超人(ガチ)系Vtuberは世界を救う夢を見るか   作:蓮太郎

4 / 9
超人、FPSについて話す

 

『とりあえずチームの優勝やったぜ』

 

『怒涛の展開だったな…………』

 

『なんで味方からグレネード投げ込まれてますの?馬鹿じゃないんですの?』

 

『敵は作るなといっても、有能すぎるのも問題なのかもしれないなぁ…………』

 

 ヒロイ・スパナ、月無月ゲット、春夏秋冬明乃は味方チームの中で最も優秀と表彰された画面を眺めていた。

 

 チームとチームを組んで敵チームを倒すというゲームの筈が、味方から誤射され続けるという1対他全てのような戦いを強いられていた。

 

 特にヒロイが狙われたのだが、チーム全体で敵を倒した回数の5割を一人で占めているためがっつりヘイトを買っていた。

 

:勝ったでいいのか?

:おめでとう!¥1000

:ふざけんなこんなもん認められるか

:キル数えっぐwww

:スーパーヒーローってすごいんですね

 

『天下無双の働きをしてたからな。FPSでヒロイの右に出るものは居ないと俺は思ってる』

 

『でも大会とかに呼ばれたりしませんわよね?』

 

『あー、応募とかはしてるけど疑われるんだよね』

 

:チート野郎だからな

:あれだけ無双してたら警戒される

:個人戦のやつとか戦績ヤバそう

 

『無料のバトロワ系は軒並みBANされた』

 

:草

:残当

:ざまぁw

 

『あっはっはっ!いつもの事だろ』

 

『天災は理解されないんですね』

 

『今、天才って言った?いや、絶対異口同音の方だよな?』

 

『まあ確かにキルペースヤバかったな』

 

『コラボだし、見どころも欲しいかなって』

 

『見どころどころか全員が敵でしたわよ』

 

『爆弾の雨に溺れてたの明乃さんだけでしたもんね』

 

『私が下手だとおっしゃりたい訳?喧嘩はリアルで買いますわ』

 

『ヴィランになって大事件を起こしたら買ってやる』

 

 ギスギスしているように見せかけて軽快な会話で場を繋いでいく。

 

 思っている以上に1人で無双していた為他がかすみそうであるが、明乃の方も戦闘中に絶叫や罵倒が止まらなかったため二人の濃度が濃すぎたのだ。

 

 ゲット?緩衝材みたいな使いにされて癒し要素になっています。

 

『でも、俺の予想だとそろそろ…………あ』

 

『どうした?』

 

『あら、チームから抜けてますわね』

 

『やっぱりかぁ、そりゃあ許してくれないもんなぁ』

 

 ヒロイの画面には『チート行為の通報が多数寄せられたためアカウントを停止します』という文字が広がっていた。

 

『まーたBANされたのか』

 

『あっちゃぁ、まだ何戦かしたかったのに』

 

:またBANされてる

:正義の制裁が下された

:当たり前

:やったぜ

 

『ええ!?まだ始まってそこまでヤりあってないのに!?』

 

『言い方ぁ!』

 

『こいつはBAN常習犯だからな。だけど、今回はかなり早すぎじゃないか?』

 

『だいぶチーミングで俺を報告してきたんだろうな』

 

『人気者は辛いねぇ~』

 

『こんな形の人気はあまり欲しくはないな…………』

 

 ネット上で顔も知らぬ人間と雑談できる掲示板では相当悪口を書かれているんだろうなと現実で苦笑いしながらも、暗くならないように茶化してくるゲットの口車に乗る。

 

『それじゃ、BAN者が出たので予定通り協力型ストーリーモードの攻略に移行します』

 

『なんで事前に相談があったか分かりましたわ…………』

 

『すみませんね、常習犯で』

 

『上手すぎてBANされるなんて普通は思いませんわよ。プロの扉は叩きませんの?』

 

『いやー、叩いたことはあったんだがレベルが違いすぎるって断られた』

 

『やっぱりチート疑惑が付きまとってる以上、リスクは避けたいんだろうなぁ』

 

『リスク管理という事ですのね』

 

『そういうこと。どこもクリーンなイメージで押してるから疑わしきはってね。スーパーヒーローなのに涙が出そうだ』

 

 ヒロイこと昌也は超人である。

 

 人知を超えた動体視力と反応速度は他者からみれば別の方法で行動しているようにみえるだろう。

 

 それら全てが純粋な身体能力で実施されている事は直接の動きを見られなければ信じることは出来ない。

 

 そもそもリアルで会うことイベントが無いのだから知る由もない。

 

 こういった所は潔癖な昌也なので人脈が出来ないのはある意味では当たり前であった。

 

『よーし、気を取り直してストーリーやるぞー』

 

『この日の為に練習してきましたわ』

 

『ストーリーが練習の筈なんだけどな』

 

『まあまあ、ここは穏便に最高難易度で…………』

 

『最高難易度はやばいぞ。一人プレイだとマジのエスパーじゃないと死ぬレベル』

 

『え゛』

 

 事前にプレイしていたヒロイがそう告げたら女性として出してはいけないような声が聞こえた。

 

 もちろん唯一の女性である明乃の口から出た声なのだが二人は敢えて聞かなかったことにした。

 

 事実、ヒロイが事前にプレイした最高難易度モードだと複数人プレイ前提という事もあって死角からの攻撃が非常に多い。

 

 だから、これから明乃の汚い声をいくらでも聞く機会が出来てしまう。

 

 何度でも言うが、女性Vtuberとしてうま味はあっても女性そのものとしていかがなものかと思われることについてスルーしなければならない力を2人は今から得ようとしている。

 

 そしてその懸念通りに。

 

『あ゛ーッ!どこから撃った殺すぞ!』

 

『お嬢様がもう死んでる!』

 

『クリア!蘇生に入る』

 

『あー、お薬が染み渡…………おいリスキルされたって!ふざけんなボケ!』

 

 キャラ崩壊甚だしい叫びが配信で響き続くのであった。

 




感想を頂けると励みになります。そして活動報告もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。