魔法生徒ユウま! 〜ネギま!の世界に、神様転生したので、おねショタハーレムを築き上げます!〜   作:富山 狸吉

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02時間目:小津家の神童と専属護衛メイド

 世界最大の財閥の長である、小津家の屋敷は、広大な敷地の中に、日本庭園と近代的な建築が融合した、まさに城と呼ぶにふさわしい大邸宅である。

 その一角にある広々としたリビングで、小津悠馬が生まれてから、1年の月日が流れていた。

 

 1歳を迎えた悠馬は、周囲の大人達、両親である義政と静巴、そして屋敷で働く、数多くのメイド達を、連日の様に、驚愕させていた。

 

「おいおい、静巴。悠馬のやつ、また私の書斎から、持ってきた本を読んでいるぞ?」

父親の義政が、目を見張りながら、苦笑いを浮かべる。

 

 彼の視線の先では、まだ、よちよち歩きを始めたばかりの幼児である悠馬が、自分の体程もある分厚い「古今東西魔術考」という魔導書を床に広げ、真剣な眼差しで、ページをめくっていた。

 勿論、1歳の幼児が、文字を読める筈がない。

 それが、普通の人間社会の常識だ。

 

 しかし、悠馬の中身は、36歳のオタク知識を持った転生者。

 前世で培った高い理解力と、神様から授かった「絶世の美少年」としての天才的な脳細胞、そして、英雄の血統が合わさり、彼は、既に日本語の読み書きを、完全にマスターしていた。

 それどころか、魔法世界の古代文字すらも、その天才的な頭脳で、急速に吸収しつつあったのだ。

 

「あらあら、本当に恐ろしい子ね。私の治癒魔術の理論書も、昨日いつの間にか、読み終えていたみたいよ。ただ読んでいるだけじゃなくて、ほら、見てちょうだい?」

母親の静巴が、愛おしそうに、そして、何処か畏怖を孕んだ視線で、悠馬を見つめる。

 

 悠馬が、小さな可愛い指先を、魔導書の記述に向けて動かすと、その指先から実に、微かではあるが、均一で極めて純度の高い魔力が揺らめき出た。

 1歳にして、自らの体内の「気」と「魔力」を、完全に自覚し、それを体外にコントロールして、放出しているのだ。

 

「1歳で魔力制御の基礎を掴むとはな……。【紅き翼】のメンバー達だって、そんな芸は、10歳を過ぎてからだった筈だぞ。やはり、小津の血と、お前の血を引いた最高傑作だな、悠馬は?」

義政は、息子のあまりの才覚に感嘆し、その細マッチョな体を震わせた。

 

 屋敷のメイド達も、お茶を運ぶ手を止めて、悠馬の姿に釘付けになっていた。

 男女比1対9の世界において、ただでさえ、貴重な男児。

 それも、将来が恐ろしい程、約束された美貌を持ち、1歳にして、大人顔負けの知性と、魔力を発揮する主の姿に、彼女達の目は、完全にハートマークになっていた。

 

「悠馬様、なんて愛らしいのでしょう……。それでいて、あの聡明な瞳……!」

「お労しい程の神童。ああ、将来は、どんな立派な殿方になられるのかしら?」

 メイド達が、影でそう囁き合うのを、悠馬は、すべて理解していた。

 前世の悲惨なフリーター生活からは、考えられない程の、全方位からの溺愛と賞賛。

 

(ふふん、神様から貰った、この命、ただの子供で、終わるつもりはないからね。今のうちに、魔法と武術の基礎を、完璧にして、この世界を、生き抜く力をつけるんだ!)

