ひぐらしのなく頃に~神楽舞   作:晃晃

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第41話 祟りの増量期間中☆

古手神社祭具殿の古文書に曰く、その秘湯にオヤシロさまの司る縁結びの加護あり。

 

ひとたび未婚の男女がその湯をともにしたならば、その仲は未来永劫安泰間違いなし、子宝にも恵まれて実りある半生を送ることができるであろう。

 

しかし、もしもこの加護に背くことあらば主に男のみが祟られて悲惨な末路を迎えるであろう。普通は七代祟るところを増量サービスで十代祟るから覚悟しとけよコラ。

 

……などというアホな言い伝えはもちろんないし、当然ながら鷹野のスクラップ帳に記載された謎のひとつというわけでもない、単なる天然の温泉に過ぎない。

 

「すげぇ……! こりゃわざわざ苦労して来た甲斐があるぜ!」

 

しかし、圭一が興奮するのも無理はない。私だってここを見つけたときには逃亡中にもかかわらずひと風呂浴びていこうかとさんざん迷った。さすがにそのときは涙を呑んで諦めて、次の世界で再度訪れたのだが。

 

裏山を抜けてさらに30分ばかり獣道を進むと切り立った崖に出る。その壁面に手をついて細い足場を10分ばかりまわりこんだ先ですこし開けた場所にたどりつくのだ。

 

背後には箱庭みたいな狭い緑の空間、大きな自然石が積み重なる中に湧き出し、偶然が作り上げた天然の浴槽の中に一定の水位を保ち、湯気をかすかに吐き出し続けているその様はまさに奇跡の産物。多少温めだが夏場なら気にならないし、なんといっても崖の上に突き出したようなロケーションは最高で、緑の山々を眺めながらのんびりと浸かるにはもってこい。

 

なによりも秘湯と言う言葉への万人の憧れを絵に描いたようなこの完璧さ、都会育ちの圭一ならずとも興奮せざるを得ない。

 

「にぱ~☆ ボクだけの秘密の場所ですが、圭一と、今度羽入には教えてあげるのです。古手家子々孫々に伝わる隠し湯にしましょうです」

 

「む、そうか……ほかのメンバーにも内緒なのはちょっと残念だが、古手家の秘伝ってことなら仕方ねぇな!」

 

自分が古手家の一員に数えられていることを無邪気に流す圭一は、ちょっぴりお馬鹿でかなり鈍感で、だけど可愛い奴だった。抱きしめて撫でたくなる気持ちをぐっとこらえて、

 

「圭一、水着にお着替えしてきますので、先に入っていてくださいです」

 

そう言うと圭一は「おう!」と目を輝かせつつ、着ていたノースリーブを早速脱ぎ始める。

 

ちょ……ッ!?

 

沙都子ではないが、レディーの前でいきなり脱ぐな、何を考えているんだこいつは!

 

「みぃぃぃぃ!」

 

私はあわてて圭一に背を向けると、数少ない立木の向こう側へぱたぱたと逃げ込んだ。うぅ、この前のキャンプのときも含めて、上半身裸の圭一なんて、この百年の間に飽きるほど見てきたはずだっていうのに……それが好きな男で、しかも脱ぎかけだと思うと、なんというか。

 

萌え死ぬッ……!

 

こ、こんなことで狼狽してどうする古手梨花、今日の目的は逆、真逆ッ!

 

この私のリリカルでパステルな魅力を以って、前原圭一を萌え狂わせること……そりゃあちこち凹凸が足りてないことは百も承知だが信じるんだ、圭一のハイレベルな変態性を! 白スクール水着の美少女とふたりっきり、隠し湯で混浴ときたらこれで萌えない圭一など圭一ではない、萌え系アニメにかなりの高確率で1話くらいは温泉エピソードがはさまっているのは伊達ではないのだから……! ところでリリカルなほうは19歳時点で立派に育ってたけど、確か高校生設定のパステルなほうが私の未来の姿だったらどうしよう。アニメ2期の最終話の上背はあるのにすとーんと急転直下な、あんな中途半端な姿が私の未来だなんて認めない、あれは魔女、どこかの魔女、信じるんだ私の最高の未来を……ッ!(どざぱーん☆)

