ドラえもん のび太の幻想大冒険   作:しんぼー

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遅くなりました。ドラえもん のび太の幻想大冒険 再始動です。


色々忙しい中での投稿となりますので、投稿頻度にバラつきが出ると思います、すみません……。




プロローグ。

 

 

 

 

妖怪_______。

 

それはかつて、人間たちに恐れられた存在。

その姿は異形であり、夜な夜な現れては人里を騒がせ、財物を奪い、時には人の命すらも弄んだ。人々は彼らを「もののけ」「あやかし」と呼び、その存在を語るだけで震え上がった。古びた神社仏閣の裏手、深い森の奥、人気のない水辺など、人が立ち入ることを忌み嫌う場所に彼らは潜み、機会を伺っていたのだ。

 

 

しかし、時は流れ、科学が発展し、人間たちは彼らの住処を次々と開拓していった。妖怪たちは居場所を失い、影を潜めることを余儀なくされた。いつしか彼らの存在は忘れられ、子供向けの昔話や、博物館に飾られた古い絵巻物の中だけの存在となっていった。

 

 

しかし考えてみてほしい。もしもこの妖怪たちが住まう楽園が今も存在したとしたら____。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ド、ラ、え、も、ん〜〜〜!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラえもん のび太の幻想大冒険

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジリリリリ……、と一学期の終わりを告げる鐘の音が辺りに響き渡る。7月中旬、のび太たちの通う小学校は今日から夏休みに入るところだ。皆、夏休みに心躍らせウキウキとしている。

 

 

 

「ねぇ、ミステリートレインって知ってる? 行き先が九州か四国か北海道か秘密なんだ。どこへつくのかお楽しみ。とにかくそこには素晴らしいイベントが君を待っている! 乗りたがる人が多くてね、切符を買うのが大変なんだけど、ジャーン!ここにそのチケットがあるのさ!」

 

みんながいつも集まる空き地、そしてその土管の前で、のび太、ジャイアン、しずかはスネ夫の持つミステリートレインのチケットに釘付けになっていた。ヒラヒラとチケットを揺らしながら、スネ夫は土管の上に座りながら話を続ける。

 

「そこでなんだけど。もし良かったら、みんなも一緒に来ない? みんなでひと夏の旅行へ出かけようじゃないの」

 

「おぉ、スネ夫、心の友よ!!」

 

「スネ夫さん、ありがとう」

 

 意外と涙もろいジャイアンが嬉し泣きをしながら、締め殺さんばかりの勢いでハグを決めた。ギチギチと骨の鳴る音に、スネ夫が白目を剥く。のび太も同じように「うわあ、面白そう!」と目を輝かせて身を乗り出したが、それを見たスネ夫はハグから逃れながら、何かを思い出したかのようにニタニタと意地悪な笑みを浮かべた。

 

「あ、のび太はダメだからね? わるいけどチケットは3枚しかないんだから。ぼくだろ、ジャイアンだろ、そしてしずかちゃん。悪いけど君の席はないのさ」

 

「ええーっ!」

 

非情な宣告に、のび太の顔から一瞬で血の気が引いた。ジャイアンとしずかも気まずそうに顔を見合わせるが、スネ夫は「こればかりはねぇ」と肩をすくめる。 

 

 

胸の奥から、煮えくり返るような悔しさが爆発しそうだった。のび太は拳を固く握りしめ、涙をこらえながら精一杯の虚勢を張り上げた。

 

「なんだいそんなの! ちーっともうらやましくなんかないぞ!! 僕なんか、誰も知らない、もっとすごい場所へ旅行に行ってやるんだからなーっ!」

 

そう言うが早いか、のび太は空き地から飛び出すように駆け出していた。

 

 背後でジャイアンやスネ夫、しずかが何かを言っているように聞こえたけれども、今ののび太にとってはどうでもいい事だった……。

 

 

 

 

 

 

「うわああああん! ドラえもぉぉぉん!!」 

 