悠馬は、心の中で不敵に笑いながら、小さな手で、器用に魔導書の次のページをめくった。

 

 小津家の「神童」としての噂は、この時、既に、日本魔法界の重鎮達の間で、静かに広がり始めていたのである。

 

 ※※※

 

 悠馬が、その天賦の才を周囲に示し続け、3歳の大切な誕生日を迎えた日の事である。

 小津家の由緒ある大広間には、当主である義政と静巴、そして、主役である悠馬が、座していた。

 

 3歳になった悠馬の容姿は、神様の言葉通り、既に、周囲のメイド達が、まともに直視できない程、絶世の愛らしさと、気品を放つ美少年へと、成長していた。

 そんな中、義政が、重々しく口を開いた。

 

「悠馬、今日は、お前に、我が小津家に、代々仕える影を紹介しよう。これからは、お前の影となり、生涯を守護する存在だ」

義政の合図と共に、部屋の天井から、物音ひとつ立てず、1人の美少女が、音もなく舞い降りた。

 

 その美少女の姿に、悠馬は、心の中で、驚愕の声を上げた。

 現れたのは、小津家に代々仕える世界最強の妖艶美人くノ一集団【紅月衆(こうづきしゅう)】の次期20代目頭領、紅月(こうづき)彩女(あやめ)であった。

 

 悠馬よりも、5歳年上、つまり現在はまだ8歳の少女である。

 しかし、8歳とは思えない程、整った、将来確実に、妖艶な美女へと、変貌を遂げるであろう、完璧な美少女だった。

 漆黒の長い髪を、ポニーテールに結び、体にフィットした忍び装束を纏っている。

 だが、何よりも、悠馬を圧倒したのは、彼女が纏う、凄まじいまでの「気」と、その瞳に宿る異様なまでの熱量だった。

 

「初めまして、悠馬様。本日より、悠馬様の専属護衛メイド長としてお仕えいたします、紅月彩女にございます。我が命、我が魂と肉体の全てを捧げ、悠馬様をお守りする事を、此処に誓います」

彩女は、悠馬の前で、きちんと膝を突き、深々と頭を下げた。

 

 表向きは、凛とした完璧なくノ一。

 しかし、前世のオタク知識と、鋭い観察眼を持つ悠馬は、彼女の頭頂部から、つま先までが、自分への狂おしい程の情熱で、小刻みに震えているのを、見逃さなかった。

 そう、彩女は、まだ8歳という幼さでありながら、小津家の至宝であり、絶世の美少年である悠馬に対して、常軌を逸した「ダダ甘で過保護な溺愛のショタコン」としての本性を、その胸の内に、完全に秘めていたのである。

 頭を上げた彩女の瞳は、既に潤んでいた。

 その視線は、忠誠心というよりも、愛おしい幼児を、今すぐ抱きしめて、頬ずりしたいという、強烈な母性と、愛欲が混ざり合った様な熱を帯びている。

 

(うわぁ……! 綺麗なお姉さん(今は、まだロリだけど)に、めちゃくちゃ見つめられてる! しかも、この先輩ヒロイン感、最高すぎるだろ……!)

悠馬が、内心で狂喜乱舞していると、彩女は1歩、また1歩と、悠馬に、にじり寄り、あろう事か、主人の許可なく、その小さな小さな手を取り、己の頬に擦り寄せた。

 

「ああ、悠馬様……なんて、愛らしく、そして、尊いお方なのでしょう。この彩女、悠馬様の為なら、世界の総てを、敵に回しても、構いません。これからは、着替えから、お風呂、夜のお世話に至るまで、すべて、この彩女が、お世話いたしますからね……?」

「こらこら、彩女ちゃん。気が早すぎるわよ? 悠馬が呆れているじゃないの?」

静巴が、クスクスと笑いながらたしなめるが、彩女の耳には、届いていないようだった。

 

 世界最強のくノ一にして、重度のショタコン美少女。

 そんな最強で、最高に危険な専属護衛メイドが、3歳の悠馬の人生に、加わった瞬間であった。

 

 ※※※

 

 彩女が、悠馬の専属護衛メイド長として仕え始めてから、数日後の事である。

 

