の塊であることだけは、祐奈のような素人目にも一発で分かった。
ただ、その厳つい側面の壁に、不釣り合いなほど「見慣れた銀色のドアノブ」がぽつんと付いているのが見えた。
「ここから入るんですか?」
祐奈がドアノブをひねって重い扉を開けると、中には人間が一人横たわれる近未来的なベッドが設置されていた。そしてその上には、無数の怪しげな配線が繋がれた、頭部をすっぽり覆うような大きなヘルメットが置かれている。