 

思いきり思考のわき道へ入り込んだのがよかったのか、ばっくんばっくんうるさかった鼓動もどうやらおさまってくれた。たりらりら~ん♪と踊っていた私の理性をふん捕まえて、ごそごそと着替える。この時代の白い水着は濡れると色が透けやすいのが難点で避けられているものだが、私に透けて困るような色はほとんどないので問題ない(何が)。

 

着替え終わって見下ろせば苦もなく自分の膝が見えてしまうことに一抹の絶望を覚えないこともないが、今回はそれが逆に武器になるのだと自らを奮い立たせる。

 

そう、これは……聖戦なんだっ……!

 

人によっては歩く凶器とみなすであろうこの古手梨花の白スク姿、だがここまでは先日のキャンプでの川遊びと同じ。二人っきりであることを加味して多少は高い点数を叩きだせるかもしれないが、新鮮さは落ちる。ならば躊躇はいらない、迷いを捨てろ……圭一を萌え殺すために、私はさらなる努力をしなければならない。

 

バッグから取り出したのはリボン……、白リボン……!

 

そう、これはいわば狂気の沙汰。私はいま、白スクポニーテールという禁忌の扉を開くのだ……!

 

普段下ろしている髪を、湯につけないためという口実をもってこの白いうなじを圭一の視線に晒す、晒しまくる……この身の華奢に、脆弱に、いまこそ渾身の殺意をこめろッ!

 

「ふぁいと、おー☆なのです!」

 

ぐっと両拳を握って自分に気合を入れ、用意してきたタオルを広げて頭にひっかけると、温泉へと向かう。圭一はとっくに水着に着替えて湯の中に立ちながら景色を眺めているようだった。

 

「み~♪ お待たせなのです、圭一」

 

とてとてと岩を登り、隣まで行ったところで圭一が振り向いた。

 

「おう、眺めがすっげーな、梨花ちゃん!」

 

と、視線が向いたところで……開放する。封印よ……退けッ!

 

タオルをふわりと頭から取り除き、ポニーテールを晒す。

 

同時に圭一の視界には、湯に入ろうとかがんだ私の全身が飛び込んでいるはず!

 

視線を上げると、予想どおり。圭一はぽかんとアホのように口を開け、食い入るように私を見つめている。

 

萌えているな?

 

この私に、古手梨花に。

 

よかろう、萌え狂うがいい。

 

この上目遣いに、ポニーテールに、白いうなじに、スク水のまばゆい光沢に、胸元のかすかな隆起に、細い手足に……萌えろ、萌え死ね、前原圭一ッ!

 

さあ、ここが勝負の分かれ目だ。私は用意していた台詞を叩きつける。

 

「……みぃ。圭一、あんまりみつめると恥ずかしいです」

 

言えた、舌噛まずに言えた……これぞまさしくこの私の実力!

 

「う、ぁ……わ、悪い!」

 

可笑しくなるくらい真っ赤になった圭一がぶんっと音を立てて首ごと視線をそらしながらお湯の中に胸まで浸かる。

 

ふふふ、可愛い奴め。湯の下がどうなっているか、目に浮かぶようだ。本当に思い浮かべると私のほうが戦闘不能に陥るからしないけど!

 

……が、私は手を緩めない。今、勝ちを掴みかけているからこそ、その勝ちが決定するまでは決して油断しない。萌え業界のひとり山王工業とはこの私、古手梨花のこと!

 

いまひとつすっきりしない勝利だったとはいえ、前年度アニメ最萌の覇者たるこの私こそがもっとも勝利に貪欲ッ!

