# 第一部設定集
※第一部終了時点の設定まとめです。
※第一部の内容に関するネタバレを含みます。
※第二部以降の重大な展開には触れていません。
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# 1. 登場人物紹介
## ライラ
禁忌の島で目覚めた少女。
年齢は十六歳前後。
気づけば、巨大な拠点と数多くのファミリア達と共に、この世界の「禁忌の島」へ来ていた。
外界から見れば、彼女は「禁忌の島の主人」と呼ばれる存在である。
しかしライラ本人に、支配者や魔王としての自覚はほとんどない。
ライラが望んでいるのは、世界征服でも人類滅亡でもなく、ファミリア達と穏やかに暮らすことだけである。
彼女にとって一番大切なのは、ファミリア達。
外の世界よりも、国家よりも、名誉よりも、自分のそばにいるファミリア達の無事を優先する。
普段は穏やかで、どこかのんびりした少女。
だが、ファミリア達が傷つけられれば、その優先順位は一切揺らがない。
王国調査団に対しても、ライラは敵としてではなく、リィナが連れてきた来客として接した。
食事を出し、休める場所を用意し、初めての来客がすぐ帰ってしまったことを本気で残念がっていた。
外界はまだ、彼女がどういう少女なのかを知らない。
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## リィナ・エルシア
ルミナリア聖教会アルヴェリア王国支部所属の聖女。
十九歳。
孤児出身ながら幼いころから努力して神学校へ通い、十七歳でルミナリア聖教会王都神学校を卒業。
卒業と同時に、例外的に「聖女」の称号を授与された。
通常、聖女とは、長年シスターとして地域や国に奉仕し、民衆からの信望と功績を認められた者に与えられる称号である。
神学校を卒業したばかりの少女に与えられるものではない。
しかしリィナは、在学中から複数の神聖術を開発・改良し、施療院や地方教会での奉仕実績も重ねていた。
そのため、教会は彼女を例外的に聖女として認めた。
リィナにとっての「聖女」は、信仰上の名誉であると同時に、神聖術研究者としての高度な実績を認められた称号でもある。
聖女であり、神聖術研究者であり、地方教会の監査役であり、王宮や学術院との連絡役でもある。
地方教会の視察・監査、施療院での神聖術指導、王国立学術院との共同研究、王宮への報告など、仕事の範囲は広い。
優しいが甘くはない。
困っている人には手を差し伸べるが、不正や怠慢は見逃さない。
禁忌の島へ漂着し、ライラに助けられたことで、彼女は王国と島を繋ぐ重要人物となった。
ライラやファミリア達を恐怖だけで語らないために、彼女は「ファミリア」という呼び方を提案した。
王国調査団の案内役となった際も、王国と島の衝突を避けるため、常に言葉を選び続けた。
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## オスカー・レーヴェン少将
アルヴェリア王国軍の将官。
王国調査団の責任者。
冷静で現実的な軍人。
未知の存在を前にしても、恐怖で判断を誤らない。
禁忌の島へ向かう調査団に対し、武器は携行しても抜くな、構えるな、命令なく攻撃するな、と厳命した。
この判断が、調査団とファミリア達の衝突を防ぐ大きな要因となった。
禁忌の島に上陸した後、シルヴィア、カイザー、野次馬のように集まるファミリア達を目の当たりにし、王国がこの島と敵対すべきではないと理解する。
宴会中、ライラへ世界征服や人類滅亡の意思があるかを確認した。
ライラは全く考えたことがなかったため困惑したが、レーヴェン少将はその反応を深読みし、王国を代表して忠誠を誓おうとした。
最終的にはリィナの仲裁により、忠誠ではなく、相互不可侵と礼節の問題として整理された。
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## ユリウス・ヴァインベルク教授
アルヴェリア王立学術院の教授。
禁忌海域の異変や、記録に存在しない「聖女の守護竜」について調べていた人物。
リィナの帰還と海域異変の関連に気づき、王国軍と共に禁忌の島調査へ関わる。
研究者として未知への好奇心が強い。
ただし、軽率に未知へ近づく人物ではない。
王国調査団では、ファミリア達の存在、ライラの拠点、島の資源や生態系に強い衝撃を受ける。
