ブルーアーカイブ 透き通る青春よ永遠なれ   作:Jon.Do

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大団円を迎えたので初投稿です。


第三十話 開けゴマ!!!

 

『私ね。初めてホシノちゃんと出会った時、これは夢なんじゃないかって毎晩毎晩頬をつねってたの』

 

 カイザーの地下バンカーの奥底。冷たい鉄扉に遮られた光の届かない暗闇の中で、朦朧とするホシノの意識を揺り動かしていたのは、遠い記憶の底から響くようなユメ先輩の優しい声だった。孤独と絶望に押しつぶされそうな今、過去の温もりだけが、辛うじて彼女の心をこの世界に繋ぎ止めている。

 だが、その切ない回想の余韻をフチから強引にズタズタに切り裂くように、扉の外からは信じられないほど凄まじく治安の悪いドタバタ劇の音声が、分厚い鋼鉄を透過して漏れ聞こえてきていた。

 

「えーと、これどうやって開けんだコレ。おい、誰かピッキングツールとかいう大泥棒の嗜み持ってねェ?」

 

「そんなの普通の女子高生が持ってるわけないでしょバカ先生!!」

 

「ん、私が持ってる。確かバッグの底に……あ、針金もある。どっちがいい?」

 

「なんでシロコ先輩は当たり前みたいに持ってんのよ!? あとで話聞かせなさいよ!!」

 

『ホシノちゃんみたいに、可愛くて強くて、頼れる後輩が側にいてくれるのが夢みたいで、本当に嬉しくて……』

 

 ユメの愛おしげな声がホシノの胸を満たしていく。しかし、外の現実はそれを情緒ごと圧殺しにかかっていた。

 

「ちっ、ピッキングだけじゃビクともしねえ。次なに? 網膜認証? あー、ノノミ、そこに大の字で転がってるバカイザー理事をここまで引っ張ってこい」

 

「はーい☆ よいしょ、よいしょ……。先生、この人の網膜ってどこなんでしょ? モノアイですよ?」

 

「知らね。取り敢えずこうして、センサーにツラを直接ガンガン叩きつければいつか読み取るだろ。オラっ、開けゴマ!」

 

 ガンッ、ガンッ、ガンッ、ガンッ……! 

 

「ちょっとアンタそれ流石に人道的に……あ、でもちょっとだけ認証ゲージが進んでる……!?」

 

『うーん、上手く表現できてないかも知れないけど……』

 

「おいおいおい、網膜認証の次は指紋認証かよ!! どんだけ厳重なんだよコラ! ここに隠されてんのはホシノじゃなくて、コイツが裏でコソコソ集めたドギツイ回し読み用のエロ本か何かなんじゃねーのか!」

 

「指紋ね、じゃあこうしてセンサーに指を押し当てて……あ、力入れすぎちゃった」

 

 ボギっ!! 

 

「ギャァァァ! 指が変な方向に!! セリカテメーも人のこと言えねーくらい脳筋じゃねえか!! 完全にコイツの指が折れた音がしたぞ今!!」

 

『ただこうして、ホシノちゃんと一緒にいられることが奇跡だと思うの』

 

「勘弁してくれよ今度は液晶画面に暗証番号の要求かよ!! 大丈夫だよね、これ3回くらい間違ったら10分間ロックされるとかそういうクソ仕様ないよね!?」

 

「……皆さん! お待たせしました! これから私がこの端末で番号ロックを解除するので少しお待ちください!」

 

「ナイスアヤネ!! お前が今日からアビドスの良心だ!! 帰ったら銀さんが最高級のメガネ拭きでそのレンズをギランギランに磨き上げてやるからな!!」

 

「……それ、本当にアヤネちゃんへのご褒美になるの?」

 

『……毎日毎日、こうして一緒にいるじゃないですか。昨日も今日も、明日もそうです。何を大袈裟な……』

 

 暗闇の中で、かつての自分が呆れたように答える声が聞こえる。そうだ、昨日も今日も明日も、ずっと一緒にいられると砂漠の空に信じて疑わなかった。

 

「……って、おいアヤネ!! 今度は音声認識による合言葉認証に切り替わったぞ!?!? もういいよだりーよ腹一杯だよ!! 俺たぶん人生一つ分くらい鍵開けに費やしてるよ!! 今なら天下の大泥棒として歴史に名が残るわもう!!」

 

「ど、どうするのよ先生!? 合言葉なんてコイツの頭の中しか分からないわよ!」

 

『はう、だって……』

 

『……それに奇跡っていうのはもっと珍しいものを指す言葉なのでは?』

 

『……んーん、私はそうは思わないよ』

 

「くそ、こーなったらアレだアレ! 映画とかアニメのこういう土壇場は大抵アレで開くだろ!! 伝統芸能を舐めんじゃねえ!!」

 

「ん、アレね。了解」

 

「なるほど、アレですね☆ ダイナミックにいっちゃいましょう〜」

 

「え、ええ!? アレでいけるの……!? もう、どうにでもなれよ!!」

 

「もうこの際ドカンと言っちゃいましょう!!」

 

『ねえ、ホシノちゃん。いつかホシノちゃんにそんな可愛い後輩や……大切な人ができたら、その時は─────』

 

 その時、ユメの最後の言葉を遮るように、外にいる五人の息の合った大絶叫がバンカー全体に轟き渡った。

 

「「「「「せーの……オープンセサミ!!!!」」」」」

 

 ドガァァァァァァァァンッッ!!!! 

