機動戦士ガンダムSEED DESTINY ~空白の少女~ 作:割戸三葉
月へ落ちていくジャスティスの姿は、もうほとんど見えなくなっていた。
シンはその方角を見つめたまま、ミネルバへ通信を開く。
デスティニーは左手を失い、右手にはフラッシュエッジから展開したビームサーベルだけが残っていた。
「こちらデスティニー、ジャスティスを撃墜。けど左手を損傷した。一度、ミネルバへ戻ります」
報告を終えるより先に、シンは背後から近づく気配を感じた。
レーダーへ視線を落とす前に機体を振り向かせると、遠方から青い翼が真っ直ぐこちらへ向かってくる。
ストライクフリーダムはデスティニーの正面まで来ると、一定の距離を保って停止した。
キラは損傷したデスティニーを見た。
左手はなく、武装もほとんど失われている。
そして、少し前までここで戦っていたはずのジャスティスの姿もない。
何が起きたのかは、それだけで分かった。
「君はアスランを……ジャスティスを墜とした?」
「そうだ」
「アスランは……」
「コクピットは狙ってない。機体は月に落ちたけど、多分生きてる」
「そう……ありがとう」
キラは短く礼を告げると、腰からビームサーベルを1本だけ抜いた。
青白い刃が伸びるのを見て、シンもフラッシュエッジを構え直す。
互いにそれ以上の言葉を続けることはなかった。
フリーダムを見れば、今でもステラのことを思い出す。
何度も戦場へ割り込まれ、自分たちの前に立ち塞がったことも忘れていない。
アスランやキラへぶつけてきた怒りも、納得できなかった思いも、そのままシンの中に残っている。
だが、もうそれを消そうとは思わなかった。
納得できないなら、それも自分の中に残しておけばいい。
許せないものまで、無理に許す必要はない。
そうしたものを抱えたままでも、自分は戦える。
今は目の前にいる敵を倒すことだけに集中すればよかった。
ストライクフリーダムも、デスティニーもすぐには動かなかった。
互いに1本の刃を構え、相手が踏み込む瞬間だけを見ている。
先に仕掛ければ、その動きを狙われる。
静かな時間が続いた末、2機はほとんど同時に加速した。
赤と青の残光が一直線に交差する。
次の瞬間、2本のビームサーベルが正面から激突した。
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レギナントとアカツキも互いに加速し、正面から距離を詰めた。
右のヒートクローを振り下ろし、アカツキが構えるビームサーベルへ爪を叩きつける。
ムウが刃を引いてかわすと、間を置かず左の爪が逃げた先へ伸びた。
アカツキは機体を捻って爪をかわし、そのまま後方へ滑る。
だがレギナントは離れず、スラスターを吹かして一気に距離を詰めてきた。
ムウがサーベルを横へ払うと、セラは上体だけを傾けて躱す。
光の刃が肩の装甲をかすめる間に、右の爪が再びサーベルを握る手へ伸びた。
ムウは腕を引き、レギナントの横を抜けるように機体を加速させた。
正面から斬り合えば、相手は被弾することまで許容して武器を奪いに来る。
ネメシスのように多数の腕で圧してくる戦い方ではないが、
攻撃そのものに迷いがなく、少しでも守りへ意識を向ければそのまま押し込まれる。
6本の腕を持つネメシスと比べれば、レギナント本体の腕は2本しかない。
それでもムウには、今のセラの方が戦いにくかった。
狙われているのはアカツキ本体ではなく、右手に握ったビームサーベルだった。
爪をかわすために腕を動かすたび、その動きに合わせてレギナントも位置を変えてくる。
ムウが上へ逃げれば、レギナントも機首を上げる。
横へ滑れば、その外側から回り込む。
