ブルーアーカイブ 透き通る青春よ永遠なれ   作:Jon.Do

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初めての予約投稿なので初投稿です。


第二話 大騒動ドンパチガールズ

「結論から言うと、サンクトゥムタワーの最終管理者がいなくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状況です」

 

静まり返る会議室のなか、リンは目頭を指先でもみほぐした。連日の試行錯誤による疲労を滲ませながら、彼女はこれまでの経緯を語る。

 

「認証を迂回できる方法を探しましたが、......つい先ほどまで、そのような手段は見つけられませんでした」

 

「つい先ほどまで」というリンの言葉に目を細めたハスミが、静かに問いかける。

 

「それでは……今はその方法がある、ということですか。首席行政官」

 

「はい」

 

短く頷いたリンは、自身の背中で会議室の締め付けるような空気から必死に隠れようとしている銀時を晒し出すように、その場からスッと一歩横にずれた。

 

「この坂田銀時先生こそが、現状を打破するキーパーソンになってくれる……はずです」

 

「!?」

 

「!」

 

「……この方が、ですか?」

 

「……は?俺?」

 

事態を全く飲み込めていない銀時は、リンへと露骨に困惑の視線を向けた。

しかし、少女たちの厳しい追及の手は緩まない。

ユウカがリンから示された不審な白髪の男をキッと睨み付けながら、声を大にした。

 

「ちょっと待って。こんな人が? そもそもどうしてここにいるの?」

 

その言葉に深く頷いたハスミも、未だ納得しきれない様子で冷ややかな視線を銀時に向ける。

 

「キヴォトスではないところから来た方のようですが……先生なんですか? こんな人が?」

 

「待てこら。こんなってなんだこんなって。初対面の大人の捕まえて『こんな人』を連呼すんじゃないよ。傷つきやすいお年頃なんだぞ、銀さんは」

 

続く冷たく鋭い眼差しと、暗に「こんな不審者が?」と言わんばかりのトゲのある空気に、銀時は顔を引き攣らせつつ抗議の声を上げた。

しかし、その言葉を完全に塞ぐようにして、リンが淡々と、かつ無慈悲に言葉を重ねる。

 

「はい。此方の坂田先生はこれからキヴォトスの先生として働く人。そして……連邦生徒会長がよりにもよって特別に指名した人物です」

 

「リンちゃん!? よりにもよってってなに!? 今サラッと本音漏れたよね!? 指名した本人の部下が一番信じてねーじゃん! しまいにゃ銀さん泣くぞ!?」

 

あからさまにのけ反ってツッコミを入れる銀時だったが、リンはどこ吹く風で、眼鏡のブリッジを指先でクイと押し上げるだけだった。

 

そんなツッコミをする銀時に対して、さらに冷ややかな眼差しを強くしたユウカが、呆れたようにため息を漏らした。

 

「行方不明になった連邦生徒会長がこんな人を指名……? ますますこんがらがってきたじゃない……こんな人が……」

 

「さっきから寄ってたかってこんな人こんな人呼ばわりしやがって! そもそも銀さん全然状況が飲み込めてねーんだけど! 俺の知る学校とか先生と全然ちげえんだけど!!」

 

「……何が違うというのですか」

 

それまで静観していたハスミが、冷徹な響きを帯びた声で銀時を射すくめる。

彼女たちが命がけで守ろうとしているこの街の秩序、そして直面している未曾有の危機。それを前にして、あまりにも緊張感の欠けた銀時の態度に、会議室の温度が一段と下がった。

 

「……まあとりあえず。貴女たちの不信感はよく分かります。けれど話が進まないので続けます。まずは各人、先生に自己紹介を」

 

リンの至極もっともな、しかしどこか投げやりな仕切りに、集まった生徒たちが渋々と、しかし規律正しく次々と挨拶をしてゆく。

 

「……ミレニアムサイエンススクールの、早瀬ユウカ」

 

「ゲヘナ学園の、火宮チナツです」

 

「……トリニティ総合学園の、羽川ハスミと言います」

 

