魔法生徒ユウま! 〜ネギま!の世界に、神様転生したので、おねショタハーレムを築き上げます!〜 作:富山 狸吉
西暦2000年09月12日。
この日、小津悠馬は5歳の誕生日を迎えていた。
生まれた頃から、神童の名を欲しいままにしてきた悠馬だったが、5歳となったその姿は、いよいよ、人間の領域を超えた、「絶世の美少年」としての輝きを、放ち始めていた。
真っ白な雪の様な白いロングストレートポニーテール、絹の様に、滑らかで白い肌、真っ赤な炎の様に、紅く聡明な瞳、そして気品に満ち、整った顔立ち。
屋敷のメイド達は、彼と目が合う度に、顔を真っ赤にして卒倒しかけるのが、日常茶飯事となっていた。
勿論、外見だけでなく、その中身も、順調すぎる程の進化を遂げていた。
前世の36歳分の知性と、今世の天才的な頭脳を、フル活用し、悠馬は、既に、高度な魔力運用の術式を、幾つも、構築していた。
「悠馬様、5歳のお誕生日、誠におめでとうございます……!」
悠馬の私室に、うっとりとした、しかし、どこか弾んだ声が響く。
声の主は、悠馬の専属護衛メイド長を務める紅月彩女だ。
彼女も、また、この年に、10歳という節目の年齢を、迎えていた。
10歳になった彩女は、少女特有の可憐さを残しつつも、くノ一としての靭やかな肢体と、将来の妖艶な美女化を、確信させる大人びた色香を、漂わせ始めていた。
だが、悠馬に対する、「ダダ甘過保護な溺愛ショタコン」っぷりは、年齢を重ねる毎に、むしろ悪化、いや、深刻化している。
「ありがとうございます、彩女。いつも僕の側にいてくれて嬉しいよ」
悠馬が、大人びた笑みを浮かべて、お礼を言うと、彩女は、両手を頬に当てて、「はぅあっ!」と、小さく悲鳴を上げ、その場で身悶えした。
「ああ、なんて素晴らしいお言葉……! 悠馬様のその愛らしくも、凛々しいお姿、5歳にして、既に一国を傾ける程の美貌にございます。この彩女、嬉しさのあまりに、また腕輪の力を、暴走させてしまいそうです……!」
彩女の右腕に鈍く輝く、アーティファクト【七色の腕輪】が、主への情熱に呼応する様に、一瞬だけ藍色や紫色の怪しい光を放つ。
2年前の仮契約以来、彩女は、このチートアイテムの熟練度を、凄まじい速度で上げており、今や、小津家の影の最高戦力として、その実力は、10歳にしてベテランの魔法使いをも、震え上がらせるレベルに達していた。
「彩女、腕輪の力は、部屋の中では、控えめにしてね。それより、今日の夜は、父上と母上も、お祝いしてくれるのかな?」
「はい、義政様も静巴様も、悠馬様の5歳のお祝いの為に、スケジュールを完璧に、空けていらっしゃいます。ですが……」
彩女は、其処で少しだけ、表情を引き締め、誇らしげに、胸を張った。
「義政様が仰るには、5歳になった悠馬様には、いよいよ、『小津財閥の次期当主』として、表舞台への御披露目の準備を始めていただくとの事。今年の冬には、一族にとって、極めて重要な催しが、控えておりますからね?」
小津財閥創業100周年記念祝賀パーティー。
それは、経済界や魔法界の重鎮達が、一堂に会する、世紀の大イベントだ。
(いよいよ5歳か。原作のメインヒロイン達は、今、10歳でお姉さん真っ盛りの筈。男女比1対9の一夫多妻制の世界……
、いよいよ、僕のハーレムロードが、本格的に動き出す予感がするな?)
