自分のイメージ的にはキヴォトスの大多数の少女達は銀魂でいう辰羅、ユニークキャラは夜兎、最強級は夜兎の上澄みくらいの強さのイメージです。
「──── 街の平和を守るため、美少女三人組の修行部……ここに参上!」
「参上ー……」
カエデの溌剌とした言葉に、どこかおっとりとした声でツバキが合わせる。
「えと、参上、です……」
ミモリも自動拳銃を構えたまま、少しだけ気恥ずかしそうに続いた。
「ふふーん! 完璧な登場演出! ね、ツバキ先輩!」
満足げに胸を張るカエデを中心に、わちゃわちゃと楽しそうに話し始める三人。そのあまりにもマイペースで緊迫感のないやり取りに、包囲していた魑魅一座だけでなく、背中を合わせたままの銀時とシズコも、完全に毒気を抜かれたような奇異の目を向けた。
「……何あいつら。戦隊ヒーローのパチモンか何か?」
銀時は木刀を肩に担ぎ直し、半ば呆れたようなジト目を向ける。
「言ったでしょう、変わり者だって……。あれが百鬼夜行の『修行部』です」
シズコは額の汗を拭いながら、どこか諦めの混じったトーンで応えた。
「……はっ! つい見惚れていたが、お前達は何者だ!?」
我に返った魑魅一座の少女が、武器を向け直して鋭く声を荒らげる。
「私たちは素敵なレディーになるために日々修行を続ける『修行部』!」
カエデは二連式信号拳銃を誇らしげに掲げて言い放つが、その隣でツバキが大きな盾に身を預けながら、眠たげに目をこすった。
「それが目的なのはカエデだけでしょ? 私はそんな修行してないし……静かに寝られればそれで。ふあ……ここで寝ていい?」
「魑魅一座と対峙しながらも全く動じないツバキ先輩、かっこいい……! ああ、でもここで寝ちゃダメ! 敵の真っ只中ですから!」
「あはは……でも、何か目標があるのはとてもいいことだと思いますよ」
ミモリは自動拳銃を上品に構え直しながら、お淑やかな笑みを浮かべてフォローを入れる。
「そうだよミモリ先輩! 素敵なレディーになるための修行ついでに、街の平和も守らなきゃ! ということで、あたしたち修行部の出番だよ!」
カエデが再び元気に宣言すると、銀時はやれやれと首を振りつつも、口元に不敵な笑みを浮かべた。
「……ま、取り敢えずは加勢してくれるみてえだな。ちょうど猫の手も借りてえとこだったし、助かったぜ」
「そ、それは確かに……! 修行部のみんな、援護お願い!」
シズコがここぞとばかりに声を張り上げると、三人娘は同時に、息ぴったりに返事をした。
「「「はーい!」」」
その返事と同時に、修行部の三人がそれぞれの「修行」の成果を見せつけるように一斉に動き出す。
「それじゃあ、まずはあたしから! 特製の信号弾で、どっかーん、ですよ!」
カエデが二連式信号拳銃を魑魅一座のド真ん中へと向けて引き金を引く。放たれた弾丸は空中できらびやかな大輪の光を放ち、激しい爆発音とともに敵の視界を真っ白に染め上げた。
「うわっ!? 目が、目がぁ!?」
「ま、眩しすぎるっす! 前が見えないっす!」
「今です!ツバキ先輩、ミモリ先輩、やっちゃって!」
カエデが拳を握りしめて叫ぶと、それまで眠たげにしていたツバキの目が、一瞬だけ鋭く据わった。
「……ん、じゃあ、ちょっとだけ。とおっ」
ツバキが大きな盾を構えたまま、そのおっとりした声からは想像もつかない速度で前方へと突進する。目潰しを食らってうろたえる魑魅一座の集団に、その巨大な盾を文字通り正面から叩きつけた。
──ドバァァンッ!!!