「私は……」

 

最後の一人が名乗りを上げるのを耳にしながら、銀時は腕を組み、集まった少女たちを改めてまじまじと観察していた。

 

(……いや、ちょっと待て。さっきから聞いてりゃどいつもこいつも、ミレニアムだのゲヘナだのトリニティだの、バラバラの学校の名前ばっか出てくんな。……っていうか、それ以前の問題としてだ)

 

銀時は視線を左右に泳がせ、会議室のテーブルを囲む面々を見回す。

どこを見ても、視界に入るのは制服に身を包んだ女子生徒ばかり。リンも含めて、この場にいる「キヴォトス」の住人は男の影が一切見当たらない。

 

(女子生徒……女子生徒……女子生徒……。おいおい、なんなのここ。この学園都市って、もしかしてどっからどう見ても巨大な女子校の集まりなわけ? 銀さん、いつの間に女子校のジャングルに迷い込んじゃったわけ?)

 

鼻の下を伸ばすというよりは、あまりに偏った人口比率に対する純然たる疑問が脳内を駆け巡る中で、リンが口を開いた。

 

「……先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることになりました。その部活の名前は────連邦捜査部『シャーレ』」

 

リンの言葉に、銀時は「は?」と怪訝そうに片方の眉を跳ね上げた。

 

「シャーレってアレか? 理科の実験とかでよく使う、あの透明な小皿みてーなやつ? え、何それ、銀さん今日からアメーバとかミジンコとか育てる部活の顧問やんの? 嫌だよ? マリモですら枯らす男だぜ?」

 

「単なる部活ではなく、一種の超法規的機関であり……」

 

「おいこら無視すんじゃねーよコラ。綺麗な顔してスルーの技術がプロの領域に達してんじゃねーよ。せめてミジンコのくだりにちょっとは触れて!?」

 

必死にツッコミを 続けようとする銀時だったが、リンはカルテのような電子端末に視線を落としたまま、完全に彼を背景の一部として扱い、淡々と説明を続けてゆく。

 

「連邦組織のため、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒達を制限なく加入させることも可能。各学園の自治区で、制約なしに『戦闘活動』を行うことも可能です。」

 

「……はあ? 戦闘活動?」

 

リンが平然と口にした「戦闘活動」という、不穏極まりない言葉に銀時は思わず首を傾げた。しかし、リンは彼の疑問など意に介する様子もなく、言葉を継ぐ。

 

「なぜこれだけの権限を連邦生徒会長が作ったのかは分かりませんが……そのシャーレの部室はここから約三十キロ離れた外郭地区にあります。いまはほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の命令でその地下に『とある物』を持ち込んでいます」

 

そして、再び隣に突っ立っている銀時へと視線を戻し、リンが言った。

 

「先生をそこにお連れしなければなりません。……モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど……」

 

リンが手元のタブレット端末を操作すると、電子音とともにホログラムが空間に浮かび上がる。そこに現れたのは、桃色の髪をした小柄な少女が、明太味のポテトチップスをだらしなく齧っている姿だった。

 

『────シャーレの部室? ……あー、外郭地区の。そこ、今大騒ぎだけど』

 

ポテチの粉を指先で舐めながら気だるげに告げる少女の言葉に、リンが微かに眉をひそめて首を傾げた。

 

「……大騒ぎ?」

 

『矯正局を脱出した停学中の生徒たちが、そこで一騒ぎ起こしちゃってさ。そこは今、戦場になってるよ』

 

「……うん?」

 

その不穏すぎる報告を聞いた瞬間、それまでどこか疲弊していたリンの目付きが、とたんに刃物のように鋭くなった。

そんな彼女の空気の変化などどこ吹く風で、モモカはホログラムの向こうでポテトチップスをさらに一枚口に放り込み、他人事のように言葉を続ける。

 

『連邦生徒会を逆恨みして、地域の不良たちを煽動。周りを焼け野原にしてるみたい。……あ、それと巡航戦車まで繰り出してるらしいよ?』

 