悠馬は、彩女に頭を撫でられ、そのダダ甘な抱擁に、包まれながらも、数ヶ月後に迫った、運命の冬に向けて、静かに闘志と、期待を燃やすのだった。
※※※
5歳の誕生日から、数ヶ月が経ち、季節は、白銀の冬へと、移り変わっていた。
西暦2000年12月25日。
世間がクリスマス一色に染まる、この聖なる夜、東京都新宿区に、そびえ立つ、日本屈指の超高級ビジネスホテル最上階グランドホールルームは、異様な熱気と、厳かな空気に、包まれていた。
今夜、ここで開催されるのは、「小津財閥創業100周年記念祝賀パーティー」。
明治時代から、日本の、ひいては、世界の経済を牽引してきた、世界最大財閥の歴史的節目とあって、会場には、経済界のトップ、世界的な企業のCEO、更には、関東魔法協会を初めとする魔法界の重鎮達が、最高級のドレスや、タキシードに身を包んで、一堂に会していた。
一夫多妻制度が復活し、女性の人口比率が圧倒的に高い、この世界において、会場を華やかに彩る麗しき令嬢や、キャリアウーマン達の数は、男性の数に比べて、圧倒的に多かった。
「皆様、本日は、我が小津財閥の100周年を祝う席に、お集まりいただき、誠にありがとうございます」
小津家4代目当主にして、財閥の総帥である義政が、壇上で、堂々たる挨拶を行う。
その隣には、絶世の妖艶美女である妻の静巴が、息を呑む程、美しいイブニングドレス姿で、微笑んでいた。
そして、その両親の間に立つ、1人の少年に、会場中の全視線が、文字通り釘付けになっていた。
オーダーメイドの小さな最高級タキシードを、完璧に着こなした美少年、悠馬である。
5歳の冬を迎えた彼の美貌は、綺羅びやかなシャンデリアの光を浴びて、まるで神話の彫刻の様に、完成されていた。
その場にいる全ての女性達が、年齢を問わず、悠馬の姿を見た瞬間に、胸を払われ、頬を紅潮させて、熱い視線を送っていた。
「あのお子様が、噂に名高い小津家の神童……」
「なんて愛らしいの。5歳にしてあの気品と、堂々とした佇まい……。1対9の世界的男性不足の時代に、あんな至高の宝玉が、生まれていたなんて」
会場のアチラコチラから、溜息混じりの歓声が、漏れ聞こえる。
悠馬の直ぐ背後には、クラシカルなメイド服に、身を包んだ10歳の彩女が、専属護衛メイド長として、影の様に控えていた。
彼女の右腕の袖の中には、アーティファクト【七色の腕輪】が、いつでも発動できる様に、隠されている。
彩女は、会場の女性達が、悠馬に送る、羨望と欲望が、入り混じった視線を、敏感に察知し、内心で、猛烈な独占欲を燃やしていた。
(ふん、悠馬様に群がる、不届きな女狐共め。悠馬様の隣に立つ資格があるのは、この彩女と……、義政様達が、認めたお方だけですわ。半径500m以内、誰1人として、悠馬様に、無礼な真似はさせません!)