 

「圭一、お膝の上……いいですか?」

 

圭一がくわっと目を見開き、戦慄の表情を見せる。

 

こういうときの圭一はあまりにも素直に顔に出るので面白いのだ。

 

電流の流れる鉄骨を渡らされている妄想が圭一の中に展開しているのがわかる。その中で圭一はぼろぼろと涙を流しながら悟史や入江らと声を掛け合い、吹きすさぶ煩悩という名の風と戦っているのだ。

 

「圭一……?」

 

無邪気な顔で小首を傾げてみせると、圭一ははっとしてうなずいた。

 

「あ、ああ。いいよ」

 

「みー♪」

 

私はじゃぶじゃぶと湯の中を圭一のもとへ進み、圭一のむき出しの肩に両手をかけると、その膝の上へ小さな身体を押し上げる。

 

「え、ちょ、待……っ!?」

 

圭一がうわごとのように言うが間に合わない。私は圭一の膝の上に足を広げてちょこんと座り、その胸に自分の胸をぴったりと押し付けた。

 

……そう、私は膝の上としか言わなかった。普通に考えたら圭一に背中を預けてよりかかる、お子様そのものの体勢となるところだ。圭一が予測したのも当然それで、彼はそこまでなら耐えられると判断したからこそ私を受け入れた……だが!

 

私は身体を向かい合わせたままで膝の上に乗ってみせた。その抱き合うような姿勢、普段は身長差で遠くにある顔がすぐ目の前にあるという圧力。

 

「……ッッ!」

 

なんてことを、この悪魔めッ……という言葉を呑み込んだことが圭一の顔から窺える。

 

勝った……!

 

打ちとったぞ、前原圭一。これでもはや圭一争奪戦など微塵も必要ない、神楽舞第2部完ッ!

 

この古手梨花の……完全なる勝利を見よ!

 

「り、梨花ちゃん……」

 

目の前で圭一が唇を震わせながら、耐え切れないというようにゆっくりと両腕を私に回そうとしてくる。ふふふ、もはや無駄な抵抗だ、中学生男子本来の性急さでその欲望に押し流されてしまうがいい、前原、圭……いち……?

 

「み……」

 

ふわんと抱きしめられて、私の小さな身体が圭一の身体にさらに押し付けられる。圭一の肩に顎を乗せた状態なので彼の顔は見えないが、その震えと息遣い、壊れ物を扱うような優しさでありながらもがっちりと私をホールドして逃がさない絶妙な力のこめ方で彼の心境が読み取れてしまう。

 

そう、今度の妄想の舞台は風の吹きすさぶ荒野だ。

 

『見た目はどうみても幼女に欲情する毒虫が……貴様を、断罪するッ!』

 

『幼女が喧嘩を売った、俺が買った! だから押し倒す、徹底的になッ!』

 

理性と煩悩が相反する結論を出し、激突し続ける。

 

その混乱の渦中で喘ぎ溺れる圭一が、打ちのめされながらもいま達しつつある結論。

 

『まったくよ、この俺が迷うなんてな、笑っちまうよな悟史……社会道徳だとか、発育途上だとか、そんなこと考えてたんだぜ、この俺が!』

 

熱に浮かされた頭の中に形成されていく、愛情という名の免罪符。

 

『けどよ……そいつは逃げだ。ちっとも萌えに進んじゃいねぇ! あぁそうだ、こうと決めたら迷わねぇ! 梨花ちゃんも望んでるだろ? そうだよなぁ、さあ進むぜッ!』

 

……えぇと、あれ?

 

萌え狂え、と思ったのは確かだが、よく考えてみるとその先にあるものを私は想定していなかったことにようやく気づく。執拗な誘惑と挑発に理性の堰が打ち砕かれたそのとき、何が起きるのか……その答えは言うまでもなく、いま目前で膨れ上がっているではないか!?

 

『萌えろ……、萌えろ……。もっと萌えろォォォッ!!』

 

レナにお持ち帰りされるよりもよほど危険なその事態は、ここ百年の私にとって完全に未知の分野であり、いまさらそれに抵抗できる力など最初から持ち合わせていないことは明白。

 

「ひ……、け、圭一、あの!」

 

ぐいと身をそらせて圭一の顔を見た瞬間、ぞくりと身体を走り抜けるものがあった。

 

ま、ままま、マズイ。

 

こんな熱い目で見られたら、脳がストライキを起こしてしまう!