その言葉を聞いて固まっているリンを他所に、モモカがさらに言葉を続ける。

 

『それで、どうやらシャーレの建物を占拠しようとしてるみたい。そこに大事なものがあると、最初から知ってるみたいにさー』

 

リンの頬に、一筋の冷や汗が伝う。

そんな彼女の緊張感などどこ吹く風とばかりに、モモカは再びポテトチップスをカリカリと齧ると、気の抜けた声で言い放った。

 

『まあでも、とっくにめちゃくちゃな場所なんだし大したことない……あ、お昼のデリバリーが来たみたい。じゃ、またねー』

 

「待ちなさい、モモカ─────!」

 

リンの制止の声も虚しく、プツン、と気の抜けた電子音と共にホログラムの通信が切れた。

無情にも残された静寂の中で、リンは青ざめた顔をしていたが、眼鏡の奥の瞳に激しい怒りの炎を浮かべ、怒りのあまりプルプルと肩を震わせ始める。そのあまりの変わりように、銀時が恐る恐る声をかけた。

「……おーい、リンちゃん大丈夫か? 脳みその血管が数本セッション始めてるような音が聞こえんだけど」

 

ピシッ、と眼鏡の端に微かにヒビを入れつつ、リンは額にびきびきと青筋を浮かべて答えた。

 

「……大丈夫です。少々問題が発生しましたが、大したことじゃありませんから。ええ、本当に、これっぽっちも問題ありません」

 

「説得力ねーぞソレ。明らかに大問題が起きた時の顔じゃねえか。っていうか今のピシッて音、何? 眼鏡じゃなくて心の壁がひび割れた音? ねえ?」

 

そんな銀時の言葉を完全に他所へ追いやり、リンはハスミやユウカらへと、すがりつくような、しかし有無を言わせぬ鋭い視線を向けた。

 

「……な、何? どうして私たちを見つめてるの?」

 

あからさまに嫌な予感を察知したユウカが、一歩身を引きながら訝しげな声を上げる。

そんな少女たちの困惑を、リンはまるで冷徹な営業スマイルのような、底の知れない笑みで迎え撃った。

 

「────ちょうどここに、各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので私は心強いです」

 

「はあ!?」

 

「ちょっと、誰が暇そうだって……!」

 

一斉に上がる少女たちの抗議と疑問の声を、リンはすべて右から左へと受け流す。そして、眼鏡の奥の瞳をギラリと光らせ、有無を言わせぬ口調で言い放った。

 

「キヴォトスの正常化のために、暇を持て余している方々の力が今、切実に必要です。さあ、行きましょう」

 

リンはそう言うと、迷いのない足取りでツカツカと歩き出した。周りの生徒たちが上げる「ちょっと待ちなさいよ!」「説明を求めます!」という抗議の声など、もはや一切耳に入っていないとばかりの拒絶の背中である。

 

理不尽な強制労働へと連行されかける少女たちの金切り声の数々と、その場を支配していくドス黒い怨嗟の雰囲気に、銀時は完全に引いた様子で顔を歪めた。

 

「……怖っ。女の子って怖っ。やっぱり二次元の女の子なんて幻想だったんだ。現実の女子高生ってのはどいつもこいつも、キレたら世紀末の覇王みたいなオーラ放つ生き物だったんだ……」

 

辟易とした様子でボソボソと呟きながら、銀時はずるずると重い足取りで、リンの後ろ姿を追いかけるのだった。

 

──────────

 

場所は変わり、連邦生徒会の建物から遠く離れた都市の外郭地区。

そこは、そこら中で少女たちが激しい銃撃戦を繰り広げ、絶え間なく砲火が交わされる、文字通りの「戦場」と化していた。

 

耳を突き刺す金属音と、コンクリートを爆砕する硝煙の嵐。ヘリから降り立ち、目の前に広がるあまりにも世紀末な光景を前にして、銀時は完全に魂の抜けた顔で現実逃避を始めた。

 