彼にとって禁忌の島は、既存の魔獣分類や地理知識では説明しきれない場所だった。
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## レオンハルト・アルヴェリア国王
アルヴェリア王国の国王。
王国調査団の報告を受け、禁忌の島の実在と、そこに「島の主人」がいることを世界へ発表する判断を下した。
ただし、ライラ本人やファミリア達の詳細は徹底的に伏せた。
ライラの名前、姿、年齢、性格、拠点、ファミリア達の規模や戦力、シルヴィアやカイザー、モサ達の存在などは、王国最重要機密として扱われる。
禁忌の島の存在を隠しきることはできない。
しかし詳細を公開すれば世界規模の混乱が起こる。
その両方を理解したうえで、王国は最低限の事実だけを発表した。
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# 2. ファミリア
## ファミリアとは
ライラと共に禁忌の島で暮らす存在達。
外界から見れば、魔獣、怪物、従魔、あるいは災厄の群れに見える。
だがライラにとって、彼らは戦力でも所有物でもなく、家族のように大切な存在である。
「ファミリア」という呼び方は、リィナが提案したもの。
ライラにとっては家族のような存在だが、外部者であるリィナ自身が「家族」と呼ぶのは違う。
だからこそ、恐怖だけで呼ばないための言葉として「ファミリア」が選ばれた。
第一部では、ライラとファミリア達がこの島で暮らしを整えていく様子が描かれる。
門が開かれた後、彼らはそれぞれの習性や好みに従い、拠点内外を自由に行き来するようになった。
全員が同じ生活リズムで動いているわけではない。
夜明け前から活動する子もいれば、夜になっても元気に外で遊ぶ子もいる。
外へ出る子もいれば、家の中の居心地のよい場所に残る子もいる。
彼らはライラの命令を待つだけの存在ではない。
採集し、運び、整理し、眠り、遊び、それぞれの役割や好みに従って生活している。
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## 主な分類
ファミリア達は大きく分けると、戦闘組、採集組、生活組・小型組、海棲組、ワイバーン達などがいる。
戦闘組は、拠点やファミリア達を守る力を持つ。
採集組は、木材、石、鉄、黒曜石、ベリー、海底資源などを集め、ライラ達の生活を支える。
生活組・小型組は、拠点内での暮らしを彩る存在。
海棲組は海に暮らし、禁忌海域を実質的に見張っている。
ワイバーン達は移動、護衛、見張りなど、さまざまな場面で存在感を示す。
戦闘組は基本的にサドルをつけている。
採集組、小型組、コレクション組は、サドルをつけるかどうか自由。
ワイバーンなど、一部のファミリアにはサドルがなく、サドルなしでも騎乗できる。
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## シルヴィア
ライトニングワイバーン。
見た目は美しく、恐ろしい飛竜。
しかし、ライラやリィナに対してはどこか威厳がない。
リィナに対しては、最初は距離があった。
だが、リィナがシルヴィアを名前で呼び、怖がりながらも拒絶しなかったことで、少しずつ距離が縮まっていった。
リィナの王国帰還時には、シルヴィアがリィナを背に乗せて王国まで送り届けた。
その結果、外界では「聖女の守護竜」「聖竜」と噂されることになる。
ただし、シルヴィアは宗教的な意味での聖竜ではない。
ライラのファミリアである。
王国調査団上陸時にも、シルヴィアはリィナを見つけて飛来した。
調査団からすれば恐るべき飛竜の出現だったが、本人はリィナが戻ってきて嬉しかっただけである。
こう見えてもファミリアのワイバーンたちのアルファ個体(リーダー・群れのボス)である
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## カイザー
ギガノトサウルス。
ライラの戦闘組の中でも圧倒的存在感を持つ個体。
普段は正門付近にいることが多い。
第十話では、ライラがカイザーを外へ連れ出し、生活圏調査を兼ねた散歩を行った。
このとき、ライラはカイザーに騎乗している。
王国調査団上陸時には、散歩中、あるいは騒ぎを聞いて現れた。
その圧倒的な存在感だけで、調査団は動けなくなる。