 

 合言葉の唱和と同時に、銀時の渾身の蹴りと少女たちの全火力が一点に集中し、あらゆる電子ロックで厳重に守られていたはずの分厚い鉄扉が、文字通り物理的に吹き飛んだ。

 凄まじい爆風と、荒野の砂が入り混じる硝煙。

 衝撃に備えて思わずホシノが強く目を瞑り、そして、ゆっくりと瞼をひらく。

 光が差し込む視界の向こう、濛々と立ち込める煙の向こう側から歩み寄ってくる、五つの影。

 

 そこには、全身包帯だらけで血と黒いオイルに塗れながらも、不敵にニヤリと笑う白髪の男と、肩で息をしながら武器を構える、見慣れた四人の少女たちの姿があった。

 

 静寂が戻った部屋の中、銀時は一歩、また一歩と、砂を噛むような確かな足取りでホシノへとゆっくり歩み寄る。その全身は凄絶な戦いの余波で泥とオイルに塗れ、白い包帯のあちこちから赤黒い血が滲んでいたが、死んだ魚の目だけは酷く静かに据わっていた。

 

「……どうして、助けにきたの」

 

 祭壇の上で縛り付けられたまま、ホシノは掠れた声でぽつりと問いかけた。自分がすべてを諦めてサインをすれば、大好きな学校も、大切な仲間たちの未来も守れるはずだった。それなのに、どうして目の前の大人は、そこまでボロボロになりながら自分を連れ戻しにくるのか。

 銀時はその問いかけには一切答えない。ただ無言のままホシノの前に立つと、腰の木刀を無造作に引き抜き、振り上げた。

 ──刹那、鋭い風切り音とともに振り下ろされた木刀の先が、ホシノの自由を奪っていた不気味な蛍光色の縄を、一撃のもとに叩き斬り、霧散させた。

 拘束から解放されてもなお、ホシノは座った姿勢のまま動こうとはしなかった。ただ床を見つめたまま、絞り出すように再び問いを重ねる。

 

「私が犠牲になれば、アビドスは平和になるはずだったのに。みんなの負担を、減らせたはずなのに……」

 

 少女が背負い込もうとした、あまりにも独善的で、けれどあまりにも切実な自己犠牲の論理。銀時はやはりその言葉にも応えない。ただ、突き立てた木刀を腰へと戻すと、床にへたり込んだままのホシノの身体をごく自然に、そして壊れ物を扱うかのようにそっと両腕で抱え上げた。

 

 胸元から伝わってくる、生々しい血の熱量。お世辞にもいい匂いとは言えない、硝煙と泥の匂い。けれど、その奥には驚くほど安心する、不釣り合いな甘ったるい糖分の匂いが混じっていた。

 

「そんな私の独断で、みんなに、たくさん迷惑をかけたのに。なのに、どうして……っ」

 

 張り詰めていた仮面が完全に崩れ落ち、ホシノのオッドアイから大粒の涙がボロボロと溢れ出す。どんなに大人びた振る舞いをしようとも、彼女はまだ、理不尽な世界に怯えるただの子供に過ぎなかったのだ。

 銀時は彼女の小さな身体をしっかりと腕の中に抱えたまま、ゆっくりと向きを変え、光あふれる外の世界へと続く扉に向かって歩き始めた。

 

「……言ったろ。何があってもどーにかすっからって。ありゃその場しのぎの言葉でも何でもねえ。俺がお前にした勝手な約束だ」

 

 気だるげで、けれど何よりも重い、大人の言葉。

 

 ───死人は口も聞かねえし団子も食わねえ。だから『勝手に約束』した。

 

(あ……)

 

 その瞬間、ホシノの脳裏に、遠い記憶の彼方から呼び覚まされるようにして、かつて見た光景がゆっくりと浮かび上がってきた。

 

 ちょうど……このだらしない先生がアビドスへとやってきた、あの日に見た不思議な夢。

 白い雪がしんしんと降り積もる何処かの墓地。亡き夫の墓前に饅頭を供えていた老女へと、その墓石の裏に腰掛け饅頭を勝手に貪り食いながら語りかけていた白銀の髪の少年の言葉。

 

「俺ぁ何があっても、お前の大切な場所も、後輩達も、お前自身のことも。俺が……」

 