 

「ひぁ!?」

 

水着の肩紐を掴まれてずるりと胸の高さまでずり下ろされ、鎖骨が完全に露出する。

 

目の前の圭一が放つぎらぎらした眼光に身が竦んでしまう。

 

そのまま流されてしまいたいという破滅的な感情が芽生えつつあるのを感じながらも容赦なくそれから目を背け、私は毅然と声をあげた。

 

「いぃぃぃやぁぁぁぁっっ、お願い助けてやめて圭一ごめんなさい私が悪かったですぅぅっ!?」

 

ごめん、嘘ついた。

 

毅然とするどころか全泣きで悲鳴をあげていた。

 

「止まれるかよぉッ!」

 

圭一がぐわっと叫んでもがく私の身体を押さえつけ、私は反射的に目を閉じる。

 

自業自得、という言葉を脳に叩き込むしかない。

 

覚悟を決めた。

 

……と、唇にそっと優しい感触。それは一瞬で離れていった。

 

「!?」

 

なにが起きたのかわからずにぱっと目を開けると、圭一がにやりと笑っていた。

 

「今回は俺の勝ちだな、梨花ちゃん」

 

「……へ?」

 

泣き濡れた顔で呆然と見つめる。な、なにが圭一の勝ち……?

 

「ったく、もうすこしで本気で襲うところだったぜ」

 

……あ。

 

ようやく頭に浸透してくる圭一の言葉の意味。

 

圭一は誘惑に溺れたふりをして、私をからかったのだ。そうすることで私を懲らしめ、自分の招いた事態に怯え泣き叫ばせた。優位に立っているつもりが手玉にとられた。

 

その苦い事実を受け止めて、……同時に頭に染み渡るのは練乳をぶちまけたシュークリーム級に甘い渇きだった。この表現、羽入が喜びそうだ。

 

実際負けそうになったくせに、圭一は最後の最後で私を大切に思ってくれた。

 

身の丈も弁えない小娘が仕掛けた罠の代償は、柔らかなキスひとつだけ。拒絶でも軽蔑でも暴走でもなく、ただ愛情だけを返してくれたのだと気づいてしまったから。

 

負けた。

 

圭一のいうとおり、今回は完全に私の負け。

 

安心感と脱力感、そして……つい数分前までと比べれば数倍に膨れ上がってしまったなにかを胸の奥に感じながら頭を垂れる。圭一の肩に瞼を押し当てて、泣いた。

 

「うぅぅ……圭一のくせにぃ……」

 

そんな負け惜しみしか出てこない。生まれてたった13年かそこらの小僧に、この私が完璧に捕らえられてしまうとは情けない。

 

「ははっ、相変わらずひどい言い草だな」

 

可笑しそうに笑われても、悔しくない。ただ……うぅ、これ言わなきゃだめ?

 

ナレーションだからって、なんでもかんでも正直に言えばいいってもんじゃないと思うんだけど。語るべきこととそうでないことを取捨選択する権利があると思うのよ。

 

……わ、わかったわよ。言います、言うわよ。

 

ただ、……愛おしさだけが広がっていく。

 

昭和58年6月という名の無限迷宮の囚われ人だった古手梨花は、その迷宮から連れ出してくれそうな英雄を見つけてその手をとったというのに、それは新たな迷宮の主からの誘いだった。

 

これまでが本気でなかったとは言わないけれど、本気で圭一を好きになってしまった。

 

もう、だめだ。

 

昭和58年6月は彼や仲間たちと一緒に必ず打ち砕いてみせるけど、こちらはどう足掻いても脱出不可能。前原圭一という名の迷宮は、古手梨花の心を永遠に閉じ込めてしまった。

 