「……へーえ。なるほどね。今時の女の子たちって、放課後にカラオケ行く感覚でアサルトライフル担ぎ込んでバカスカ撃ち合うのがトレンドなんだー。そうだよなあ、若い頃の運動って大切だもんな、適度な有酸素運動は健康的な体作りに───ってそんなわけあってたまっかァァァァァ!?!? どこの修羅の国なんだ此処ォォォォォォ!?!?」

 

頭を抱えて絶叫する銀時のすぐ側を、容赦のない跳弾が「キィィン!」と甲高い音を立てて通り過ぎていく。

 

そんな銀時の叫びのすぐ側で、ユウカが「うるっさいわね!」と怒鳴り散らした。

 

「な、なんなのよもう! なんで私たちが、あんな不真面目な不良たちを相手に最前線で戦わなきゃいけないのよ!?」

 

激しい銃撃を避けるため、手近な建物の影に身を隠しながら叫ぶユウカ。その隣にいたチナツが、飛び交う銃弾の音に眉をひそめ、重いため息と共に言葉を返す。

 

「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、どうしてもあのシャーレの部室の奪還が必要ですから……。仕方がありません」

 

「それはさっき聞いたわよ! 私、これでもうちの学校の生徒会に所属してて、それなりの立場なんだけど!? なんで私がこんな前線で……!」

 

ユウカがさらに抗議の声を上げようとした、その瞬間だった。

 

激しい銃撃が彼女たちの防壁を削り、建物の影からわずかに顔を出していたユウカの顔面に、無慈悲な銃弾が真っ直ぐ着弾した。

 

「────嬢ちゃん!?」

 

目の前で少女の頭部が撃ち抜かれた光景に、銀時は文字通り血の気が引いて慌てて駆け寄る。

 

しかし、そんな彼の憔悴を他所に、ユウカは何事もなかったかのようにその場にむくりと立ち上がった。

出血どころか、かすり傷一つない。ただ、弾が当たった場所を押さえ、涙目を浮かべながら盛大に憤慨している。

 

「い、ったぁぁぁ……! アイツら、なんてもの撃ち込んできてんのよ! 違法JHP弾を使ってるじゃない!?」

 

「……はあ?」

 

至近距離で頭に銃弾を喰らって「痛い」で済ませている目の前の女子高生の様子に、銀時が思わず間抜けた声を漏らした。

なんで無傷なのか、そもそもなんで生きてるのか、1ミリも理解できずに脳の処理が完全に停止している銀時を他所に、ハスミが愛用のスナイパーライフルを構えながら鋭く告げた。

 

「伏せてください、ユウカ。……それに、ホローポイント弾はまだ違法指定されていません」

 

「うちの学校ではこれから違法にするの! 傷痕が残ったらどうすんのよ!」

 

赤くなった額を必死に摩りながら、ユウカが敵の方向へと鋭い視線を向けた。

その隣で、いよいよ現実逃避の限界を迎えて口をアングリと開けたまま唖然としている銀時へと、ハスミがすっと冷徹で、しかしどこか気遣わしげな視線を流す。

 

「……それに、今は先生が一緒です。その点には細心の注意を払わなければ……」

 

「……ああ、そっか。お前らが使ってんのって、音が派手なだけのエアガンか何かなのか。なーるほどね、この街じゃ超本格的なサバゲーが流行してるわけね。それなら銀さんも、ちょっと混ざって───」

 

「……!?待ってください、先生─────!」

 

チナツの静止の声が響くより早く、都合のいい解釈で納得しかけた銀時は、ひょっこりと建物の影から外へと足を踏み出していた。

直後、鼓膜を裂くような強烈な風切り音と共に、一発の「弾丸」が銀時の顔のすぐ横をすり抜けていく。

 

「─────っ、!?」

 

直撃は免れた。しかし、銀時の頬にはツッと一本の赤い線が走り、そこからじわりと鮮血が滲み出る。

プラスチックのBB弾などではない。

空気を切り裂く圧倒的な質量と、超高速がもたらした、肌を焼くような強烈な熱量。

それは紛れもなく、人間の命を容易く奪う「本物の銃弾」の感触だった。

 