彩女が、ダダ甘過保護なショタコン精神と、くノ一の闘志を、静かに滾らせる中、悠馬は、前世の社会人経験を活かした、完璧なポーカーフェイスで、壇上から見渡す会場の光景を、楽しんでいた。
(凄い人数だな……。経済界だけじゃなくて、魔法使いの気配を持った奴等も、沢山居る。男女比1対9の世界のトップパーティー、まさに、天国みたいな光景だけど、いよいよ、ここからが、本番だ。僕の運命のヒロイン達との出会いが、直ぐ其処に、迫っているんだから)
義政の挨拶が終わり、盛大な拍手と共に、乾杯の音頭が、響き渡る。
綺羅びやかな夜景が広がる、新宿の最高級ホテルで、悠馬の運命を、大きく変える「出会い」の幕が、静かに開け様としていた。
※※※
華やかな歓談の時間となり、会場の熱気が、最高潮に達した頃、悠馬は、両親に伴われて、グランドホールルームの最奥に設けられた、格式高い特別VIP席へと、移動していた。
「悠馬、これより、お前に、我が小津家と、最も深い繋がりを持つ、3つの名家の御令嬢達を紹介する。実はな、お前が、生まれた時から、我が家と、それぞれの家の間で、お前の『許嫁』としての約束が、交わされていたのだよ?」
父親の義政が、不敵かつ、男前な笑みを浮かべながら、悠馬の肩を優しく叩く。
其処に待っていたのは、悠馬よりも、5歳年上、すなわち10歳になり、少女としての可憐さと、美しさを開花させつつある、前世の悠馬が、狂おしい程、愛読した原作のメインヒロインの3人だった。
「初めまして、悠馬クン。うちは、近衛木乃香っていいます。よろしゅうな?」
最初に1歩前に出て、はんなりとした、極上の京都弁で、微笑みかけてきたのは、近衛木乃香だった。
彼女は、私立麻帆良学園都市の理事長にして、関東魔法協会長、近衛近右衛門の愛孫という、本来なら、魔法界の超サラブレッドである。
しかし、この時点の木乃香は、危険から、遠ざけたいという家族の意向により、魔法関連の事は、一切知らされていなかった。
彼女にとって、悠馬は、「学園の最大出資者の息子さんで、なんだかもの凄く可愛い自分の許嫁」という認識であり、ただ悠馬の絶世の美少年ぶりに、10歳の純真な瞳を輝かせていた。
しかし、続く2人は、最初からアクセル全開だった。
「まあ……! お噂以上の、なんて素晴らしいお方なのかしら……!!」
劇的な声を上げて、悠馬の前に跪いたのは、雪広財閥の長一族の第2子御令嬢、雪広あやかであった。
10歳にして、既に長めの金髪が映える、完璧な令嬢の姿をしているが、悠馬の気品溢れる美貌を、前にした瞬間、彼女の脳内に、眠っていた「致命的なショタコン気質」が、完全に覚醒した。
あやかは、悠馬の小さな手を、両手で包み込み、頬を紅潮させて、熱烈に見つめる。
「悠馬様……わたくし、雪広あやか、一目で、貴方様の虜になってしまいましたわ! ああ、なんて愛らしく、守って差し上げたくなる高貴なお姿……! 今日から、わたくしが、貴方様を、どこまでも、ダダ甘に溺愛して差し上げますわ!」
その隣で、あやかの暴走を優しく見守る様に、微笑んでいた那波財閥の愛娘、那波千鶴も、また、別のベクトルで、限界を迎えていた。
千鶴は、10歳にして、既に、成人女性をも、凌駕する圧倒的な「包容力」と、溢れんばかりの豊満なプロポーションの片鱗を、見せていた。
悠馬と目が合った瞬間、彼女の胸の奥で、10歳児のそれとは、思えない凄まじい「母性本能」が、爆発した。
「ふふ、初めまして、悠馬くん。那波千鶴よ。そんなに畏まらなくていいのよぉ? あらあら、少し緊張しているのかしら。いい子ね、お姉ちゃんが、優しくぎゅーってしてあげましょうねぇ……」
千鶴は、優しく聖母の様な笑みを浮かべながら、両腕を広げて、悠馬を、その豊かな胸元へと、引き寄せようとする。
10歳にして、既に周囲を包み込む様な「お母さんオーラ」が、完全に完成されていた。
木乃香の純真な笑顔、あやかの激しい溺愛ショタコンの視線、そして、千鶴の全てを包み込もうとする、狂おしい程の母性。
(う、うわあああ……っ! 本物だ、本物の木乃香に、あやか、そして千鶴……!! しかも、最初から、僕への好感度が、カンストしてる!? 1対9の一夫多妻制度の世界、マジで、最高すぎるだろ……!)