 自分を抱える銀時の言葉と、夢の中の少年の無礼で、けれどどこまでも真っ直ぐだった言葉が完全にシンクロしていく。

 

 ──── アンタの婆さん、この先老い先短い命だろーが。アンタの代わりに俺が────

 

「『護ってやる』、てな」

 

 その言葉が銀時の口から紡がれた瞬間、ホシノは腕の中で大きく目を見開いた。

 なぜ自分がアビドスから遠く離れた異郷の、あんな見知らぬ墓地の……そして彼の記憶の断片を覗くような夢を見たのかはわからない。キヴォトスの理を超えた奇跡なのか、それとも魂の深層で交わした約束なのか、それは今も同じだ。

 けれど……あの夢の中の寂しい墓地で、老女に対してあんな身勝手で不器用な約束をしていたあの青年は。

 

(……先生、だったんだ)

 

 自分が大嫌いだったはずの「大人」という生き物。その中で唯一、自分のすべてを投げ打ってでも、勝手に命を懸けて守ろうとしてくれる本物の大人が、今、ここにいた。

 ホシノは涙に濡れた目をしっかりと開き、白銀の髪の先生の横顔を、ただじっと見つめていた。

 

 銀時はホシノを腕の中に抱えたまま、重厚なバンカーの残骸を通り抜け光あふれる外の世界へと歩み出た。陽炎の揺らめくアビドス砂漠の風が、二人の髪を激しく揺らす。

 遠くを見れば便利屋68が文字通り大立ち回りを演じた痕跡であるPMCオートマタのスクラップや、ゲヘナやトリニティが文字通り力ずくでこじ開けてくれた防衛線の瓦礫が静かに黒煙を上げていた。

 銀時はそこへ一歩足を踏み出すと、自らの両腕から、ゆっくりとホシノの身体を地面へと立たせた。まだ少しだけおぼつかない彼女の足取りを支えながら、死んだ魚の目を少しだけ和らげて語りかける。

 

「……ほら、まずは目を閉じてシャバの空気でも吸ってちゃんと目を覚ましな。その後目をちゃんと開いて、目の前に立ってる……お前さんの大切な後輩に言うべきことがあるだろ?」

 

 そう言って、銀時は包帯の巻かれた大きな手で、ホシノの肩をぽんと優しく叩いた。

 その言葉に促されるように、ホシノは一度、砂の匂いの混じるアビドスの空気を胸いっぱいに深く吸い込んだ。そしてゆっくりと瞼を開く。

 

 眩しい太陽の光に満ちた世界の中心。硝煙の向こうで待ち焦がれていたのは、戦火を潜り抜け、ここまで自らの足で辿り着いた、見慣れたアビドス対策委員会の仲間たちの姿だった。

 シロコは愛銃を握りしめたまま、普段の冷徹な仮面をどこかへ置き忘れたように、その両目から止めどなく涙を溢れさせていた。

 セリカは「馬鹿先輩」とでも怒鳴り散らしたいのを必死に堪えるように、ぐっと口元を両手で強く押さえ、肩を激しく震わせている。

 ノノミはいつも通りの優しい笑顔を崩さないよう努めながらも、大きな瞳から大粒の涙をこぼし、溢れ出る嗚咽を懸命に喉の奥で抑え込もうとしていた。

 そして、いつもは部室でみんなを支えていたアヤネも、泥だらけの端末を胸に抱きしめたまま、その場に立ち尽くしていた。眼鏡の奥の瞳をいっぱいの涙で滲ませながら、泣きじゃくるのを止められず、何度も何度も腕で涙を拭いながら先輩の無事な姿を見つめている。

 誰一人として、彼女を責める者などいなかった。ただ、もう二度と戻らないかもしれないと怯えていたアビドスの日常が、今確かに目の前に全員の力で帰ってきたことに、その場にいる4人が魂を震わせている。

 

 そんながむしゃらで、愛おしくて、最高に生意気な後輩たちの姿。

 

 それを見た瞬間、ホシノのオッドアイにも、堰を切ったように再び温かい涙がじんわりと浮かび上がってきた。

 ユメ先輩が遺してくれた、自分が命を懸けてでも守りたかった、世界で一番大切な私の居場所。

 ホシノは涙で滲む視界の向こうの後輩たちへ向けて、心からの愛おしさを込めて、ふにゃりと優しく、いつものように微笑んだ。

 

「──── ただいま、みんな」

 

 ──────────

 

「……てさあ、大団円だったわけじゃん」

 

「そうだね〜」

 

「カイザー理事はあのあと指名手配されたり大人の裏事情で会社から追放されたりしたわけじゃん」

 

「うん」

 

「借金とか、土地の権利とかまだ問題はあるけどまあ負担は軽くなったわけじゃん」

 

「まあ、そうね。連邦生徒会もようやく重い腰を上げてくれたみたいだし」

 