正面から追い回されているだけではない。
セラはアカツキが動ける方向を少しずつ削り、自分が攻撃しやすい位置へ機体を動かしていた。
その動きへ合わせて、周囲に展開していた8基のドラグーンが散開する。
4基はレギナント本体を囲むように位置を取り、アカツキの前後左右へ短いビームを撃ち込んだ。
狙いは直撃ではなく、ムウが回避に使える空間を狭めることだった。
残る4基は少し離れた位置を維持し、アカツキ側のドラグーンだけを監視している。
アカツキが下へ逃げると、その先へ2本のビームが走った。
ムウは機体を右へ振ってかわしたが、そこへレギナントが突っ込んでくる。
右の爪をサーベルで受けると、左の爪が下から手首を狙った。
ムウは肘を曲げてかわし、機体を回転させながらレギナントの脇腹へ蹴りを放つ。
セラは蹴りを腕で受け、その衝撃のまま後方へ飛ばされた。
だが距離が開いた瞬間、攻撃に回っていたドラグーンが一斉に角度を変える。
4方向からビームが走り、ムウは追撃することもできず回避へ移った。
その間にレギナントは姿勢を戻し、再びアカツキとの距離を詰めてくる。
ムウもドラグーンを放つ。
アカツキから離れた複数の機影が左右へ広がり、レギナントの両側面へ7基が向かう。
しかし、それまで周囲で待っていた4基がすぐに反応した。
アカツキのドラグーンの進路へ割り込むと、先端から伸びたビームナイフでそれら4基を次々と斬り落とした。
ムウは声を漏らしながら、止む無く残りのドラグーンを呼び戻す。
一方で、レギナントのドラグーン4基はムウへの圧力を止めない。
正面のレギナントにサーベルを向ければ側面からビームが飛び、
ドラグーンへ意識を向ければ本体のヒートクローが踏み込んでくる。
8基すべてが別々に動きながら、役割だけは明確に分かれていた。
「なるほどな……」
ムウにもようやく全体が見えた。
攻撃に回る4基がネメシスの補助腕の代わりとなり、レギナント本体の2本の腕に手数を加えている。
さらに残りの4基がアカツキのドラグーンを受け持つことで、こちらのドラグーンが本体への攻撃に回せないようにしていた。
レギナントは、見た目ほど手数は減っていない。
むしろ腕とドラグーンが同じ位置から来ない分、攻撃方向はネメシスより広い。
しかもセラは4基の射線を使い、ムウが避けた先へ自分から踏み込んでくる。
射撃と格闘を別々に扱うのではなく、すべてを1つの攻撃として組み合わせていた。
レギナントが再び正面から突っ込んでくる。
右の爪がサーベルへ振られ、ムウは今度は刃を引かずに正面から受けた。
爪とビームの刃が噛み合った瞬間、アカツキは左腕を押し出し、レギナントの胸部を突き放そうとする。
セラはその腕を左の爪で払い、さらに機体を押し込んだ。
2機の距離がほとんどなくなり、互いの頭部がぶつかりそうな位置まで近づく。
ムウはサーベルを外側へ流して爪を弾くと、そのまま刃を返してレギナントの肩へ斬りつけた。
セラは下がらず、肩を焼かれながら再びアカツキの右手を狙った。
「こいつ……!」
ムウは咄嗟に腕を引いた。
ヒートクローの先端がビームサーベルの柄をかすめ、衝撃でアカツキの右腕が跳ね、刃が大きく逸れた。
その瞬間を狙ってドラグーンが位置を変え、アカツキの背後と左右へ回り込む。
「くそっ!」
ムウは機体を急降下させた。
直後に3方向からビームが交差し、さっきまでアカツキがいた空間を貫く。
だが下へ抜けた先にも1基が待っており、ムウはサーベルでビームを弾くように機体を振った。
その僅かな減速を狙って、頭上からレギナントが追いついてくる。
赤い爪が真上から振り下ろされた。
アカツキは機体を横倒しにしてかわし、すれ違いざまにサーベルを振る。