背後では、10歳の専属護衛メイド長・紅月彩女が、アーティファクト【七色の腕輪】を、隠した右腕をピキピキと震わせ、強烈なライバル達の出現に、凄まじい嫉妬のオーラを放っていたが、悠馬は確信していた。
この3人の許嫁達との出会いこそが、自分の、これからのハーレム人生の、決定的な第1歩になるという事を。
※※※
3人の許嫁達からの、あまりにも、熱烈で全方位からの、アプローチに、5歳の悠馬は、内心で狂喜乱舞しつつも、持ち前の天才的な知性と、前世の経験を活かして、完璧な「可愛い年下の男の子」を、演じきっていた。
「近衛のお姉ちゃん、雪広のお姉ちゃん、那波のお姉ちゃん。僕を許嫁に選んでくれて、とっても嬉しいです。これからも、よろしくお願いします!」
悠馬が、顔を少しだけ赤らめ、上目遣いで、最高の微笑みを浮かべながら、そう言うと、3人の美少女達のハートは、完全に撃ち抜かれた。
「――はぅああああっ! なんて、なんて愛らしいのっ! お姉ちゃん、もう今、直ぐ悠馬様を、我が家に、お持ち帰りしたいですわ!」
「あらあら、あやか、気が早すぎるわよぉ。でも本当に、可愛いわねぇ、悠馬くん。お姉ちゃん、ずっとこうして、頭を撫でてあげたいわ?」
「ふふ、悠馬くんは、本当に、しっかりしたええ子やね。うち、これから、悠馬くんと、沢山お話ししたいわぁ」
あやかは、鼻血を堪えるように悶絶し、千鶴は、蕩けそうな笑顔で、悠馬の頭を、優しく撫で回し、木乃香は、親しみやすい笑顔で、悠馬の手を握りしめる。
そんな中、悠馬は、小さなタキシードのポケットから、当時の最先端ガジェットである、高級な折りたたみ式の携帯電話を取り出した。
この2000年末という時代、携帯電話は、まだ一般の子供が持つ様な物ではなかったが、世界最大財閥の嫡男である悠馬にとっては、専用の回線付きで与えられている、当然の嗜みであった。
「ねえ、お姉ちゃん達。これから僕、お姉ちゃん達と、なかなか会えなくなっちゃうのは、寂しいから……、もしよかったら、携帯電話の連絡先、交換してくれませんか?」
その提案に、3人は、更に目を輝かせた。
「まあ! 悠馬様と、もしもの時(プライベート)で直接繋がれるなんて、そんなの、喜んで交換いたしますわ!」
「うちも携帯、おじいちゃんに、買って貰ったところや。ぜひ交換しよぉ!」
「ええ、私も大歓迎よ。悠馬くん、寂しくなったら、いつでも、夜遅くでも、お姉ちゃんに、メールしてねぇ?」
あやか、木乃香、千鶴の3人は、それぞれ、自分の綺麗な携帯電話を取り出し、悠馬と、赤外線通信や、直接入力を駆使して、電話番号とメールアドレスを、交換し合った。
画面に表示される、彼女達の名前と、連絡先。
それは、悠馬にとって、未来のハーレムロードが、物質的な形となって、繋がった瞬間でもあった。
背後では、専属護衛メイド長の紅月彩女が、その光景を、凄まじい嫉妬の炎を瞳に宿しながら、見つめていたが、悠馬が、そっと彩女の手を握る。
「彩女の連絡先が、僕にとって、1番最初なんだからね」
内緒話の様に、耳元で囁くと、彼女は一瞬で、「はぅあんっ!」と、顔を真っ赤にして、ノックアウトされ、大人しくなった。
女性の扱いに関しても、悠馬は、既に、神童の領域に達していたのだ。
「悠馬くん、メール、毎日送るからね?」
「わたくしへの、直通お電話、いつでも、お待ちしておりますわ、悠馬様!」
「ふふ、今度、お姉ちゃんのお家にも、遊びに来てねぇ?」
パーティーの終わり際、3人の許嫁達は、名残惜しそうに、何度も、悠馬の頬にキスをしたり、ぎゅーっと、抱きしめたりしながら、去っていった。
新宿の夜景をバックに、携帯電話に保存された、3人のアドレスを見つめながら、5歳の悠馬は不敵に、しかし、最高に幸せそうな笑みを浮かべる。
男女比1対9の一夫多妻制度の世界。
最高のスタートダッシュを決めた、小津家の神童の明日は、既に、約束された輝きに、満ち溢れていた。