直視の魔眼持ちとなんか英霊になってる奴のブルーアーカイブ 作:夜月詠
アヴェンジャー。英霊が持つ、復讐と云う
正義を冠した暗い焔。それが、私が呼び出した彼のクラス。
強大に過ぎる英霊は、現界に際しその能力を劣化させる。
クラスと云う金型に押し込める範疇でしか、その能力を発揮できない。英霊という上位存在を、人間は使役できないからだ。
サーヴァントと云う名の、英霊の劣化コピー。本来より大幅に劣化して尚、その能力は常人を凌駕する。
──いや、それどころか。ゲヘナ最強や、戦略兵器──キヴォトス最強格達ですらも。
「アヴェンジャー。何度でも、聞くけど。貴方は、何故、そのクラスなの?」
復讐者。応報する者。憎悪の炎を以て自分諸共焼き尽くす者。
私には、彼が業と恩讐を核にした存在とはとても思えない。彼は優しい人だ。絶対的な正義では無く、絶対的な悪でも無く。
ただ、ヒトとして正しく。善悪の、そのどちらにも偏りきらないヒト。中立にして善、と云うのが正しいのだろう。
「……適性自体はあるんだ。オレの、
そう言って、彼は何処か哀しく笑う。遠い昔、もう会えない人達との思い出を懐かしむ様に。遠い視線と、声色で。
「だから、此処にあるオレは、イレギュラーだ。
クラス:アルターエゴ、その特性。英霊の一側面を、一瞬の、一分の感情切り抜いて純化し、足りない数値を他の要素で補う
彼のクラスは『
かつて抱いた復讐心。それだけを切り抜いて、サーヴァントとして成立する様に数多の霊基を継ぎ接ぎしたパッチワーク・サーヴァント。
"彼"という個人には、復讐心しか無い筈なのに。それでも、彼は優しく振る舞う。私にも、誰にでも。殺し合いよりも話し合いを望む優しいヒト。
だから、きっと、復讐者足り得るのだろう。愛しているからこそ、憎悪する。憎む程に愛する。それはきっと、同じ事だから。
アヴェンジャーと云うクラスは、総じて愛情深いのだろう。
だって、そうで無ければ
正当な報復。復讐足り得るからこその
自分勝手な、それこそ独りよがりの復讐は、
──彼は、一体何の為に。誰の為に、憎悪の炎を灯したのか。
「英霊としてのオレそのものが、アルターエゴの
けど、今回はバグみたいなものだと思うんだ。生存を願うキミに応える為に、『自己回復(魔力)』を持ち込もうとした結果、アヴェンジャーとして現界した、っていう所かな。……まぁ、肝心の
それが必要無い位に魔力が潤沢なのは予想外だった、と彼は笑う。サーヴァントの存在を維持するのに、彼が戦う為に必要なエネルギーリソース"魔力"。
一般人なら、大した魔力量では無いだろう、と
「魔眼。この、忌まわしい眼のお陰で、貴方が在る。それは、嬉しい」
直死の眼。魔眼の中でも最上級の"虹"の魔眼とも呼ばれるそれ。それを保有しているお陰か、それとも生来の特性か、私の魔力量は凄まじく高かった。
燃費の悪さはA級サーヴァント並、と自称する彼と、彼が召喚した複数のサーヴァントを同時に運用できる程に潤沢な魔力のプール。
この眼が有って良かったと、そう思える数少ない利点の一つだ。
「……分かってると思うけど、その眼は人間には不可が高過ぎる。余り使わない様にね?」
その言葉に
「分かってる。頭痛は、懲り懲り」
魔眼殺し。魔眼の効果を抑え込む魔術礼装の一つ。
魔術礼装等を作成するスキル『道具作成』。その高ランク保有者、複数騎の協力によって作成されたものだ。単なる魔眼の無力化だけで無く、多種多様な魔術的防護効果が付与された最上級の品らしい。
「バロールさん、アヴェンジャーさん、報奨金の確認が終わりました。こちら、ご査収ください」
腕章を身に付けた、ヴァルキューレ警察学校の生徒が茶封筒を手渡してくる。普通は口座振り込みらしいのだが、これは私たちが無理を言って(キャスタークラスに暗示を掛けてもらって)、手渡しにして貰っている。だって、口座とか無いから。
「分かった。確認する……問題、無い。アヴェンジャー、お願い」
数ヶ月分の生活費にはなるだろう大金を確認して、アヴェンジャーに手渡して管理して貰う。非力な私より、彼に持っていて貰った方が安定する。
「それと、連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの"先生"から、一度話をしたい、と伝言を預かっています。強制ではありませんが、S.C.H.A.L.Eの持つ権限は強大です。一度、顔を出された方が宜しいかと」
「……S.C.H.A.L.E……"先生"の着任は、高々数時間前の筈。なのに、もう手が回っている……?」
連邦捜査部とやらの権限は強大らしいが、それにしたっておかしいだろう。幾らヴァルキューレが連邦生徒会の直轄だからと云って、この速さで根回しする、なんて早業にも程がある。
──おそろしく優秀な
が、意図が読めない。
所属不明の私や、アヴェンジャーを不審視したのか。はたまた、何か他の要因があるのか。
「噂にはなっていましたからね。このキヴォトスで唯一の……唯一だった、大人の男の人と、所属不明の賞金狩りのコンビは。恐らくは、その為かと。"先生"も、大人の男の人、という事ですしその辺り、何かあるのでは?」
まぁ、噂にはなる。機械でも獣でもない、
「……了解。連邦生徒会の、その肝入りに、睨まれたくは、無い。アヴェンジャー、これから、D.U.に移動する」
目標はS.C.H.A.L.E、そのオフィスに座す"先生"。
私の──私たちの生活を脅かす様であれば、キャスタークラスに頼んでの暗示や記憶処理も厭わないと、そう決めて。
ヴァルキューレの
『召喚術:E』
過去、或いは未来から霊体を喚起する魔術。
生前終ぞ自力での行使が叶わなかった魔術であり、その旅路の終を共にした▓▓▓▓▓▓▓の、ただ一つの魔術。
『純化されし片鱗(復讐者):EX』
アルターエゴ:アヴェンジャー。特殊スキル。
クラス:アルターエゴのクラス特性そのものであり、本来の英霊・▓▓▓▓/▓▓▓▓からカリカチュアして切り出された、復讐者としての側面の純化。復讐者の欠片を、他の要素で補強する事で強引に成立するアヴェンジャーの霊基。
第一宝具『▓▓の▓来たれり、▓は▓▓を▓▓もの』
種別:対界宝具 ランク:EX 最大捕捉:1〜72 レンジ:--
アルス・ノトリア。
▓▓▓▓▓▓▓▓、その再現。
▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓。
数多のサーヴァントを連続召喚する魔術宝具であり、固有結界に似て非なる大魔術。
数多の英霊を以て、ただ一つの敵を打倒する獣狩りの一種であり、マスター、英霊・▓▓▓▓/▓▓▓▓の意思に呼応して、その召喚数と規模は無尽蔵に増大する。