キングカズマinヒロアカ 作:うさぎ
その為青山くんは、ばれていないです。よかったね^_^
あの日、オールマイトがヴィランを鮮やかに撃退してから、俺の日常は激変した。 具体的に言うと、万助さんの修行がめちゃんこ厳しくなった。
いや、本当に笑えないレベルなのだ。だって、俺の一日のルーティンを見てほしい。
【兎山一真の地獄のデイリーミッション】
早朝: 起床 → 限界ダッシュ → 筋トレ
朝食前: 万助さんに投げられる → 叩かれる(※修行です)
日中: 学校(中学校)
放課後: 塾(ガチ勉)
夜: 帰宅 → 夜間修行 → 泥のように寝る
これを義務教育中の子供にやらせるの、児童福祉的にどうなんだ。 まあ、そうこうして文句を言っているうちに小学校は卒業した。
問題はここからだ。原作開始まで、あとわずか3年しかない。
それまでにどうしても「学力」を爆上げする必要があった。なぜなら、武術よりも勉学の方がガチでヤバいからだ。あの雄英高校ヒーロー科、地味に偏差値が70近くある。どんだけエリート校なんだよ。
そして迎えた、中学校入学。 環境が変わったからといって、俺のストイック(強制)な日常が大きく変わることはなかった。
朝起きる。走る。筋トレ。学校へ行く。 帰宅する。万助さんの無理難題(課題)をこなす。筋トレ。寝る。 うん、知ってた。
改めて客観視すると、中学生とは思えない鉄人生活だ。だが、成果は確実に数字と肉体に表れていた。
中学一年生にして、身長百七十二センチ。 ウサギの個性を差し引いても、身体能力は同年代を遥かに超越している。
万助さん直伝のガチ体術も、かなり身体に馴染んできた。
とはいえ――まだまだだ。 俺には明確な目標がある。雄英高校に入り、プロヒーローになること。 そのためには、今のままでは圧倒的に足りない。
そう、「学力」が。
個性だけに頼らない状況分析力、ヒーローとしての瞬時の判断力。どれも頭脳が伴わなければお話にならない。最近のテストではなんとか偏差値60あたりをキープしているが、前世の貯金(アドバンテージ)という名の中学知識がいよいよ底を突きそうで、リアルに鬱になりそうだ。
そんなある日の昼休み。 俺はいつものように、喧騒を避けて屋上で弁当を食べていた。 静かだ。風が気持ちいい。こういう隔離された場所は落ち着く。 毎日がハードモードだからこそ、一人の時間は徹底的にのんびりしたい。お馴染みのルーティン、共感してくれるよね? ……俺だけ?
その時だった。
バン!!!
勢いよく屋上の扉が跳ね上がった。鼓膜に響く爆音。 心臓が嫌なリズムで跳ねる。俺がおそるおそる振り返ると、そこに立っていたのは――。
ツンツンに尖った爆発的な金髪。 鋭く濁った、赤い瞳。 遠目からでもわかる、いかにも気性の荒そうな凶悪な面構え。
爆豪勝己がいた。
「……いたな」
第一印象。怖い。めちゃくちゃ怖い。 いや、人のことを言えない体格(中1で172cm)をした俺が言うのもアレだけど、醸し出す殺気が中学生のそれじゃない。 少年――爆豪は、真っ直ぐに俺の前までドカドカと歩いてきた。そして、前置きも何もなしにいきなり言い放った。
「お前、強ぇだろ」
「……」
何だこいつ。 え、待って、俺たち初対面だよね? 話しかけ方が世紀末のそれなんだけど、ヤバくね? 沈黙する俺を睨みつけ、爆豪は不機嫌そうに言葉を続けた。
「運動テスト、見てたわ」
あ。なるほど、合点がいった。
確かに先日の体力測定、少しだけ目立ってしまった自覚はある。 少しだけだ。五十メートル走のとき、俺の速度に驚いた担任の先生がストップウォッチを地面に落として壊したくらい。たぶん、誤差の範囲で少しだけだ。
「名前は」
「……兎山一真」
「爆豪勝己だ」
知ってる。めちゃくちゃ知ってる。前世の記憶込みで、お前の解像度は100%だ。 だが、もちろん初対面のフリを突き通す。というか、この段階の爆豪と関わり合いになるの、フラグ的に怖すぎる。
爆豪は俺をじっと見つめていた。獲物の急所を品定めする、獰猛な肉食獣の目だ。
そして、その口元が邪悪にニヤリと歪む。
「面白ぇ……」
嫌な予感しかしない。そして、こういう時の直感は大体フルコンボで的中する。案の定だった。
「放課後、裏の空き地に来い。ウサギ野郎」
「?」
「察しがワリィな。――勝負だよ!」
やっぱりか!! っていうか俺、さっき「兎山一真」ってフルネームで教えたよね? こいつ他人の名前を脳に記憶できない病気か何かなのか?