玄関の戸を激しく開け放ち、のび太は泣き叫びながら階段を駆け上がった。 悔し涙で視界がぐにゃぐにゃに歪んでいる。いつものように、部屋の真ん中でどら焼きでも食べながらのんびりしている親友の姿を期待して、勢いよく部屋の扉を開けた。

 

「ドラえもん! 誰も知らない場所を作る道具を出してよぉー! ……って、あれ?」 

 

しかし、部屋の中には誰もいなかった。 しんと静まり返った六畳間には、窓から夏の強い日差しが差し込んでいるだけだ。静かすぎる部屋の机の上に、一枚のメモが残されているのが見えた。

 

【のび太くんへ タイムマシンの車検の時期が来たので少し未来へ帰ります。他にもどら焼きの特売だったり色々やらなきゃならないことがあるから3日ほど留守にするね。それまで宿題でもしてて待っててね ドラえもんより】

 

「なんだ、いないのかぁ....」

 

のび太はがっくりと項垂れながら、大の字にひっくり返った。天井を見つめていると、スネ夫のニタニタとした顔が浮かんでくる。

 

『僕なんか、もっとすごい誰も行った事のない場所へ旅行に行ってやるんだからなーっ!』

 

 勢いで言った自分の言葉が、ブーメランのように胸に刺さって痛かった。今さら空き地に戻るわけにもいかないし、このままじゃ僕の夏休みは、宿題とママのお説教だけで終わってしまう。そんな気持ちがだんだんとのび太の中で大きくなっていく。

 

「……ん? なんだこれ」 

 

寝返りを打った拍子に、のび太の眼鏡の端に「白い何か」が映った。 ドラえもんがいつも寝ている押し入れの布団の隙間から、だらしなくはみ出している。のび太は這いつくばって近づき、それを引っ張り出した。

 

「あ、これ……、スペアポケットだ!」 

 

【スペアポケット】。スペアポケットはその名の通り、ドラえもんの持つ四次元ポケットのスペア。つまり中身はドラえもんのポケットとつながっているため、これがあれば自由に中のひみつ道具を取り出すことができるようになると言う優れものだ。

 

 

スペアポケットを手にした時、のび太の頭にあるひとつの考えが浮かんだ。

 

「そうだっ!ドラえもんがいないなら、僕が自分で探してやるぞ。誰も行ったことがない、とびきりの秘密の場所を!」

 

パチン、と指を鳴らしながら善は急げだと言わんばかりにのび太は旅行の支度を始める。なかなか使う機会のない手提げカバンの中に筆箱やら夏休みの宿題やらお気に入りのあやとりのひもやら目に付いた必要そうなものを片っ端から詰め込んでいった。玄関から履き慣れた靴を持って部屋に入ったあと、すぐにスペアポケットに手をつっこんてある道具を探し始めた。

 

「えーと、あれでもない、これでもない。 あった!【どこでもドア】!」

 

 

ポケットからピンク色のドア、【どこでもドア】*1を取りだしたあと、のび太は大きな声で宣言し、ドアノブを握った。

 

「誰も行ったことない、そしてみんなが知らないような幻想的な場所へ!」

 

そう言いながらドアノブを回すのび太。

 

 

 

 

 

 

 

それが、大冒険の始まりだとも知らずに。

*1
目的地を音声や思念などで入力した上で扉を開くと、その先が目的地になる。ドアの色はピンク。ドアのノブに意志読み取りセンサーが組み込まれているため、場所の指定は「いつもの空き地」と言えば野比家の近所の空き地になったり、「どこでもいいから遠く」と言えば適当な場所になるなど、曖昧な指定が可能。ドアに内蔵されている宇宙地図の範囲で、10光年以内の距離しか移動できないという制限がある。10光年を超えた距離のある目的地を指定して扉を開くと、「どこでもドア」としての機能は働かず、ただのドアとなってしまう。






ある程度流れは考えているけれど、続けられるかなぁ。


感想、評価等もらえると嬉しいです。作者が泣きながら喜びます。

ではまた次回お会いしましょう。
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