刃がレギナントの腰部装甲を浅く焼いたが、セラは攻撃を止めない。
機体を反転させると同時にドラグーンを動かし、ムウの進路へ再び射線を作った。
攻撃は荒々しい。そして動きに無駄がない。
本体が外した攻撃をドラグーンが補い、ドラグーンで仕留められなければ、その回避先へ本体が踏み込む。
シールドを持たないレギナントは、最小限の動きで躱しながら、攻撃を繰り出してくる。
ムウも反撃へ転じる。
迫ってきたビームをかわしながら前へ出て、レギナントの右側へ回り込む。
サーベルを肩口へ振り下ろすと、セラは爪で弾き返す。
その反動を利用して、跳ねるように機体を反対方向へ切り返すと、そこからレギナントの左側へ回り、今度は腰を狙って横薙ぎに刃を払う。
セラの一拍だけ遅れた。
光の刃が白い装甲を削り、破片が宇宙へ散る。
すかさず追撃を掛ける。
しかし、レギナントの後方からドラグーン2基がすぐに照準を合わせてきた。
回避したところへ次の2基が入り込み、距離を取らされる。
レギナントは損傷した腰部を庇う様子もなく、再び正面を向いた。
8基のドラグーンもすぐに元の配置へ戻り、4基がムウを狙い、残り4基がアカツキ側のドラグーンを押さえる。
一度崩したはずの形が、数秒も経たずに作り直されていた。
「攻めも守りも万全って事か」
「どんな攻撃も防ぎ、どんな守りも貫きます」
「人はそれを矛盾っていうんだぜ……それならやり方を変えてみるさ」
ムウはそこで攻め急ぐのをやめた。
これだけの数を別々に動かし、射撃と格闘を同時に成立させるには相当な集中が必要になる。
しかもセラ自身もほとんど距離を取らず、常に近接戦闘を続けている。
この密度をいつまでも維持できるとは考え難い。
ならば無理に崩す必要はない。
ビームサーベルを奪われず、致命傷だけを避けながら相手の集中が切れるのを待つ。
戦いが長引くほど、自分に有利になる。
ムウはそう判断して守りを固め、残りのドラグーンもいつでも迎撃可能な位置に配置する。
だが、セラは攻撃の手を緩めない。
アカツキが守りへ切り替えたと見ると、4基のドラグーンは微妙に射撃の間隔をずらしながら、途切れない射撃を繰り返す。
回避で機体を動かした分だけレギナント自身が踏み込み、ヒートクローで右手を狙う。
ムウは爪をかわしながら後退する。
その表情から、先ほどまでの余裕は消えていた。
長引けばこちらに機会は来るはずだが、そこまで持ちこたえるだけでも簡単ではない。
正面から迫るレギナントにも、周囲を飛ぶ8基のドラグーンにも、まだ僅かな鈍りさえ見えなかった。
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ミネルバとアークエンジェルの距離が開いたことで、2隻の戦い方にも変化が生まれていた。
アークエンジェルは艦首をミネルバへ向けたまま距離を維持し、正面火力を使える姿勢を崩さない。
ミネルバが右舷側へ回ろうとすれば艦首を振って追従し、反対へ動けば同じように向きを変える。
これでは先ほどまでのように、側面へ回って右舷を集中攻撃することができない。
ネメシスの回収をバンパイアへ任せたルナマリアも、すでにミネルバへ戻っていた。
ケルベロスの届く位置まで何度か接近を試すが、アークエンジェルの正面火力はまだ生きている。
射程へ入ろうとするたびに対空砲火が進路を塞ぎ、容易に近づくことができない。
ミネルバ側も、正面から押し切ることはできない。
アークエンジェルの推力は落ちているが、下手に近づけばこちらも大きな損害を受ける。
互いに相手を逃がすことはできず、それでも決定打を出せないまま、戦闘は膠着し始めていた。
アークエンジェルの艦橋では、誰も気を緩めていなかった。
