超人(ガチ)系Vtuberは世界を救う夢を見るか   作:蓮太郎

9 / 9
超人、手加減する

 

『うーし、BANも明けたしやっていくぞ』

 

:懲りないな

:またBANされるって

 

 今日も今日とてヒロイ・スパナは配信をする。

 

 大手の基本無料なFPSゲームのBANが明けて、久しぶりにプレイしようとしているのだ。

 

『そう、いつも通り思うままにやれば同じことの繰り返しだ。そこで!』

 

 いつも通りやればまた同じように、もしかしたら永久追放されてしまうかもしれない。

 

 しかし、いつまで経ってもやられっぱなしのスーパーヒーローではない!

 

『これをこうして…………』

 

 設定メニューを開き、操作に関わる画面にマウスカーソルを合わせる。

 

 そこにあるのは常に最高感度で設定されていたエイムの線を右から左へと動かす。

 

『最低感度に設定して遊んで行こうかと思います』

 

:草

:縛りプレイかよww

 

『だってぇ、俺の動きが早すぎてチートを疑われるなら遅くして疑われない方が良いよな?』

 

:理屈は間違ってない…………のか?

 

 今までは速すぎることと正確過ぎることが問題視されていた。

 

 なら二つの内一つを犠牲にすれば清く正しく遊べるのではないか?

 

 そう考えた結果が最低速度のエイムでバトロワ挑戦である。

 

『いつもなら敵を見つけたら即殺だったからな…………油断は一瞬で死を招くことになるぞ』

 

 当然の事を言っているが、この当然なことすら超人にとって非日常的な話なのだ。

 

 自分の反応速度についていけないのが悪い、そう言いたくとも集団的に偉業が居れば淘汰されると言うもの。

 

 敢えて自分から弱者に合わせるべきだ、というか今までそうしてきた。

 

 ネットという匿名の海だからこそ心を失っていたのかもしれない。

 

 今だけは人の心を取り戻し、人と同じ目線に立たなければならない。

 

『おっっっっっそ!狙えねえよこんなの!こんな速度で戦えるか!』

 

 早速折れそうになっていた。

 

『敵を狙うにしても遅すぎて避けられる…………射線から退くのが早いんだよ』

 

:スナイパーライフルはそんなものでは?

:今までが異常定期

 

『そんなものか…………そうか…………』

 

 自分が常識はずれなのは分かっていても、いざ現実を突きつけられたら意気消沈しそうになる。

 

 それでも諦めることはない。何故なら配信者が簡単に諦めては視聴率が集まらない。

 

『うーん、戦い方を根本的に見直す必要があるな』

 

 全ては模索、解決策を見つけるところから始まる。

 

 精密に狙う間に避けられては撃たれる、今までのプレイスタイルを使えなくなった故に逆転の発想がヒロイの頭に思い浮かぶ。

 

『ならば、避けられない攻撃をする?』

 

:どんな攻撃だよ

 

『あるだろ、銃と言ったらあの方法が』

 

 そう言いながらヒロイは再度バトロワのマッチを開始する。

 

 懲りてない訳ではなく、思いついた秘策を実行しようとしているのだ。

 

『まずはアレがあるか…………よっし、ラッキー!』

 

 どうやら目当ての武器を見つけられたらしく、早速拾い上げていく。

 

 ただし、一つの武器で成り上がれる訳ではないので他のアイテムを拾いにいく。

 

 そんな中で敵に出会うのは必然。

 

『うっし、先制だオラァ!』

 

 ヒロイが考えた手段、それは…………

 

『乱れ撃ちだぁ!』

 

 ただひたすらに弾幕を張り全てを吹き飛ばす作戦である。

 

 確かにエイムが遅ければ狙うものも狙えない。ならば細かく狙うより最初から大雑把に狙えばいい。

 

 一撃必殺度合いはかなり低いが、何発も打ち続けるため相手が逃げようとしてもゆっくり追いかけることで圧をかけることもできる。

 

 大量に弾薬を消費してしまうとは言え、超低感度エイムにとって最善ではないが一番しっくりとくる方法であることを確信したヒロイは続ける。

 

『これなら文句ないだろ!全員ぶっ殺してやる!』

 

:物騒!

:言い方がヴィランなのよ

 

『スナイプ生活が一番なのは違いないけど、マシンガンも悪くない』

 

 何度もBANされてフラストレーションが溜まっていたのか、マシンガンでガンガン暴れまくる。

 

 後でスナイパーで仕留められてしまうが、今後のプレイスタイルに大きく影響する事になる。

 

『弾幕はパワー、確かに名言だな…………』

 

 スーパーヒーローだって変わることがある。良くも悪くも縛りプレイとしてしばらくは超低感度エイムで遊ぶことでBANを避けるのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

『葛城』をやっています。ぶいちゅーばーってなんですか。(作者:土着)(オリジナル現代/ホラー)

怪異は祓います、うざいからです。


総合評価:822/評価:8.44/連載:5話/更新日時:2026年06月15日(月) 20:01 小説情報

転生してイージーモード!(作者:ハニラビ)(オリジナル現代/日常)

普通に生きて普通に死んだ男がチートを得て現代日本にTS転生したお話。作者はバカだからよぉ、難しい話は無しにしねーか?(ただのバカ)


総合評価:3886/評価:8.63/連載:17話/更新日時:2026年08月16日(日) 13:10 小説情報

胡散臭いTS美少女占い師は今日も路地裏で笑う(作者:高丸)(オリジナル現代/日常)

転生したら怪異が存在する世界にいた主人公が趣味で占い師をする話▼【挿絵表示】▼


総合評価:5642/評価:8.13/連載:9話/更新日時:2026年07月01日(水) 22:07 小説情報

人の生き様大好き系上位存在が蔓延る世界に生まれ落ちた生存本能極振り転生者(作者:せぞんのう)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

その世界には人間の輝きが大好きな悪魔が無数にいた。▼死を経験したことで生存本能に意識を極振りした転生者のルセラは、悪魔を利用してでも生き残ることを画策する。▼しかしその姿は悪魔たちにとって、性癖ど真ん中をぶち抜く行為だった。▼しかも生き残るためにあらゆることをやってのけるこの異常者の行動は悪魔の想像の遥か斜め上を行く所業ばかり。▼やがて、生存本能極振り転生者…


総合評価:10406/評価:8.88/連載:10話/更新日時:2026年05月08日(金) 07:05 小説情報

科(化)学系チート持ち転生者のお話(作者:金属粘性生命体)(原作:多重クロスオーバー)

▼ 数百世紀先の技術と創作上の技術を持って転生した男の好き勝手生活。▼ ディストピアルート、闇堕ちルート、どちらから先に読んでも問題ないようになってます。作者の個人的には闇堕ちルートの方がおもろいと思う。▼(作者の架空科学なので一切整合性はとりません、雰囲気で読め)▼ オタクルートを外伝にしました。↓がリンクです▼ https://syosetu.org/n…


総合評価:3495/評価:7.52/連載:107話/更新日時:2026年05月06日(水) 10:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>