だって、囚われの姫君である私自身が……そこから逃れる気が一切失せてしまったのだから。

 

「……圭一?」

 

「ん?」

 

そしてそれを認めるのはとても恐ろしいことだった。

 

彼がこの世界からなんらかの形で失われたそのとき、古手梨花の心までも失われてしまいかねないのだから。

 

百年の旅路の中、何百という親しい人々の死を目の前で見届けてきた私にとってその日を想像するのはとても容易くて、そこいらの小娘のように永遠を信じられる感性はもはやどこにもありはしない。

 

でも……、と。まどろむように目を閉じる。

 

「だいすき」

 

ぽつり、と呟くように、魔法の鍵にリボンをかけて手渡してしまう。

 

彼がいつそれに気づくかはどうでもいいこと。私はこれからもかわらず彼をからかうだろうし、気が向けばいじめるかもしれない。

 

でも、きっと離れられない。

 

次に今日と同じことがあっても、悲鳴もあげずに受け容れてしまう予感がある。

 

それは古手梨花を手に入れた彼の権利であり、私の義務だ。

 

「お、珍しく素直じゃねぇか。……そいつも萌えだな!」

 

とぼけた笑顔で受け取った圭一は軽く笑いながら私を抱きしめて撫でてくれた。

 

……ほら。それだけでのぼせてしまいそうな私に気づかない。

 

最後に吐息をひとつ。

 

意識がとぶにまかせてしまった私を、いったい誰が責められる?

 

「……っていうか、なんで俺はまた肉体労働をしてるんだ?」

 

古手家専用の秘湯、オヤシロさまの隠し湯(いま名づけた)からの帰り道、私をお姫様だっこで抱えた圭一が不満げに言う。湯あたり(ではないのだが、彼はそう思っている)から回復してきちんと着替えも済ませ、あの崖の上から戻ってきたあとなのだから当然といえば当然の疑問だろう。

 

「みー♪ ボクを置いていっても構いませんのですよ、ひとりでこの裏山から生きて戻れるならですが」

 

「く、くそう……なんか俺、こんなんばっかりだな」

 

とほほ、とうなだれながら圭一の足は一歩一歩力強く私を運んでいく。

 

気づいているだろうか、彼はいま私を、まだ見ぬ未来へ運んでいるのだということを。

 

私はそれをすっかり信じきっているからこそ、子猫のようにリラックスして彼の腕の中でおとなしく微笑んでいられるのだということを。

 

くすくすと笑ってしまって、圭一が怪訝そうな目を私に向けてくる。

 

「今度はなんだよ?」

 

「ううん。祭具殿におさめる古文書、私が書くのも悪くないかなって思って。百年か二百年後にはちゃんと、ぼろぼろの古文書らしくなるでしょ」

 

「???……なにがなんだかわからんぞ」

 

いいアイディアだ。ついでに手書きの地図だって添えてやる。

 

古手神社祭具殿の古文書に曰く、その秘湯にオヤシロさまの司る縁結びの加護あり。

 

ひとたび未婚の男女がその湯をともにしたならば、その仲は未来永劫安泰間違いなし、子宝にも恵まれて実りある半生を送ることができるであろう。

 

しかし、もしもこの加護に背くことあらば主に男のみが祟られて悲惨な末路を迎えるであろう。普通は七代祟るところを増量サービスで十代祟るから覚悟しとけよコラ。

 

うむ、完璧だ。

 

なぁに、効果のほどはこの先の人生で私が証明してやるから嘘じゃない。

 

子々孫々、ありがたく受け継ぎなさい。苦情があれば墓の下で受け付けるわ。

 

圭一や羽入をからかうのに忙しくて、それどころじゃないかもしれないけどね?

 

 




きまぐれな子猫は箱の中

 大好きなあなたの夢を見ている

なきむしな子猫は夢の中

 大好きなあなたの腕に抱かれて

しあわせな子猫は腕の中

大好きなあなたが鍵に気づいてくれるまで

 

      Frederica Bernkastel.
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