しかしカイザー本人に敵意があったわけではない。
知らない人間達がいる。
だが、その中にはリィナがいる。
リィナはライラが受け入れた人間。
だから、どう対応すればよいのか分からず立ち止まっていただけだった。
王国側からは、災厄のような巨獣が睨んでいるようにしか見えなかった。
この認識のズレが、禁忌の島と外界の関係を象徴している。
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## 主任
ギガントピテクス。
現在は、無口で何でもできる職人のような立ち位置。
倉庫整理や拠点内の作業を自然にこなしている。
ライラが細かく指示しなくても、素材の仕分けや在庫確認を行い、採集組の動きと連携している。
ただし、ライラの記憶では、昔は頼れる万能職人というより、マスコット的に扱われていた面もある。
おふざけで騎乗されていたり、専用のヘルメットを作ってペイントされていたりした。
現在の無口で器用な姿とのギャップも、主任というファミリアの特徴である。
噂では軍団をひそかに結成してるらしい
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## 採集組
ライラ達の生活を支える重要なファミリア達。
木材、石、鉄、黒曜石、ベリー、わら、繊維、海底資源、原油などを集める。
自力で採って持ち帰れる個体と、採取担当・運搬担当で協力する個体がいる。
自力採集型には、鉄を集めるマグマサウルス、木材を集めるマンモス、海底資源や原油を採るダンクルオステウス、木材・わら・ベリーなどを器用に集めるテリジノサウルスなどがいる。
協力採集型には、鉄や黒曜石を集めるアンキロ、石を集めるドエディクルス、木材を集めるカストロイデスなどの採取担当がいる。
それらを運ぶ役として、アルゲン、ケツァル、リニオグナタ、ワイバーンなどが協力する。
ライラにとって採集組は、素材を集めるための道具ではない。
毎日家を支えてくれる大切なファミリア達である。
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## 海棲組
海に暮らすファミリア達。(モササウルス エラスモサウルス バシロサウルス トゥソテウティス メガロドンなど)
モサ達を中心に、禁忌海域を実質的に見張っている。
王国調査船が禁忌海域へ入った際も、調査団には見えない場所からすでに感知していた。
ただし、船にはリィナがいた。
リィナはライラが受け入れ、シルヴィアが王国まで送り届けた人間である。
そのため、海棲組やワイバーン達は即座に攻撃せず、警戒しながら通過を許した。
王国側から見れば、何事もなく禁忌海域を進めたように見える。
だが実際には、最初から見られていた。
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# 3. 地理関係
## 禁忌の島/アポカリプス
外界では古くから「禁忌の島」として伝承されていた島。
古い呼び名として「アポカリプス」とも呼ばれる。
王国沿岸地方、他国の小さな漁村、ルミナリア聖教会の記録などに、断片的な伝承が残っている。
教会記録では、神の光が届かぬ島、祈りが帰ってこない海、災厄が眠る場所として語られていた。
沿岸地方では、あの海域へ近づくな、霧が出たら帆を畳め、海が静かすぎる日は危ない、という漁師達の戒めとして残っている。
他国の小さな漁村では、船を食う島、大きすぎる影が海の下を通る場所、といった怪談のような形で伝わっている。
第一部終盤、王国調査団によってその実在が確認された。
王国は全世界へ、禁忌の島の実在と、そこに島の主人がいることを発表する。
ただし、ライラ本人やファミリア達の詳細は王国最重要機密として伏せられている。
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## ライラの拠点/家
ライラとファミリア達が暮らす大きな拠点。
元は西洋の城のように作られていたが、増築を重ねた結果、城というより大きな屋敷のようになっている。
工業・ストレージ区画と、ファミリア達の居住区に分かれている。
当初は工業区域を中心に作られていたが、ファミリア達が増えるたびに居住区が拡張されていった。
現在は、ファミリア達の居住区の比率がかなり大きい。
