キングカズマinヒロアカ   作:うさぎ

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第7話

 

 

 

 入学式当日。

 朝兎山一真は人生で一番早く目が覚めていた。

 目覚ましが鳴る三十分前である。

 遠足前の小学生かな?

 

 俺もそう思う。

 だが仕方ない。

 今日から雄英高校だ。

 しかもヒーロー科。

 前世のメンバーと会える。

 ちなみに原作知識はもうほぼほぼない。

 修行で記憶がどっかにいった。

 俺はベッドから起き上がる。

 窓の外を見ると快晴だった。

 天気まで俺を応援している。

 たぶん。いや知らんけど。

 そんなことを考えながら制服へ着替える。

 

 鏡を見る。

 そこにはキングカズマそっくりのウサギいる。

 知ってた、毎日見てるだが今日は少し違う。

 雄英の制服を着ている。

 それだけでなんだか実感が湧いてきた。

 母さんは朝から泣いていた。

 早いってまだ学校行ってない。

 卒業式じゃないんだぞ。

 

 父さんは写真を撮っていた。

 十枚くらい二人とも落ち着いてほしい。

 だが少しだけ嬉しかった。

 そして家を出る。

 見慣れた街並み見慣れた道。

 だけど今日は違って見えた。

 なぜなら。

 俺はこれから雄英へ向かうからだ。

 ヒーローになるための第一歩。

 そう思うと自然と足が速くなる。

 

 

 しばらく歩く。

 すると見えた。

 雄英高校の正門。

 何もかも巨大で相変わらずスケールがおかしい。

 

 早めに着いたのでまだ人が誰もいない。

 案内板を見ながら教室へ向かう。

 迷子にならないように慎重に。

 

 ここ大事だよみんな、初日から迷子になったら格好悪い。

 すると大きな扉が見えた。

 一年A組。

 間違いないここだ。

 俺は立ち止まる。

 

 心臓が少し速くなった。

 ドクンドクン

 なんだろうな受験の時とは違う緊張感だった。

 合格できるかどうかじゃないやつこれから始まるんだという実感。

 そんな感じだ。

 俺は深呼吸した。

 よし行くか。

 そして扉を開ける。

 

 広い

 第一印象はそれだった。

 普通の教室より少し大きい。

 さすが雄英机も綺麗だ。

 設備も新しいなんか金持ち学校みたいで少し緊張する。

 俺は席表を探した。見つけた。

 窓際後方の神席席替えならSSRの良い席だった。

 最高である。

 授業中に空が見えるいや俺はちゃんと授業は聞くぞ。

 たぶん。

 席へ座る

 そして窓の外を見るとグラウンドが見えた。

 広い。

 やっぱり広い。

 野球場が何個入るんだろう。

 そんなことを考えていると。

 

 眠くなってきたので少し寝ることにした。

 昨日はなかなか寝付けなかったのだ。

 仕方ない。

 入学式前だし。

 許されるだろう。

 たぶんそうして俺は机へ突っ伏した。

 そして目を閉じる

 ――数十分後。

 

 ガラッ

 教室の扉が開く音が聞こえた。

 だが眠いものすごく眠い。

 起きるべきだとは思うが体が動かない。

 すると

 

 「おっ」

 誰かの声。

 元気そうな男の声だった。

 「もう来てる奴がいるぜ!」

 知らない声だなだが。

 たぶん同級生だろう。切島あたりだろう。

 俺は薄っすら意識だけで聞いていた。

 「寝てるな」

 別の声。

 「本当だ」

 また別の声が聞こえてくる。

 なんだろう。

 

 少しずつ人が増えているらしい。

 教室が賑やかになっていく。

 だが俺は起きない。

 三代欲求に勝てるやつが稀なんだよ。

 そして再び扉が開く。

 ガラッ。

 

 「おおおっ!?」

 今度はかなり大きな声だった。

 俺は少しだけ眉をひそめる。

 うるさい。

 眠い。

 静かにしてほしい。

 すると。

 

 「まさかもう寝てるのか!?」

 「入学初日だぞ!?」

 「大物だな!」

 

 なんか騒がれている。

 たぶん俺のことだろう。

 やめてほしい。

 寝にくい。えっ起きれば良いいんじゃないかって?

