幻想のお酒屋さん。   作:KB753

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第三話 雪女とお酒屋さん(上)

 

 

 

 

ふと、後ろから声をかけられた。

 

 

振り返ってみると、多分5間(9Mほど)後ろに1人の女性が浮いていた。雪激しすぎてよく分かんないけど。

 

その女性は、一言で言うなら…うーん。The・雪女みたいなオーラを放っている。

 

髪は淡いピンクのショート、恐らくはボブだろう。それに頭に何かを巻いている。これはもしや外の世界で流行している「あるみほいる」と言うやつなのではないか。

 

服は青い服を基調としているが、袖やスカートの一部が多分白くなっている。雪激しすぎてよく分かんないけど!

 

この女性は確か…。

 

 

「貴方は春乞いの時に退治されてた雪女さん!」

 

「ああ、そんな事もあったわね。名前はレティ・ホワイトロックよ。」

 

「「そんな事ですませていいんだ…。」」

 

 

私と魔理沙は同時に声を漏らした。

いやだって、普通に怒ったりしないの?

 

ちなみに春乞いというのは、春でやる事と似ている行動をとり、春が来るのを早めようという、一種の儀式の様なものだ。

その時この雪女は、冬を追い出すという意味で攻撃されていた。

 

人間が早く春が訪れるようにという身勝手な理由で攻撃されるなど、雪女からしてみればたまったものではないだろう。

 

その事を気にしていない事を見る限り、多分この人は結構優しいのかな。

あ、というか普通に帽子だった。なんかゴメンナサイ。

 

そんなことより、今現状をなんとかしないといけない。このままだと魔理沙共々、異変解決するまでここら辺を彷徨うかもしれなくなる。

 

 

「あの…すみません、今回、この春が来ない異変って…何が原因がとかはわかりますか?」

 

 

思いきってダメ元で聞いてみた。手ががかりがない現状、藁をも掴む思いで言ってみたワケだが、

 

 

「ふふ…原因も何も無いわよ。」

 

「…え?」

 

「なにせこの異変の黒幕は、他でもない私だから。」

 

 

彼女の綺麗な顔立ちが少し笑みを浮かべて、こう言い放った。

えっと…その、黒幕?そんな力があるとは思えないのだが…。

そもそも雪女って冬の間力が増す妖怪であって春が来ると力が弱まる妖怪だ。

 

季節によって力が変わるのに、力で季節を変えられるとは到底思えない。その為、この妖怪は十中八九嘘をついていることになるのだが…。よし、ここは傷つかないように適当に驚いとくべきだろう!

 

 

「ナ、ナンダッテー!!!」

 

「…すごい棒読みだな。」

 

「…ノリが悪いよ魔理沙。あの人堂々と黒幕宣言してるのよ?もっと驚かないと。」

 

「あら、私が黒幕だけど普通って事がバレてたのね。」

 

 

普通の黒幕ってなんだよ。

とにかく、私の迫真の演技はあまりにもお粗末だったらしい。

…後で演技の練習をしておこう。

 

 

「それで、結局原因が何だったりとかわかるんですか?」

 

「いや、わからないわね。だけど、どうやら春が1箇所に集められてるみたい。」

 

「それってどこかわかるのか?」

 

「ここからあっちの方角へ突き進むといいわ。」

 

 

ありゃ、雪女だから冬終わらせるのが嫌なのかなとか思っていたが、案外すんなりおしえてくれたぞ?

 

 

「案外素直に教えるんだな。てっきり黙秘するかと思ってたわ。」

 

「そろそろ春眠したいのよね〜。春眠は暖かくて気持ちがいいの。そもそも、季節の移り変わりは自然なもの、私から特に干渉する気はないわ。」

 

 

雪女って春になると春眠するんだ。初めて知った。

指を刺された方角を覚えたあと、私はその方角に向かって魔力を飛ばす。

 

一種のマーキングのようなものだ。方角は大まかに合わせれば大丈夫だろう。

1箇所に春を集めているなら、近くに行ければ見ればわかると思うし。

 

 

「親切にありがとうございます。それじゃあ、私達は異変を解決しに行きますので。」

 

 

そういって立ち去ろうとした刹那、

レティさんがいきなり弾幕を飛ばしてきた。

 

 

「ッ!?っとと…。さすがにこんなおいしい話はないですよね。」

 

「あら、よく避けたわね。」

 

「なるほど、そっちがその気ならこっちも大歓迎だぜ。」

 

 

魔理沙がおもむろに魔法を構える。私も続くように魔法を構え

、迎撃の準備をする。

 

 

「春眠のする前に、しっかり運動した方がよく寝れると想わない?少し付き合ってもらうわよ。」

 

 

こうして雪女、レティ・ホワイトロックとの弾幕ごっこが始まった。

 

 

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