被弾した区画では応急処置が続き、推進系の出力も安定していない。
それでもノイマンは艦首をミネルバから外さず、マリューも相手の動きを見ながら指示をだす。
一度でも側面を晒せば、ミネルバとブラストインパルスが一気に距離を詰めてくる。
その最中、ミリアリアの端末へエターナルからの通信が入った。
内容を確認した彼女の表情が変わり、すぐにマリューへ回線を繋ぐ。
ダイダロス基地への突入中に敵の罠を受け、ムラサメ隊とドム・トルーパーは基地内部へ閉じ込められた。
外に残ったジュール隊とエターナルも防衛部隊に押さえられ、部隊全体が分断されている。
「エターナルが……」
マリューは正面モニターへ視線を戻した。
すぐに救援へ向かいたいが、今ここでミネルバへ背を向ければ追撃を受ける。
推力の落ちたアークエンジェルでは、攻撃をかわしながらダイダロスまで離脱することも難しい。
エターナルの窮地を知っても、艦をすぐには動かせなかった。
その時、別の回線からキラの声が入った。
「マリューさん」
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デスティニーとストライクフリーダムは、互いに距離を開けないまま斬り合っていた。
キラが振り下ろしたサーベルをシンが下から弾き、その勢いのままフラッシュエッジを横へ振る。
ストライクフリーダムは機体を引いて刃をかわしたが、シンはすぐに踏み込み、離れようとする動きを許さなかった。
1本ずつの刃が何度もぶつかり、弾けた光が2機の間に散る。
「今日こそは逃がさないからな!」
「逃げるつもりはない!」
デスティニーには左手がなく、使える武器もフラッシュエッジだけだった。
それでもシンの動きに迷いはなく、受けるよりも避けて前へ出ることを選んでいる。
キラの肩が動けば次の斬撃を読み、機体を半身にしてかわしたまま懐へ入る。
下から跳ね上げた刃をストライクフリーダムが受けると、シンはさらに機体を押し込んだ。
以前なら、フリーダムを前にした時点で怒りが先に出ていたかもしれない。
今もステラのことを忘れたわけではなく、家族を失った記憶も、これまでキラへ向けてきた感情も残っている。
だがシンは、それを振り払おうとはしなかった。
消えないものは消えないまま受け入れ、そのうえで目の前の戦いへ集中していた。
キラが斬り返すと、シンは刃を受けずに機体を横へ滑らせる。
ストライクフリーダムのサーベルが空を切り、その内側へデスティニーが踏み込んだ。
フラッシュエッジが脇腹へ走り、キラは機体を反らして辛うじてかわす。
刃は白い装甲の表面をかすめ、細い焦げ跡を残した。
「そこだっ!」
「くっ……!」
シンはそのまま攻撃を続けた。
右から左へ斬り込み、止められれば機体を沈めて下から刃を返す。
キラも致命傷だけは確実に防いでいたが、反撃へ移る前に次の攻撃が来るため、少しずつ守勢へ押し込まれていく。
ストライクフリーダムが後ろへ下がれば、デスティニーも同じだけ前へ出て距離を保った。
その最中、シンの中で何かが弾けた。
それまで速かったストライクフリーダムの動きが急に遅く見え、肩や腕の動きから次の攻撃まで分かるようになる。
考えてから操縦するより早く身体が反応し、キラの刃が届く前にデスティニーはその軌道から外れていた。
「見える……!」
シンはさらに踏み込む。
振り下ろされた刃を紙一重でかわし、その動きが終わる前にフラッシュエッジを脇腹へ走らせる。
キラはサーベルを戻して受け止めたが、デスティニーの勢いを殺せずに大きく押し戻された。
「このまま押し切る!」
「……まだだ!」
今まで以上に、フリーダムの動きがはっきり見える。
