妖夢さんが背中に背負った刀を手に取り、気を練り上げていく。
すぅっと一息を吸った後、軽く剣を払ったかと思うと、青い弾と黄色い弾が表れ…移動を始める。
ただ移動するだけではない。淡く光る弾は、通った形跡を残すように弾幕を残し、魔理沙の前を横切っていく。残された弾幕が慣性に従いながら四方八方へと広がっていき、ふたつの弾が交差し、網目状の隙のない弾幕が魔理沙を襲う。
だが魔理沙は一切動揺を見せない。むしろ余裕だと言うように、
「こんな弾幕、本気で当たると思ってんのか?さっさとスペルを発動した方がいいと思うぜー。」
こっちはあまり時間をかけたくないからな。と魔理沙が静かに呟く。おそらくは挑発、早めにスペルを潰してさっさと試合を切り上げようとしているのだろう。
というか、今の私たちに魔理沙を待つ理由はない。協力の意識が芽生えていたからか、何故か見守ろうという気になっていた。
私は群がる幽霊達を相手しながら霊夢の方をチラッと見る。霊夢は魔理沙の方を見ながら、片手間に幽霊達をなぎ倒していた。おそらくは進む気がないのだろう。
なんでだろう、私が知らないだけで味方の弾幕勝負は見守るのが常識なのだろうか。
いや、少なくともこの短い間にそんな暗黙の了解みたいなものを感じたことは無い。多分普通に行っていいはずだろう。
問題は霊夢に声をかけて連れていくかどうか。
もしかしたらこの先、まだまだラスボスの配下みたいな人が居るかもしれない。剣術指南役がいたなら次は棒術指南役とかいるのだろうか?
とにかく、この先にまだまだ下っ端がいるなら霊夢を連れていった方が心強いだろう。いなかったらラスボスの奪い合いだけど。
私は妖精達を処理しながら霊夢に話しかけに行く。
「霊夢ー、今のうちに先に行く?」
「…そうね、別にあいつを待つ義理も何も無いじゃない。」
やはり味方が勝負している間は見守るべきという常識はないらしい。それじゃあ魔理沙、大変そうだけど頑張って追いついてね!
私と霊夢は先に進む、魔理沙を見ながらニタニタと。
魔理沙と目が合った後、魔理沙が妖夢に対して何か言おうとしていたのは見えたが、その後妖夢がスペカ宣言したのを見てすごーく面白そうな顔をしながら構え直してた。
…後で置いていったこと謝っておこうかな。いや、よく考えたら私も魔理沙に置いていかれていたのを思い出した。じゃあ自業自得か。
◆◆◆
妖夢が繰り出す弾幕を避けながら、お返しと言わんばかりにマジックミサイルを放つ。妖夢もそれを避けながら、今度は剣を一閃。底から斬撃が生じ、かなりのスピードで迫ってくるが、
「あまいぜっ!」
私は斬撃の下をくぐり、ミサイルを発射。振り切った後の刀が邪魔で見えないであろうこのミサイルは、無事妖夢に着弾。
「ぐっ…。」
「お前が取れる選択肢は2つ。このまま負けるか、降参するか。私的オススメは後者だな。」
私がそう話していたら、視界の右側に移動する影が2つ見えた。
霊夢と理奈だ、しかもこっちを見ながらニヤニヤとしている。「じゃ、私達は先に行って異変解決するから、頑張ってね〜」と言う声が何故か聞こえた。おそらくは幻聴なんだろうが、そうとわかっても尚イラついてくる。
どうする?異変は早めに解決しないと桜が満開になってしまうかもしれない。だが、霊夢達に先に異変を解決されたくない。
もちろん、私的に後者が優先事項。だがどうやって霊夢達を止めるか…。
…妖夢に霊夢達を気づかせる、それが1番いいか。
私は妖夢へと向き直り、声をあげる。
「おい!霊夢─」
「獄神剣「業風神閃斬」。」
だが、妖夢は聞く耳を持たないとばかりにスペカ宣言。妖夢の後ろあたりに巨大な弾が出現し、薙ぎ払う用に大き目の弾幕を出し続ける。
その間に妖夢は瞬間移動をし、私をその目で捉えながら、気を練り上げていく。
「お、おい!霊夢達が先に行っているぞ、止めなくても大丈夫なのか!」
「要らぬ心配です。目の前の敵を蹴散らした後、追いつけばいいだけのこと。」
クソっなんでそうなるんだよ!追いかけようとするだろ、普通!
しょうがない。霊夢達が幽霊によって足止めされていることを願いながら、私は妖夢の動きを注視し、動き始めるのをじっと待つ。
気を高め終えたのか、妖夢が一瞬脱力をしたかのように見えた。
…来る、多分今だ。
「───ッ閃!!」
妖夢が空間を一振で4回切った。いや、目で注視しても動きを追えなかった。
少し呆気に取られていたが、直ぐに気を入れ直す。
大小様々、数えることが億劫に思えるほどの弾幕が、一斉に、ゆっくり私の方へと向かってくる。
「…これは、避けがいがあるぜ。」
本当にすみません!毎週投稿できるぞ〜!なんてほざいてしまって、言い訳をさせて下さい。私の目の前に大量のレポート直しがドサーッと来て、その後新しいレポートを書けって別の教授に言われたんです!許してください!
来週からは、ちゃんと、投稿します!