「柴関ラーメンも屋台で再出発したし、便利屋もどっかで元気にやってるみたいだし」

 

「ふふ☆ たまに顔を出したり、出しに来てくれたりしたら嬉しいですね☆」

 

「まあ、まだまだ色々あるとは思うよ? 思うけど……思うけどさあ……」

 

「……? 思うけど、どうしたんですか?」

 

「……なんで俺、いまだに包帯まみれなの?」

 

 白一色の殺風景な保健室。窓から差し込むアビドスの日差しはいつも通り無慈悲に眩しく、ベッドのスプリングは相変わらずギシギシと頼りない音を立てていた。

 その中央で、文字通り頭のてっぺんから足の先まで白い包帯をこれでもかとぐるぐる巻きにされ、完全に「ミイラの出来損ない」と化した坂田銀時が、唯一露出している死んだ魚の目を盛大に泳がせながら寝たきりでボヤいていた。

 彼のベッドを囲むようにしてパイプ椅子に腰かけているのは、いつものアビドス対策委員会の面々だ。ホシノはサイドテーブルに置かれたカゴから器用にミカンを剥きながら、シロコは愛銃のメンテナンスを淡々と進めながら、セリカとノノミ、そしてアヤネもお土産の菓子袋を抱えて、まるで我が家のリビングにいるかのようにくつろいでいる。

 

「いや、おかしいだろ! 普通こういうシリアス長編のラストってのはよォ! 満身創痍の主人公が夕日に向かってちょっと格好いい背中見せて、それを見つめるヒロインが『フフ、お節介な人……』とか何とか言って綺麗に幕が閉じるモンでしょーが! なんで俺は戦いが終わって一週間も経つのに、未だに古代遺物みたいなビジュアルで身動き一つ取れねーわけ? 完全に大団円のナレーションの裏で一人だけリアルな重労働のツケ払わされてるんだけど!?」

 

「うへへ〜、まあそう言わないでって先生。ゲヘナが出してくれた医療班の人たちも言ってたよ? 『ヘイローもない生身の身体で、赤熱した鉄を素手で掴んで、巨大ロボットの質量を片手で受け流して、傷だらけの体のまま戦場を駆け回るなんて正気の沙汰じゃない。今こうして生きて喋れてること自体がキヴォトスの七不思議に追加されるレベルです』ってさ〜」

 

「不思議でも何でもねーよ!! 炭水化物と糖分をちょっと多めに摂取してるだけのただの健康的な成人男性!! 治癒能力がちょっと早いタイプのただの繊細なアラサー男子だよ!!」

 

 起き上がろうとした銀時だったが、体中に走る激痛に「ぶふぉっ!?」と変な声を上げて再びベッドへと沈み込んだ。

 

「ん。先生、大人しくして。まだ骨、ちゃんとくっついてないから」

 

 シロコが表情一つ変えずに、ボルトをカチャリと引いて銃の作動音を響かせる。その無言のプレッシャーに、銀時は「お前その完全にロックオンしてる銃口をこっちに向けるのやめてくんね!? 先生のガラスのハートに新たな風穴が空いちゃうから!!」と叫んだ。

 

「まったく、自業自得よ。あれだけ寝てろって言ったのに、包帯引きちぎってゲヘナにまで殴り込みに行くんだから……」

 

「へ〜、私のために傷だらけの体引きずってゲヘナに直談判しに行ってたんだ〜? おじさん嬉しいなあ……」

 

「そっちの方向で煽るのやめてくれる!?」

 

 相変わらずの騒がしいやり取りが、狭い病室の中に木霊する。

 アヤネは手元の端末で銀時の最新のバイタルデータを確認しながら、呆れたように、けれどどこか嬉しそうなため息をついて眼鏡の位置を直した。

 

「でも、本当に良かったです。ホシノ先輩を助けた直後に先生が倒れた時はどうなるかと思いましたが……こうしてまた元通りになってくれて……」

 

「戻ってねーよ!! 完全に弱体化してんの、キョンシーみてえな歩き方しかできねーの!!糖分切れてイライラしてんの!!おいノノミ、頼むから早くそのミカンを俺の口に放り込め! 糖分だ! 糖分をダイレクトに補給させてくれ頼むから!!」

 

「はーい☆ じゃあ、特大のやつをあーんです♪」

 

「待ちなさいよノノミ! なんで甘やかしてんのよ! このバカ先生には柴関ラーメンのネギの青い部分だけで十分よ!!」

 

 奪還作戦のあの張り詰めた硝煙の臭いは、もうどこにもない。

 目の前で、他愛のないことで言い争い、笑い合っている少女たちの姿を眺めながら、銀時は包帯に包まれた顔の奥で、小さく、本当に小さく口元を緩めた。

 大人の汚い都合に踏み荒らされ、砂に埋もれかけていた彼女たちの日常。それを、泥臭く、不器用にしがみついて守り抜いた少女たち。

 全身の骨が軋むようなこの激痛も、少女たちのこの騒がしい笑顔を見るためだと思えば、まあ、悪くはないか、と。窓の外の広い青空とどこまでも続く砂漠を眺めていた。

 