「ぎゃあーーーっ!?」
数人の天狗面がまとめて派手に吹き飛び、後ろの連中を巻き込んで地面に転がる。すかさずツバキはその巨躯の盾の陰からサブマシンガンを突き出し、周囲を牽制するように正確な弾幕をバラ撒いた。
「大和撫子たるもの、常に周囲への気配りを忘れてはなりません、です」
その後方から、ミモリが和傘を優雅に肩にかけ、もう片方の手で自動拳銃を構えて進み出る。彼女の放つ銃弾は、ツバキの盾を回り込もうとする魑魅一座の足元や武器を的確に撃ち抜き、その進軍を完全に阻害していく。流れるような無駄のない動きは、まさに日々の修行の賜物と言えた。
まさに一糸乱れぬ完璧な連携。それまで二人を苦しめていた圧倒的な物量作戦が、修行部の乱入によって完全に分断されていた。
「おいおい、変わり者っつーからどんなもんかと思えば……あの寝ぼすけ娘も、後ろのお淑やか着物娘も、なかなかにエグい腕前じゃねーか」
銀時はその隙に大きく息を整え、木刀を右手にぶら下げてニヤリと笑う。
「ふぅ……! ええ、個性はともかく実力だけは本物です! これなら一気に押し返せます!」
シズコもまた、散弾銃を構え直して前進する。体力が回復した二人の参戦により、戦況は一気にひっくり返った。
「背中は任せましたよ、先生!」
「おぅ、あの三人組にいいとこ全部持ってかれんのも癪だしな。銀さん本気出しちゃおっかね!」
銀時が地を傷つけるような低姿勢から一気に突撃し、ツバキの盾で怯んだ魑魅一座の側面へと木刀を叩き込むと天狗面の少女たちが次々と昏倒していく。その銀時の背後から隙を狙って迫る残党は、シズコの散弾銃が火を噴き、確実に砂利道へと転がしていった。
「な、何なんすかあいつら……! 急に手強くなりすぎっす!!」
「ひえぇぇ、もう囲みきれないよぉ! 応援はまだ来ないの!?」
先ほどまで勝ち誇っていた魑魅一座の声が、今や完全な悲鳴へと変わっていく。カエデが「街の平和を守る素敵なレディー!」と叫びながら、さらに広範囲に弾幕を展開し、ミモリの銃撃が逃げ遅れた敵の武器をピンポイントで弾き飛ばす。
倒してもきりがなかったはずの敵の群れが、五人の圧倒的な戦闘力の前に見る見るうちに数を減らし、その堅固だった包囲網は、今や完全に瓦解へと向かっていた。
これなら一網打尽にできる──誰もがそう確信した、まさにその時だった。
「イズナ流忍法、四方八方モクモクの術!」
場違いなほどに元気で、どこかあどけなさの残る声が突如として響き渡る。
直後、五人と魑魅一座が入り乱れていた路上へ、容赦なく大量の白煙が急速に広がり始めた。視界を遮るその密度の濃い煙は、一瞬にして周囲の景色を白一色に染め上げていく。
「ば、爆発!?」
シズコが急激に視界を奪われ、警戒を露わにしながら叫んだ。
「こほっ、こほっ……! な、何これ!? 前が、前が全然見えない!」
カエデが激しく咳き込みながら、慌てて二連式信号拳銃の手元を引き寄せる。
「……あれ、先生は?」
ツバキが煙の向こうに目を凝らしながら、いつもより少しだけ焦りを含んだ声を漏らした。それまで自分たちのすぐ近くで木刀を振るっていたはずの、あの銀髪の男の気配が不自然に消えている。