爆豪は俺の返事などハナから聞く気がないらしく、そのまま背を向けて去っていった。
屋上に、再び静寂が戻る。 俺は手元に残ったにんじん(※弁当のおかず)を、ボリボリと一口かじった。そして、顎を動かしながら考える。
どうしよう。いや、これ、勝負を受けずにバックくれたら、明日からの学校生活が確実に詰む(物理的な意味で)。
「……まあ、でも」
答えは、最初から決まっていた。受ける。 なぜなら、俺自身も猛烈に興味があったからだ。
未来の雄英トップクラス。爆豪勝己。 現時点の、いわば「覚醒前」の彼が、一体どれほど強いのか。純粋に、一人の武を志す者として知りたかった。
その日の放課後。俺は言われた通り、学校裏の寂れた空き地へと足を運んでいた。 人気のない、荒涼とした場所。爆豪はポケットに手を突っ込んだまま、すでにそこで待っていた。
パチッ。パチパチッ……。
彼の掌から、小さな、しかし密度の高い爆発音が響く。 掌の汗腺からニトロのような汗を分泌し、それを爆発させる個性【爆破】。
知識としては知っていた。だが、現実の生身で、至近距離でその音を聴くのでは迫力がまるで違う。
爆豪は不敵に笑みを深めた。
「逃げるかと思ったぜ」
「来るとは言ってない」
「だが、来たじゃねぇか」
確かにそれはそうだ。言い返す言葉もない。 ――その瞬間、爆豪の目の色が変わった。
ドンッ!!!
爆風を後方に排出し、その推進力で爆豪が地を蹴った。 中学生のものとは思えない、文字通り「爆発的」な初速。一瞬で視界が彼の凶悪な顔で埋まる。速い!
だが。 「――見る。考える。待つ。そして勝つ」
脳裏をよぎったのは、万助さんから骨の髄まで叩き込まれた修行の言葉。 速さだけでは勝てない。
力だけでも届かない。世界最高峰のウサギの動きを見てきた俺にとって、この速度はまだ、肉眼で捉えられる範疇だ。
俺は、半歩だけ軸足をずらした。 風を切り裂き、爆豪の鋭い右ストレートが俺の頬をかすめる。
空振った爆豪の目が驚愕に見開かれた。 次の瞬間、俺の身体は思考を挟むより早く、完全に「条件反射」で動いていた。
万助さんとの地獄の組手で培ったカウンター。 爆豪の突き出された右腕の死角から滑り込み、その手首を掴んで重心を鮮やかに奪う。ウサギのバネを活かした、最小限の力での回転運動。
そのまま――地面へ、投げる!
ドガァン!!
爆豪の身体が、綺麗に円を描いて地面へと叩きつけられた。 砂埃が舞い、一瞬、周囲の空気が完全に凍りつく。投げられた爆豪自身、何が起きたのか理解できていないようで、呆然と天を仰いでいた。
しかし、それも数秒のこと。 ゆっくりと起き上がった彼は、土を払いながら、俺を見てニヤリと口の端を釣り上げた。 悔しさではない。それは、心底楽しそうな、狂気に似た笑み。
「……ハッ、潰し甲斐があるじゃねぇか……!」
その瞳の奥で、ドス黒いほどの闘志がごうごうと燃え盛っていた。 (うわぁ、ガチで火をつけちゃったよ……。勘弁してください、本当にお願いします)
こうして。 未来のNo.1ヒーロー候補と。 キングカズマに憧れる、地獄の日常を生きる異形型の少年。 二人の、長く、熱く、そして最高に面倒くさい関係が――始まってしまったのだった。
ヒロイン作るべき?
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いる
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いらん