 3歳になった悠馬の部屋では、既に、日常茶飯事となった光景が、繰り広げられていた。

 彩女は、「護衛」という名目の下で、隙あらば、悠馬を膝の上に抱き上げ、その小さな体を、ダダ甘に、甘やかしていたのだ。

 

「ああ、悠馬様。お口の周りに、クッキーのくずがついておりますよ? じっとしていてくださいね、この彩女が、綺麗にして差し上げますから……んふふ」

至近距離から注がれる、妖艶美少女(8歳)の熱烈な視線と、過保護なスキンシップ。

 

 前世が、36歳のオタクである悠馬にとって、この状況は、役得以外の何物でもなかったが、同時に彼は、冷静に将来を見据えてもいた。

 

(彩女は、強い。八歳にして既に、並の魔法使いや、忍びを凌駕している。だけど、これから先の『ネギま!』の世界は、化物みたいな強敵が、ゴロゴロ出てくるんだ。彼女を本当の意味で、世界最強の護衛にする為には、あれをやるしかない……!)

そう、魔法使いが、自らの魔法使いの従者(ミニステル・マギ)との間に結ぶ、能力を飛躍的に高める魔法契約、「仮契約(パクティオー)」。

 

 悠馬は、母・静巴の書斎から、こっそり持ち出しておいた、関東魔法協会製の「仮契約の魔法陣カード」を、懐から取り出した。

 1歳から、魔力制御を極めてきた悠馬にとって、仮契約の発動自体は、それ程、難しい事ではない。

 

「ねえ、彩女。僕と『パクティオー』……、仮契約を結んでくれないかな?」

悠馬が、小さな手で、魔法陣カードを差し出すと、彩女は、一瞬だけ、きょとんとした表情を浮かべた。

 

 しかし、その意味を脳内で、理解した瞬間、彼女の顔は、喜びと興奮で、一気に紅潮した。

 

「か、仮契約……!? 悠馬様と私が、魂の絆で結ばれるという、あの魔法の契約ですか……!? 悠馬様の初めての相手が、この彩女……、ああ、なんという至福!」

彩女のショタコン脳は、一瞬で限界突破し、鼻血を吹き出さんばかりの勢いで、身を乗り出してきた。

 

「やらせてください! いえ、是非とも、お願いいたします! 悠馬様の相棒になれるのでしたら、地獄の果てまでお供いたします!」

「うん、ありがとう。じゃあ、始めるよ?」

悠馬が、魔法陣カードに、魔力を込めると、部屋の床に、目も眩む様な、幾何学模様の魔法陣が、浮かび上がった。

 

 契約を成立させる為の条件は、ただ1つ、お互いの体液を交わす事。

 一般的には、「キス」が、最もポピュラーな儀式である。

 悠馬は、少しだけ照れくさそうに、トコトコと、彩女に近づき、その小さな背伸びをして、8歳の美少女のぷるんとした唇に、己の幼い唇を重ねた。

 

『ちゅっ。』

「~~~~っぅ!?」

彩女の脳内に、甘美な衝撃が走る。

 

 悠馬のあまりにも、愛らしい唇の感触に、彼女の心臓は、狂った様に、鼓動を刻んだ。

 それと同時に、2人の身体を、眩い光の柱が包み込む。

 悠馬の膨大で、清らかな魔力が、彩女の身体へと、流れ込み、2人の魂を、強固なパスで繋いでいく。

 光の渦の中で、契約の成立を告げる鐘の音が、響き渡る。

 

 小津家の神童と、その影たるくノ一の間に、生涯、解ける事のない、絶対的な絆が、結ばれた瞬間であった。

 

 ※※※

 

 2人の身体を、包み込んでいた眩い光の柱が、徐々に、粒子となって、部屋の中に霧散していく。

 仮契約の儀式を終えた彩女は、主人の唇の残り香と、脳裏に焼き付いた至福の衝撃に、身を震わせながら、その場にへたり込んでいた。

 その顔は、完全に真っ赤に染まり、目は、とろんと潤んでいる。

 