「せ、先生……!? どこですか!? 返事をしてください!」
ミモリも上品な物腰を崩し、自動拳銃を構えたまま、白煙の奥へと必死に視線を巡らせた。
──────────
一方、銀時は何者かに手首を掴まれたまま、先ほどの混沌とした場所から少し離れた路地へと猛スピードで連れて行かれていた。
最初は、あの小柄なカエデあたりが自分を引っ張って避難させているのかと思っていたが、周囲から急激に薄れていく煙の向こうから現れたその姿に、銀時は驚きを隠せずに目を細める。大きく動く獣耳と、ふさふさとした狐の尻尾。
「……誰かと思ったら、お前か。イズナ」
「イズナ、予告通りに参上致しました!」
彼女はぱっ、と銀時の手首を離すと、口元を覆っていたスカーフをきゅっと外した。その特徴的な大きくて丸い瞳に、いつもの屈託のない、それでいて強い決意を秘めた可愛らしい笑顔を浮かべた。
「イズナ、あの後たくさんたくさん考えました! たとえ先生が、私の『キヴォトスで一番の忍者になる』っていう夢を認めてくれたかっこいい大人だとしても! 今、雇い主や魑魅一座の皆さんを邪魔する側に先生が立っている以上、私は忍びとして、先生を倒さなければならない、と!」
「いや、だからお前さ────」
銀時が説得しようと手を振るが、イズナの熱い言葉は止まらない。
「それこそがイズナの歩む忍びの道、忍者としての宿命だと!」
「ったく、思いたったら真っ直ぐ突っ走るタイプかよ。真っ直ぐ過ぎんのも考えものだっての……。少しはカーブとか曲がり角とか、人生の妥協ってやつを覚えろよな、お前は……」
銀時はやれやれと首を振りながらも木刀をゆっくり握り直した。
「それがイズナが選んだ道です! ……お覚悟を、先生。あなたをここで打ち倒し、目を覚まさせてあげますから!」
イズナはシュタッと身を屈め、小柄な身体から信じられないほどの闘気を放つ。その瞳には、かつて銀時が見てきた、己の信念を曲げない真っ直ぐな奴らと同じ光が宿っていた。
「……はん、そんな濁りねえ真っ直ぐな目を向けられちゃ、こっちも言い訳並べるわけにはいかねえじゃねーか……来いよ、お説教の時間だぜコノヤロー」
銀時が木刀を不敵に構えた、その次の瞬間。
──キィィィンッ!!!
地を蹴ったイズナが疾風のごとき速度で肉薄し、その手にした鋭いクナイが、銀時が瞬時に振り下ろした木刀の側面と真っ向からぶつかり合った。
激しい火花が二人の間で散り、金属と硬質な木が軋む甲高い音が、静かな路地に鋭く響き渡る。イズナの小柄な身体からは想像もつかないほどの重い一撃を、銀時はどこか嬉しそうな顔でガッチリと受け止めていた。
「やああああっ!」
イズナは気合の咆哮とともに、クナイに込めた力を一気に爆発させて銀時の木刀を押し返した。その小柄な体躯をバネのようにしならせ、バックステップと同時にくるりと空中で鮮やかに一回転。ひらりと着地すると同時に、懐から無数のクナイを瞬時に取り出し、流れるような動作で投擲した。
──シュシュシュシュッ!!!
鋭い風切り音を立てて迫る鋼の刃に対し、銀時は顔色一つ変えず、手首のスナップだけで木刀を高速回転させた。
──カカカカンッ!!!