シンは斬撃が始まる前に避け、そのまま次の攻撃へ繋げていった。
キラも防ぎ続けているが、少しずつ反応が遅れ、フラッシュエッジが肩や装甲の端をかすめ始める。
形勢は明らかにシンへ傾いていた。
キラが守勢に回ったまま攻撃を受け止めている時、エターナルから通信が入った。
ダイダロス基地で罠を受け、部隊が分断されている。
エターナル自身も防衛隊に押さえられ、自由に動けないという報告だった。
その内容を聞いた瞬間、キラの頭にラクスの姿が浮かんだ。
ラクスはデュランダルに狙われている。
このままエターナルが動けず、彼女が捕まるようなことになれば取り返しがつかない。
焦りが強くなると同時に、キラの中でも何かが弾けた。
視界が一気に澄み、目の前のデスティニーが見せる僅かな姿勢変化まで鮮明に捉えられる。
シンの斬撃が来る。
キラは受けるのではなく半身になってかわし、続く2撃目にも遅れず反応した。
それまで防ぐだけで精一杯だった攻撃に身体が追いつき、ストライクフリーダムも再び前へ出る。
シンもすぐに斬り返し、2機は互いに下がらないまま近距離で刃を交えた。
シンが斬ればキラがかわし、キラが返せばシンも避ける。
どちらかが踏み込めば、もう一方も距離を詰めて逃がさない。
先ほどまでシンへ傾いていた戦いは再び拮抗し、短時間で決着がつく状態ではなくなった。
だが、キラにはその戦いを続ける時間がなかった。
「マリューさん! エターナルからの通信、聞きましたか!」
『聞いてるわ。でも、こちらもミネルバと交戦中よ。艦も損傷している。このまま救援に向かうのは難しいわ』
「すぐに行きます! 少しだけ待っててください!」
マリューの返事を聞きながらも、キラはデスティニーから目を離さなかった。
シンはキラが離脱しようとしていることを察し、さらに距離を詰める。
フラッシュエッジが振り下ろされると、ストライクフリーダムは刃を受けずに大きく横へ滑り、シンもすぐに向きを変えて追った。
「逃がすか!」
次の瞬間、キラは逃げるのではなくデスティニーの内側へ踏み込んだ。
フラッシュエッジを振り直すには近すぎる距離まで入り、そのまま機体の脚をデスティニーの胴へ叩き込む。
シンの機体が大きく崩れたところで、ストライクフリーダムの左手が腰のビームライフルを掴んだ。
「お前――!」
それまでの斬り合いでは使っていなかった武器だった。
シンが姿勢を戻して振り向いた時には照準が合い、放たれたビームがデスティニーの背面スラスターを撃ち抜く。
爆発で機体が大きく流れ、姿勢制御系の警告が一斉に表示された。
シンはすぐに機体を立て直し、ストライクフリーダムを追おうとする。
デスティニー自体はまだ動くが、損傷したスラスターでは十分な加速ができない。
その間にキラはサーベルを収めて距離を取り、追撃を行わないままダイダロスの方向へ機体を向けた。
「くそっ……!」
青い翼が大きく開き、ストライクフリーダムが一気に加速する。
シンはフラッシュエッジを握ったまま遠ざかる機体を見送ったが、今のデスティニーでは追いつけない。
正面から続いていた戦いは、キラが戦い方を変えて追撃を封じたことで終わった。
シンの中には、ステラのことも、アスランへぶつけた言葉も、キラに抱いてきた感情も残っている。
何一つ片付いたわけではなく、それでも抱えたまま戦えることは、もう分かっていた。
シンは警告の続く機体をミネルバへ向け、改めて通信を開いた。
「逃げる気かよッ! 待てっ!」
デスティニーがゆっくりと進路を変える。
その向こうでは、ストライクフリーダムの青い翼がダイダロスへ向かって遠ざかっていった。
デスティニーは動き出せませんでしたぁ!