「何をしているのよアンタは!!」

 

鼓膜が震えるほどの怒鳴り声と共に、素早く伸びてきたユウカの腕が、銀時の襟元を強引につかみ取った。

 

「うおっ!?」

 

そのまま強烈な力で建物の影へと引き摺り込まれ、冷たい地面に尻餅をつく銀時。

直前まで彼が立っていた空間を、数発の銃弾が「ガガガガガッ!」と激しい火花を散らしながら削り取っていく。

 

「ちょっと! 大丈夫ですか先生!?」

 

「チナツ、救急キットを!」

 

奪還戦に参加している少女たちが、かなりの剣幕で、しかし一様に顔を青ざめさせながら、銀時を自分たちの身体で周囲の射線から隠すようにして、瞬時にぐるりと取り囲んだ。

先ほどまで銀時を不審者を見るようにとジト目を向けていた彼女たちの瞳には、いまや明確な恐怖と焦燥が浮かんでいる。

 

ハスミが愛用のライフルを抱え直しながら、鋭い声で状況を再定義した。

 

「やはり、今の状況では先生の身の安全を最優先事項に。そして部室の確保を次点の目標にしなければ……!」

 

「ハスミさんの言う通りです」

 

チナツが素早く銀時の頬の傷に医療用テープを貼りながら、緊張した面持ちで頷く。

 

「先生はキヴォトスではないところから来た方ですので、一発でも直撃すれば、命に関わります……!あのような弾でこんな傷が……!」

 

外では今も、鼓膜を震わせる激しい銃火の音が鳴り響いている。

それを日常の背景音のように当然のものとして受け止め、その上で銃弾の直撃を浴びても「痛い」で済ませ、ケロッとしている少女たちに銀時は愕然としていた。

 

そんな銀時を見下ろしつつ、ユウカは焦れったそうに、しかし明確な保護の意思を込めて言い放った。

 

「もう! 先生は大人しくこの安全な場所にいてください! ここは私たちがどうにかしますから……!」

 

「────俺が指揮するから、お前らはそれに合わせろ」

 

「……はあ?」

 

先程までのやる気のない声を消し、低く、しかし驚くほどよく通る声で告げた銀時に、ユウカは思わず間抜けた声を上げた。

周囲の生徒たちに驚きと動揺が広がる中で、銀時は地面の砂を払いながらゆっくりと立ち上がる。

 

「女の子が体張ってんだ。大人の男がその後ろで震えて隠れてるだけじゃ格好つかねえだろ。それに……」

 

銀時は首の関節をぼきぼきと鳴らし、腰の木刀へと右手を添える。

 

「こーゆー場所は俺にとっちゃ庭みてえなモン、だからな」

 

「何を言って─────」

 

「まあまあ、どーにかしてやるしどーにかなっから。」

 

そう平然と告げる銀時を見たハスミとチナツは、顔を見合わせると、口角に微かな笑みを浮かべて深く頷いた。

 

「……分かりました。これより、私たちは先生の指揮に従います」

 

「生徒が先生の言葉に従うのは、とても自然なことですからね。よろしくお願いします、先生」

 

「な、なによ二人とも簡単に納得しちゃって……! ……ああ、もう仕方ないんだから! じゃあ行きますよ、先生! ちゃんと私たちを勝たせなさいよね!」

 

文句を言いつつも、ユウカは銃を握り直して銀時の前に身を乗り出す。

 

(……ったく。別嬪な奴らが、随分といい背中しやがって)

 

そう思いながら銀時は木刀を腰帯から引き抜き、目の前の濃密な火線を前に口角を凶悪に吊り上げるのだった。




此処まで読んでくださりありがとうございました。

日曜にネカフェに閉じ籠りながらどうにかプロローグ編は書き溜めておきます。

書き溜めておいた分は毎日21:00に投稿できると思います。
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