精密にコントロールされた木刀の面が、迫る手裏剣をことごとく叩き落とし、火花とともに路地の地面へと弾き飛ばしていく。だが、イズナの攻撃はそれで終わりではなかった。クナイの影に身を潜めるようにして、すでに彼女は銀時の懐へと肉薄していたのだ。
「お覚悟ですっ!」
低く鋭い姿勢から、銀時の死角である脇腹を狙ってクナイが突き出される。銀時は最小限の動きで上体をひねってそれをかわすが、イズナは即座に手首を返し、今度は喉元を狙った逆一文字の斬撃へと繋げた。
「おっとォ! 容赦ねえな、おい!」
銀時はのけぞるようにして間一髪で刃を避けると、そのまま地面に片手をついて体を反転させ、鋭い蹴りを放ってイズナを突き放す。イズナはそれをクナイの腹で受け止め、ズササッと砂利を鳴らしながら後方へと下がった。
圧倒的な体格差と経験の差。しかし、イズナの顔に絶望の色は一切なく、むしろその目はキラキラと輝いている。
銀時は木刀を肩に担ぎ直しながら、イズナの腰元で揺れるもう一つの武器──彼女の愛用する機関短銃へと視線を向けた。キヴォトスの生徒であれば、誰もが当たり前のように火器をぶっ放してくる。この圧倒的な近接戦闘の中で、あえてそれを使おうとしない少女に、銀時はふと疑問を口にする。
「……なぁ、お前。その腰にぶら下げてる銃は使わねえのか? 遠慮なくタマぶち込んできてもいいんだぜ?」
その問いかけに、イズナはクナイを両手できゅっと握り直すと、大きな獣耳とふさふさの尻尾を嬉しそうに大きく左右に揺らし、満面の笑みを浮かべて答えた。
「はい! 銃を使うのも忍びの戦術ですが……先生とは、正々堂々と戦いたいので! イズナの憧れる、古き良き忍びの技だけで、全力でお相手したいんです!」
「正々堂々、ねぇ……忍者のくせに真っ直ぐっつーか、素直っつーか……」
銀時は呆れたようにため息をつきつつも、その口元はどこか満足げに吊り上がっていた。
「上等だ。だったらこっちもトコトン付き合ってやらぁ!」
銀時が地面を踏み荒らし、凄まじい踏み込みで一気に間合いを詰める。今度は手加減抜きの連撃。上段、中段、逆袈裟と、目にも留まらぬ速さで繰り出される木刀の風切り音が路地を支配する。
──ギ、ギギギギガキィィンッ!!!
激しい金属音が連続して響き渡る。イズナは残像を残すほどの身のこなしで打撃を防ぎ、あるいはかわしていく。銀時の一撃が路地の壁をかすめるたびに、硬いコンクリートが削れて火花と粉塵が舞い散る。
「わわっ、やっぱり先生は凄いです! 重くて、速くて、まるで見えない壁と戦っているみたいです!」
「褒めても何も出ねえぞ! ほらほら、よそ見してっと天狗の面の連中みたいに気絶させちまうからな!」
銀時の鋭い突きがイズナの肩口をかすめる。イズナは咄嗟に身を翻し、壁を蹴って空中へと飛び上がった。
「イズナ流忍法、ツバメ返しの術!」
空中からの容赦ない連続突き。重力と速度を乗せたクナイの猛攻を、銀時は一歩も退かずに木刀で全て叩き落としていく。火花が飛び散るたびに、二人の影が夕暮れ前の路地で激しく交錯し、一進一退の攻防がどこまでも続いていった。
空中から着地したイズナは、弾む呼吸を整える間もなく、さらに息をもつかせぬ猛攻を仕掛けようと身を低くした。
「まだまだ、イズナの忍びの技はここからですよぉっ!」
ふさふさの尻尾を勢いよく跳ね上げ、左右にジグザグにステップを踏みながら幻惑するように肉薄する。右、左、そして頭上──目まぐるしく変化するイズナの軌道に対し、銀時はあえてその場から動かず、襲い来るクナイの猛撃を最小限の動きで受け流していく。
──カガガガンッ!!!
路地の狭い空間に、木と金属が激しくぶつかり合う音が断続的に木霊した。イズナは手首を返してクナイを逆手に持ち替え、銀時の懐へ滑り込みながらその喉元を狙う。だが、銀時はそれを見越していたかのように、木刀の柄頭でクナイの刃先をピタリと押さえ込んだ。
「くっ……!」
「いいスピードだけどよ、真っ直ぐすぎるって言ったろ?」
力が拮抗した一瞬、銀時がフッと不敵に目を細める。
直後、銀時は強引に力を込めてイズナの腕を押し上げると、空いた左手はするりと地面をなぞった。そのまま、二人の身体が激しく交錯する。
すれ違いざま、銀時の左手が目にも留まらぬ速さで一閃した。
──ドスッ!
背後で硬いコンクリートに何かが突き刺さる重い音が響く。着地したイズナは、そのまま反転して追撃を繰り出そうと、再び地を蹴って前へと飛び出そうとした。
──グイッ、!