「あ、ああ……悠馬様。私、もう一生、この唇を洗いません……」

「そんな事、言わずに、ちゃんと顔は洗ってね、彩女。それより、見て。カードが完成したよ?」

悠馬が苦笑しながら、手元に舞い降りてきた1枚のパクティオーカードを指し示した。

 

 そのカードには、悠馬に抱きつこうとして、満面の笑みを浮かべる彩女の姿が、美麗な魔法絵で、描かれていた。

 そして、その契約に伴って、彩女に授けられたアーティファクトが、彼女の右腕に、実体化していく。

 

『キィィィン……!』

清らかな高音と共に、姿を現したのは、美しい金属光沢を放ち、7色の宝石が、埋め込まれた神秘的な腕輪だった。

 

「これは……? 悠馬様、私のアーティファクトの様ですが、これは、一体……?」

我に返った彩女が、己の右腕に、輝く腕輪を見つめて、小首をかしげる。

 

 前世で、原作知識を網羅していた悠馬は、その腕輪が放つ、尋常ではない魔力の波動を感じ取り、目を見張った。

 それは、古今東西の魔法使いの歴史においても、過去に確認されていない、完全なる未知のレアアイテム【七色の腕輪(アルミッラ・セプテム・コロールム)】であった。

 

(おいおい、嘘だろ……!? 神様が、僕に与えてくれた徳の高さのせいか、それとも、僕自身の規格外の魔力のせいか……、とんでもないチートアイテムが、発現しちゃったぞ!)

悠馬が、カードから読み取った、その効果は、まさに、「世界のルールを書き換える」と言っても、過言ではない、あまりにも、凶悪な7つの絶技を秘めたものだった。

 

○緑色の腕輪(隷従):指定したあらゆる生物を強制的に従わせる。

○黄色の腕輪(停止):指定した物体の動きを完全に静止させる。

○青色の腕輪(防魔):指定したあらゆる魔法を無効化し、防ぐ。

○藍色の腕輪(読心):指定した生物の心、思考を完全に読み取る。

○赤色の腕輪(破壊):指定したあらゆる物質を木っ端微塵に破壊する。

○橙色の腕輪(予知):指定した物質や空間の未来の姿を視る(未来視)。

○紫色の腕輪(幻惑):指定した生物に、現実と区別のつかない幻を見せる。

 

 しかも、これら全ての強力な魔法効果の発動範囲は、なんと半径500m。

 彩女を、中心とした直径1㎞の空間内であれば、彼女は、神にも等しい、絶対的な権能を行使できるという事になる。

 

 元々、世界最強のくノ一集団の次期頭領として、8歳にして、卓越した体術と、忍術を誇っていた彩女だ。

 其処に、この【七色の腕輪】が、加わった事により、彼女は、文字通り、「世界最強の護衛メイド」としての立場を、揺るぎないものにしてしまった。

 

「悠馬様……、私、この腕輪から、恐ろしい程の力が、湧き出てくるのを感じます。これなら、悠馬様に害をなす、不届き者は、勿論、悠馬様を誘惑しようとする悪い虫ども(女狐達)も、半径500m以内に近づいて、全員、黄色で止めて、赤色で粉砕できますわ……!」

彩女は、嬉しそうに腕輪を掲げながら、そのショタコン&過保護精神を、更に、歪んだ(?)方向へと、進化させていた。

 

(う、うん。頼もしいのは、めちゃくちゃ良い事なんだけど、僕の未来の嫁達まで、粉砕されない様に、しっかり手綱を、握っておかないとな……)

悠馬は、彩女の圧倒的な忠誠心(と重すぎる愛)に、少しだけ、冷や汗を流しつつも、自分の相棒が、最高の力を得た事に、確かな手応えを感じていた。

 

 こうして、3歳の悠馬は、最初の最強の味方を手に入れ、更に、その神童としての歩みを、加速させていくのだった。

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