 ──────────

 

「ん。じゃあ私たち、部室の片付けに行ってくるね」

 

 シロコがそう告げると共に立ち上がった。その言葉を合図に、パイプ椅子に腰かけていたセリカ、ノノミ、アヤネの三人も、それぞれ荷物をまとめて腰を浮かせる。

 

「あん時の片付けか。お前らのことだからもう終わらせてると思ったけど」

 

 銀時はベッドの背もたれに体を預けたまま、唯一露出している死んだ魚の目をのぞかせて気だるげに言った。カイザーPMCとの激戦から数日。アビドス高等学校の敷地内には、まだあちこちに戦闘の爪痕が残されているはずだった。

 

「終わらせられなかった原因、先生なんだけどー? ずーっと眠ってたんだもの、おちおち片付け出来るわけないじゃない!」

 

 セリカがふくれっ面をして、ぷいっと顔を背けながらトゲのある、けれどあからさまに安堵の混じった声で怒鳴る。

 

「そーですよ〜、みんな先生のこと心配してたんです☆……目を覚ました先生に一番に会いたかったんですよ、みーんな」

 

 ノノミはいつも通りの優しい笑みを浮かべ、少しだけいたずらっぽく小首を傾げた。その大きな瞳には銀時が目を覚ますまで浮かばせていた涙の名残がまだ微かに光っている。

 

「あはは、……そのくらいに先生という存在が大きくなっちゃったんですね、私たちって」

 

 アヤネは手元のクリップボードを胸に抱きしめ、眼鏡の奥の目を細めてしみじみと呟いた。

 誰一人として、銀時が目を覚ますまでは落ち着いて手など動かせなかったのだ。彼がこうしていつも通りにへらず口を叩いているのを見て、ようやく少女たちは次の日常へと歩き出せる。

 

「へいへい、そーゆーことにしときますよ……動けるようになったら俺も手伝いに行くから。あんま無理して動くんじゃねーぞ。休む時はしっかり休むのも大切なんだからな」

 

「「「「はーい!」」」」

 

 四人の元気な返声が狭い病室に木霊する。シロコを先頭に、セリカたちが名残惜しそうに何度も振り返りながらドアの向こうへと消えていく。パタパタと小走りの足音が廊下に遠ざかり、部屋には一気に静寂が戻ってきた。

 

 ──だが、一人だけ、その場から動かない気配があった。

 

「……んで、お前は行かねーの?」

 

 銀時が視線だけで部屋の隅のパイプ椅子の方へと向くとそこに腰かけたまま、上体をだらしなく前に投げ出していたホシノがうへへと気の抜けた笑みを浮かべた。

 

「んー? おじさんは今日の先生の見張り役だからね〜。先生、こういう時って勝手に抜け出しちゃいそうなんだもの」

 

「こんな体で抜け出せるわけねーでしょーがよ……テレビとかねーの、テレビ。夜中退屈なんだけど」

 

「そんなものウチの備品にあるわけないでしょ?」

 

 ホシノはあきれたように肩をすくめてみせる。アビドスの財政状況で、テレビを置く余裕などあるはずもなかった。

 

「ちっ、シケてやがら」

 

 銀時はあからさまに舌打ちをすると、「いててて……」と大袈裟に身を捩りながら、骨の軋む身体をごそごそと動かしてホシノに背を向けるように寝返りを打った。白い包帯に覆われた大きな背中。

 その無骨な背中を見つめながら、ホシノはふっと悪戯っぽい笑みを消し、ぽそ、と静かな声を紡いだ。

 

「……代わりに私が話し相手になるから。それじゃだめ?」

 

「……お前、寝太郎じゃねーか。ちゃんと起きてられんのかよ?」

 

 銀時は顔だけを少しだけ振り返らせ、怪訝そうに目を細める。

 

「ふふ、じゃあ今から寝溜めしとかないとねえ」

 

「結局は寝るしか選択肢ねえじゃねーか!」

 

 噛み合わない応酬。けれど、そのやり取りがたまらなく愛おしいと、ホシノの胸の奥が温かくなる。

 

「あはは、……ね、先生」

 

「……んだよ」

 

 銀時は再び背を向け、気だるげに声を応じた。

 夕日が窓から差し込み、ベッドの上の銀時と、パイプ椅子のホシノの影を長く赤く染め上げていく。静まり返った空気の中で、ホシノはそっとベッドのすぐ傍へと歩み寄った。

 

「……助けに来てくれて、ありがとね」

 

「……ああ」

 

