幻想のお酒屋さん。   作:KB753

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第五話 人形使いとお酒屋さん(上編)

 

 

 

 

 

 

道中、妖精を片手間になぎ倒しながら、私は懐へと手を伸ばす。

そしてガバッと勢いよく取り出す。そして天高々と手を伸ばす!

 

私が取り出したのは酒瓶。魔法で私の全身を温めながら、密かに熱を与えていた。丁度いい温度に達したので、飲もうと思ったのだ。魔理沙に見せつけながら。と、魔理沙の方を見る。彼奴はこちらを振り向かない。

 

 

「あーやっぱり、こんな寒い時こそお酒よね〜。身体が芯から温まるわ〜。」

 

 

ワザと大きめに声をあげる。するとようやくこちらを見たのか、魔理沙が少し驚いたあと、

 

 

「おおっ持ってきてるのかー!私にもくれよー!」

 

と言ってきた。いやーごめんなさいね、吹雪だから何言ってるのかヨクキコエナイヤ。

 

 

「いや〜美味い!身に染みるわ〜!!」

 

「こ、こいつ…いい性格してやがるぜ…。」

 

 

今年の冬に私の店へこっそり忍び込んでは寒さ凌ぎで酒を盗む、貴方のほうがいい性格してるんじゃないか?

冬の飯は蓄えた方がいいですよ。

 

と、そんな事を思っていると、ふと下にこじんまりとした家があるではありませんか。

 

 

「あれは…アリスの家だな。」

 

「アリス?」

 

「ああ、過去に何度か会ったことがある、古い友人だ。多分お前も見たことがあるぜ。当ててみな?」

 

「うーん…全く心当たりがない。」

 

 

誰だろう。名前からは想像もつかない。

 

 

「じゃあヒントほしい、ヒント。」

 

「そうだな、じゃあまずヒント1。自称都会派。」

 

 

自称と言うところを強調して魔理沙が言う。

いや、あの…なんのヒントにもなってないんですけど。もっとちゃんとしたヒントを出しなさいよ解かす気がないだろ。

 

 

「うん、これでもわからないか。じゃあヒント2。人形遊びが好き。」

 

「人形遊びが好き…。」

 

 

人形遊びが好き、か。だとしたらパッと思い浮かぶ人が1人。たまにお祭りのとき人形劇を披露していた人だ。

 

たかが人形劇を侮るなかれ、その人形の動きは繊細で、表情以外でも身振り手振りで感情が読み取れる。

 

 

彼女の人形劇は子供だけでなく大人も交わり、彼女の劇の周りには必ず人混みができる。祭りでは彼女の為に空きスペースを作るほどだ(別に彼女自身あらかじめ「来ますよー」と事前に伝えてはいないそうだけど)。

 

あれはもう一種の芸術の域に達している。

そして何よりその外見、すごく美しかった。まるで人形さんみたい。

 

 

「なるほど、確かに会ったことがあるかも。話したことは無いけど。」

 

「お、思いついたか。ちょっとヒントが悪かったか?」

 

「そうね、人形に関してで思いあたる人は1人しかいないもの。祭りの時に人形劇をやっている人の事でしょう?」

 

「お、正解だぜ。アイツ、普段はインドア派な癖に祭りの時だけ里に出張って来るんだよな。全くどうかしてるぜ。」

 

「ふーん。貴方だって人の物をよく盗むくせに、よくそんな人の事を兎や角言えたものね。」

 

 

後ろから凄まじいオーラを放つ存在を観測!そして恐らくそれは今、話題の中心であるアリスさんではないだろうか?

 

恐る恐る振り返ってみる。するとそこにはお祭りの時に人形劇をしている、金髪の美少女が立っていた。

出会ってすぐ感じたのはやっぱり「美しい」。だがしかしお人形さんみたいなその外見からは想像もつかないほど物凄いオーラを放っています。

 

 

「ようアリス、久しぶりだな。」

 

「ええ、久しぶり魔理沙。たかが野良魔法使いの分際で、散々生意気な口を聞いてくれたわね。」

 

「そうか?私は思った事をすぐ言うタチでな、だが私の感性はとそらく一般的だ。みんな同じことを思ってるんじゃないか?」

 

「憶測で語るのは研究の時だけにしなさいな。ねぇ、そこ貴方もそう思うでしょ。」

 

「私?私も憶測だけで語るのは良くないと思いますね。あ、私は里奈と言います。以後、お見知り置きを。」

 

「ええ、こちらこそ。」

 

 

私とアリスは互いに頭を下げる。それを眺める魔理沙は不服そうだ。

 

 

「ところでアリスさん。私は今異変解決へと向かう途中なので、今日のところは魔理沙1人を生贄に捧げて見逃して貰えませんでしょうか。急がないと霊夢に先を越されてしまうので。」

 

 

必殺、魔理沙ガード!無駄な遊びを回避!魔理沙が呆れる目で私を見ているが気にしない気にしない。

 

 

「ダメよ、元々魔理沙が変なことを言わなくても、貴方には勝負を挑むつもりだった。妖怪と張り合える人間がまだいるだなんて、にわかには信じがたかったの。だから、直接この目で実力を見ようというワケ。わかったら弾幕の準備をしなさい。スペルは今回3枚で行くわ。」

 

 

畳みかけるように理由を述べられた後、いきなりスペカ枚数宣言してきた。

拒否権は多分存在しないであろう。

 

 

「ふふ、いいですよ。受けてたちましょう…。」

 

「あら、素直なのね。さっきまで逃げようとした割には。」

 

「どうせ逃がしてはくれないのでしょう…?ホントに、血気盛んな人ばかりで困ります。あ、私は…うん、2枚で。」

 

「了解したわ。それで、魔理沙は…って?魔理沙?」

 

「逃げられましたね、私はまんまと生贄にされたということですか。」

 

「不覚…。まぁいいわ、貴方だけでもやりましょう。」

 

 

こうして私は人形使い、アリスとの弾幕ごっこが始まった。

 

 




投稿が少し遅れて本当に申し訳ないです…。
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