 俺は意地でも起きない。

 なぜかって?ここで起きたら負けな気がする。

 何に負けるのかは知らない。

 すると

 

 「……」

 教室が少し静かになった。

 なんだ?誰か来たのか?

 そんなことを考えていると。

 聞き慣れた声がした。

 

 「なんで寝てんだコイツ」

 爆豪やんけ。

 なら静かになるわけないな。

 いやむしろ騒がしくなるか。

 そう思った瞬間。

 

 BOOOM!!

 

 机が揺れた。

 「起きろ」

 人の安眠を邪魔するなんて、ひどいなぁ人の心とかないか爆轟に。

 俺は眠いのだ。

 すると

 

 「おい」

 

 ドンッ!

 また揺れた。

 しつこい味だな、なんなんだこいつ。

 すると周囲から笑い声が聞こえた。

 「知り合いか?」

 「友達なのか?」

 「仲良さそうだな」

 その瞬間教室の温度が下がった気がした。

 

 たぶん爆豪のせいだ。

 目を開けなくても分かる。

 絶対怖い顔してる。

 すると。

 「誰がだぁボケがぁ!」

 爆豪が怒鳴った。

 なぜか教室が静かになった。

 数秒後。

 

 「でも起こしてるじゃねぇか」

 

 誰かが言った。

 勇者かその人。勇者か(脳死)

 爆豪相手によく言ったな。

 すると

 「……」

 爆豪は黙った。

 沈黙。

 数秒後

 「チッ」

 舌打ちだけして席へ向かった。

 なんだったんだ嵐みたいだな。

 俺は少しだけ笑いそうになる。

 そのまま再び意識が沈む。

 さらにしばらくして。

 

 教室はかなり賑やかになっていた。

 ほとんどの生徒が集まったらしい。

 話し声や笑い声。

 自己紹介など色んな音が聞こえる。

 しかし俺は堂々と寝ている。

 窓際後方で大爆睡である。

 

 決して俺がコミュ症なわけじゃないと信じたい。

 そしてその光景を見たクラスメイトたちの中では。

 「なんか寝てる奴」

 

 という認識が少しずつ広まり始めていた。

 なお本人は知らない

 

 『お友達ごっこしたいなら他所へ行け』

 

 『ここはヒーロー科だぞ』

 

 ある教師が目を開く。

 眠そうな目。

 無精ひげ。

 死んだ魚のような眼。

 彼は教室を見回した。

 

 『君たちが静かになるまで8秒かかりました

 時間は有限君たちは合理性に欠くね』

 

 そして。

 すぐに窓際後方の席へ視線が止まる。

 爆睡している兎山一真。

 首席合格者。

 相澤消太は数秒黙った。

 そして。

 小さく呟く。

 「……なんで首席が寝てるんだ」

 担任になって初めての感想だった。

 

 相澤消太は数秒間、窓際後方を見つめた。

 普通に寝ている。入学初日なのに。

 しかも担任が教室に入ってきて自己紹介している最中だ。

 それなのに起きる気配がない。

 ある意味大物だった。

 そして教室の生徒たちも徐々に気付く。

 相澤先生の視線。

 

 窓際後方。

 そして爆睡しているウサギ。

 「……」

 「……」

 「……」

 

 教室が静かになる。

 なんか寝てる奴。

 さっきまでそうだった認識が。

 担任登場後も寝てる奴へメガ進化した。

 すると切島が小声で呟いた。

 

 「すげぇな」

 何がだろう全部だろう。

 飯田も眼鏡を押し上げながら言う。

 

 「普通は起きると思うのだが……」

 その通りである。

 普通は起きるだが

 残念ながら兎山一真は普通ではなかった。

 すると相澤先生は小さくため息を吐いた。

 そして捕縛布を手に取る。

 

 シュルッ。

 

 布が解けたその瞬間。

 教室全体が少し緊張した。

 なんとなく分かるあれ。起こしに行く気だすると。

 爆豪が少しだけ顔をしかめた。

 嫌な予感がしたからだ。

 

 たぶん当たっている。

 そして次の瞬間。

 

 シュバッ!!

