「それじゃあ、私が帰るまで店番お願いね。えーっと、いくら知り合いだからって値下げとかはしちゃダメだよ?あと悪い人にはついて行かないこと。あとそれと…」
「はいはい、出発するぞー。さっさとしないと霊夢が異変解決してしまうから。」
「いやーっ!と…とにかく、気をつけてよねー!!!」
長々とお手伝いさんに説明してる私に痺れをきらせたのか、魔理沙が私の服の襟元を掴み、無理矢理連れていかれる。
「…ったく、お前は心配のしすぎ。あの子は割としっかりしてるから、そのくらい大丈夫でしょうに。」
「だってぇ、心配なんですぅ…。」
お手伝いさんは12歳。全然子どもだし、心配するのは当然のことだろう。
一応周りの大人たちとはとても仲が良く、困った時は大抵助けてくれるだろう。だけどもしもの事があったら、そう思うと不安で不安で仕方ないんですぅ!
私の心配はお構い無しに、魔理沙は強引に私を連れていくのだった。
◆
私は里奈を連れて吹雪の中を駆ける。
あたり一面は真っ白に染まり、白一面では寂しいだろうと抗議するように緑葉が見え隠れしている。最も、激しい吹雪の中だからあまりよく見えないのだが…。
更に私たちの行く手を阻むようにつめたい風が吹く。今は向かい風だが、風向きが不規則に乱れている上に強い為。立ったままだと前に歩くことすら困難なのではないか。
明らかに人里の時よりも吹雪が荒れている。里奈は寒く無いのだろうかと不意に里奈の方を見ると、魔法で自身の体温を調節しているようだ。
そして一面ほぼ真っ白の森。これでは不意に横に流されていたりしても不思議では…ん?
「…ねぇ魔理沙、ホントにこの道で大丈夫よね?吹雪で前は見ずらいし風向きはコロコロ変わるし。ちゃんといけてるの?」
「え?」
私の足が止まる。あ、足ってよりかは箒かな?
いやそんな事はどうでもいい。とりあえず一旦方向を確認するべきだろう。
「よし、一旦確認するか。」
直後、私に電流走る。
「あれ、どうやって方向確認すればいいんだ?」
しまった、自分の方向を確認する術がない。
まずい…このままだと霊夢に先を越されてしまう!
「…ったく。こんなこともあろうかと一応、アンタの指さした方角を記憶しておいて良かったわ。」
そういうと里奈は懐からコンパスを取り出す。
よかった…里奈を連れて来といて。里奈はこういう所がしっかりしてるから頼りになるのだ。
これならちゃんと花びらの出所まで行けそうだ。
「なんだよー!あるなら先に言ってくれればいいのにー。」
「まさかここまで準備してこないとは…流石に呆れたわ。こんな吹雪の中だから普通、多少の装備はするでしょ?」
う…、そんな事を言われると何も反論できない…。
けどホントに良かった。このままだとどこか変なところに迷い込んでいたのかもしれない。
「わ、悪かったって…。そんなことより!早く道を教えてくれ。ただでさえ遅れてるんだ。急がないと!」
「はいはいわかったわよ。えーっと確か出処は南西の方角だったから…。」
刹那、びゅぉおおおっ!!と風が急激に強まり、あまりの強さに思わず目を瞑る。
…なんだろう、とても嫌な予感がする。
「…あっ。」
吹雪く森の上で、里奈が間抜けな声を出す。ま、まさか…。
「ごめ、落としちゃった☆」
嫌な予感は見事に的中してしまった。
ななななっななな、何やってんだお前ーっ!!?
ここに来てなんてドジをやらかしてくれたんだこいつ!?
というか、今まで何となく見ていた方向完全に方向を見失ってしまった。これでは花びらの出所はおろか、人里に戻ることさえ困難かもしれない。
「…っ元はと言えば、アンタがちゃんと準備してなかったからじゃないの!バカバカバカバカ!!!」
「え、えぇーっ!?」
こいつ、急に私の事を攻めてきやがった。いや確かに私も悪いけど!
と、とにかくだ。急いで対処法を見つけないと…。
そんな時だった。
「貴方たち、何をしてるの?」
後ろから、声が聞こえてきた。
毎週日曜の6時あたりに投稿することにしました。
また1週間後によろしくお願いします。