直死の魔眼持ちとなんか英霊になってる奴のブルーアーカイブ 作:夜月詠
柴関ラーメンで分かれて数日。緑衣のアーチャーの宝具『
「まさか、何も分からないとは」
「資料一つ存在しないなんてね。……口伝か、それともクローズドの通信か」
情報を持ってそうなロボットを捕まえられたら、アヴェンジャーの構成要素の一人が持つハッキング技術を以て情報を抜き出せる。
が、ここまで厳重な管理をされているとなると情報を持つ
「……私は最強の傭兵。負けることは許されない。アヴェンジャー、
こうなればヤケだ。赤い外套のアーチャーでロボットを複製し、狂気の幻術師による幻術を施し、蒸気王によるプログラミングで細かな補正を行う。本物を拉致し、偽物と摩り替えてしまおう。
単に攫うだけだからバレるのだ。偽物を置いて行って誤魔化そう。
「分かったよ──え!? マスター! アビドスが襲撃されてる!」
「……チッ、何処の不良?」
カイザーに雇われた不良共は殲滅した筈だ。なら、今回の不良は新たに雇われた連中か。雑魚どもめ、私たちの仕事の邪魔をしてくれるとは。
「所属不明──いや、後方に
見慣れた召喚式が展開される。『英雄の集う場所』と云うあまりにもか細い縁を以て、世界各地の英霊を召喚するその術式の
我がサーヴァント、白紙の英雄アヴェンジャーが操るただ一つの魔術である。
顕現するは、ライダークラスが一騎、
「分かった。連中は面倒。応援に戻る。
──チッ、面倒だ。便利屋共による襲撃も、
おかげでマトモに英雄の名を呼べやしない。すべて、この世界の
学園都市キヴォトスと云う
私の存在なんて最たるもの。神秘が──神秘を火種に熾している魔力が尽きれば私は死ぬ。この世界から拒絶されて、虚無に消える。本当に、この世界は面倒だ。
「マスター、手を!」
ライダーの戦車に乗り込んだアヴェンジャーが差し出した手を、しっかりと握る。音を越える飛行速度に耐える為に、アヴェンジャーにしがみつく。
「ライダー! アビドスへ行ってくれ!」
──きゅう。
◇
どぉん、と腹の底まで響く轟音と共にアビドスの砂地に戦車が留まる。ライダーの宝具が一つ『
生徒共への直撃の寸前に掛けた急ブレーキで十二分に威力を殺す。直撃すれば
「──便利屋を、殺す──!」
別に八つ当たり等では無い。便利屋共のせいで、音速飛行で大変な目にあったからせめてボコボコのズタボロのボロ雑巾にしてやろう、とかそう云う訳では無い。無いったら無いのだ。
「う、うわぁあああ!!?」
「急に降ってきた奴が何か言い出したぞ!?」
「し、シキちゃんにアヴェンジャー!? どうして……っていうか、どうやって空から!?」
「便利屋ぁ! 陸八魔は何処だぁ!!」
陸八魔アル。アヴェンジャーにアウトローだダークな格好良さだ何だと言い寄る女狐。駄目悪魔。
今度こそ、今回こそ。二度とアヴェンジャーに言い寄る事のできない様にしてやる。
「!? な、何!? 誰、な、の──し、シキ!!?? なんで此処にいるよ──!!!」
第一、ポジションが被っているのだ。狙撃手兼指揮官なんて私とキャラクターがだだ被りだ。
「あ、アル様に向かって……! な、
粘着質な笑みを狂ったように零しながら突撃してくるゲヘナ生。奴の名は伊草ハルカ。陸八魔アルを信奉するキチガイだ。
異常な耐久性を盾にショットガンで突撃し続ける突撃兵。いつもの百花繚乱正式ライフル - 魔術礼装改良型では威力が足らず、一撃で意識を刈り取れない。故に。
「アヴェンジャー!」
「──霊基主権編制──!」
伊草ハルカに相対するはアヴェンジャー。霊基主権の切り替えによる、能力変動。表出するは魔女の息子たる魔術師。
「ぁ、な、あ、ヴェン、ジャー、様……」
気絶、或いは入眠を齎す簡単な呪詛だ。崩れ落ちた伊草ハルカに対し、ダメ押しの狙撃を行いつつ白眼を剥いたままの陸八魔に銃口を向ける。
「ちっ、アヴェンジャーまで。どうするの社長。シキとアヴェンジャーに加えて、アビドスまで相手するのは無理だけど」
「そーだよ、アルちゃん。アビドスの連中も予想以上に強かったし、そこにシキちゃんとアヴェンジャーはねぇ」
白黒髪の鬼形カヨコ、白髪チビの浅黄ムツキ。態々好き好んで便利屋68とか云う零細企業の所属を名乗る変人共だ。ゲヘナなそんな奴ばっかりだが、この連中も例に漏れていない。
「そ、そうね! て、撤──!」
「問答無用。死ね、陸八魔──!」
狙撃、狙撃、狙撃。次いでに狙撃。みぞおち、脳天、こめかみ、額に一発ずつ弾丸を叩き込んでやろうと引き金を引く。
チッ、奴め、勘が良いのか身体を動かして避けやがった。
「ちょっと! 私たち逃げようとしてるじゃない! なんで撃つのよ!?」
「アヴェンジャーに寄り付く悪い虫は全て狩る。アヴェンジャーは私のもの」
──
覚えている。ちょっと目を離した隙にあの女狐に言い寄られているアヴェンジャーと、目をキラキラさせる陸八魔の姿を。
「悪い虫!? "悪い"の所が一番掛かってるのは貴女の方──痛ぁ!?」
「逃げるな陸八魔! 大人しく投降して、そして私が処す!!」
「処すって言ってるじゃない!!!」
当然だろう。私たちに喧嘩を売ってきたのだ。服を剥いて校門に吊るした後、ゲヘナの風紀に──いや、
だから。
「陸八魔ぁ──! 待て──!」
逃げ足の速い連中め。
「……チッ」
いつの間にやら他の不良共も撤退し、後にはポカンとした表情のアビドス生と私たちだけが残された。
「……や、やぁ、アビドスの皆。応援に来たよ?」
沈黙を引き裂くように、アヴェンジャーが片手をあげてアビドス生の方へ振り向いた。
「えっと……お友達なんですか? あの子たち。シキちゃんがアレでしたけど」
友達な訳があるか。
「まぁ、そんな感じだね」
「違う。連中は敵。決して友達などでは無い」
困った、アヴェンジャーと見解の相違が発生してしまった。
ので、むむむむとアヴェンジャーに視線を送る。
「……ほら、シキこんなだから」
「なるほど! ツンデレ、という奴ですね☆」
私は決してツンデレなどでは無い。デレの様に丸い部分の無い、ツンの純度100%の、剣山みたいな人間だ。全身全霊で方々を刺しに行くクールな女。ツンデレなどと云うネタキャラでは無いのだ。
ウルズ狙いで回してたら虹回転からアーチャー通常セイントグラフが出てきました。許さんぞ陸八魔アル