「私ね、あの手紙に書いたけど。大人は嫌いだったんだ。綺麗事ばかり言って嘘ばかりつくし、都合が悪くなったらすぐ逃げるし、誰も本当に助けてはくれないし……。けど、先生は違った。何があっても私達を助けてくれた。ヘイローがない体で、私たちなんかよりもずっと脆い体なのに、血まみれになりながら助けに来てくれた」

 

 ホシノの声が、次第に小さく、震えるように落ちていく。

 彼女の脳裏に浮かぶのは、あの暗いバンカーの扉を物理的にぶち破って現れた、白銀の髪の彼。そして──二度と戻らない、過去の記憶。

 

「……本当に。もっと早くに先生と会いたかったなあ。そうすれば、もっと……」

 

 もっと早く出会っていれば。あの人が、ユメ先輩がまだ生きていたあの頃に、この大人がアビドスにいてくれたなら。そしたら、あんな悲しい別れも、自分が独りで背負い込むようなあの日々も、すべて違う結末になっていたのかもしれない。

 叶うはずのない、けれどどうしても消せない悔恨の想像。ホシノは少しずつ顔を俯かせ、自らの小さな手をぎゅっと握りしめた。

 

「もっと、みんなで……? 先生……?」

 

 不意に、視界が遮られた。

 自分の頭の上に、ぽん、と大きな、けれど軽い衝撃が降ってくる。

 見上げれば、いつの間にか仰向けに戻っていた銀時が、包帯だらけの手を伸ばし、ホシノの柔らかいピンク色の髪を壊れ物を扱うかのように優しく撫でていた。

 

「……お前はさ、まだ大切なもんはあるだろ。だったら今目の前にある大切なもんのために頑張らねーと勿体ねえぞ。戻れねえ過去を悔やんだって仕方ねえんだから」

 

「先生……」

 

 ホシノは息を呑み、撫でられるがままにオッドアイの目を大きく見開いた。

 それを言う銀時の目には、いつもの気力のない死んだ魚のような光はなかった。酷くまっすぐにホシノを見つめるその瞳は、どこかすごく寂しそうで──そして、目の前の少女たちが持っている「未来」を眩しそうに羨むような色を秘めていた。

 大切なものを失ってきた男だからこそ言える、魂の底からの言葉。

 

「……俺ぁお前らが眩しくて仕方ねえよ。おちおち寝てられねえくらいにな。だから……お前らはそーやってギラギラし続けてりゃいい。曇りそうな時はいつだって俺に頼れ」

 

 銀時はふっと目元を和らげると、撫でていた手を離し、いつもの気だるげな表情に戻ってベッドの枕に頭を沈めた。

 

「甘えられる時に甘えとけ。それが生徒と先生の関係ってもんさ」

 

「……甘えられる時に甘えとけ、かあ」

 

 ホシノはその言葉を反芻するように、小さく口の中で呟いた。

 胸の奥が、ドクンと大きく脈打つ。頭の上に残る大きな手のひらの残熱が、じわじわと全身に染み渡り、顔が熱くなっていくのがわかる。

 

 大人は嫌いだった。でも、この人は──。

 

 ホシノはじっと銀時を見つめた。いつもの「おじさん」の仮面が、部屋の静寂と彼の言葉によって、完全に剥ぎ取られていく。

 彼女はパイプ椅子からゆっくりと立ち上がると、吸い寄せられるようにベッドの縁へと一歩踏み出した。そして戸惑う銀時の胸元へと、ゆっくりと自らの小さな顔を埋めた。

 

「お、おい?」

 

 不意に胸元に飛び込んできた柔らかい重みと、甘い少女の匂いに、銀時は流石に慌てて声を上げる。

 だが、ホシノは銀時の胸の包帯に顔を押し付けたまま、彼の裾をきゅっと強く握りしめた。衣服越しに伝わってくる大人の確かな鼓動と体温が、彼女の焦れったいほどの鼓動をさらに加速させる。

 

「……甘えろって言ったのは先生なんだからね〜、ちゃーんと甘えさせてもらうことにするよぅ。うへへ」

 

 くぐもった声で、照れ隠しのようにいつもの口調を真似てみせるホシノ。けれど、銀時の胸に押し当てられた彼女の耳の裏は真っ赤に染まっていた。頭上のヘイローが、彼女の制御しきれない激しいときめきを証明するように、ドクドクと、波打つように激しく明滅している。

 銀時は突き放すこともできず、ただ胸元の小さな頭を見つめ、あきれたように、息を漏らした。

 

「……ったく、仕方ねえ奴」

 

 観念したように、銀時はもう一度包帯だらけの手を伸ばし、自分の胸元で小さくなっている少女の背中を、そっと優しく叩いた。

 窓の外、アビドスの広大な夜空がゆっくりと幕を下ろしていく中、少女の胸に灯った新しい暖かな光を、静寂が静かに包み込んでいた。

 