 

 捕縛布が一直線に飛んだり目で追うのが難しいくらい速い。

 だがその瞬間だった寝ていたはずの耳が動く。 

 

 ピクッ

 ほんの僅かだがしかし確かに動いた。

 相澤の目が少し細くなるそして。

 捕縛布が体へ触れる直前に俺の目が開いた。

 

 条件反射であり修行の成果とも言う。

 危険察知とも言う。

 要するに万助さんのせいである。

 俺は椅子を蹴る

 

 ガタンッ!

 

 体が跳ねた。

 そのまま後方へ回転。

 壁なので蹴って捕縛布を回避。

 着地。構え。

 

 ここまで一秒もかかっていない。

 教室が静まり返った。

 誰も喋らないし俺も喋らない。

 そして目の前の無精ひげのおっさんを見る。

 知らない人だった。

 

 数秒沈黙後俺は首を傾げる。

 

 「誰?」

 

 教室の空気が凍った。切島が吹き出しかける。

 飯田は頭を抱えた。麗日は目を丸くする。爆豪は額を押さえた。

 

 

 あと今思い出したが相澤先生だ!

 すると

 相澤先生は無表情のまま答える。

 

 「担任だ」

 

 「なるほど」

 

 俺は固まって理解した。

 全部理解した。

 起きたら知らないおっさんいたと思ったら担任だった。

 終わった。

 俺の雄英ライフが始まる前に終わった気がした。

 すると相澤先生が言う。

 

 「反応は悪くない」

 怒られなかった。

 え?セーフ?神回避?

 俺は少し安心する。

 だが次の言葉で安心は消えた。

 

 「だが人の話を聞かずに寝るのは感心しないな」 

 

 それは普通にすんません。

 

  『着替えてグラウンドに来い』

 

 

 「「「個性把握テスト」」」

 

 

 背景お母様へ

 入学式には出られません今グラウンドにいます。

 冗談はさておいて原作通りに始まろうとしていた。

 

  「それって入学式より先にやるんですか?」

 

 『やる』

 

 即答だった。

 相澤先生は続ける。

 『雄英は自由が校風だ』

 『教師にも裁量権がある』

 『だから俺は入学式よりこっちを優先する』

 なんかすごいこと言ってない?

 自由ってそういう意味だったっけ?

 

 『爆豪中学の時のボール投げいくつだ?』

 

 「67」

 

 『個性を使ってやってみろ。円を出なければ何してもいい』

 

 爆豪の個性を使うと記録はたぶん

 

 「死ねえぇ!!!!」

 

 「「「「死ね?」」」

 

 『自分を最大限に知る。ヒーローの基礎を形成するための合理的

 方法』

 

 さすが爆豪記録えぐいな。

 

 「なんだこれすげー面白そう!!」

 

 あれまて。確か相澤先生除籍回数えぐい人だよね?

 そんなこと言ったらやばくね?

 

 『面白そうか…』

 

 まずい!

 

 『ヒーローになるための三年間をそんな腹づもりで過ごすつもりか?』

 

 この流れ恐らく…

 

 『よしトータル最下位は見込みなしと判断し、除籍処分にする』

 

 「「「はあああぁ??」」」

 

 お母さんへ明日無事に登校できるか不安になりました。

 

 『生徒の如何も先生たちの自由』

 

 『ようこそこれが、雄英高校のヒーロー科だ』

 

 除籍されない為にもやるしかない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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