ライラが目覚めるまで、ファミリア達は拠点外を自由に歩き回っていたわけではない。
それぞれ与えられた部屋や区画で、座る、寝る、隣の子と遊ぶなど、自然に過ごしていた。
ライラにとってここは、外界が想像する魔王城ではない。
ファミリア達と暮らす家である。
TEK設備は家の奥、または地下に隔離されている。
理由は、拠点の温かい生活感とあまり合わないこと、使わなくても生活水準が十分に高いこと、そして単純に設置場所が遠くて面倒だからである。
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## セイレム沿岸地方
アルヴェリア王国の沿岸地方。
禁忌の島に関する伝承が、漁師や沿岸住民の間に古くから残っている地域。
あの海域には近づくな、海が静かすぎる日は危ない、帰ってこない船がある、といった戒めが語られている。
リィナが漂流する前後から、この海域では複数の異変が確認される。
大型海棲魔獣が何者かに食われた死骸として打ち上がる。
それまで後を絶たなかった漁船の行方不明が、ある時期を境に減る。
この異変が、王国立学術院と王国軍を動かすきっかけの一つとなった。
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## セイレム港
アルヴェリア王国の主要港の一つ。
王国調査団は、この港から禁忌海域へ向けて出航した。
調査団の出航は大艦隊ではなく、あくまで調査目的だった。
ただし、通常の航海よりも明らかに厳重であり、王国軍、学術院、教会支部、船員達が関わる合同調査となった。
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## アルヴェリア王国
リィナが所属するルミナリア聖教会アルヴェリア王国支部のある国。
信仰を尊重しつつも、政治判断では記録、調査、軍事評価、現実的な判断を重んじる王国。
禁忌の島についても、伝承として片づけるのではなく、海域異変、リィナの帰還、目撃証言、大型魔獣の死骸、漁船消失の減少などをもとに調査団を派遣した。
王国は、禁忌の島と敵対するのではなく、まず事実を確認しようとした。
調査団の帰還後は、禁忌の島の実在と島の主人の存在のみを世界へ発表し、詳細は最重要機密として伏せた。
この現実的な判断により、王国は第一部時点で禁忌の島との初期衝突を避けることに成功している。
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## 王都アルヴェリア
アルヴェリア王国の王都。
王宮、王国軍本部、アルヴェリア王立学術院、ルミナリア聖教会アルヴェリア王国支部、王都中央施療院などが存在する。
政治、学術、信仰、施療が集まる都市であり、リィナの主な活動拠点でもある。
リィナは王国支部での実務、王都中央施療院での指導、アルヴェリア王立学術院での共同研究、王宮への報告など、複数の役割をこなしていた。
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## アルヴェリア王立学術院
アルヴェリア王国の学術機関。
魔法、神聖術、魔獣生態、歴史、地理、地脈、古文書など、幅広い分野を扱う。
リィナは神聖術研究者として、この学術院と共同研究を行っていた。
彼女は聖女であると同時に、学術院の研究者達と対等に議論できる人物でもある。
禁忌海域の異変や「聖女の守護竜」に関する調査にも関わり、ヴァインベルク教授はその中心人物の一人となった。
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## ルミナリア聖教会
この世界の大きな宗教組織。
リィナは、ルミナリア聖教会アルヴェリア王国大司教区に所属している。
神聖術は魔法の一ジャンルであり、回復魔法も含まれる。
ルミナリア聖教会に限らず、他宗教由来の術も広義には神聖術と呼ばれる。
聖女は通常、長年の奉仕と功績を認められた者に与えられる称号。
リィナは十七歳で神学校を卒業すると同時に、例外的にその称号を授与された。
ルミナリア聖教会アルヴェリア王国支部は、王国の信仰や施療に深く関わっている。
ただし、アルヴェリア王国は法国のような宗教国家ではなく、国政は王宮が主導している。
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## 聖ルミナリア法国