──────────

 

「……ふう」

 

 誰もいないシャーレのオフィスに、重苦しくもどこか気の抜けた吐息が静かに落ちた。

 

 アビドスでの激闘の日々が幕を閉じ、傷の治療もようやく一段落した頃。シャーレに戻った銀時の目の前のデスクには、連邦生徒会から送りつけられた「事後報告書」やら「予算申請書」やら、山積みとなった依頼の書類がこれでもかとそびえ立っていた。

 もちろん、そんな文字だらけの束を大人しく処理するような男ではない。銀時は盛大に現実逃避を決め込むように、お気に入りの事務用回転椅子ごとデスクから思い切り背を向け、窓の外に広がるキヴォトスのどこまでも青い空をぼんやりと眺めていた。

 手元に置かれたタブレット端末の淡いブルーの輝きが、彼のトレードマークである、あのやる気のない「死んだ魚の目」を虚しく反射している。

 

『どうしたんですか、先生。アビドスからシャーレに帰ってからため息ばかりじゃないですか』

 

 端末の画面の向こう、電子の海のフチからひょっこりと顔を出したのは、シャーレのメインOSである少女・アロナだった。彼女は半ば呆れたように、半ば心配そうに小さな眉を下げると、画面を内側からトントンと小気味よく叩いてみせる。

 

「……なあに、先生ってのはこんなに大変なものなのかって思ってさ」 

 

 銀時は白い波模様の着流しの懐に深く片手を突っ込んだまま、気だるげに声を絞り出した。

 柄にもなく子供たちの未来を、日常をその背に背負うという重圧。あの砂漠の学校で、生徒たちのために身体を張って動いた時間は、確かに万事屋としてもこの世界の「先生」としても、決して浅くない足跡を刻んでいた。

 

「今思うと尚更先生ってのはすげー奴らなんだな、って思うわ、ホント」

 

『……先生って、先生というものになにか……特別な感情を抱いていたりしてるんですか? その……時折。本当に空っぽ、というか。そういう目をするように見えるんです』

 

 アロナのその純粋な問いかけに、銀時の動きがふと止まった。

 視線の先にある空が、一瞬だけ遠い別の記憶の空へとすり替わる。

 

 銀時の脳裏に浮かぶのは、あの人の背中だ。

 

 幼い自分に、壊れることのない本物の刀を笑顔で投げ渡してくれた背中。

 死体から握り飯を剥ぎ取りながら生きていた、そんな薄汚れた自分をその大きな背中に背負って温もりをくれた背中。

 松下村塾の多くの塾生たちと共に、その大きな足跡をただ必死に追いかけた背中。

 そしてある日突然、奈落によって連れ去られてゆく二度と届かなくなったあの後ろ姿。そして……

 かつて自分が「先生」と呼び、その背中にすべてを預けていた一人の男の幻影が、胸の奥をチクリと刺す。

 

「……どーだかね」

 

 銀時は自嘲気味に小さく呟くと、懐から出した手で、はぐらかすように自分の白髪をガシガシと手荒に掻きむしった。

 

『……まあでも。普段から空っぽな目をしてますけどね!』

 

「どーゆー意味だコラ。いまちょっと良い感じの、全年齢対象のシリアスな空気漂ってたろーが。なんで最後に一言余計なディス挟んだ? おいこら、そのデジタルなツラをこっちに貸しやがれ」

 

『ふにゃぁぁぁ!! 画面ぐりぐりするのやめてくださいってー!! アロナの顔がポリゴンごと歪んじゃいますー!!』

 

「……ったく」

 

 画面の向こうでじたばたと暴れるアロナに呆れつつ、銀時は端末を突っつく指を止めた。おかげで、胸の奥に燻りかけていた柄にもない感傷は綺麗さっぱり霧散した。

 

『うーっ……酷い目に遭いました……あれ、先生。何かメールが届きましたよ。それも9通! ……これって……』

 

 アロナが涙目をこすりながら、メインモニターを指差す。

 次の瞬間、誰もいない静かなオフィスに、ポン、ポン、ポンと軽快なシステム通知音が連続して鳴り響いた。暗い部屋のメインモニターに、ずらりと並んで表示される同一タイトルのウィンドウ。

 

【連邦捜査部シャーレ 入部申請書】

 

「あァ?」

 

 銀時はめんどくさそうに上体を起こし、画面をスクロールしていく。

 

 ・小鳥遊ホシノ

 ・ 砂狼シロコ

 ・ 黒見セリカ

 ・十六夜ノノミ

 ・奥空アヤネ

 ・陸八魔アル

 ・浅黄ムツキ

 ・鬼方カヨコ

 ・伊草ハルカ

 

 そこには、アビドス対策委員会の5人の名前の他に、何故かゲヘナの無法者であるはずの「便利屋68」の4人の名前もしっかりと記されていた。特にアルの申請書には「アウトローの王道を歩むため、まずはシャーレを裏から支配する(※ただし写真の顔は緊張でガチガチ)」などと、相変わらずな内容が書かれている。