「ふぇ……っ!?」
しかし、その小さな身体は突如として背後から不自然に引き留められ、後ろへとバランスを崩しかける。
慌てて振り返ると、彼女の首元に巻かれていたお気に入りのスカーフの端が、路地の壁へと完全に縫い付けられていた。
そこにあるのは、先ほど地面に突き刺さっていた彼女自身のクナイ。
激しい攻防の最中、銀時はイズナの動きを完全に予測し、寸分の狂いもなく彼女の動きを縛る形で壁にクナイを地面から拾い上げ、突き立てていた。刃はスカーフの端だけを正確に捉え、彼女の肌には傷一つ付けていない。
「え、あ、あれ……!? いつの間に──」
イズナが大きなお耳をパタパタと動かし、目を丸くして混乱した、まさにその刹那。
すうっ、と視界の端から滑り込んできた硬い木の質感が、彼女の白く細い首元へとそっと添えられた。
「……はい、終わり」
至近距離から響いたのは、いつもの気だるげな、けれどどこか優しさを孕んだ声。
銀時は木刀をピタリとイズナの喉元で止め、不敵な笑みを浮かべて彼女を見下ろしていた。
「う、うー……二度も負けてしまうなんて……前回以上に万全の準備をしてきたのに、それでも敵わないなんて……まだまだ修行が足りないんでしょうか……」
イズナは大きなお耳を限界までへにょりと寝かせ、ふさふさの尻尾も力なく地面に垂らして、しょぼん、と激しく落ち込んでしまう。
そんな彼女の姿を見ながら、銀時はふぅと息を吐いて木刀を腰へと戻した。そして壁に歩み寄ると、スカーフへと突き刺していたクナイを無造作に引き抜き、そっと彼女へと差し出す。
「ほらよ。……なあ、お前さ。キヴォトスで一番の忍者になるのが夢だっつってたのに、何であの……魑魅一座と一緒にいるんだ?」
首を傾げる銀時からクナイを受け取ると、イズナはスカーフのほこりを払いながら大真面目な顔で答えた。
「それは……忍者として、雇い主からそのように命令を受けてるからです!」
「雇い主?」
「はい! 邪魔者を倒し、任務を全うしなければなりません! 例えどんな任務でも、命令とあらば完璧に行うのが忍者というもの! そうしていればいつか、真の主君に……はっ!? なぜイズナは今このような秘密の話を!? もしかして、これも先生の巧みな誘導策略ですか!?」
ガタガタと大袈裟に震えながら、自身の口を手で覆うイズナ。
「いや、お前がベラベラお喋りしたんだろが。こちとら一言も誘導しちゃいねえよ、どんだけチョロいんだお前は」
「ううっ……! イズナは引き際をちゃんと知っている忍者なので、今回は一旦退きます……! ですが次に会った時こそ、覚悟してください! 必ずや先生を倒しますからね!」
「完全に三流悪党のセリフだぞそれ。だいたい捨て台詞吐いて逃げる忍者がどこにいるんだよ」
「い、イズナは三流悪党なんかじゃありません! 忍者ですからあ! 忍者はきちんと戦略的撤退をして、そのあと何度でも挑戦する、そういう粘り強い存在なのです!」
「いやそれもう完全にロケ○ト団ムーブだからな」
「と、とにかく! 今度は絶対負けませんから! ニンニン!!」
イズナは悔しそうに地を蹴ると、懐からパッと小さな丸い玉を取り出して地面に叩きつけた。
──ボフンッ!!!
激しい音とともに、その場に本日何度目か分からない白煙が立ち込める。銀時が手で煙を払った時には、すでに小さな忍者の気配は路地のどこにも残っていなかった。
「……ったく、嵐みたいなキツネ娘だねえ、ホント」
静まり返った路地で、銀時はぽりぽりと頭を掻きながら、彼女が消え去った空を見上げてポツリ、とつぶやくのだった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
イズナちゃん可愛すぎて書いててすごく楽しいです。
これからもよろしくお願いします。