ルミナリア聖教会の総本山に近い宗教国家。
第一部では本格的には動いていないが、王国やリィナとは価値観の違いがある。
リィナは王宮に近く、神聖術を理論化し、地方教会の不正や怠慢を記録から見抜く聖女である。
また、王国式や法国式だけでなく、他流派や他宗教由来の神聖術にも理解がある。
そのため、法国や保守的な教会関係者からは、すでに煙たがられている。
第一部時点では、まだ表立った対立には至っていない。
しかし、禁忌の島の発表によって、今後の火種となる可能性を持つ。
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# 4. 第一部終了時点の状況
第一部の終盤、王国調査団は禁忌の島へ到達した。
調査団は、シルヴィア、カイザー、野次馬のように集まるファミリア達、そしてライラ本人と接触する。
ライラは彼らを敵ではなく、リィナが連れてきた来客として扱った。
調査団はライラから食事を振る舞われ、倉庫に残っていたビールも出された。
このビールはこの世界にも存在する酒と同じ種類ではあったが、味は段違いに良く、将官と教授以外の調査団メンバーから非常に好評だった。
しかし、レーヴェン少将とヴァインベルク教授は警戒を解かなかった。
軍人達は、ファミリア達の存在と規模を見て、この島にいるライラのファミリア達だけで、王国どころか世界中の国家を滅ぼし得る戦力だと理解する。
研究者達は、未知の生態系、生活圏、資源、ライラとファミリア達の関係に衝撃を受ける。
宴会の最中、レーヴェン少将はライラへ世界征服や人類滅亡への意思を確認した。
ライラは全く考えたことがなかったため困惑する。
その反応をレーヴェン少将は深読みし、一度は王国を代表して忠誠を誓おうとした。
リィナが間に入り、誤解はなんとか解けた。
必要なのは忠誠ではなく、相互不可侵と礼節。
ライラの家を侵さないこと。
ファミリア達を傷つけないこと。
王国側が不用意な敵意を向けないこと。
これが、王国と禁忌の島の最初の関係の基礎となった。
調査団は長居せず、すぐに王国へ帰還した。
一刻も早く国王へ報告する必要があったためである。
ライラは、初めての来客がすぐ帰ってしまったことを本気で残念がっていた。
その後、王国は全世界へ次の事実を発表する。
禁忌の島は実在する。
そこには、明確な意思を持つ主人がいる。
王国はすでにその存在と接触しており、現時点で王国への敵対意思は確認されていない。
ただし当該海域は極めて危険であり、許可なき接近を禁じる。
一方で、以下の情報は徹底的に伏せられた。
ライラの名前。
ライラの姿。
ライラの年齢。
ライラの性格。
ファミリア達の詳細。
ファミリア達の規模。
ライラの拠点。
戦力規模。
リィナとの詳しい関係。
ライラがただファミリア達とのんびり暮らしたいだけであること。
世界は、禁忌の島の実在を知った。
そして、そこに主人がいることを知った。
しかし、その主人が何を望み、何を大切にしているのかを、世界はまだ知らない。
# あとがき
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
これにて、第一部終了時点での設定集となります。
第一部は、ライラが禁忌の島で目覚め、ファミリア達と共に暮らしを整え、その家が外の世界に見つかるまでの物語でした。
ライラにとっては、ただファミリア達と暮らすための家。
けれど外界にとっては、古くから恐れられてきた禁忌の島。
第一部の最後で、王国は禁忌の島の実在と、そこに主人がいることを世界へ発表しました。
ただし、ライラ本人のことも、ファミリア達のことも、島の本当の姿も、まだ世界にはほとんど知られていません。
次回からは第二部に入ります。
第二部では、王国の発表を受けて、外の世界が禁忌の島をどう受け止めるのかが描かれていきます。
王国、教会、法国、そして各国。
それぞれが別々の思惑で、まだ名前も姿も知らない「島の主人」を見ようとし始めます。
ライラ本人は相変わらず、ファミリア達とのんびり暮らしたいだけです。
ですが、外の世界がそれをそのまま受け取ってくれるとは限りません。
ここから物語は、ライラの家の中だけではなく、外の世界へも少しずつ広がっていきます。
第二部も引き続きよろしくお願いします。
私事ですがarkのキャラクターデータが吹き飛びました。