 

「……けっ、アイツらめ」

 

 口ではそう悪態をつきながらも、銀時の口元は自然と緩んでいた。彼は迷うことなく、マウスを握って画面の「一括承認」のチェックマークを入れて決定のボタンをクリックした。画面のステータスがすべて『承認完了』へと切り替わる。

 と、その承認作業が終わるのとほぼ同時に。

 

 ──ぴんぽーん。

 

 静かなオフィスに、間抜けた呼び鈴の音が響き渡った。

 

「おいおい、続けざまになんだよ。新聞ならいらねーぞ、うちはジャンプしか読まねーんだよ」

 

 銀時はよっこらしょと重い腰を上げ、シャーレの入り口へと向かう。扉を開けるとそこには誰もおらず、ただ床の上にぽつんと、妙に大きな段ボール箱が一つ残されていた。

 伝票に目を落とし、銀時は意外そうな声を漏らす。

 

「んだよ、アビドスの奴らからじゃねーか。こんなでけーもん一体なんだ……」

 

 荷物をオフィスの中へと運び込み、ガムテープをバリバリと豪快に剥がしていく。そして箱の中から現れたそれを見た瞬間、銀時は言葉を失った。

 

「……これは……」

 

 箱の中から現れたのは、ずっしりとした重みのある、一枚の立派な木製の看板だった。

 表面には、少し不器用ながらも力強い達筆な墨文字で、【万事屋銀ちゃん シャーレ支店】と深く彫られている。今シャーレの入り口に適当に掲げられている、銀時が油性ペンで殴り書きした段ボールの看板よりも、幾分かは……いや、比べ物にならないほど見た目のいいものだ。

 

 さらに箱の底を探ると、一枚の折れ曲がった写真が同封されていた。

 写っていたのは、復興に向けて少しだけ綺麗になったアビドス対策委員会の部室の前での、5人の集合写真。

 シロコは彼女らしく、少し大人しそうなはにかんだ笑みでVサインを作っている。アヤネはカメラのセルフタイマーの準備でも急いでいたのか、セリカの背中に少しだけ後ろから飛び込むような格好になっており、当のセリカは「にしし」と、まるで悪戯が大成功した子供のように悪ガキっぽく笑う表情を見せていた。ノノミは変わらず、周囲の空気をパッと明るくするようなキラキラとした大輪の笑みを浮かべている。

 

 そして、その中心にいるホシノは──。

 

 初めて出会ったあの頃に宿していた、どこか冷たくて、すべてを諦めたような「曇り」を感じていた笑みなんてものは、もうどこにもなかった。ただただ、澄み切ったアビドスの青空のように、どこまでも晴れやかで、年相応な少女の笑顔がそこにはあった。

 そして写真の背景、彼女たちが立っている部室の扉の前には、もう一つの小さな手作りの木製看板が、誇らしげに掲げられているのが見えた。

 

【万事屋銀ちゃん アビドス出張所】

 

「……勝手に暖簾分けしやがって。ロイヤリティ請求するぞ、バカ娘ども」

 

 写真を見つめながら、銀時は「くす」と静かに笑った。

 あの大嫌いだったはずの「大人」を信頼し、自分の居場所をその足で守り抜いた少女たちの、これが彼女たちなりの最大の感謝の形なのだろう。

 銀時は写真をそっと着流しの懐、自らの心臓に一番近い場所へと大切にしまい込むと、届いたばかりの真新しい木製看板を抱え上げた。

 あの街とも勝るとも劣らない騒がしく、さらに厄介事で満ち溢れたキヴォトスでの日々。

 万事屋の看板とともに今度は「シャーレの先生」という、看板も一緒にその背に背負って。

 銀時は新しい看板を取り付けるために、工具をとりにオフィスの倉庫へと向かうのだった。

 

(アビドス編・完)




ここまで読んでくださりありがとうございました。
自分のやりたかったことを一つ、やり遂げた気分です。

そもそもブルーアーカイブと銀魂のクロスオーバーが欲しいと思ったのはアニメ銀魂の初代オープニングを聞いてからアニメブルーアーカイブを眺めたのがきっかけです。

思った以上に初代オープニングがブルーアーカイブの世界観にマッチしていて……そんな気持ちをジェミニたんに吐露しているうちにいつの間にやら執筆することに。

自分で文章を構成し、それをジェミニたんに校正してもらってから更に練り上げて……そんなことを繰り返して生まれたのが今回の作品となります。

これからもこの作品に励ましをいただけたら嬉しいです。

それでは次の章で会いましょう。

ではまた。


追記。時計仕掛けの花のパヴァーヌ:レトロチック浪漫篇、最終話まで書き溜め完了してます。
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